プロ翻訳者の単語帳

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Take action

      2026/10/20

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 16 minutes

行動を取る、   行動を起こす 

颯爽と行動する姿はかっこいい。
–
あれこれ理由をつけて、 実行しない輩が大勢いる中、
果敢に動ける気っ風は痛快で、 見ていて気持ちよかったりする。

腰が重く、 屁理屈をこねてばかりの人々に比べれば、
行動する者の方が、 概ね得るものが大きいと考えられる。

これを裏付ける言葉の一例。
–

–
There are risks and costs to action.
But they are far less than the long range
risks of comfortable inaction. 

( 行動にはリスクとコストが伴う。
しかし長期的に見れば、 なにもしない安逸より、
リスクもコストもはるかに低くなる。)

John F. Kennedy ( 1917-1963 )
ジョン・ケネディ  第35代米国大統領

–

◆  先日、偶発的な作業を終えてみて、改めてそう感じた。

訳あって、早朝に出勤したところ、通路口の廊下に、
なにやら黒い物体が転がっている。

なんだろう?

近づいてみると、犬のフンのよう。

どこかのワンコの置き土産らしい。

一般向けの行政用語として、よく ” dog waste ” と称される。

ペット全般のフンであれば、” pet waste “。
–

◆  ” waste ”  は可算名詞でもあるが、 この用法では  不可算名詞。

それに対し、可算名詞  の代表例は、 ” a waste of – ” ( ~ の無駄 )。

  •  a waste of time   「 時間の無駄 」
  •  a waste of money   「 お金の無駄 」
  •  a waste of energy   「 エネルギーの無駄 」
  •  a waste of resources   「 資源の無駄 」
  •  a waste of effort  「 努力の無駄 」
  •  a waste of talent  「 才能の無駄 」

語源は、 中期英語「 荒廃した 」( wast )。

成り立ちにふさわしく、 どれも暗くネガティブな語調。

【発音】  wéist
【音節】  waste  (1音節)

不可算名詞  の代表例は、

  •  fuel waste   「 廃燃料 」「 燃料廃棄物 」
  •  hazardous waste   「 有害廃棄物 」
  •  industrial waste   「 産業廃棄物 」
  •  solid waste   「 固形廃棄物 」
  •  waste water  「 排水 」 「 汚水 」
  •  toxic waste   「 有毒廃棄物 」
  •  drain waste   「 排水廃棄物 」 「 配管廃棄物 」
  •  kitchen waste   「 台所ごみ 」 「 生ごみ 」
  •  food waste   「 食品廃棄物 」 「 生ごみ 」
  •  green waste   「 植物性廃棄物 」 「 草木類 」

–
◆  機械などを拭くボロ布 「 ウェス 」 も、” waste ”  由来。

犬・ペットの出す「 廃棄物 」みたいな「 排泄物 」なので、
” dog waste ”  と  ” pet waste “。

「 汚物 」 と総称されるもの。

より身近な名称は、 ” dog poop ” ( 犬のうんち )と
” pet poop ” ( ペットのうんち )。

【発音】  púːp
【音節】  poop  (1音節)
–

” poop ” は、 ” poo ”  ともいう。

【発音】  puː
【音節】  poo  (1音節)

–
犬のうんち処理袋は、 ” dog poop bags “。

” dog waste bags ”  の方が上品ではある。

犬の愛称を用いて、 ” pooch bag ”  ともいう。

” pooch ” は 「 ワンコ 」 「 ワン公 」 に似た態。

【発音】  púːtʃ
【音節】  pooch  (1音節)
–

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↑  おすすめの  ” poop bags “

( 人畜共通 で使える逸品 )

–
–
育児・介護に、 きっと役立つ心強い味方。

急に トイレが詰まった 時や  ゲロ袋  としても、便利。

本当に臭わなくて、 助かります。

 

