ゆとり・余裕、一息つく時間
直訳は、
breathing room「息をする部屋」。
breathing space「息をする空間」。
加えて、
breathing spell「息をする時間」。
3つとも、主要辞書では同義扱いされている。
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◆ 文字通り「息をする〜」の意味もあるが、
「ゆとり」の方が一般的。
“breathing room” =
Enough room to move or breathe
easily and comfortably in.
(ロングマン、LDOCE6)
時間的余裕(一息つく時間)
精神的余裕(リラックスする自由)
どちらを指すかは文脈次第だが、
両方含むことも多い。
それは使用場面を考えれば分かるだろう。
<典型使用場面>
【要求】”Give me more breathing room.”
(もっと余裕をください。)(もっと時間をください。)
【改善】”Give them some breathing room.”
(もっとゆとりを与えよう。)(もっと時間を与えよう。)
【ぼやき】”I have no breathing room for exams.”
(試験対策する余裕がない。)(試験対策する時間がない。)
「息させて」「息させよう」
例えとはいえ、大胆な発想である。
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◆ “breathing” には、名詞と形容詞がある。
– 名詞「呼吸」「休息」
– 形容詞「呼吸している」
ここでは名詞で、直訳は冒頭のとおり。
「呼吸」なら不可算名詞だが、
「休息」では “a” がつくのが通例。
“breathing room” “breathing space” は、
可算名詞かつ不可算名詞。
– ロングマン
→ 不可算名詞
– オックスフォード
→ “breathing space” は、可算名詞、不可算名詞
こうして論が分かれるものの、インターネットで
幾多の実例を検索した結果、いずれもありうる。
つまり、不定冠詞 “a” がつく場合とつかない場合がある。
もっとも、要求や改善の場面で用いることが多く、
比較級の形容詞 “some” を伴うことも多いため、
“a” の出番は少ないようだ。
【例文】
“We should give the manager some extra
breathing room after this project.”
(このプロジェクトが終わったら、
マネージャーにいくらか羽根を伸ばさせよう。)
※ “some” なので、冠詞 “a” はつかない。
“I will need a breathing space after the exams.”
(試験が終わったら、一休みしないと。)
“He should give himself some breathing space.”
(彼はもっと余裕をもつ方がよい。)
【関連表現】
“take up space”
https://mickeyweb.info/archives/21264
(空間を占める → 場所を取る)
“She is taking up too much space.”
(彼女はうざい。)
※ ここでの “space” は物理的なスペースでなく、
“breathing space” の方