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Act out

      2025/02/04

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 4 minutes

態度に出す

子ども  ( 幼稚園児 ~ 10歳代くらい )  の反抗的な
言動や、 社会人の問題行動を表す時によく出てくる。

■  句動詞  ” act out ”  の大意は2つ

(1) 役を演じる、 実演する
(2) 態度に出す


(1) は、 見せ場で演じること。

すなわち、 演劇や実物宣伝などで、
期待された役  をこなすこと。

または、 普通に 「 行動を起こす 」 ことも、 ” act out “。

いずれも文字通りで、 特にひねりはない。

(2)は、 感情的に態度で示す こと。

この場合、 怒りを伴う  ネガティブ感情  が中心。

自制できずかんしゃくを起こす  感じ。

周囲に  期待された行為でない  点で、(1)と大きく異なる。


act out

2. to express your feelings about
something through 
your behavior or
actions, especially when you have 
been
feeling angry or nervous.

( ロングマン、LDOCE6 )

【発音】   ˌækt ˈaʊ̯t

※  下線は引用者


(1) は字面通りなので、 本稿では(2)を取り上げる。

◆ ” act ” には、 名詞・自動詞・他動詞がある。

【発音】  ǽkt  (1音節)

基本的かつ頻出で、 多義である。

語源は、 ラテン語「 行う 」( agere )。

基本的意味は、
–  名詞  「 行為 」 「 法令 」 「 演技 」
–  自動詞  「 行動する 」 「 務める 」 「 演じる 」
–  他動詞  「 演じる 」 「 装う 」

ここでは、 自動詞 「 行動する 」。

◆ “ out ” は、 副詞・形容詞・前置詞・名詞
・他動詞・自動詞と非常に多義。

【発音】  áut (1音節)

語源は、 古英語 「 外へ 」( ūt )。

ここでも、 副詞 「 外へ 」。

と同じ用法である。

【参照】   句動詞の副詞  “ out ” 30例 

 

よって、 ” act out ”  の直訳は 「 外へ行動する 」。

転じて、「 外に向かって、 感情を出す 」。

だから、「 態度を出す 」。

 

◆  出す感情を明記する時としない時の両方ともありうる。

  • “She often acts out her distress.”
    (彼女は悩みをしょっちゅう態度で示す。)
  • “His wild instinct is ready to act out.”
    (彼の野生本能がいつ目覚めてもおかしくない。)
  • “He is talented but he often acts out.”
    (彼は才能はあるが、かんしゃくを起こしがち。)
  • “She began to act out with the onset of puberty.”
    (思春期が始めると、彼女は態度に出し始めた。)
  • “Lisa started to act out to numb the pain of losing her father.”
    (リサは父親を失った痛みを麻痺させるため、態度に出し始めた。)


またか …

 

◆  ” act out ” は、 心理学用語 でもある。

抑圧された感情 > を外に出すことで、
心の傷 >  などに対処する。

例えば、 毒親 への抑圧 ( repressed ) された憎しみを、
主治医に 投影 project ) し
その 医者に向かって 怒ることを、 ” act out ”  と表現する。

  • “She acted out her traumas by talking with her doctor.”
    (彼女は主治医に話すことで、トラウマを表出した。)

 

◆  教育分野では、 学習者の理解度を確認する 「 動作法 」。



英語教育用語辞典 第3版 』  pp. 10-11.

白畑知彦 (著)、冨田祐一 (著)、村野井仁 (著)、若林茂則 (著)
大修館書店
2019年刊、 四六判、 386頁

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天>


上記の第3版に加えて、 初版( 1999年刊 )、改訂版( 2009年刊)

の全冊自炊・OCR済み  → 『 辞書の「自炊」と辞書アプリ 』 ( 写真入り )

 

 

◆  ” act out ” は、 日常でも用いる。

冒頭に記したとおり、 子どもや社会人
の問題行動を表す際の典型表現。

心理学用語でもあることから分かるように、
知的ですっきりした言い回し である。

◇  手に余る者の言動を他者に説明する上で、
下品にならずに済む。

そのため、

◇  監督責任が問われる、 親・先生・上司
に好んで使われる印象がある。


「 部下の態度がひどくて 」 と言いたければ、

  • “My subordinate acts out so often.”
  • “My subordinates act out so often.”
    (かんしゃく起こしてばかり。)

    【発音】  səbɔ́ːdinit  (1音節)
    【音節】  sub-or-di-nate  (4音節)

まず、 あらましをシンプルに伝える。

さらに聞かれれば、 具体例を出す。

最初から悪事をぶちまけると、 監督者の素質を疑われかねない。

子ども・生徒・部下の問題行動には、
それなりの理由があることが多いからである。

背景 を考察せずに、 ” act out ”  を責めても、
問題は改善しないだろう。

 

勇気を出して、徹底的に話し合う ことは、

双方にとって無駄にならない  はず。

たとえ、 話が平行線のまま終わったとしても、

時間をかけて、 お互い向き合う姿勢と心意気が、

  その後の風向きを変えることは珍しくない。


まっすぐ向き合った事実は心に残る。 

完全に無視されたといった、 しつこく忘れない恨みは生みにくい。

 

【類似表現】

【注意】

  • ” He is acting out of character.”
    ( 彼は 柄にもない 振る舞いをしている。)

    副詞 ” out ” が結合してできる表現は、” act out ”
    ではなく、” out of character “( 柄にもない )。

    まとまりに線を引くとこうなる。
    正) ” He is acting  out of character. ”
    誤) ” He is  acting out  of character. “

 

 

 

 

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