LDOCE(ロングマン現代英英辞典)
2023/02/02
” LDOCE ” は 「 エルドス 」 と読む。
” Longman Dictionary of Contemporary English ” の略称。
邦題 『 ロングマン現代英英辞典 』。
” LDCE “ と旧式で略記される機会もある。
読みは 「 エルドス 」 のまま。
< 公式サイト >
- 書籍版 LDOCE と同じ内容–
- 辞書を買わなくても、無料で検索可能
https://www.ldoceonline.com/jp/
- 2017年に『 ロングマン英和辞典 』を実装
- 2018年に 和英辞典 も実装
※ ドロップダウンリスト(▼)から選択
◆ 私は ” LDOCE ” が大好きで、 35年以上、 毎日愛用している。
書籍 版、 アプリ 版、 電子辞書 版 のすべてを入手し、
世界中どこにいても、気軽に引ける環境を維持している。
書籍版は2冊買い、 1冊をカラースキャンして 「 自炊 」版 もこしらえた。
【参照】 辞書の「 自炊 」と辞書アプリ
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これほど愛用するわけは山ほどあるが、 特に、
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2,000語 で、見出し 23万語–
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他の学習英英辞典に比べ、–
収録語彙、例文( 完全文 )、–
類義語の数が最多水準–
-
この上なくシンプルな語釈
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< 比較対象 >
・ オックスフォード ( OALD )
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/
= イギリス系
・ ケンブリッジ ( CALD )
https://dictionary.cambridge.org/
= イギリス系
・ コウビルド ( COBUILD )/ Collins
https://www.collinsdictionary.com/dictionary/english
= イギリス系
・ マクミラン ( MEDAL )
https://www.macmillandictionary.com/
= イギリス系
・ ブリタニカ( 旧 Learner’s Dictionary)
https://www.learnersdictionary.com/https://www.britannica.com/dictionary
= アメリカ系
↑ もともとは、 アメリカ系の老舗辞書である、
「 メリアム ウェブスター 」( ” since 1828 ” ) が提供する
英語学習者向け ” Merriam-Webster’s Learner’s Dictionary ”
として、 長年公開されていた。
2022年2月頃、「 メリアム ウェブスター 」 から完全分離
した様子で、サイト名称からロゴから、 がらっと一新された。
新しい名称は、” The Britannica Dictionary ” 。
今後は、親会社であるアメリカ企業 「 ブリタニカ 」が
直々に運営する模様だが、 主たる機能に変わりはなく、
過去分も引き継いでいるので、 使い心地は一緒。
–
◆ オンライン版の辞書は、 惜しみなく公開されている。
なんだか不思議に思えるが、 からくりを知れば納得する。
皆一様に、大盤振る舞いな一因は、 広告収入 の確保と考えられる。
一心不乱に語釈を調べる、 訪問者の眼中に入らないとはいえ、 大半の
辞書サイトには、 大量の広告がこれ見よがしに貼り付けられている。
2020年以降は、 語釈が広告の海に呑まれる有様で、 拾うのも一苦労。
毎日、 世界中の利用者を引き寄せて、 有益な情報を提供し続ければ、
サイト運営者には、 応分の広告収入が見込める。
貴重な運営資金となるため、 広告を消さないよう、 訪問者に警告する
ところも増えてきている。
その場で対処しないと、 閲覧できない仕組み。
広告表示こそ、 無料閲覧の条件。
代表例は、 以下の通り。
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※ 2021年4月 アクセス
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” must turn off ” 及び 「 無効にしてください 」とある。
目障りな広告( unwanted ads ) を消すためのソフトウェアまたは拡張機能、
通称 ” ad blocker ” を指し、 パソコンなどにインストールして使う。
” AdBlock ” や ” Adblock Plus ” が有名。
警告は 「 命令調 」 で、訪問者に選択権は与えられていない感じ。
サイトによっては、 脅迫めいた 言葉つきで、 ちょっと怖い。
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※ 2021年4月 アクセス
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得体の知れない見張り番に、 突然、 見とがめられた気配。
薄気味悪いわ。
「 弊社の 資金調達 を妨害する 」 と言い切る企業もある。
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※ 2023年1月 アクセス
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◆ 一方、謙虚な文言を採用するのが、前出の「 メリアム ウェブスター 」。
