プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

LDOCE(ロングマン現代英英辞典)

      2024/03/18

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 16 minutes

” LDOCE ”  は エルドス と読む。

Longman  Dictionary  oContemporary  English ”  の略称。

邦題 『 ロングマン現代英英辞典 』。

LDCE   が旧式の略記。

読みは 「 エルドス 」 のまま。

 

< 公式サイト >

https://www.ldoceonline.com/

  • 書籍版 LDOCE と同じ内容
  •  辞書を買わなくても、無料で検索可能 

https://www.ldoceonline.com/jp/

  • 2017年に『 ロングマン英和辞典 』を実装
  • 2018年に 和英辞典 も実装
        
    ※  ドロップダウンリスト(▼)から選択

 

◆  私は  ” LDOCE ”  が大好きで、 35年以上、 毎日愛用中。

書籍 版、 アプリ 版、 電子辞書 版  のすべてを入手し、
世界中どこにいても、気軽に引ける環境を維持している。

書籍版は2冊買い、 1冊をカラースキャンして 「 自炊 」版 もこしらえた。

 14.8 x 23 cm、2224頁  →  自炊後 3.6GB(OCR済み)

【参照】   辞書の 「 自炊 」 と辞書アプリ  ( 写真入り )

これほど愛用するわけは山ほどあるが、 特に、

  •  2,000語 で、見出し 23万語

  •  他の学習英英辞典に比べ、
    収録語彙、例文( 完全文 )、

    類義語の数が最多水準

  •  この上なくシンプルな語釈


< 比較対象 >

・  オックスフォード ( OALD )
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/
=  イギリス系

・  ケンブリッジ ( CALD )
https://dictionary.cambridge.org/
=  イギリス系

・  コウビルド ( COBUILD )/  Collins
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english
=  イギリス系

・  マクミラン ( MEDO )
https://www.macmillandictionary.com/
=  イギリス系

↑  2023年6月30日付で、 オンライン辞書のサービス提供を終えた。

2009年から14年間運営してきたが、 利用しやすく、多様性と包括性を尊ぶ
当社の価値観を反映する最新状態で維持できなくなったため、 と弁明する。


Macmillan English Dictionary to close after
14 years of online excellence on 30th June 2023
.

https://macmillaneducation.secure.force.com/help/

However, after careful consideration Macmillan Education has
concluded that it is no longer sustainable to keep the
Macmillan English Dictionary and Thesaurus up-to-date and
reflective of our values of accessibility, diversity and inclusion. 

https://macmillaneducation.secure.force.com/help/bg_FAQArticle?id=kA04H0000005kwWSAQ


別稿  ” follow through ”  でも述べた。

 

・  ブリタニカ( 旧 Learner’s Dictionary)
https://www.learnersdictionary.com/
https://www.britannica.com/dictionary
=  アメリカ系

↑  もともとは、 アメリカ系の老舗辞書である、
メリアム ウェブスター 」( ” since 1828 ” ) が提供する
英語学習者向け ” Merriam-Webster’s Learner’s Dictionary ”
として、 長年公開されていた。

2022年2月頃、「 メリアム ウェブスター 」 から完全分離
した様子で、サイト名称からロゴから、 がらっと一新された。

新しい名称は、” The Britannica Dictionary ” 。

今後は、親会社であるアメリカ企業 「 ブリタニカ 」が
直々に運営する模様だが、 主たる機能に変わりはなく、
過去分も引き継いでいるので、 使い心地は一緒。

◆  オンライン版の辞書は、 惜しみなく公開されている。

なんだか不思議に思えるが、 からくりを知れば納得する。

皆一様に、大盤振る舞いな一因は、 広告  確保と考えられる。

一心不乱に語釈を調べる、 訪問者の眼中に入らないとはいえ、 大半の
辞書サイトには、 大量の広告がこれ見よがしに貼り付けられている。

2020年以降は、 語釈が広告の海に呑まれる有様で、 拾うのも一苦労。

毎日、 世界中の利用者を引き寄せて、 有益な情報を提供し続ければ、
サイト運営者には、 応分の広告による収益が見込める。

広告収入こそ、 大手筋が気前よく無料公開する主な動機となっている。

貴重な運営資金となるため、 広告を消さないよう、 訪問者に警告する
ウェブサイトが増えてきている。

代表的な文言 ( 実物 ) は、

 


