LDOCE(ロングマン現代英英辞典)
2021/01/25
” LDOCE ” は 「 エルドス 」 と読む。
” Longman Dictionary of Contemporary English ” の略称。
邦題 『 ロングマン現代英英辞典 』。
” LDCE “ と旧式で略記されることもある。
読みは「エルドス」のまま。
<公式サイト>
- 書籍版 LDOCE と同じ内容–
- 辞書を買わなくても、無料で検索可能
https://www.ldoceonline.com/jp/
- 2017年に『ロングマン英和辞典』を実装
- 2018年に 和英辞典 も実装
※ ドロップダウンリスト(▼)から選択
◆ 私は “LDOCE” が大好きで、30年以上、毎日愛用している。
書籍版、アプリ版、電子辞書版すべてを入手し、
世界中どこにいても、参照できる環境を維持している。
【参照】 辞書の「自炊」と辞書アプリ
これほど愛用する理由は山ほどあるが、主な理由はこちら。
-
2,000語 で、見出し 23万語
–
-
他のノンネイティブ学習
者向け
英英辞典(EFL辞典)に比べ、収録語彙、例文(完全文!)、
類義語の数が最多
–
-
この上なくシンプルな解説
–
<比較対象>
・ オックスフォード(OALD)
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/
= イギリス系
・ ケンブリッジ(CALD)
https://dictionary.cambridge.org/
= イギリス系
・ コウビルド(COBUILD)/ Collins
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english
= イギリス系
・ マクミラン(MEDAL)
https://www.macmillandictionary.com/
= イギリス系
・ メリアム ウェブスター
https://www.learnersdictionary.com/
= アメリカ系
→ この ” Merriam-Webster’s Learner’s Dictionary ”
は、”Merriam-Webster” 提供の英語学習者向けサイト
◆ オンライン版の辞書は、惜しみなく公開されている。
なんだか不思議に思えるが、からくりを知れば納得する。
皆一様に、大盤振る舞いな一因は、広告収入 の確保と考えられる。
一心不乱に語釈を調べる、訪問者の眼中に入らないとはいえ、大半の
辞書サイトには、大量の広告がこれ見よがしに貼り付けられている。
毎日、世界中の利用者を引き寄せて、有益な情報を提供し続ければ、
サイト運営者には、応分の広告収入が見込める。
地球規模の需要を掘り起こせるのが英語辞書で、ユーチューバー顔負け。
ビジネスモデルとして優秀だろう。
私たち学習者は、大いに感謝しつつ、存分に使わせていただこう。
–
◇ “LDOCE” は、たった「2,000語」!
日本の高校1~2年までに学ぶ英単語だけで、
全23万語を説明。
こんなことが可能なのだ。
![]() |
Longman Dictionary of Contemporary English (6E) Paperback & Online Pearson Education; ペーパーバック ※ オンライン辞書へのアクセスコード付き |
◆ LDOCEは、学習英英辞典(EFL辞典)の代表格。
- 初版(LDOCE1)は、1978年発行
- 最新の第6版(LDOCE6)は、 2014年発行
- 2,162頁、 オールカラー
- 実寸 : 23 x 14.8 x 5.5cm
- 重量 : 1,600g
内容は、通常のLDOCE6 “Paperback” と同様(※)。
「アクセスコード付き」LDOCE6
( “Paperback & Online” または “Hardback & Online” )
の目印は、表紙と背表紙に表示されたマーク(各 1.2 x 1.2cm)。
※ このマークを除き、外観は瓜二つなので、要注意!
