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Whodunit

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犯人は誰だ?

れっきとした英語である。

【発音】 huːdʌ́nit

「フネッ」などと聞こえる。

whodunnit“(nが2つ) とつづることもある。

Who done it ?(誰がやったのか)の略。

 文法的には “Who had done it ? ” が正式。

“Who did it ? ” とほぼ同義。

初出は、1930年代。

※ 下線は引用者

下線「こっけいな」が示唆するように、奇妙な見てくれである。

◆ “whodunit” は、可算名詞 のみ。

定訳は「推理小説」と「探偵小説

推理小説」の方が、一般的。

特に、殺人犯の解明が中心の小説を指す。
同種の映画や劇を含むことがある。

日本でもフ-ダニットのまま、
推理小説の分類として確立している。

アガサ・クリスティの『オリエント急行の殺人
(1934年刊)は、「フ-ダニット」を代表する
推理小説である。

◆ 本稿で “Whodunit” を取り上げるのは、
用途が<小説の分類>に収まらないから。

実際の事件報道にも起用される。

趣旨「犯人は誰だ?

文字通り “Who done it ? “。

 

◆ 以下の英英辞典3点すべてが、”informal” と表記する。

つまり、くだけた表現で正式な言い回しではない。
大半の辞書では “slang” 扱いされていない模様。

上掲の有力語源サイト “ETYMONLINE” には “U.S. slang
とあるものの、むしろ
例外的である。

◆ 3大学習英英辞典(EFL辞典)の語釈はこちら。

whodunit
whodunnit
informal
a book, film etc about a murder case, in which
you do not find out who killed the person until the end.

(LDOCE6、ロングマン)

 

whodunnit 
(British English)
(also whodunit North American English, British English)
informal
a story, play, etc. about a murder in which
you do not know who did the murder until the end.
(OALD9、オックスフォード)

 

whodunnit
(US whodunit)
informal
a story about a crime and the attempt to discover
who committed it.

(CALD4、ケンブリッジ)

【発音】 huːdʌ́nit

ごく普通の可算名詞(countable noun)である。

それでも、深刻な内容の記事に “whodunit”の字面が踊ると、
「ふざけているのか」と不謹慎に感じてしまったりする。

実物をご覧に入れたい。

<今年2017年 ニュース見出し>

・ “Hate crime whodunit: Do police have the wrong man?
(CNN)

・ “Kim Jong-nam’s Death: A Geopolitical Whodunit
(The New York Times)

・ “Theft of Fishing Guide’s Ashes Becomes a Whodunit
(The New York Times)

・ “4 Dead, Liverless Sharks Wash Ashore in Weird Whodunit
(Live Science)

・ “Matthew Guy’s lobster dinner leak. Whodunit?
(SBS)

・ “A tube misconnection and a death: a medical whodunit
(Physician’s Weekly)

上記すべて、高い信用を得ているサイトの記事。

一見すると、ニュースなのか書評なのか、よく分からない。

“Whodunit” とあるから、てっきり新作ミステリーの
レビューだと心弾ませて読み始めたところ、
中身は現実に起きた凄惨な事件で驚いたことがある。

その時のショックは忘れられない。

 

 

 

 

 

 

 

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