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※ 2021年4月 アクセス
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先のきつい言い回しと打って変わり、腰が低く丁寧な ” Would you – ? ”
さすが、 老舗辞書( ” since 1828 ” )の公式サイト。 言葉のプロ。
しかも、 下部に ” Continue blocking ads ” と明記している。
つまり、 広告なしの閲覧も許可しており、 訪問者の意思を尊重する。
寄付( ” Donate ” )まで呼びかけているから、 まあすごい。
” you must ” と ” would you ” とでは、 受け手の印象に差が生じる。
こうした言葉遣いに、 各社の体質と姿勢がうかがわれる。
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こちらも丁重。
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※ 2021年10月 アクセス
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” Please help us ” 及び 「 お願い申し上げます 」
と協力を仰いでおり、 礼儀にかなう。
ここでの ” Please ” は、「 半命令形( ※ ) 」 とは
受け取られにくい、 創意工夫を凝らした文面である。
※ 意図せずして、 命令調になり、 不遜に響く。
( ” Could you – ” 参照 )
かといって、 奇をてらうこともなく、 両方とも常識的な配慮を示す文章。
–
” Please ” 抜きならば、
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※ 2021年10月 アクセス
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簡明直截ではある。
◆ ” LDOCE ” の上掲 公式サイト には、 2022年2月に初登場した。
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※ 2022年2月 アクセス
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典型的な文体だが、 反発心をそそらぬよう練られている。
どうして要請しているのか、 根拠を鮮やかに示している。
- ” Ads enable us to provide all of our content for free. ”
( 広告により、すべてのコンテンツを無償提供できます。)
◆ ” ad ” とは、 ” advertisement ” の短縮形。
宣伝用の軽気球 「 アドバルーン 」 ( ad balloon ) のそれ。
1970年代までは、 大型店舗 ( スーパー、 デパート ) の上空に
ぷかぷか浮いていたものだが、 近頃はすっかり見かけなくなった。
インターネット普及後に振り返ると、 稚拙なマーケティング手法と
感じ取るものの、 当時は重宝された広告媒体で、 なんの変哲もない
日常風景の一部であった。
–
【発音】 ǽd
【音節】 ad (1音節)
【発音】 æ̀dvərtáizmənt
【発音】 ad-ver-tise-ment (4音節)
可算名詞 「 広告 」、 形容詞 「 広告の 」の意。
不可算名詞 「 周知されること 」 にもなるが、
不可算よりは、 可算が基本。
動詞は、 ” advertise ” ( 宣伝する )。
語源は、 古フランス語 「 大衆に注意を向ける 」
( advertir / avertir )。
【発音】 ǽdvərtàiz
【発音】 ad-ver-tise (3音節)
長ったらしい ” advertisement ” よりも、 ” ad ” の方が
視認性が高く、 分かりやすい。
また、 4音節より1音節の方が発音しやすいためか、
実用の出番は ” ad ” の方が多めで、 筆舌不問で目立つ感。
上に掲げている警告表示の数々を見れば自明。
複数形は、 ” ads ” と ” advertisements”。
広告は複数並ぶのが普通なので、 名詞なら複数形の方が一般的。
- classified ads / classified advertisements
( 三行広告 )
– - an ad agency / an advertisement agency
( 広告代理店 ) ※ 形容詞
– - an ad campaign / an advertisement campaign
( 戦略的に集中投下する広告活動 ) ※ 形容詞
–
広告を強制されるのは、 心証がよくないかもしれないが、
無料で利用する以上、 文句を言う筋合いはない気がする。
–
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◆ サイト内のリンク経由で、 製品・サービスが購入されれば、 広告収入
とは別に、 商品紹介料( アフィリエイト報酬 )も得られたりする。
レビュー記事・動画には、 あらかた アフィリエイト が仕組まれている。
インターネットビジネスでは確立した商法で、 どこもかしこも導入している。
地球規模の需要を掘り起こせるのが英語辞書で、 ユーチューバー顔負け。
優秀なビジネスモデルだろう。
私たち学習者は、 大いに感謝しつつ、 存分に使わせていただこう。–
–
◇ ” LDOCE ” は、 たった2,000語 !