–

◆  「 うんち 」 用途の  ” poop ” も、 不可算名詞。

語源は中期英語の ” powpen “( 音を出す )とされる。
‐

  • ” Natto makes my poop slide out effortlessly each morning.”
    ( 納豆のおかげで、毎朝、お通じが良好です。)
    ( 納豆のおかげで、毎朝、うんちが無理なく滑り出る。)
    –

◆  ” dump ” も、 俗語で 「 うんち 」 「 うんこ 」 を意味する。

語源は諸説あり、 古ノルド語 「 崩れ落ちる 」( dumpa )
もそのひとつ。

ドバっと  排便するイメージか。

幼児語の ” poop ” は、 大人にとっては 婉曲 的な立ち位置。

” poo ”  も同様。
–
一方、 ” dump ”  は下品で、「 卑語 」表記する辞書もある。

例えば、『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』。

【発音】  dʌ́mp
【音節】  dump  (1音節)

–
もし 「 卑語 」 なら、 「 くそ 」となる。

こちらは  可算名詞  となり、 ” take a dump ”  で 「 くそをする 」。

表題  ” take action ” と同じく、 他動詞  ” take ” ( 実施する、講じる )。

  • ” I took a  very big, smelly  dump  at work.”
    ( 職場で、めっちゃでかくて臭いくそしたんだ。)
  • ” My baby  took a dump  during a diaper change.”
    ( おむつを替えてあげると、 あの子ったら、 くそしたのよ。)
    ※  おむつ交換 →  ” change nappies “、” change a baby”  とも

これほど乱暴な物言いをする保護者はまずいない。

他動詞  ” take ”  を使いたいなら、 次の 婉曲表現 がよい。

職場で私も使ってる。

  •  take  a  big one
    ( 大をする )  ←  大便

–

◆  ” LDOCE6 “( ロングマン ) の名詞  ” waste ” は、 以下全文。

「 うんち 」が明示されていないのが意外だが、 語釈 「 4 」に該当する。
–

–
–
LDOCE6 ( 書籍版 ) p.2055.
(Pearson Education 2014).

–
【 英英辞典 の 基本凡例 】

・  n  =  noun  =  名詞
・  U  =  uncountable  =  不可算名詞
・  singular  =  síŋgjulə  =  単数名詞
—-→  通常、単数形で使われる名詞
・  plural  =  plúərəl  =  複数名詞    ※  後述
—-→  通常、複数形で使われる名詞
————————————
・  C  =  countable  =  可算名詞
・  v  =  verb  =  動詞
・  T  =  transitive  =  他動詞
・  I  =  intransitive  =  自動詞

 

◆  コスパ 最高の健康のバロメーターで、 ありがたい自然の恵みなのに、

” UNWANTED MATERIALS ” ( 不要な物質・物体 ) なんて、ひどい。

と思ったら、 語釈 「 4 」専用の  Collocations ( コロケーション = 連語 )

が設けられており、下欄には  ” human waste ”  としっかり書いてある。

先述に倣う と、 人間の出す「 廃棄物 」 みたいな 「 排泄物 」「 汚物 」
なので、 ” human waste “。

「 うんち 」  のみならず 「 尿 」も含むのが、 不可算名詞  ” waste “。
–

◆  ” dump waste ”  も目を引くが、 「 くそうんち 」 ではない。

こっちの  ” dump ”  は 他動詞 「 捨てる 」 ゆえに、「 廃棄物を捨てる 」。

「 捨てる 」  用途ならば、 卑語ではない。

ダンプカー( a dump truck ) につながる  ” dump ”  の語意である。

「 ダンプカー 」  は和製語。

無造作に 「 ドバっと投げ捨てる 」  感じで、 前掲の語源、
古ノルド語 「 崩れ落ちる 」( dumpa ) に忠実な意味合い。

仕事を ドバっと丸投げ し、 押し付けるのは、 ” dump the job on – “。

異性をふる行為は、 ” dump him “、 ” dump her ”  で、 一方的に
ドバっと 「 捨てる 」「 拒む 」「 退ける 」。

データを出力するダンプ( dump ) や  ダンプリスト ( a dump list )
についても、 ドバっと出力 して 「 吐き出す 」 「 放出する 」 流れから、
どうにか連想できよう。