改訂される度に、見違えるほど改良されており、
EFL辞典のロングセラーとしての矜持を感じる。
Clear, easy-to-understand definitions
written using only 2000 common words
「2,000語ですべてを表現する世界」
“LDOCE” を、ぜひご覧あれ。
<公式サイト> https://www.ldoceonline.com/
–
–
◆ LDOCE 情報サイト
- LDOCE6 商品紹介(ピアソンHP)
https://www.pearson.co.jp/catalog/
– - Wikipedia(日本版)
https://ja.wikipedia.org/wiki/
– - 学習英英辞書の比較
(中邑光男 関西大学教授、PDF 全3頁、461KB、2005年頃)
https://www.taishukan.co.jp/gcdroom/gcd_tsuushin/
– - LDOCE5 (2009) とCALD3 (2008) の比較
(藤本和子 創価大学教授、PDF 全11頁、823KB、2009年)
https://soka.repo.nii.ac.jp
– - OALD、LDOCE、COBUILDの比較
(Hirota氏 ブログ、2009年)
https://kaysaka.blog.so-net.ne.jp/2009-10-06
– - 英英辞書早わかり
(セイコーインスツル HP、2009年頃)
https://www.sii.co.jp/cp/dictionary/lex/easy/–
–
- LAAD(ロングマン現代アメリカ英語辞典)との比較
(セイコーインスツル HP、2009年頃)
https://www.sii.co.jp/cp/dictionary/lex/comparefour/
※ LDOCE には、2種のアメリカ版がある。 LAAD と LDAE。
–
- 英語教師の7つ道具
(須賀氏 ブログ、2010年頃)
https://www2.kct.ne.jp/~suga/nanatudogu.htm
–
- 写真入りで特長を詳述
(楽天ショップ)
https://item.rakuten.co.jp/eigo/longman-dic/
– - 辞書アプリの実力
(ビッグローブ、2013年)
https://manabi.biglobe.ne.jp/special/nikkeitrendy/
– - OALD(オックスフォード現代英英辞典)活用ガイド
(山田茂 早稲田大学教授、PDF、旺文社)
–
<OALD9> 2015年発売
https://www.obunsha.co.jp/service/oald9/
<OALD10> 2020年発売
https://www.obunsha.co.jp/service/oald10/
– - 大学生や社会人におすすめの電子辞書
(Taka氏 ブログ、2018年)
https://english-pal.net/archives/984
– - ロングマン, オックスフォード, コウビルド
3大英英辞典を徹底比較! おすすめは?
(rabakii氏 ブログ、2020年)
https://beyond-je.com/learners-english-dictionary/
–
◆ “LDOCE6” の iOS アプリの欠陥について
< 注意喚起 – 2021年 1月25日 現在 >
LDOCE最新版である「第6版」の iOS アプリは、
本家の “Pearson Education” が販売中。
ところが、なんと、
「不良アプリ」として知られている。
カスタマー評価は2.1点(5点満点)。
https://itunes.apple.com/jp/app/LDOCE6
「iOS9」までしか対応しておらず、
( “Support for iOS7 to iOS9” )
機能不全 を起こすのが、主な理由である。
その他の欠点は、上記リンクのレビュー欄を
ご参照のこと。
【追記】 3年間の放置後、2020年2月より、手入れ
されているものの、評判は依然として芳しくない様子
–
◇ 結果的に、ヘビーユーザーのほとんどが、
旧版 “LDOCE5” のアプリを使っている。 私も。
- LDOCE Plus / Activator込み
https://itunes.apple.com/jp/app/ldoce-plus
(English Channel 社)
– - LDOCE5