日本の中高生が学ぶ英単語だけで、
全23万語を説明。
こんなことが可能なのだ。–
![]() |
– Longman Dictionary of Contemporary English (6E) 6th Edition Paperback with Online Access Code – ロングマン現代英英辞典 第6版( LDOCE6 ) – Pearson Education( ピアソン ) – ◇ オンライン辞書への 「 アクセスコード 」 付き– – → 古本購入には、要注意 – ※ アクセスコードは、 裏表紙の内側( 見返し )に、 「 スクラッチ印刷 」 ( コインなどで擦る ) されている – |
–
【 ご注意 】
2022年、 ” LDOCE6 ” オンライン用書籍の特典サポートは終了。
わざわざ高価な 「 アクセスコード 」 付き辞典を選ばなくてもよい。
–
↓
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alternative ( 代替案 ) が、
” LDOCE6 ” アプリ の「 無料化 」
2022年6月まで、 約4,000円 で販売していた、 いわくつきアプリ。
本家発の 「 不良アプリ 」 として、 2014年発売時から悪名が立つ。
当初は、 6,000円 を超えていた。
世界中のユーザーの怒りを買い、 最低レビュー ( ★☆☆☆☆ )の嵐。
本稿では、 リアルタイム で公式アプリの更新状況を追いかけてきた。
大好きな辞書なのに、 不良のまま長年放置したことが許せなかったから。
最初の3年間 ( ~2016年 ) は頻繁に更新されていたが、 なぜか不完全。
やや意地悪いが、 追及した迷走ぶりの一部をそのまま残しておきたい。
併せて、 公式サイトの数多のレビューを、 ご一読いただければと願う。
現在、 一応は改善されている。
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https://global.longmandictionaries.com/
–
※ 2023年1月 アクセス※ 下線・枠は引用者
–
【発音】 ɔːltə́ːrnətiv
【音節】 al-ter-na-tive (4音節)
【参照】 alternative ( 代替、 代替の、 選択肢 )
–
一部拡大すると、
–
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Alternatively, you may also use our free dictionary website at https://www.ldoceonline.com.–
Download App :
- For Apple iOS devices [ Download Now ]
- For Android devices [ Download Now ]
https://global.longmandictionaries.com/
※ 2023年1月 アクセス
–
【 iOS 日本サイト 】
https://apps.apple.com/jp/app/longman-dictionary-of-contemporary-english-6th-ed/id597492646?l=jp
–
【 Android 日本サイト 】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobifusion.android.ldoce5&hl=ja
◆ LDOCEは、学習英英辞典 ( EFL辞典 ) の代表格
- 初版( LDOCE1 )は、1978年発行
- 最新の第6版( LDOCE6 )は、 2014年発行
- 2,162頁、 オールカラー
- 実寸 : 23 x 14.8 x 5.5cm
- 重量 : 1,600g
–
中身は、通常のLDOCE6 ” Paperback ” と同様( ※ )。
「 アクセスコード付き 」 LDOCE6
( ” Paperback & Online ” または ” Hardback & Online ” )
の目印は、表紙と背表紙に表示されたマーク ( 各 1.2 x 1.2cm )。
▼ このマークを除き、外観は瓜二つなので、要注意 ▼
【 ご注意 】
2022年、 ” LDOCE6 ” オンライン用書籍の特典サポートは終了。
わざわざ高価な 「 アクセスコード 」 付き辞典を選ばなくてもよい。