※  2023年5月 アクセス


無料の引き換えとして、 正当な要求であろう。

その場で対処しないと、 閲覧できない仕組み。

 

広告表示が、 無料閲覧の条件。

 

主流を占める流れが迫っていると予想できる。

→  本稿末尾の書評を参照 ( 図入り )

 

◆  その他の実例は、 以下の通り。


 


※  2021年4月 アクセス


must turn off ”  及び 「 無効にしてください 」とある。

目障りな広告( unwanted  ads ) を消すためのソフトウェアまたは
拡張機能、 通称  ” ad blocker ” ( so-called ” ad blockers ” )を指す。

パソコンなどにインストールして使う。

AdBlock ”  や  ” Adblock Plus ”  が有名。

警告は 「 命令調 」 で、 訪問者に選択権は与えられていない感じ。

サイトによっては、 脅迫めいた 言葉つきで、 ちょっと怖い。



※  2021年4月 アクセス


得体の知れない見張り番に、 突然、 見とがめられた気配。

薄気味悪いわ。

 

「 弊社の 資金調達 を妨害する 」 と言い切る企業もある。




※  2023年1月 アクセス



◆  一方、 謙虚な文言を採用するのが、 前出の 「 メリアム  ウェブスター 」。



※  2021年4月 アクセス


先のきつい言い回しと打って変わり、腰が低く丁寧な  ” Would you –  ?

さすが、 老舗辞書( ” since 1828 ” )の公式サイト。

言葉のプロ。

しかも、 下部に  ” Continue blocking ads ”  と明記している。

つまり、 広告なしの閲覧も許可しており、 訪問者の意思を尊重する。

寄付( ” Donate ” )まで呼びかけているから、 まあすごい。

you must ”  と   ” would you ”  とでは、 受け手の印象に差が生じる。

こうした言葉遣いに、 各社の体質と姿勢がうかがわれる。

 

訪問者に選択権を認める反面、 やけに嫌味っぽい物言いもちらほら目につく。


Continue without supporting us.



※  2024年1月 アクセス

◆  こちらも丁重。





※  2021年10月 アクセス


Please help us ”   及び  「 お願い ~ 」
と協力を仰いでおり、 礼儀にかなう。

ここでの  ” Please ”  は、「 半命令形( ※ ) 」 としては
受け取られにくい、  創意工夫を凝らした文面である。

すなわち、 ” to support our journalism ”  と至当な理由
を添える。

※  意図せずして、 命令調になり、 不遜に響く。
(  ” Could you –   ”  参照 )  →  後述

かといって、 奇をてらうこともなく、 両方とも常識的な配慮を示す文章。

” Please ”  抜きならば、


※  2021年10月 アクセス


単なるお願いではなく、 「 弊社の使命を支えることになる 」 と

簡明直截な根拠付けが粋である。

「 弊社のサービスに価値を覚えるならば 」 と上手な切り口で促すのが、

以下の 「 マクミラン 」 ( 既出 )。


※  2023年5月 アクセス


既述の通り、 マクミランは2023年6月30日付で、

14年間に及ぶオンライン辞書の提供を終えた。

https://macmillaneducation.secure.force.com/help/
https://macmillaneducation.secure.force.com/help/bg_FAQArticle?id=kA04H0000005kwWSAQ

 

  日本語には 「 仮定法 」 という文法形式は存在しない。

下記の末文 「 広告表示を許可いただけないでしょうか。」 を

  •  Could you allow ads on our site

と英訳すれば、 英語の 「 仮定法 」( subjunctive mood ) に。

半命令形 Please 」 を用いて訳せば、 

  •  Please allow ads on our site.

読み手にとって、 手柔らかな調子 ( tone ) はどっちか。



※  2023年5月 アクセス


丁寧な依頼表現  「 ~ していただけますでしょうか 」  の

仮定法 」 については、 ” Could you –  ?  ”  で詳らかにした。 

 

◆  ” LDOCE ”  の前掲 公式サイト には、 2022年2月に初登場した。


※  2022年2月 アクセス


典型的な文体だが、 反発心をそそらぬよう練られている。

どうして要請しているのか、 根拠を鮮やかに示している。

  •  ” Ads enable us to provide all of our content for free. ”
    ( 広告により、すべてのコンテンツを無償提供できます。)

 

◆  ” Cambridge ”  の前掲 公式サイト には、 2023年9月に初登場した。



※  2023年9月 アクセス


” LDOCE ”  そっくり。

 

