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Play hardball

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強硬手段をとる、  強気で渡り合う

強い態度で臨む手段が「 強硬手段 」。

自分の考えを譲らない手ごわい姿勢である。


◇  「 強硬手段をとる 」の主な英訳

  •  take forceful measures
  •  take strong measures
  •  take tough measures
  •  take hard measures
  •  take extreme measures

◆  ” measures “( 手段 ) は、” actions ” または ” means
に置換えても、 趣旨は変わらない。

【発音】  méʒər
【音節】  meas-ure  (2音節)

ニュースでは、 お馴染みの英文である。

「 強硬手段 」とニュース報道されても、 違和感は生じないだろう。

国際政治には欠かせない表現。

◆  しかし、 普段の職場ではどうか。

いかめしすぎて、 ハラスメントを避けたいオフィスには
似つかわしくないのではなかろうか。

むき出しの強引さは、社内外を問わず、
コミュニケーション手段として稚拙


この点は英語でも同様。

” tough measures ” などの言い方は、
けんか腰( combative )な印象を帯びがち。

日常的に多用すべきでないと考える。

だが現実問題として、自分側から
強く押さねばならない場面は珍しくない。

例えば、 相手がやるべき課題を放置している場合。

その際に便利なのが、” play hardball “。

「 強硬手段 」の柔らかめの言い回し である。

” forceful ”  や  ” tough ” など強腰の言葉を、
” hardball ” で表象している。

◆  ” play hardball ” の語源は、 プロ野球の「 硬球 」。

プロ以外は「 軟球 」( soft ball、2語 )を使うことも
多かった、 1973年頃のアメリカで生まれた。

硬球 ” hard ball ” がくっついて、 ” hardball “。

【発音】   hɑ́ːdbɔːl
【音節】   hard-ball  (2音節)

1語の ” hardball ” で 「 野球 」 の意味もある。

 

硬球  → 強硬手段

 

◆  ” hardball ” には、 名詞と形容詞がある。

–  名詞 「 野球」 「 強硬手段 」
–  形容詞 「 厳しい 」 「 挑戦的な 」

形容詞用法の代表例は、

この用法の名詞は、不可算名詞

よって、 不定冠詞 ” a ” は付かない。

この点、「 野球 」 と一緒。

【誤】  play a hardball     【正】  play hardball
【誤】  play a baseball     【正】  play baseball

一方、「 硬球 」 を表す2語の ” hard ball ” は可算名詞。

 


Play hardball

Informal : to be very determined to get what you want,
especially in business or politic
.

( ロングマン、 LDOCE6 )

【発音】   hɑ́ːdbɔːl
【音節】   hard-ball  (2音節)


上記 ” informal “( 非公式、くだけた表現 ) の通り、
口語で目立つが、ビジネス・政治経済でも使われている。

日本の英和辞書には「俗語」の記載もみられるが、
この使用場面から分かるように、下品さはない。

◆  ” play hardball ” は「 強硬手段をとる 」 に加えて、
強気で渡り合う 」の意もある。

文脈で識別するが、 ガンガン押し切る点は共通。

厳密な区別は、 さほど必要はないだろう。

 

【関連表現】    ※  措置、 手段

 

 

 

 

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