–
↓
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” LDOCE6 ” アプリ の「 無料化 」
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改訂される度に、 見違えるほど改良されており、
EFL辞典 のロングセラー としての矜持を感じる。
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Clear, easy-to-understand definitions
written using only 2000 common words
–
「 2,000語ですべてを表現する世界 」
< 公式サイト > https://www.ldoceonline.com/
–
–
◆ LDOCE 情報サイト ※ 外部サイト
- LDOCE6 商品紹介 ( ピアソン公式 )
http://global.longmandictionaries.com/
https://www.pearson.com/english/catalogue/longman-dictionaries.html
– - Wikipedia ( 日本版 )
https://ja.wikipedia.org/wiki/
– - 学習英英辞書の比較
( 中邑光男 関西大学教授、PDF 全3頁、461KB、2005年頃 )
https://www.taishukan.co.jp/gcdroom/gcd_tsuushin/
– - LDOCE5 (2009) と CALD3 (2008) の比較
( 藤本和子 創価大学教授、PDF 全11頁、823KB、2009年 )
https://soka.repo.nii.ac.jp
– - OALD、 LDOCE、 COBUILD の比較
( Hirota氏 ブログ、 2009年 )
https://kaysaka.blog.so-net.ne.jp/2009-10-06
– - 英英辞書早わかり
( セイコーインスツル HP、 2009年頃 )
https://www.sii.co.jp/cp/dictionary/lex/easy/–
–
- LAAD( ロングマン現代アメリカ英語辞典 )との比較
( セイコーインスツル HP、 2009年頃 )
https://www.sii.co.jp/cp/dictionary/lex/comparefour/
※ ロングマン には、2種の アメリカ版 がある。 LAAD と LDAE。
–
- 英語教師の7つ道具
( 須賀氏 ブログ、 2010年頃 )
https://www2.kct.ne.jp/~suga/nanatudogu.htm
–
- 写真入りで特長を詳述
( 楽天ショップ )
https://item.rakuten.co.jp/eigo/longman-dic/
– - 辞書アプリの実力
( ビッグローブ、2013年 )
https://manabi.biglobe.ne.jp/special/nikkeitrendy/
– - OALD( オックスフォード現代英英辞典 )活用ガイド
( 山田茂 早稲田大学教授、PDF、旺文社 )
–
< OALD10 > 2020年発売
https://www.obunsha.co.jp/service/oald10/
– - 大学生や社会人におすすめの電子辞書
( Taka氏 ブログ、 2018年 )
https://english-pal.net/archives/984
– - ロングマン, オックスフォード, コウビルド
3大英英辞典を徹底比較! おすすめは?
( rabakii氏 ブログ、 2021年 )
https://beyond-je.com/learners-english-dictionary/
– - 比較2022 最新スマホ用辞書アプリ42点の性能とおすすめ
【 Android・iPhone 】
http://monomania.sblo.jp/article/182382305.html
2022年10月26日付
– - 大学生向け電子辞書53点のおすすめ( 前編・後編 )
http://monomania.sblo.jp/article/95098519.html
http://monomania.sblo.jp/article/185400656.html
2022年12月13日付
–
◆ ” LDOCE6 ” の iOS アプリ の欠陥に ついて