【発音】  dʌ́mp
【音節】  dump  (1音節)

【活用形】  dumps – dumped – dumped – dumping

 

–
–

『 小学うんこ英単語1500 』
古屋雄作 (著)
文響社、 2020年刊
–
<出版社>    <アマゾン>    <楽天>

◇  文響社 「 うんこ学園 」 「 うんこドリルシリーズ 」
–
–

※  実際の英語では,  うんこは  poop  などと言いますが

–
この通り、 的確な脚注を添えている。
–
–

P.3.

–  
ちょっと違う気がするが …

 

▲  他動詞  ” do ” を用いて 「 うんこする 」 は、 やや不自然。

あえて言えば、 日本語的な発想で、 強引に英訳した印象。

どうしても  ” do ”  を使いたいなら、 次の 婉曲表現 がよい。

職場で私も使ってる。

  •  do  number two
    ( 大をする )  ←  大便
    –
  •  do  number one
    ( 小をする )  ←  小便

無論、 れっきとした英語で、 辞書 にも載っている。

  •  ” I did number two,  and there was no toilet paper. “
    ( 用を足したら、 トイレットペーパーがありませんでした。)
    ( うんこしたら、 トイレットペーパーがなかったのよ。)
    –

–

うんこペン

↑  #2 = number two = うんこ
= poop = poo

–
Your #2 Pen !  =  あなたの うんこ ペン !

 

◆  先に触れたように、 他動詞 を用いた 「 うんこする 」 も
確かに存在する。

  •  take a dump
  •  take a crap
  •  take a shit
    –
    ▲  すべて乱暴で、 卑語 に近い 「 くそをする 」

けれども、 こと 「 うんこする 」 については、
自動詞 1語 を用いる方が、 より一般的な気がする。

  •  defecate ( 排便する )
    ※  堅めで知的、 子ども( ~ 12歳程度 )は使わない
    –
    【発音】  défikèit
    【音節】  def‑e‑cate (3音節)
    –
  •  poop  ( 動詞用法、 幼児語 )  ※  大人も使う
  •  poo  ( 動詞用法、 幼児語 )  ※  大人も使う
  •  shit  ( 動詞用法、 卑語 )  ※  子どもも使う
  • “My boyfriend pooped his pants ! “
  • “My boyfriend pooed his pants ! ”
    ( 彼氏が、 うんこ漏らしたの! )
    –
  • “My boyfriend shit his pants ! ”
    ( 彼氏が、 くそ漏らしやがった! )
    –

◆  もっとも、 明け透けに 「 うんこする 」「 排便する 」 ではなく、
英語においても  「 トイレに行く 」  辺りが、 無難な社会常識。

  •  use a bathroom
  •  use the bathroom
  •  go to the restroom

「 うんこする 」 なんて、 直接耳にする機会はめったにない。

「 うんこする 」 と他者に対して発言する場面も想定しにくい。

まあ、 当然だろう。

 

◆  庭の poop を片してもらう  ” poop scooper ” は、主に学生バイト。

” poop ”  をすくう( scoop ) 人だから、 接尾辞 “er” 付きの ” scooper “。

” scoop ” は、 他動詞 「 すくう 」 に加えて、 可算名詞 「 スコップ 」。

小型シャベル 「 スコップ 」 はオランダ語( schop )で、 英語は ” scoop “。

” scoop ” の語源もオランダ語で、 同源の 「 ひしゃく 」( schōpe )。

「 ひとすくい 」 の単位も報道機関の特ダネの 「 スクープ 」も、  ” scoop “。

【発音】  skúːp
【音節】  scoop (1音節)

1音節( one syllable ) なので、 一気に ゲロする 凄みが出る。

「 音節 」( syllable、シラブル ) とは、 発音の最小単位。

この 「 発音の最小単位 」 に切れ目がないのが 「 1音節 」。

日本語は、 原則として 「 仮名一字が1音節 」。

そのため、 音節を意識する機会は乏しい。

音節の日英比較は、” integrity ”  で事細かに取り上げている。
( 図入り、 動画入り )

