間違いなく
“without a doubt” とも言う。
名詞 “doubt” が、可算名詞と
不可算名詞を兼ねるためである(後述)。
直訳は「疑いなく」。
より身近な言い回しに換言して、
「間違いなく」。
これらの日本語同様、自分の意見の正当性
を強調するための表現である。
特に強調する際は、文頭に置くことが多い。
文中・文末にも使えるので、自由で便利な
フレーズである(例文参照)。
◆ 構成はシンプルで、直訳のままに近い。
- 前置詞 “without“(~なしに)
- 名詞 “doubt“(疑い)
「疑いなしに」→ 「疑いなく」→「間違いなく」
“without doubt”
used to emphasize an opinion.
(ロングマン、LDOCE6)
◆ “without” には、前置詞・副詞・名詞・接続詞がある。
前置詞 “with”(一緒)+
接尾辞 “out”(離れて)で、
「一緒でない」→ 「~はない」。
“with”(一緒) または “within”(内側に)
の反対を意味するのは、スペルから
推測しやすい。
<with または within の反対> のイメージ
で、すべての品詞は一貫している。
前置詞が最頻出で、副詞が続く。
名詞と接続詞は、マイナー用法。
– 前置詞「~なしに」「~にしないで」
– 副詞「外側に」「それなしで」
– 名詞「外側」 ※ 文語、まれ
– 接続詞「~でなければ」 ※ 文語、まれ
“without”、”with”、”within” すべて、
英単語として最重要レベルに位置する。
すなわち、この3語は口語・文面とも、
頻出度は<トップ1000語以内>。
重要度も<トップ3000語以内>。
(ロングマン、LDOCE6 の表記より)
表題の “without” は、前置詞「~なしに」。
最も基本的用法である。
◆ “doubt” も、最重要レベルの英単語。
名詞としては、口語・文面とも、
頻出度は<トップ1000語以内>。
重要度も<トップ3000語以内>。
語源は、ラテン語 “dubitare”(迷う)。
他動詞・自動詞・名詞がある。
多義はなく、トランプやクイズ番組の
「ダウト」のイメージ通り。
– 他動詞「疑う」
– 自動詞「疑う」
– 名詞「疑い」
名詞「疑い」は、可算名詞と不可算名詞
を兼ねる。
■ 通常、可算と不可算を兼ねる名詞は多義。
可算・不可算の別は、語義・意味合いで判別
これが原則。
ところが、名詞 “doubt” の場合、
基本的意味は「疑い」のみ。
にもかかわらず、可算・不可算兼用。
とすれば、不定冠詞 “a” を付けても、
付けなくてもよいことになる。
–
したがって、表題 “without doubt” と
“without a doubt” は同義であると考えられる
多くの辞書では冠詞抜きで項目立て
されており、実際にこの方が多用されるため、
表題は “without doubt” を選んだ。
◆ 先述の通り、文頭・文中・文末の
いずれでも使える。
日本語の「間違いなく」「疑いなく」
にそのまま置き換えられる場合が普通
なので、使い方は難しくない。
和訳も、あえて文頭・文中・文末に
合わせてみたが、特に不自然になっていない。
【文頭】※ 特に強調している
“Without doubt, he is dead by now.”
(間違いなく彼は死んでいる。)
“Without doubt, they are getting married.”
(間違いなく彼らは結婚する。)
【文中】
“Mary is without doubt the most organized
student in our class.”
(メアリーは間違いなく、このクラスで
最も几帳面な生徒である。)
“John is without doubt the tallest here.”
(ジョンは疑いなく、ここでは最も背が高い。)
“I can say without doubt that she is the best.”
(彼女こそベストだと疑いなく言える。)
【文末】
“She will be a great teacher, without doubt.”
(彼女は素晴らしい先生になるでしょう、間違いなく。)
“He will win this time, without doubt.”
(今度こそ彼は勝つでしょう、疑いなく。)
【類似表現】
“out of question”
(疑いがない)
→ “out of the question”
(問題外である、不可能である)