◆  2023年10月、 Collins ( コウビルド )の前掲 公式サイト も取り入れた。




※  2023年10月 アクセス


文言は一緒。

 

◆  2023年10月、 YouTube でも開始した。




※  2023年10月 アクセス


not allowed ”  ( 許されない ) は、

語気鋭く、 非常に強気である。

【発音】  əláud
【発音】  al-lowed (2音節)

「 これが弊社の方針です 」 と断言する感じ。

平たく言えば、 「 絶対ダメです」。

  • ” I’m not allowed to know where my ex-wife lives.”
    ( 前妻の現住所を知ることが許されていない。)

有料の 「 ユーチューブ プレミアム 」 に加入するか、

広告を閲覧するかの二択しか視聴者には許されない。

広告をブロックする自由が与えられておらず、 命令に近い。

緊張緩和を狙い、 許可しない所以を明示しながら、 代替案

として 「 ユーチューブ プレミアム 」 に勧誘・誘導する。

よくある販促手段である。

【参考】    ※  外部サイト

 

◆  2023年12月、 日本有数の用語解説サービス 『 コトバンク 』 も採用。



※  2023年12月 アクセス

◆   ” ad ” とは、 ” advertisement ” の短縮形。

【発音】  æ̀dvərtáizmənt
【発音】  ad-ver-tise-ment  (4音節)

宣伝用の軽気球 「 アドバルーン 」 ( ad balloon ) のそれ。

1970年代までは、 大型店舗 ( スーパー、 デパート ) の上空に
ぷかぷか浮いていたものだが、 近頃はすっかり見かけなくなった。

インターネット普及後に振り返ると、 稚拙なマーケティング手法と
見受けられるものの、 当時は重宝された広告媒体で、 なんの変哲
もない日常風景の一部であった。

【発音】  ǽd
【音節】  ad  (1音節)

可算名詞 「 広告 」、 形容詞  「 広告の 」の意。

不可算名詞 「 周知されること 」 にもなるが、
不可算よりは、 可算が基本。

動詞は、 ” advertise ” ( 宣伝する )。

語源は、 古フランス語 「 大衆に注意を向ける 」
( advertir / avertir )。

【発音】  ǽdvərtàiz
【発音】  ad-ver-tise  (3音節)

長ったらしい  ” advertisement ” よりも、 ” ad ” の方が
視認性が高く、 分かりやすい。

【発音】  æ̀dvərtáizmənt
【発音】  ad-ver-tise-ment  (4音節)

「 4音節 」 に比べ 「 1音節 」 の方が発音しやすいためか、
実用の出番は ” ad ” の方が多めで、 筆舌不問で目立つ感。

上に掲げている警告表示の数々を見れば自明。

複数形は、 ” ads ”  と  “ advertisements “。

広告は複数並ぶのが普通なので、 名詞なら複数語尾 ” s

の付随する複数形が一般的。

  •  classified ads / classified advertisements
    ( 三行広告 )
  •  an ad agency / an advertisement agency
    ( 広告代理店 )    ※  形容詞
  •  an ad campaign / an advertisement campaign
    ( 戦略的に集中投下する広告活動 )    ※  形容詞


広告を強制されるのは、 心証がよくないかもしれないが、
無料で利用する以上、 文句を言う筋合いはない気がする。

◆  サイト内のリンク経由で、 製品・サービスが購入されれば、 広告収益
とは別に、 商品紹介料( アフィリエイト報酬 )も得られたりする。

レビュー記事・動画には、 あらかた アフィリエイト が仕組まれている。

インターネットビジネスでは確立した商法で、 どこもかしこも導入している。

地球規模の需要を掘り起こせるのが英語辞書で、 ユーチューバー顔負け。

優秀なビジネスモデルだろう。

私たち学習者は、 大いに感謝しつつ、 存分に使わせていただこう。

◇  ” LDOCE ” は、 たった2,000語 !