 

◆  後始末を強いる規則、 通称 ” Pooper Scooper Laws ”  も実在する。
–

–
Commonly termed as the Pooper-Scooper Laws, the regulation cites
that all pet owners must remove or clean up all fecal waste deposited
by their dogs on the public and private property.
–
https://www.dogpoopsigns.com/pooper-scooper-laws-signs

–
” fecal ” は、 形容詞 「 糞便の 」。

【発音】  fíːkəl
【音節】  fe-cal (2音節)

医学用語  ” feces ” ( 複数名詞 plural、 前述 ) と同源。

「 排泄物 」 「 大便 」 の意。

【発音】  fíːsiːz
【音節】  fe-ces (2音節)

イギリス英語では、 ” faeces “。

【発音】  fíːsiːz
【音節】  fae-ces (2音節)

” feces ” の同義語の筆頭は、 ” excrement “。

【発音】  ékskrəmənt
【音節】  ex-cre-ment (3音節)

” feces ”  も  ” excrement  ” も堅苦しく、 あまり出てこない。

経験上はそんな印象だが、 元来そうそう飛び交うわけない語義。

現に上掲 ” LDOCE6 ” の指標でも、 両語とも全項目ノーマーク。

 

–
INSEINE Olympic is ‘stupid’ for
pushing athletes into poop-filled River Seine
–

–
–

poop-filled river
–

Olympics is ‘stupid’ for pushing athletes into poop-filled River Seine
https://www.thesun.co.uk/sport/29356084/2024-france-olympics-seine-river-athletes-ceremony-health/

2024年7月20日付
–
※  2024年8月12日 アクセス

–
うんこまみれ  のセーヌ川 ( Seine ) でオリンピック選手を泳がす

パリ五輪の愚かさ ( insane ) を揶揄して、 ” INSEINE ”  だと。

正気  ” sane ” とセーヌ川の発音は同じ。

【発音】  séin
【音節】  sane  (1音節)
【音節】  Seine  (1音節)

造語 ” INSEINE ” と ” insane ” の発音も同じと推断でき、 お見事。

 

◆  飼い主に後始末を促す標識は、住宅街の至る所に散見される。


–
–

通称 ” dog poop “ 

 

–

公共うんこ箱


–

まさか  …  なんで、こんな場所に? 

人影なく閑散としている始業時刻前の我が職場。

うららかな初夏の空気が心地よいはずのオフィス。

誰かが踏んづけたら大変。

ぷうんと悪臭が立ち込めたら最悪。

生ものだから、放っておくと腐るかも。

ああ、 どうしよう。

これぞまさに、 今そこにある危機。

私は、 第一発見者なのだ。

知らぬ存ぜぬでは済まされない。
–
私たちの 職場環境 を守らなければ !

–
Get action.  Seize the moment. 

( 行動を起こせ。 きっかけをつかめ。)

Theadore Roosevelt ( 1858-1919 )
セオドア・ルーズベルト  第26代米国大統領

–
天啓のごとく舞い降りた名言。  

そうだ、  自分できれいにしよう。

いつやるか?    今でしょ。

  • ” The time for action is now. “
  • ” Now is the time to act. “
  • ” I must act now. “

頭に渦巻く焦りを抑えつつ、 トイレのモップを勝手に拝借してくる。

  • ” I took action quickly to clean the dirty floor. ”
    ( 汚れた床を掃除するため、私はすばやく行動を起こした。)

–
Take action to clean up dog poop

–
–
モップを洗い、 デスクに戻り、 素知らぬ顔して終日従事した。

なんだか不思議なくらい、 気分爽快。–

その日は、 驚くほど仕事がはかどった。
–

–
Action is eloquence. 