https://itunes.apple.com/jp/app/ldoce5/
(Enfour 社)
–
◆ アプリ版は、複数の企業(ロゴヴィスタ、物書堂、
ビッグローブ など)が、同一辞書を販売している
ケースが少なくない。
LDOCEの場合、本家 Pearson に加えて、上掲
English Channel、Enfour など。
使い勝手に差があるため、選択にはご注意。
改訂履歴・版数・各種レビューを調査し、ご自分に合った
ものを選ぶとよい。
LDOCE6のように、 まともに機能しない<純正品>
も売られていたりする。 なんとも情けない。
“Always Learning” の社是が泣くよ、Pearson様。–
◇ 辞書アプリ購入時の注意点
既記の通り、複数企業が同一辞書を販売している。
適切なアプリを選ぶためのチェックポイントを挙げる。
いずれも、当該アプリの販売サイトなどに掲載されている。
–
■ 改訂履歴 (Version History)
改訂履歴にて、最終更新日とバージョン を必ず確認する。
自社製アプリの改善(バグ修正など)に
積極的な企業とそうでない企業がある。
リリース後、放置される高額アプリもある。
このようなアプリは、OSの大型アップデート後に
不具合が生じがち。
最悪の場合、ろくすっぽ起動できなくなる。
問い合わせても、なしのつぶて。
改善の目処が立たないまま、いつまでも使えない。
決して珍しくない話。
ぬかりなく改訂されている他社製アプリは、
大型アップデート後も、問題なく作動したりする。
–
■ 版数 (Version)
異なる版が同時販売されていることは普通にある。
例えば、
- A社 最新版の第7版
- B社 旧版の第6版
- C社 第7版及び第6版
実に紛らわしい。
「書籍版」辞書の発行日を下調べして、当たりをつけて
おかないと、望まない旧版アプリを入手するはめに。
「書籍版」から、数年遅れてアプリ版が発売される
場合もよくあるので、待つべきか検討する。
–
■ 性能 (Features)
実装されている特徴・特性は、使いやすさの決定打。
気軽に使える感覚が大事。
たやすく使えないと、使わずじまいになってしまう。
例えば、電子辞書の特長であるジャンプ機能がどの範囲まで有効か。
例文にも適用されるか。
アプリ画面の外観(Preview)からも、自分との相性 が見えてくる。
–
◆ 弊サイトがお勧めする EFL辞典 の選び方
< 3大学習英英辞典(EFL辞典)>
–
「3大EFL辞典」として、LDOCE、OALD、CALD
を私は挙げたい。
3点とも「イギリス系」の辞書。
「アメリカ系」の代表は「ウェブスター」の名を冠する辞書。
上掲「メリアム ウェブスター」や
“Webster’s New World College Dictionary“(※)など。
※ “Webster’s New World College Dictionary“ は、
–弊サイトが日本人にお勧めしているネイティブ向けの辞書–
→ 辞書のご案内(写真入り): “ tapped out “
CALDではなく、”COBUILD” すなわち『コウビルド英英辞典』
(Collins COBUILD Advanced Learner’s Dictionary)
を入れる説の方が有力。
–
それを承知の上で、CALDを選抜した。
–
COBUILDは、伝統のある上質な辞書に違いない。
例文は完全文(full sentences)。
日本人学習者に人気が高いため、英語特化の
電子辞書に長らく搭載されてきた。
初版は1987年発売。 2018年には第9版を発売。
–
イギリスのコリンズ社が資金を出し、同じくイギリスの
バーミンガム大学が集めた、以下の英文データベースに基づく。
” Collins Birmingham University International Language Database ”
頭文字をとって、”COBUILD“(コウビルド)。
大規模なコンピュータ・コーパスを活用しているのが強み。
これまた「イギリス系」である。
しかし “COBUILD” は、 自動詞・他動詞の別を示さない。
日本人が英語の動詞を学ぶ際、この区別は大切。
とりわけ、中級者レベルに達すると、違いを強く意識するようになる。
初学者は、なかなか気づかない。
英語ネイティブ向けの “Collins English Dictionary” には、ちゃんと
自他動詞の記載があるのに、学習者向けの上記辞書には欠けている。
