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On the horizon

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兆しが見える、近い将来に 

きざし【兆し】

物事の起ころうとする前ぶれ

(広辞苑 第六版)

“horizon” とは、「水平線」及び「地平線」。
海(→ 水平線)や平原(→ 地平線)が
空と接する境目の線を指す。

特に、地平線は<日の出>を示す役割がある。
物事の前ぶれである<兆候>を象徴する上で、
視覚的にも分かりやすい。

“horizon” は、可算名詞のみの単語。
語源は、ギリシア語「境界線」(horos)。

 

(1)  基本的意味は、「地平線」「水平線」
どちらも1本(唯一)でつながっているため、
冠詞は “the” が通例。

この用法の場合、「単数名詞」扱いする辞書が多い。
※「単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞
英英辞書では “S” または “sing” と略記されたりする。

 

(2)  さらに、「視野」「展望」「限界」。
こちらは複数形(horizons)が一般的である。

(1) も (2) も、語源「境界線」からイメージできる。
上述の通り、<まだ見えない未来>を示唆するため、
“horizon” にはポジティブイメージが豊富。

春秋に富むような勢いが<幸先よし>とされる。

そのため、企業、プロジェクト、グループ、
教科書などの名称に起用されたりする。

◆ 接触の前置詞 “on”(~に接して)に
定冠詞 “the” をつけて、
(1) は「地平線(水平線)に接して」。

転じて、副詞的な「兆しが見える」「近い将来に」
を意味するようになった。

“on the horizon” の “horizon” が複数形でない
ことからも分かるように、(2) ではなく、直接
(1)「地平線」「水平線」 から派生したもの。

もっとも、どちらも語源を引き継ぐので、
区別に神経質になりすぎなくてもよい。

◆ “on the horizon” は、「地平線上に」「水平線上に」。

ひいては「兆しが見える」「近い将来に」。

一般のビジネスでは、「地平線」「水平線」
が出番は少ない。

したがって、「兆しが見える」「近い将来に」
が中心となる。

<近いうちに、何かがやってくる>
そんな気配をうまく表現している。

来たる変化を目前にした当事者の期待と不安。
ワクワクとドキドキの入り混ざった気持ち
が想像できよう。

変化の早い世の中では、どちらに転ぶか
未知数である場合が多い。

そのせいか、ビジネス用途では、
暗雲低迷の状況を暗示するのに多用される。

“horizon” 単体とは異なり、ポジティブイメージ
に限らない。

 

 

【類似表現】

“foreseeable future”
https://mickeyweb.info/archives/8343
(近い将来)

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