▲ 2022年に Pearson 社が、 無償提供するに至った
理由は上述した ( ” As an alternative ” )。
–
< 注意喚起 – 2023年2月2日 現在 >
LDOCE最新版である 「 第6版 」 の iOS アプリは、
本家の ” Pearson Education ” が販売中。
ところが、 なんと、
★ 「 不良アプリ 」として知られている。
▲ 一応、 改善されている。
–
–
むやみやたらに 機能不全 を起こす。
具体的な欠点は、 販売サイトのレビュー欄をご参照。
【 追記 】 3年間の放置後、2020年2月に、手入れ
しているものの、 評判は依然として芳しくない様子
→ 以後、 再び放置しているから、やる気ないみたい
- 2年経過の2022年夏、 お手入れしてくださいました。
6月に Andorid版、 8月に iOS版 が更新されました。
現役であることが分かったので、 恩に着ます。 感謝。
–
★ However, 2022年6月、 ついに
「 無料化 」 に踏み切ったようだ …
約 4,000円 → 0円
やることが 極端だわ。
▲ 無償提供するに至った経緯は上述した。
( ” alternative ” )
–
【 iOS 日本サイト 】
https://apps.apple.com/jp/app/longman-dictionary-of-contemporary-english-6th-ed/id597492646?l=jp
【 iOS 米国サイト 】
https://apps.apple.com/us/app/longman-dictionary-of-english/id597492646
–
–
【 Android 日本サイト 】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobifusion.android.ldoce5&hl=ja
【 Android 米国サイト 】
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobifusion.android.ldoce5&hl=en–
–
–
◇ 結果的に、ヘビーユーザーのほとんどが、
旧版 “ LDOCE5 ” のアプリを使ってきた。 私も。
- LDOCE5
https://itunes.apple.com/jp/app/ldoce5/( リンク切れ )
( Enfour 社 )→ English Channel 社 に引き継がれた
※ 販売停止処分により廃業
※ 謝罪文( PDF )参照 : 2012/11/05、 2013/01/28
– - LDOCE Plus / Activator 込み
https://itunes.apple.com/jp/app/ldoce-plus( リンク切れ )
( English Channel 社 ) ← 旧 Enfour 社
–
既に触れたように、 書籍版 ” LDOCE6 ” をスキャンした、
自炊版 を別途こさえて、 外出時は凌いでいる。
◆ アプリ版は、複数の企業( ロゴヴィスタ、物書堂、
ビッグローブ など )が、 同一辞書を販売している
ケースが少なくない。
” LDOCE ” の場合、教育出版大手である Pearson に加えて、
既出の English Channel、 Enfour など。
使い勝手に差があるため、選択にはご注意。
改訂履歴・版数・各種レビューを調査し、ご自分に合った
ものを選ぶとよい。
LDOCE6のように、 まともに機能しない < 純正品 >
も売られていたりする。
なんとも情けない。
貴社の社是 ” Always Learning ” が泣くよ、 Pearson 様。
–
◇ 辞書アプリ購入時の注意点
既記の通り、複数企業が同一辞書を販売している。
適切なアプリを選ぶためのチェックポイントを挙げる。
いずれも、当該アプリの販売サイトなどに掲載されている。
–
■ 改訂履歴 ( Version History )
改訂履歴にて、最終更新日とバージョン を必ず確認する。
自社製アプリの改善(バグ修正など)に
積極的な企業とそうでない企業がある。
リリース後、放置される高額アプリもある。
このようなアプリは、OSの大型アップデート後に
不具合が生じがち。
最悪の場合、ろくすっぽ起動できなくなる。
問い合わせても、なしのつぶて。
改善の目処が立たないまま、いつまでも使えない。
決して珍しくない話。