日本の中高生が学ぶ英単語だけで、
全23万語を説明。

こんなことが可能なのだ。

 


Longman Dictionary of Contemporary English (6E)
6th Edition
Paperback with Online Access Code


ロングマン現代英英辞典  第6版LDOCE6

Pearson Education( ピアソン )

◇  オンライン辞書への 「 アクセスコード 」 付き

→  古本購入には、要注意

※  アクセスコードは、 裏表紙の内側( 見返し )に、
スクラッチ印刷 ( コインなどで擦る ) されている

【 ご注意 】

2022年、 ” LDOCE6  ”  オンライン用書籍の特典サポートは終了。

わざわざ高価な 「 アクセスコード 」 付き辞典を選ばなくてもよい。


alternative ( 代替案 ) が、

” LDOCE6 ” アプリ の「 無料化

 

2022年6月まで、 約4,000円 で販売していた、 いわくつきアプリ。

本家発の 「 不良アプリ 」 として、 2014年発売時から悪名が立つ。

当初は、 6,000円  を超えていた。

世界中のユーザーの怒りを買い、 最低レビュー ( ★☆☆☆☆ )の嵐。 

本稿では、 リアルタイム  で公式アプリの更新状況を追いかけてきた。

大好きな辞書なのに、 不良のまま長年放置したことが許せなかったから。

最初の3年間 ( ~2016年 ) は頻繁に更新されていたが、 なぜか不完全。

やや意地悪いが、 追及した迷走ぶりの一部をそのまま残しておきたい。

併せて、 公式サイトの数多のレビューを、 ご一読いただければと願う。

現在、 一応は改善されている。


https://global.longmandictionaries.com/

※  2023年10月 アクセス

※  下線・枠は引用者


【発音】  ɔːltə́ːrnətiv
【音節】  al-ter-na-tive  (4音節)
【参照】  alternative  ( 代替、 代替の、 選択肢、 オルタナティブ )


英単語  ” alternative ”  は、 別稿  で詳しく取り上げた。


◆  一部拡大すると、


Alternatively,  you may also use our free dictionary website at

https://www.ldoceonline.com.


Download App
:

https://global.longmandictionaries.com/

※  2023年10月 アクセス


【 iOS  日本サイト 】
https://apps.apple.com/jp/app/longman-dictionary-of-contemporary-english-6th-ed/id597492646?l=jp

【 Android  日本サイト 】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobifusion.android.ldoce5&hl=ja

 

◆  LDOCEは、学習英英辞典 ( EFL辞典 ) の筆頭格

  •  初版( LDOCE1 )は、1978年発行
  •  最新の第6版( LDOCE6 )は、 2014年発行
  •  2,162頁、 オールカラー
  •  実寸 : 23 x 14.8 x 5.5cm
  •  重量 : 1,600g


中身は、通常のLDOCE6  Paperback と同様( ※ )。

「 アクセスコード付き 」 LDOCE6
( Paperback & Online ”  または  Hardback & Online)
の目印は、表紙と背表紙に表示されたマーク ( 各 1.2 x 1.2cm )。

 

▼  このマークを除き、外観は瓜二つなので、要注意  ▼

 

 

 

【 ご注意 】

2022年、 ” LDOCE6  ”  オンライン用書籍の特典サポートは終了。

わざわざ高価な 「 アクセスコード 」 付き辞典を選ばなくてもよい。


” LDOCE6 ” アプリ の「 無料化

 

 



改訂される度に、 見違えるほど改良されており、
EFL辞典 のロングセラー  としての矜持を感じる。


Clear, easy-to-understand definitions

written using only 2000 common words




「  2,000語ですべてを表現する世界  」

 

< 公式サイト >   https://www.ldoceonline.com/


◆  LDOCE 情報サイト    ※  外部サイト


◆  ” LDOCE6 ”  の iOS アプリ  の欠陥に  ついて

  2022年に Pearson 社が、 無償提供するに至った
理由は上述した ( ” As an alternative ” )。

注意喚起   –  2024年3月18日 現在 >

LDOCE最新版である 「 第6版 」 の iOS アプリは、
本家の  ” Pearson Education ”  が販売中。

ところが、 なんと、

★ 「 不良アプリ 」として知られている。

  一応、 改善されている。


むやみやたらに 機能不全 を起こす。

具体的な欠点は、 販売サイトのレビュー欄をご参照。

【 追記 】  3年間の放置後、2020年2月に、手入れ
しているものの、 評判は依然として芳しくない様子
→  以後、 再び放置しているから、やる気ないみたい

  •  2年経過の2022年夏、 お手入れしてくださいました。
    6月に Andorid版、  8月に iOS版 が更新されました。

    現役であることが分かったので、 恩に着ます。  感謝。


  However,    
2022年6月、 ついに

無料化  に踏み切ったようだ …

約 6,000円  →  約 4,000円  →  0円


やることが 極端だわ。

  無償提供するに至った経緯は上述した。
( ” alternative ” )

