プロ翻訳者の単語帳

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I’ve had it.

      2017/12/08

もうたくさんだ。 

“I have had it.” の略。
このフレーズでは、縮約形 “I’ve” が一般的。

「もううんざり」と吐き捨てる感じで言う。

自分なりに堪えているのに、うまくいかず、
頭をかきむしるような限界状態。

これ以上、続けるわけにはいかない
<3語ワンセット>の自他向け宣言。

日本語の「もうたくさん」「もう十分」
と同程度のニュアンスなので、下品さはない。
老若男女を問わず使われている。

ただし、場面や言い方によっては、かなり
無責任で自暴自棄な捨て詞に聞こえる。
そのため、状況をわきまえて用いる
気遣いは必要だろう(特に仕事中)。

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◆ “I’ve had it” = “I have had it”
なので、基本英単語のみで構成されている。

一見簡単。
だが、英文法の基礎ができていなければ、
理解は容易でない。

“had” は “have” の過去・過去分詞形
であり、”have” には動詞と助動詞がある。
いわば、”have” が2つ連続しているようなもの。

日本の中学課程で学ぶ<時制>である。
自力で判別できるだろうか。

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◆ 最初の “have” は、完了形を示す助動詞
動詞の過去分詞形を伴い、
完了形(過去完了・仮定法過去完了)を作る。
ここでは、過去完了形である。

続く “had” は、動詞
動詞 “have” の過去分詞形
先の下線部に該当する。

すなわち、助動詞 “have” の伴う
「動詞の過去分詞形」とは、
他動詞 “have” の過去分詞形 “had”を指す。

have(助動詞)+had(他動詞 “have” の過去分詞形)。

“had” の原形である他動詞 “have” は、
ここでは「(苦しみを)経験する」の意。
その “have” の過去分詞形が、この “had”。

◆ <時制>は、日本人学習者にとって、
最大級の鬼門。

「完了形」など、
日本語には存在しない概念に近い。

現在完了形を普通に和訳すると、
「過去形」と違わなかったりする。

英語ネイティブであっても、本来の
「完了形」の代わりに、シンプルな「過去形」
で口頭表現することは少なくない。

日本人なら苦手で当然なのだ。

英語の<時制>の一部は、日本語にそぐわない。

そのため、基本をしっかり学んだ後は、
文法の教科書から早めに離れ
ひたすら
英文を多読して慣れてしまう方が早い。

あとは、必要に応じて教科書で再確認する。

日本語に存在しない文法は、
原文で慣れるのがベスト

私もこうして学んだ。ーー
ーー

※ <時制>復習のためのお勧めサイト ↓
【永久保存版】12種類の英語の時制を徹底解説

◆ 代名詞 “it” は総称的で、一般的に訳出しない。
具体的な何かを指すというより、
もっと漠然とした感じ。

“I’ve had it.” では、発言者たる “I” を
<うんざりさせた全体的な状態>
を示している。

その正体は、本人もはっきり把握して
いなかったりする。日本語でも同様だろう。

<総称的な “it” 例> ※ 普通は訳出しない

“He’s been so annoying. I’ve had it.
(彼はずっとうざくて。もうたくさんよ。)

“My mom keeps tabs on me.
I’ve had it.
(母に監視されていて、もううんざり。)

“She punched my face today.
I’ve had it.
(今日、彼女に顔を殴られた。もうたくさんだ。)

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【類似表現】
“I’m fed up.”
http://mickeyweb.info/archives/587
(うんざりした。)

“Sick and tired of – ”
http://mickeyweb.info/archives/713
(~にうんざりだ。)

“disgusting” ※ 非常に強い不快
http://mickeyweb.info/archives/9425
(非常に不愉快な、うんざりさせる)

 

 

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