~の開始、~の到来、~の発病
<試練の到来>を告げる時に用いるフレーズ。
具体的には、病気と苦しみ。
「~の到来」と同様、日常会話には少々堅い。
文面中心で使われる。
◆ 一方で、ある種の転句として、話の観点に
大きな変更をもたらす効果がある。
平穏を乱し、別境を開く感じのフレーズ。
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◆ “onset” は、名詞のみの単語。
「単数名詞」(OALD)とされる。
※ 「単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞。
英英辞書では “S” または “sing” と略記される。
“onset” =
the beginning of something,
especially something unpleasant.
(オックスフォード、OALD9)※ 下線は引用者
OALDにある通り、喜ばしくないこと
の到来を示す時に用いるのが一般的。
◆ 成り立ちは、”set on”(攻撃する)を入れ替えた
ものであるため、ネガティブイメージは語源
から来ている。
「とうとう来てしまった」と残念で厳しい現実
を突きつける。
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“the” をつけた “the onset of – ”
が頻出表現。
◆ 冒頭の通り、病気と苦しみの描写を中心とする。
パターンがはっきりしているので、
例文で覚えるとよい。
これらのパターンを覚えておけば、
自ら使う際にも便利。
<病気>
“She suffered a lot after the onset of cancer.”
(がんの発病後、彼女は非常に苦しんだ。)
“This medicine prevents the onset of depression.”
(この薬はうつ病の発病を防ぐ。)
“The onset of pain really bothered me.”
(痛みに襲われ、本当に困ってしまった。)
“It triggered the onset of a cold.”
(それがかぜを引くきっかけとなった。)
<苦しみ>
“With the onset of the war, we had to evacuate.”
(戦争が始まり、私たちは避難しなければならなかった。)
“She began to act out with the onset of puberty.”
(思春期が始めると、彼女は態度に出し始めた。)
“I got the job before the onset of the recession.”
(今度の景気後退が始まる前に、この仕事に就いた。)
“He was at peace with the onset of old age.”
(老後を迎えても、彼は心穏やかであった。)
(彼は老いをしっかり受け入れている。)
◆ 例文の通り、 “onset of” は試練中心に使われるが、
ごく中立的な文脈で使っても不自然とは言えない。
– “the onset of evening”(夕暮れ時)
– “the onset of sleep”(寝入りばな)
– “the onset of the twenty first century”
(21世紀の到来)