ぬかりなく改訂されている、他社製アプリは、
大型アップデート後も、問題なく作動したりする。
–
■ 版数 ( Version )
異なる版が、同時販売されていることは普通にある。
例えば、
- A社 最新版の第7版
- B社 旧版の第6版
- C社 第7版及び第6版
実に紛らわしい。
「書籍版」辞書の発行日を下調べして、当たりをつけて
おかないと、望まない旧版アプリを入手するはめに。
「書籍版」から、数年遅れてアプリ版が発売される
場合もよくあるので、待つべきか検討する。
–
■ 性能 ( Features )
実装されている特徴・特性は、使いやすさの決定打。
気軽に使える感覚が大事。
たやすく使えないと、使わずじまいになってしまう。
例えば、電子辞書の特長である、ジャンプ機能がどの範囲まで有効か。
例文にも適用されるか。
アプリ画面の外観( Preview )からも、自分との相性 が見えてくる。
–
◆ 弊サイトがお勧めする EFL辞典 の選び方
< 3大学習英英辞典( EFL辞典 ) >
–
「 3大EFL辞典 」として、 LDOCE、 OALD、 CALD
を私は挙げたい。
3点とも「 イギリス系 」の辞書。
「 アメリカ系 」の代表は「 ウェブスター 」の名を冠する辞書。
前出の「 メリアム ウェブスター 」や
“ Webster’s New World College Dictionary “( ※ )など。
–
※ “ Webster’s New World College Dictionary “ は、
–弊サイトが日本人にお勧めしているネイティブ向けの辞書–
→ 辞書のご案内(写真入り): “ tapped out “
–
CALDではなく、” COBUILD ” すなわち『 コウビルド英英辞典 』
( Collins COBUILD Advanced Learner’s Dictionary )
を入れる説の方が有力。
–
それを承知の上で、CALDを選抜した。
–
COBUILDは、伝統のある上質な辞書に違いない。
例文は完全文( full sentences )。
日本人学習者に人気が高いため、
英語特化の電子辞書に長らく搭載されてきた。
初版は1987年発売。
2018年には、第9版 を発売。
–
イギリスのコリンズ社が資金を出し、同じくイギリスの
バーミンガム大学が集めた 以下の英文データベースに基づく。
” Collins Birmingham University International Language Database ”
頭文字をとって、” COBUILD “( コウビルド )。
大規模な コンピュータ・コーパス を活用しているのが強み。
これまた 「 イギリス系 」 である。
–
しかし ” COBUILD ” は、 自動詞・他動詞の別を示さない。
–
日本人が英語の動詞を学ぶ際、 この区別は大切。
とりわけ、中級 レベルに達すると、 違いを強く意識するようになる。
初学者は、 なかなか気づかない。
初級段階では、 さほど重要でもない。
英語ネイティブ向けの ” Collins English Dictionary ” には、ちゃんと
自他動詞の記載があるのに、 学習者向けの上記辞書には欠けている。
昔からそうだ。
本当に 残念な話。
さらに、
” COBUILD ” の 語釈がすこぶる個性的 で、冗長 に流れがち
な弱み (?) も考慮した。
【例】
in / with regard to – 、 initial、 pros and cons、
thrilled、 handy
ゆえに、 代わりに ” CALD ” を「 3大 」入りさせている次第。
–
–
この3冊の中から、 ご自分が 使いやすい 1冊を手元に置くと便利。
英和辞典に見られる難点( ※ )を補うために、
英英辞典が役立つからである。
※ 「 難点 」の例は、次の各項目で挙げている。
deprivation、 lambaste、 impressive、
check、 clarify、 reunite、 wacky / wacko
–
■ EFL辞典 の選び方については諸説紛々 だが、
3冊とも 完成度は高く、安定して優れている。
よって、 < 相性 >で選んでよい と考える。
–
◆ 日本には、 英語の辞書に造詣が深い専門家や学習者が大勢おられる。
丹念な比較対照のレビューはとても参考になり、 ありがたいものである。
けれども、 レビュアーの方々が、 常日頃から英語を使っているかは不明。
実生活では、 英語に縁遠い 「 辞書マニア 」 も数多く存在する模様。