【 iOS  日本サイト 】
https://apps.apple.com/jp/app/longman-dictionary-of-contemporary-english-6th-ed/id597492646?l=jp
【 iOS  米国サイト 】

https://apps.apple.com/us/app/longman-dictionary-of-english/id597492646


【 Android  日本サイト 】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobifusion.android.ldoce5&hl=ja
【 Android  米国サイト 】

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobifusion.android.ldoce5&hl=en



◇  結果的に、ヘビーユーザーのほとんどが、

  旧版 “ LDOCE5 ” のアプリを使ってきた   私も。

  • LDOCE5
    https://itunes.apple.com/jp/app/ldoce5/  ( リンク切れ )
    ( Enfour 社 )→  English Channel 社 に引き継がれた
    ※  販売停止処分により廃業
  • LDOCE Plus / Activator 込み
    https://itunes.apple.com/jp/app/ldoce-plus  ( リンク切れ )
    English Channel 社 )  ←  旧 Enfour 社

既に触れたように、 書籍版  ” LDOCE6 ”  をカラーで
スキャンし、 自炊版 を別途こさえて、 外出時は凌いでいる。

 14.8 x 23 cm、2224頁  →  自炊後 3.6GB(OCR済み)

 

◆  アプリ版は、複数の企業( ロゴヴィスタ物書堂
ビッグローブ など )が、 同一辞書を販売している
ケースが少なくない。

” LDOCE ” の場合、教育出版大手である  Pearson  に加えて、
既出の  English Channel、  Enfour など。

  使い勝手に差があるため、 選択にはご注意。

改訂履歴版数・各種レビューを調査し、ご自分に合った
ものを選ぶとよい。

LDOCE6のように、  まともに機能しない < 純正品 > 
も売られていたりする。

なんとも情けない。

↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑

上掲ロングマン辞書2冊の表紙 ( 向かって左下 ) を飾る

貴社の社是  ” ALWAYS  LEARNING ”  が泣くよ、 Pearson 様。

◇  辞書アプリ購入時の注意点

既記の通り、複数企業が同一辞書を販売している。

適切なアプリを選ぶためのチェックポイントを挙げる。

いずれも、当該アプリの販売サイトなどに掲載されている。

  改訂履歴 ( Version History )

改訂履歴にて、最終更新日とバージョン を必ず確認する。

自社製アプリの改善(バグ修正など)に
積極的な企業とそうでない企業がある。

リリース後、放置される高額アプリもある。

このようなアプリは、OSの大型アップデート後に
不具合が生じがち。

最悪の場合、ろくすっぽ起動できなくなる。

問い合わせても、なしのつぶて。
改善の目処が立たないまま、いつまでも使えない。

決して珍しくない話。

ぬかりなく改訂されている、他社製アプリは、
大型アップデート後も、問題なく作動したりする。


■  版数 ( Version )

異なる版が、同時販売されていることは普通にある。

例えば、

  •  A社 最新版の第7版
  •  B社 旧版の第6版
  •  C社 第7版及び第6版

実に紛らわしい。

「書籍版」辞書の発行日を下調べして、当たりをつけて
おかないと、望まない旧版アプリを入手するはめに。

「書籍版」から、数年遅れてアプリ版が発売される
場合もよくあるので、待つべきか検討する。

■  性能 ( Features )

実装されている特徴・特性は、使いやすさの決定打。

気軽に使える感覚が大事。

たやすく使えないと、使わずじまいになってしまう。

例えば、電子辞書の特長である、ジャンプ機能がどの範囲まで有効か。
例文にも適用されるか。

アプリ画面の外観( Preview )からも、自分との相性 が見えてくる。


◆  弊サイトがお勧めする EFL辞典 の選び方

<  3大学習英英辞典( EFL辞典 ) >

「 3大EFL辞典 」として、 LDOCEOALDCALD
を私は挙げたい。

3点とも 「 イギリス系 」 の辞書。

「 アメリカ系 」 の代表は 「 ウェブスターの名を冠する辞書。

前出の 「 メリアム  ウェブスター 」 や

Webster’s New World College Dictionary “( ※ )など。

※  “ Webster’s New World College Dictionary “ は、

弊サイトが日本人にお勧めしているネイティブ向けの辞書

  →  辞書のご案内( 写真入り ):  “ tapped out


CALDではなく、” COBUILD ”  すなわち 『 コウビルド英英辞典
Collins COBUILD Advanced Learner’s Dictionary
を入れる説の方が有力。