( 行動は雄弁である。)

William Shakespeare ( 1564-1616 )
ウィリアム・シェイクスピア  劇作家

–
こうは言っても、 変に知れ渡ると今回は困る。

とりわけ、 早番出勤の 朝イチ の仕事として、

  • ” I got rid of dog waste. ”
    ( 犬の糞を一掃しました。)

と業務報告するのは、 ちょいとはばかられる。
–

結局、 皆に黙っていたものの、 勇を鼓してやってよかった。

【参照】   “「Gmail」で作る単語帳 ”

 

 

I did good job !

–
–
◆  行動を起こすには、 目的や動機を要する。
–
活動の源となる、体力・気力などのエネルギーも欠かせない。

意欲があっても、 ある程度の条件が整わない限り、
身動きできない難関が降って湧くのが人生。

制約要因は、 資力と時間ばかりでない。 

それゆえか、 万難を排して 前進する 人は評価される。

行動には、ありとあらゆる要因が作用し、 もたらす影響は様々。

本人の資質に左右されるケースも少なくない。

とにかく行動を起こせば、 座視 では得がたい、 なにかを吸収できる。

たとえ、 失敗したとしても、 気長に構えれば、 人生の糧となる。
–
–
◆  行動を推奨する言い回しは、 数多く存在する。

  • Any action is often better than no action.
  • Thinking will not overcome fear but action will.
  • Action is a great restorer and builder of confidence.
  • Action will delineate and define you.
  • Vision without action is merely a dream.
  • High achievers move into action immediately.
  • Action without a name is meaningless.
  • Action breeds confidence and courage.
  • We have total control over how we take action.
  • Infuse your life with action.

ふつふつたぎるエネルギーがほとばしる、 威勢のよい英文。

リズム感にあふれ、 和訳するのは差し出がましい気がする。

中級学習者であれば、 ひと目でさっと読み取れるだろう。

表題の  “ take action ”  は、 これらの要約に近い。

行動力が放つ前向きな気概を、 2語で一挙に示す印象。

定訳は 「 行動を取る 」 または 「 行動を起こす 」。
–

–
take action

to do something;
to act in order to get a particular result.
–
–
–
https://www.merriam-webster.com/dictionary/take%20action
メリアム ウェブスター、 1828年創業

※  2025年3月17日 アクセス

–
以上が全文である。

“  idiom  ” ( イディオム ) と明記する。

すなわち、「 慣用句 」 「 成句 」 「 熟語 」。

【発音】  ídiəm
【音節】  id-i-om (3音節)
–


◆  ” take ” には、他動詞・自動詞・名詞がある。

【発音】  téik
【音節】  take  (1音節)

語源は、古ノルド語「 つかむ 」「 取る 」( taka )。

「 なにかをつかみ取る 」という意味合いの 他動詞 こそ、
” take ” の最も基本となる語義。

  • 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
  • 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
  • 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
    ( ロングマン ” LDOCE6 ” 指標より )

他動詞  ” take ” は、数ある英単語全体から見ても、
最頻出かつ最重要。

【活用形】  takes – took – taken – taking

” take ” は、どの品詞も極めて多義であり、語源にとどまらず、
幅広い分野に存分に派生した語。

–
–

◆  表題の  ” take ” も他動詞。

ただし、語源そのままの「 なにかをつかみ取る 」
よりは、「 手段を 講じる 」がここでは適切。
–

–
こうじる【講じる】

「 講ずる 」に同じ。
( 広辞苑 第七版 )

〈 考え / くふうし 〉ておこなう。 はかる。
( 三省堂国語辞典 第七版 )

  こうずる【講ずる】

考えをめぐらせて行う。
方法・手段を考える。
( 広辞苑 第七版 )

問題を解決するための手段・方法を考えて
実施する。
( 大辞林 第三版 )

※  語釈の該当項のみ引用

–
◆  下記の他動詞  ” take ” と同じ用法。

  •  take  measures  ( 措置を講じる )
  •  take  a precautionary measure  ( 予防措置を講じる )
  •  take  every possible means  ( できる限りの手段を講じる )
  •  take  a precaution  ( 予防策を講じる )
  •  take  emergency steps  ( 緊急措置を講じる )

