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Unsightly

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醜い、見苦しい

容姿の話題は、慎重さを要する。

“a sensitive topic”(取り扱いが微妙な話題)の典型だから。
不用意に発言すると、思わぬ結果を招いたりする。
無思慮で触れてしまい、地位を危うくした公人は少なくない。

人の美醜は、とかく扱いがたい。

「美」への称賛は珍しくないものの、「醜」への言及は
避けるのが一般的。

その反面、視覚情報が最大級の情報源であることは、
ほとんどの人が経験上理解している。

メラビアンの法則

感情や態度の伝達時に、矛盾した情報を発信
した場合、受け手の判断に影響する割合

  • 視覚(Visual)55%
  • 聴覚(Vocal) 38%
  • 言語(Verbal)  7%

※ 1971年発表

※ “7-38-55 Rule” ともいう

目で見て判断することは本能に近い。
それを裏打ちする研究結果である。

その要素に美醜が含まれるのは、自然なことであろう。

【参照】  “Beyond recognition“(見る影もなく)

本稿では、<人間以外の視覚的醜さ>を中心に取り上げたい。

忌避されがちの見目形の表現に比べれば、日常的に役立つ
と考えるからである。

そこで “ugly” と並んで、多用されるのが “unsightly“。
両方とも形容詞である。

※ “ugly” には、名詞「醜い人」「不機嫌」もある

“unsightly”

ugly or unpleasant to look at.

(ロングマン、LDOCE6)

※ 下線は引用者

【発音】 ʌnˈsaɪt.li

この説明に該当するのは、次に挙げる日本語。

※ <人間以外の視覚的醜さ>と無関係な記載には、
取り消し線を入れた。

「醜い」
(1)見ていやな感じがする。見苦しい。
(2)容貌が悪い。みめがよくない。

「見苦しい」
(1)見るにたえない。みにくい。みっともない。
(2)ものを見るのに困難である。見づらい。

「みっともない」
見るにたえない。また、外聞がわるい。

「目障り」
(1)ものを見るのに邪魔になること。また、そのもの。

(2)見て不愉快に感じること。また、そのもの。

(広辞苑 第六版)

絶望的なネガティブさに満ちた語釈ばかり。
視覚的イメージが、情動(emotion)を動かすことを
実感してしまう。

「醜い」の英訳は、”ugly” が目立つ。

心・考え方の醜さや状況の悪さにも使えるため、
広範をカバーする。

中級以上の英語学習者なら、既習の基礎単語である。

一方、”unsightly” には “ugly” の応用力は欠ける。
上記LDOCE説明の短さからも分かるだろう。

視覚に限定されるのは、名詞・自他動詞の “sight”
が「視覚」「見る」を意味することからも自明

■ “unsightly” は形容詞のみ。副詞ではない。

“sight” に接頭辞 “un”(反対)と接尾辞 “ly”(~のような)
を足したもので、「見えないような」が直訳。
転じて、「見苦しい」「醜い」。

13世紀以前から、この意味で使われ続けている。

■ 名詞は、”unsightliness” で不可算名詞。

■ 形容詞 “unsighted”(見えていない)

■ 形容詞・他動詞 “unsight”(調べていない、見えなくする)
は意味は異なるが同根。この2語はめったに使われない。

◆ “ugly” が、人間の姿形に使われるのは言うまでもない。
“unsightly” も、人間に用いることができる

unsightly

used as a polite word for ugly.

Macmillan Dictionary

【発音】 ʌnˈsaɪt.li

マクミランによれば、「”ugly” を上品にした言葉」。

しかし、実際の用途では、いわゆる「ルックス」
(顔立ち・体つき)以外に起用されるケースが多い。

について “unsightly” を用いる場合、
全体的な容姿(ルックス)よりは、
部位的な醜さに多用される傾向

どれも見苦しい例に違いない。

しかし、カタカナ「ルックス」からは一線を画する。

あくまでも<部分的な問題>であり、顔立ち・体つきを
指しているのではないからである。
近頃は「パーツ」と称する内容である。

そのため、話題の禁忌度は下がると考えられる。
それでも、その持ち主にとっては、苦しみが伴うだろう。

5つとも、”ugly” で置き換えることができるので、
ネガティブな要素は拭いきれない。

少なくとも、人前で好んで持ち出す話題ではない。

◆ では人体を離れ、一般の物品を見てみよう。
それほど自制する必要はなく、”unsightly” の本領
というべき使い方である。


【類似表現】

 

 

 

 

 

 

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