それを承知の上で、CALDを選抜した。

COBUILDは、伝統のある上質な辞書に違いない。

例文は完全文( full sentences )。

日本人学習者に人気が高いため、
英語特化の電子辞書に長らく搭載されてきた。

初版は1987年発売。

2018年には、第9版 を発売。

イギリスのコリンズ社が資金を出し、同じくイギリスの
バーミンガム大学が集めた 以下の英文データベースに基づく。

Collins Birmingham University International Language Database

頭文字をとって、” COBUILD “( コウビルド )。

大規模な  コンピュータ・コーパス を活用しているのが強み。

これまた 「 イギリス系 」 である。

しかし ” COBUILD ” は、  自動詞他動詞の別を示さない。


日本人が英語の動詞を学ぶ際、 この区別は大切。

とりわけ、中級 レベルに達すると、 違いを強く意識するようになる

初学者は、 なかなか気づかない。

初級段階では、 さほど重要でもない。

英語ネイティブ向けの ” Collins English Dictionary ” には、ちゃんと
自他動詞の記載があるのに、 学習者向けの上記辞書には欠けている。

昔からそうだ。

本当に 残念な話

さらに、

” COBUILD ” の 語釈がすこぶる個性的 で、冗長 に流れがち

な弱み (?) も考慮した。

【例】
in / with regard to –initialpros and cons
thrilledhandy

ゆえに、 代わりに ” CALD ” を「 3大 」入りさせている次第。


この3冊の中から、 ご自分が   使いやすい  1冊を手元に置くと便利。

英和辞典に見られる難点( ※ )を補うために、

英英辞典が役立つからである。

※  「 難点 」の例は、次の各項目で挙げている。

deprivationlambasteimpressive
checkclarifyreunite、  wacky / wacko

■  EFL辞典 の選び方については諸説紛々 だが、

   3冊とも 完成度は高く、安定して優れている。

よって、 < 相性 >で選んでよい   と考える。


◆  日本には、 英語の辞書に造詣が深い専門家や学習者が大勢おられる。

丹念な比較対照のレビューはとても参考になり、 ありがたいものである。

けれども、 レビュアーの方々が、 常日頃から英語を使っているかは不明。

実生活では、 英語に縁遠い 「 辞書マニア 」 も数多く存在する模様。

【参照】   詐欺教材大国の日本

がんがん使い込まねば、 浮上しない視座を伴うのが、 辞書やレファ本。

そもそも力量と用途は人それぞれなので、 目の付け所は各々違ってくる。

したがって、 批評記事を鵜呑みにせず、 後述のオンライン検索
を実行したり、 図書館や書店で実本を手に取ったりして、

 ご自分自身で   感触を試す  行動力  が望ましい。

< 選び方 >

先にご紹介した無料オンライン版で、

◇  既習の同一単語を 15個ずつ 検索

してみる。

結果を比較し、 ご自分がすんなり理解しやすい
解説を示す1冊を入手すれば、 まず間違いない。

なぜ、 既習( 既に学習した ) の単語かというと、
会得している分、 パッとイメージしやすいから。

適不適も感覚的に判断しやすい。

未習単語のチェックはその後でよい。


◆  一長一短があるのは当然であり、 私たち学習者が
目くじら立てるのは、 おこがましいのではないだろうか。

自ら選んだ 「 1冊 」 のみを使い倒す方が、 達成感は大きいと思う。

きちんと使ってみて、 それでもなお不満であれば、
さっと鞍替えすればよい。

私自身は、COBUILDを含む4冊すべてを用意し、
どれも常用している。

業務上、 英語必須のプロだからに他ならない。

普段使いは、 最新版の アプリ または 電子辞書

専門家以外の一般学習者は、 1冊だけの方が効率的と考える。

【参照】

■  語義の配列  →  発生順 ( 歴史主義 ) か頻度順か
「 自炊本 」 「 紙 」 の辞書を含む 使用辞書一覧
—-→  世界最大  “ OED ”  と  日本最大 『 日国 』 入手済み


