許して、忘れなさい。
直訳そのまま。
“Forget and forgive.”ともいう。
憎き相手を許し、その件を忘れろということ。
「水に流せ」と勧めているわけだ。
忘れる対象は、相手そのものでなく、その仕打ちである。
ひどい扱いを受けた記憶は、そうそう忘れられない。
その痛みを理解しない他人から「許せ、忘れろ」
と言われても、傷が深まるばかりだろう。
相手を許し、不快な過去を消去することで、自分自身を解放する。
こういう自省的戦略は、建設的かもしれない。
しかし、他者に対して、むやみに用いるべき言葉でない。