昔からそうだ。 本当に残念な話。
さらに、
“COBUILD” の語釈がすこぶる個性的で、冗長に流れがち
な弱み(?)も考慮した。
【例】
“in / with regard to – “、”initial“、”pros and cons“、”thrilled“、”handy”
以上の短所ゆえ、代わりに “CALD” を「3大」入りさせている次第。
–
この3冊の中から、 ご自分が 使いやすい 1冊を手元に置くと便利。
英和辞典に見られる難点(※)を補うために、
英英辞典が役立つからである。
※ 「難点」の例は、次の各項目で挙げている。
“deprivation“、”lambaste“、”impressive“、
“check“、”clarify“、”reunite“、 “wacky / wacko”
–
■ EFL辞典の選び方については諸説紛々だが、
3冊とも 完成度は高く、安定して優れている。
よって、 <相性>で選んでよい と考える。
–
◆ 日本には、英語の辞書に造詣が深い専門家や学習者が大勢おられる。
丹念な比較対照のレビューはとても参考になり、ありがたいものである。
ただし、レビュアーの方々が、常日頃から英語を使っているかは不明。
実際は、日常英語に縁遠い「 辞書マニア 」も数多く存在する模様。
したがって、批評記事を鵜呑みにせず、後述のオンライン検索
を実行したり、図書館や書店で辞書の実物を手に取ったりして、
ご自分自身で 感触を試す行動力が望ましい。
–
<選び方>
先にご紹介した無料オンライン版で、
◇ 既習の同一単語を15個ずつ検索
してみる。
結果を比較し、ご自分がすんなり理解しやすい
解説を示す1冊を入手すれば、まず間違いない。
なぜ、既習(既に学習した)の単語かというと、
会得している分、パッとイメージしやすいから。
適不適も感覚的に判断しやすい。
未習単語のチェックはその後でよい。
- ロングマン(LDOCE)
https://www.ldoceonline.com/ - オックスフォード(OALD)
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/ - ケンブリッジ(CALD)
https://dictionary.cambridge.org/
–
◆ 一長一短があるのは当然であり、私たち学習者が
目くじら立てるのは、おこがましいのではないだろうか。
自ら選んだ「1冊」のみを使い倒す方が、達成感は大きいと思う。
きちんと使ってみて、それでもなお不満であれば、
さっと鞍替えすればよい。
私自身は、COBUILDを含む4冊すべてを用意し、
どれも常用している。
業務上、英語必須のプロだからに他ならない。
(普段使いは、最新版のアプリまたは電子辞書)
専門家以外の一般学習者は、1冊だけの方が効率的と考える。
【参照】
■ 語義の配列 → 発生順(歴史主義)か頻度順か
■ 「自炊本」「紙」の辞書を含む 使用辞書一覧
—-→ 世界最大 “ OED ” と 日本最大『 日国 』入手済み
–
◆ 大学入試と英英辞典
日本の大学の 一般入試 には、
最新版の英和辞典と和英辞典1冊ずつ
で十分と考える。
必ず「最新版」で。
英英辞典に手を出す必要はない。
時間がもったいないから。
他科目を勉強しない、もっともらしい口実になりうる。
大変危険。
時事英語が入試に頻出だとしても、
これはあくまでも大学受験。
英英がないと絶対解けない問題は出にくいはず。
英英辞典は、合格してから使おう。
もっとも、勉強時間のほとんどを英語対策に
当てられる受験生は、この限りではない。
◇ ご家庭の事情などにより、必要な英和または和英辞典
の入手が困難な中学生・高校生の方は、もしよろしければ
「 お問い合わせ(Inquiry)」からご連絡ください。
–
◆ 英語辞書は「紙」か「電子版」か
1. 初学者は紙中心がよい。
2. 学習レベル不問で、併用がベスト。
3. 電子版は持ち運びが楽で、
気楽に確認できるのが利点。
■ 初学者: 紙は必須。
紙中心がよい。できれば、電子版も併用。–
※ 日本の一般的な小学生・中学生・高校生はこの範疇
■ 中級者:紙と電子版のいずれか使いやすい方。
併用がベスト。–
■ 上級者:英語のプロでない限り、電子版のみでよい。
紙も併用するとベスト。–
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◇ 詳細は、英語辞書は「紙」か「電子版」か