◆  大学入試と英英辞典

日本の大学の  一般入試  には、
最新版の英和辞典と和英辞典1冊ずつ
で十分と考える。

必ず 最新版 で。

英英辞典に手を出す必要はない。

時間がもったいないから。

他科目を勉強しない、もっともらしい口実 になりうる。

大変危険。

時事英語が入試に頻出だとしても、
これはあくまでも大学受験。

英英がないと絶対解けない問題は出にくいはず。

英英辞典は、 合格してから使おう。

もっとも、 勉強時間のほとんどを英語対策に
当てられる受験生は、 この限りではない。

  ◇  ご家庭の事情などにより、必要な英和または和英辞典
入手が困難な中学生・高校生の方は、もしよろしければ 

お問い合わせ(Inquiry)」からご連絡ください。       


◆  英語辞書は 「 紙 」 か 「 電子版 」 か

1.  初学者は 紙中心 がよい
2.  学習レベル不問で、併用がベスト
3. 
電子版 は持ち運びが楽で、気楽に確認できるのが利点


■ 
初学者
  紙は必須
紙中心がよい。できれば、電子版も併用。

※  日本の一般的な小学生・中学生・高校生はこの範疇

■  中級者紙と電子版のいずれか使いやすい方。
併用がベスト。

■  上級者英語のプロでない限り、電子版のみでよい。
紙も併用するとベスト。



◇  詳細は、 英語辞書は「紙」か「電子版」か

◆  世界初の学習者向け英英辞典は、日本発祥

以下、 弊サイトの  辞書は「 紙 」か「 電子版 」か   より再掲。

世界初の学習者向け英英辞典( EFL辞典 )は、 日本生まれ

英学界の巨人、斎藤秀三郎( 1866-1929 )が、 影の立役者となっている。


 p.3.

p.16.

英語天才 斎藤秀三郎

竹下 和男 (著)
日外アソシエーツ、 2011年刊
A5判 340頁


◆  大村喜吉( 1916-2003 )の名著 『 斎藤秀三郎伝 』( 1960年刊 )
は、出版元の吾妻書房の廃業により絶版となり、今や入手困難とされる。

昔は、割かし容易に手に入ったため、 何気なく6冊購入しておいた。

高価な希少本として扱われる時代が来るとは、思いもよらなかった。

同書の読みどころ20ページに加えて、 現物の表紙と帯の写真も、
辞書は「 紙 」か「 電子版 」か   に掲載中。

弊サイトでは、 斎藤秀三郎( さいとう  ひでさぶろう )について、
何度も言及している。

▲▲  再掲終わり  ▲▲

 

 

【 書籍紹介 】   2023年3月発売


翻訳者のための超時短パソコンスキル大全 』
高橋 聡 ( 著 )、 KADOKAWA、 2023年刊
B5変形判、 ソフトカバー、 504頁、 2色刷り

<出版社HP>    <アマゾン>    <楽天ブックス>


< 目次 >
CHAPTER 01 パソコンをどう使うか
CHAPTER 02 ハードウェアをどう選ぶか
CHAPTER 03 Windows をどう使うか
CHAPTER 04 Office をどう使うか
CHAPTER 05 Word をどう使うか
CHAPTER 06 Excel をどう使うか
CHAPTER 07 テキストファイルとテキストエディター
CHAPTER 08 翻訳支援ツール をどう使うか
CHAPTER 09 翻訳メモリーツールの概要
CHAPTER 10 Trados をどう使うか
CHAPTER 11 memoQ をどう使うか
CHAPTER 12 その他の翻訳メモリーツール
CHAPTER 13 辞書の話
CHAPTER 14 翻訳者にとっての辞書環境
巻  末  資  料 各種アプリケーションのショートカット

500頁超の傑作。

翻訳者や翻訳を学んでいる学習者に推奨できる実用書。

著者は、 翻訳業界では有名な 「 帽子屋さん 」 こと、
高橋聡( たかはし あきら )氏。

1980年代前半から現在 (  「 2023年2月現在 」 p.483. )
に至るまで、 多年営々と培ってこられた実務翻訳ノウハウを、
実力者の確かな目線から丁寧に余すところなく解き明かす。