【参照】 詐欺教材大国の日本
がんがん使い込まねば、 浮上しない視座を伴うのが、 辞書やレファ本。
そもそも力量と用途は人それぞれなので、 目の付け所は各々違ってくる。
したがって、 批評記事を鵜呑みにせず、 後述のオンライン検索
を実行したり、 図書館や書店で辞書の実物を手に取ったりして、
ご自分自身で 感触を試す 行動力 が望ましい。
–
< 選び方 >
先にご紹介した無料オンライン版で、
◇ 既習の同一単語を 15個ずつ 検索
してみる。
結果を比較し、 ご自分がすんなり理解しやすい
解説を示す1冊を入手すれば、 まず間違いない。
なぜ、 既習( 既に学習した ) の単語かというと、
会得している分、 パッとイメージしやすいから。
適不適も感覚的に判断しやすい。
未習単語のチェックはその後でよい。
- ロングマン( LDOCE )
https://www.ldoceonline.com/ - オックスフォード( OALD )
https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/ - ケンブリッジ( CALD )
https://dictionary.cambridge.org/
–
◆ 一長一短があるのは当然であり、 私たち学習者が
目くじら立てるのは、 おこがましいのではないだろうか。
自ら選んだ 「 1冊 」 のみを使い倒す方が、 達成感は大きいと思う。
きちんと使ってみて、 それでもなお不満であれば、
さっと鞍替えすればよい。
私自身は、COBUILDを含む4冊すべてを用意し、
どれも常用している。
業務上、 英語必須のプロだからに他ならない。
専門家以外の一般学習者は、 1冊だけの方が効率的と考える。
–
【参照】
■ 語義の配列 → 発生順( 歴史主義 )か頻度順か
■ 「 自炊本 」「 紙 」の辞書を含む 使用辞書一覧
—-→ 世界最大 “ OED ” と 日本最大 『 日国 』 入手済み
–
◆ 大学入試と英英辞典
日本の大学の 一般入試 には、
最新版の英和辞典と和英辞典1冊ずつ
で十分と考える。
必ず 「 最新版 」 で。
英英辞典に手を出す必要はない。
時間がもったいないから。
他科目を勉強しない、もっともらしい口実 になりうる。
大変危険。
時事英語が入試に頻出だとしても、
これはあくまでも大学受験。
英英がないと絶対解けない問題は出にくいはず。
英英辞典は、 合格してから使おう。
もっとも、 勉強時間のほとんどを英語対策に
当てられる受験生は、 この限りではない。
◇ ご家庭の事情などにより、必要な英和または和英辞典
の入手が困難な中学生・高校生の方は、もしよろしければ
「 お問い合わせ(Inquiry)」からご連絡ください。
–
◆ 英語辞書は 「 紙 」 か 「 電子版 」 か
1. 初学者は 紙中心 がよい。
2. 学習レベル不問で、併用がベスト。
3. 電子版 は持ち運びが楽で、気楽に確認できるのが利点。
–
■ 初学者: 紙は必須。
紙中心がよい。できれば、電子版も併用。–
※ 日本の一般的な小学生・中学生・高校生はこの範疇
■ 中級者:紙と電子版のいずれか使いやすい方。
併用がベスト。–
■ 上級者:英語のプロでない限り、電子版のみでよい。
紙も併用するとベスト。–
–
–
◇ 詳細は、 英語辞書は「紙」か「電子版」か
–
◆ 世界初の学習者向け英英辞典は、日本発祥
以下、 弊サイトの 辞書は「 紙 」か「 電子版 」か より再掲。
–
****************************************
–
世界初の学習者向け英英辞典( EFL辞典 )は、 日本生まれ。
英学界の巨人、斎藤秀三郎( 1866-1929 )が、 影の立役者となっている。
–
–
– p.3.
–
p.16.
–『 英語天才 斎藤秀三郎 』
竹下 和男 (著)
日外アソシエーツ、 2011年刊
A5判 340頁
–
◆ 大村喜吉( 1916-2003 )の名著 『 斎藤秀三郎伝 』( 1960年刊 )
は、出版元の吾妻書房の廃業により絶版となり、今や入手困難とされる。
昔は、割かし容易に手に入ったため、 何気なく6冊購入しておいた。
高価な希少本として扱われる時代が来るとは、思いもよらなかった。
同書の読みどころ20ページに加えて、 現物の表紙と帯の写真も、
辞書は「 紙 」か「 電子版 」か に掲載中。
弊サイトでは、 斎藤秀三郎( さいとう ひでさぶろう )について、
何度も言及している。