安堵のため息
「ため息をつくと幸せが逃げる」と言われる。
悩みを抱えている時、無意識に出るので、
マイナスの印象を与えるからであろう。
実際は、健康維持にかなり有効である(後述)。
強い緊張から解放された時にも出るため息。
「ほっと安心する」感覚と重なっている。
こんな「安堵のため息」が、”a sigh of relief”。
“sigh” の語源は、ため息の擬音語。
特徴的な発音「サイ」(sái)からも推測できよう。
“sigh” には、名詞・間投詞・自動詞・他動詞がある。
ここでは可算名詞で、冠詞は “a”。
基本的意味は、
– 名詞「ため息」
– 間投詞「はぁ~」「やれやれ」
– 自動詞「ため息をつく」
– 他動詞「ため息まじりに言う」
“relief” は、名詞のみ。
語源は古フランス語の「取り除く」(relever)。
基本的意味は「(心配などの)除去」、
その後の「安堵」、さらに「救済」「援軍」。
野球の「リリーフ」はここから来ている。
【関連表現】
“I’m relieved.”
https://mickeyweb.info/archives/3397
(ほっとしました。)
◆ 動詞 ※ 最頻出は、”breathe”
- “breathe a sigh of relief “(安堵のため息をつく)
- “bring – “(~を安堵させる)
- “give – “(安堵のため息をつく)
- “heave – “(安堵のため息をつく)※ 文語
- “release – “(安堵のため息をつく)
- “let out – “(安堵のため息をつく)
◆ 形容詞
- “a big sigh of relief”(大きな安堵のため息)
- “a collective – “(一斉に安堵のため息)
- “a deep – “(深い安堵のため息)
- “a long – “(長い安堵のため息)
- “a short – “(短い安堵のため息)
ため息は、心身の健康に役立つ。
医学的には、次の効用が確認されている。
- 緊張をほぐし、自律神経を調整する
- 血流を促進し、内臓の働きを活発にする
- 酸素を取り込み、息苦しさを解消する
- 長息を吐くことで、自然と腹式呼吸になる
- ストレスで高ぶった交感神経をなだめる
- 副交感神経を高めて、リラックスに導く
- 活性酸素を除去し、疲労を軽減する
- 脳内ホルモンの分泌を促進する
“She told me with a sigh of relief.”
(彼女は安堵のため息をつきながら語ってくれた。)
“He breathed a big sigh of relief upon seeing his son.”
(息子を目にした途端、彼は大きな安堵のため息をついた。)
“My mother gave a deep sigh of relief.”
(母は深い安堵のため息をついた。)
“I let out a sigh of relief when I learned that I was wait-listed.”
(補欠合格したことを知り、私は安堵のため息をついた。)
“I breathed a sigh of relief when my divorce was finalized.”
(離婚が成立した時、私は安堵のため息をついた。)
◆ ため息の習慣を勧める専門家もいるほど。
この本の最終章「ため息の効用とあくびのすすめ」
に詳述されている。
『究極の体調管理』
( 鈴木登士彦、日本実業出版社、2016年刊)
心身にとっては「幸せが逃げる」どころでないようだ。