書名 『 パソコンスキル大全 』 から知れる通り、 翻訳者が
多用するソフトウェアとツールの使いこなし中心に展開する。

上掲の目次からも明らかで、 構成はハウツー本そのもので、
~ をどう使うか 」 「 ~ をどう選ぶか 」 が過半を占める。

画面写真・図・表を取り入れ、 操作を紙面に再現して作り込む。

パソコンの基礎知識から始まり、 マイクロソフトの定番ソフト、
及び 「 Trados 」 や 「 memoQ 」 の使い方を深掘りしつつ、
翻訳工程と翻訳過程をフロー図を交えて平易明快に案内している。

さらに、 「 不可欠な道具 」( p.426. ) として、 約70頁
( 第13~14章 ) を割いて、 辞書の現状と問題点に触れる。

英和・和英・英英・国語・類語・オンライン辞書・電子辞書・ソフト
の有名どころを網羅し、 説明項目を一覧化しているので、 調べやすい。

翻訳関係の書籍には比類なく、 マクロ・コード・関数の詳述が目立つ。

「 IT・マーケティング系の実務翻訳者 」 ( 奥付 ) の面目躍如であろう。

また、 「 ツールにできること、できないこと 」 ( p.237. ) などと、
道具の長所・短所を事細かに書き出せる力量こそ、 熟練者の本領発揮。

日々の業務で実際に使い込んできたからこその、的確な指摘が素晴らしい。

プロ翻訳者であれば合点がいき、 大きくうなずくことしきりのはず。

 

◆  特定のソフト・ツール・辞書以外の理論を語る本文は、 およそ3割。

そのため、 翻訳の心構えに対する指導を求める読者には物足りない。

翻訳の方法論の記述が少なめなのは、 本書の趣旨からして致し方ない。

それでも、 日英の違いを踏まえ、 両言語の狭間に戸惑う翻訳者が
どう対処すればよいか( p.432. )などは率直平明に指南している。

直接体験に基づく経験談として、 ソフト・アプリ・機械翻訳の発展を
ふんだんに敷衍して論じており、 ベテラン翻訳者でも得るものは多い。

目次( 全7頁 )に従い、 適宜拾い読みしても役に立つ。

「 索引 」 はついていないものの、 著者ブログによれば、


この手の本をリファレンスとして使うには、

索引が必須なのですが、 実は 電子的な索引を作成中 です。

できるだけ早く公開しようと思っていますので、

しばらくお待ちください。


禿頭帽子屋の独語妄言 side α
https://baldhatter.hatenablog.com/entry/2023/03/25/150551

2023年3月25日付

◆  本稿前半で提示した 「 広告収入 」 に関連して

僭越ながら、 1箇所だけ異議を申し上げたい。


なぜ、 こんなに気前よく公開されているのでしょうか。

( 中略 )

やはり、 英語が事実上の国際語だからなのでしょう。

( 中略 )

出版文化を支えている、そんな自負がどの出版社にもある。

( 中略 )

国際語の担い手の責任として辞書事業を営み、無料で公開している。


  アマゾン Kindle  より

 書籍版  p. 486.  に該当


こういう感傷の入り込む余地は、 通常のビジネスにはない。

「 自負 」 が元手では、 事業継続は実現しかねると思う。

各企業を取り巻く激しい世界競合市場の状況はもとより、
信用失墜と損害賠償を回避するためのセキュリティなど、

サイト運営の莫大なメンテ費用を勘案すれば、 奇妙な論理。

激化するランサムウェア、 不正アクセス、 メール攻撃、 情報漏洩

絶え間ない脅威対策は、 無償奉仕で賄えるコストから程遠い。

殊に厳しい出版市場を生き抜く戦略上、 あり得ないのでは。

小規模な弊サイトですら、 予防保全 ( バックアップ込み ) の出費
がかさむ。

サイバーセキュリティの確保は、 それほど重みを増している課題。

【発音】  sàibəsìkjúəriti
【発音】  cy-ber-se-cu-ri-ty  (6音節)

現に、 マクミラン がオンライン版 ( 2009~2023年の14年間 )
を終了 ( ” no longer sustainable ” ) した事実は先述した。

「 IT・マーケティング系の実務翻訳者 」 なのに、 前述の
資金調達手段をご存じないのであれば、 意外な気がする。

本稿で掲げた多数の警告表示から推し量ることができるように、
広告収入 」 による無料化が、 昨今の実態に沿うと考える。

 

前言を繰り返すと、 広告収益は手堅い運営資金なので、

 

広告表示が、 無料閲覧の条件。

 

これがインターネットの趨勢と私は解釈している。

 

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