On the horizon
2020/01/05
兆しが見える、近い将来に
きざし【兆し】
物事の起ころうとする前ぶれ
(広辞苑 第六版)
“horizon” とは、「水平線」及び「地平線」。
海(→ 水平線)や平原(→ 地平線)が
空と接する境目の線を指す。
特に、地平線は<日の出>を示す役割がある。
物事の前ぶれである<兆候>を象徴する上で、
視覚的にも分かりやすい。
“horizon” は、可算名詞のみの単語。
語源は、ギリシア語「境界線」(horos)。
(1) 基本的意味は、「地平線」「水平線」。
どちらも1本(唯一)でつながっているため、
冠詞は “the” が通例。
この用法の場合、「単数名詞」扱いする辞書が多い。
※「単数名詞」(singular noun)とは、
単数形で使われるのが一般的な名詞。
英英辞書では “S” または “sing” と略記されたりする。
(2) さらに、「視野」「展望」「限界」。
こちらは複数形(horizons)が一般的である。
- “Studying abroad expanded my horizons.”
(留学で視野が広がった。)
– - “I want to travel overseas to broad my horizons.”
(海外旅行に行き、視野を広げたい。)
–
- “My education widened my horizons.”
(教育は私の視野を広げてくれた。)
(1) も (2) も、語源「境界線」からイメージできる。
上述の通り、<まだ見えない未来>を示唆するため、
“horizon” にはポジティブイメージが豊富。
春秋に富むような勢いが<幸先よし>とされる。
そのため、企業、プロジェクト、グループ、
教科書などの名称に起用されたりする。
◆ 接触の前置詞 “on”(~に接して)に
定冠詞 “the” をつけて、
(1) は「地平線(水平線)に接して」。
転じて、副詞的な「兆しが見える」「近い将来に」
を意味するようになった。
“on the horizon” の “horizon” が複数形でない
ことからも分かるように、(2) ではなく、直接
(1)「地平線」「水平線」 から派生したもの。
もっとも、どちらも語源を引き継ぐので、
区別に神経質になりすぎなくてもよい。
◆ “on the horizon” は、「地平線上に」「水平線上に」。
ひいては「兆しが見える」「近い将来に」。
一般のビジネスでは、「地平線」「水平線」
が出番は少ない。
したがって、「兆しが見える」「近い将来に」
が中心となる。
<近いうちに、何かがやってくる>
そんな気配をうまく表現している。
来たる変化を目前にした当事者の期待と不安。
ワクワクとドキドキの入り混ざった気持ち
が想像できよう。
変化の早い世の中では、どちらに転ぶか
未知数である場合が多い。
そのせいか、ビジネス用途では、
暗雲低迷の状況を暗示するのに多用される。
“horizon” 単体とは異なり、ポジティブイメージ
に限らない。
- “There are a lot of problems on the horizon.”
(たくさんの問題が起こりかかっている。)
– - “There is no sign of improvement on the horizon.”
(改善の兆しは見られない。)
– - “I can see a big trouble on the horizon.”
(大きなトラブルの兆候が見えるわ。)
– - “With machine translation on the horizon,
do I need to change my career ? ”
(近い将来に機械翻訳がやってくるので、
キャリアを変えた方がよいかな。)
–
- “There’s no job on the horizon.”
(当分、仕事は見つからない。)
– - “I believe a major breakthrough is on the horizon.”
(近い将来、大成功がやってくると信じています。)
【類似表現】
“foreseeable future”
https://mickeyweb.info/archives/8343
(近い将来)