うっかりして忘れました。ど忘れしました。
“slip” は、自動詞「滑る」に加えて、
他動詞「消え去る」という意味がある。
直訳は「私の頭(my mind)から消え去りました」。
「言い訳」しなくてはならない時は、
“I forgot.”(忘れました)よりは、一般的に、
“It slipped my mind.” の方が受け手の心証がよい。
なぜなら、後者の方が「悪気がなく、うっかりと」
という意味が込められているからである。
“I forgot.”は、単純に「忘れた」ことを伝えているだけ。
ぴしゃりと言い放つと、がさつで無頓着な感じが出る。
その無責任さ、だらしがなさは相手を怒らす。
ビジネスでは、言い訳無用の場面も多い。
それでも相手は人間。
「ついうっかりして忘れました」と「忘れました」では、
受ける印象が違っても不思議でない。
<相違点>
“I forget.” 忘れて、今も思い出せない。
“I forgot.” 忘れて、今は思い出した。
“It slipped my mind.” うっかり忘れて、今は思い出した。
【関連表現】
“Inadvertently”
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