下線部 「 講じる 」 は、 すべて「 取る 」に置き換えることができる。

語源通りの 「 なにかを つかみ取る 」ではなく、実施する「 講じる 」
とはいえ、 「 取る 」 の ” take ”  は
日本語と重なるため覚えやすい。

【参照】   ” take a stand ”
–

–
◆  ” action ” は、 名詞及び他動詞。

【発音】  ǽkʃən
【音節】  ac-tion  (2音節)

語源は、 ラテン語 「 行われた 」( āctus )。

” act ”  はもとより、 ” actual “、” exactly “、” react “、” agent “、
” agitate ” も同源  ( 『 ジーニアス英和大辞典 』より )。

他動詞「 実行する 」は、「 主に商業関係者用語 」
( 『 ランダムハウス英和大辞典 第2版 』より )。
–
つまり、普段使いでは名詞用法がほとんど。

ここでもそう。

名詞 ” action ” もまた、最頻出かつ最重要レベルの英単語。

  • 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
  • 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
  • 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
    ( ” LDOCE6 ” 指標より )

これまた多義だが、他動詞 ” take ” と異なり、
広がりは限定されている。

すなわち、語源の「 行われた 」から想像できる語義中心。

  •  行動
  •  手段
  •  活動
  •  動き
  •  行い

加えて、専門性を帯びる意味は、

  •  法的手段・訴訟
  •  戦闘
  •  競技
  •  作用
  •  影響

感覚的に分かるものが多い。

カタカナ「 アクション 」が根付いているおかげでもある。

「 行動 」「 動作 」「 演技 」を意味するので、矛盾はない。

  •  アクション映画
  •  アクションフィギュア
  •  アクションゲーム
  •  アクションスター
  •  アクションヒーロー

共通点は活発な動きが顕著な様子。

前出の「 行動力が放つ前向きな気概 」に満ちている。

これらのイメージと相まって、” action ” が
動的な「 行動 」
である点の理解は難しくない。


–

  演技始め!  

–
–
◆  表題の ” take action ” には冠詞がない。

とすれば、” action ” は不可算名詞なのだろうか。

実は、不可算名詞と可算名詞を兼ねる。

そのため、” action ” の内容に応じて冠詞の有無が決まる。

ところが、この区別が厄介。

判然としないケースが多く、一筋縄ではいかない。

可算・不可算が明記してある辞書に従い、
先ほどのリストを振り分けてみる。

使用辞書は 『 ジーニアス英和大辞典 』 及び  3大学習英英辞典
( EFL辞典 )の  ” LDOCE6 “、” OALD9 “、” CALD4 ” の合計4点。

有力な『 リーダーズ英和辞典 第3版 』、『 研究社 新英和大辞典 第6版 』
『 新編 英和活用大辞典 』には、可算・不可算は明記されていない。

  •  行動  →  不可算
  •  手段  →  不可算
  •  活動  →  不可算
  •  動き  →  不可算 
  •  行い  →  可算  
  •  法的手段・訴訟  → 可算及び不可算  
  •  戦闘  →  可算及び不可算  
  •  競技  →  不可算  
  •  作用  →  不可算  
  •  影響  →  不可算  

◆  論が分かれた名詞がいくつかあった。

例えば、「 法的手段・訴訟 」は『 リーダーズ英和辞典 第3版 』
では、可算名詞。

片や、 ” LDOCE6 ”  と  ” OALD9 ”  と  ” CALD4 ” では、
可算及び不可算
( countable, uncountable )。

実例を調べると、確かに両方見られる。

「 法的手段を取る 」として、可算名詞の  ” take an action “、
” bring an action “、” raise an action ” と表現されている。

誤解を防ぐため、形容詞 ” legal “( 法律上の )を追加して、
” take a legal action”、” bring a legal action “、” raise a legal action “。

しかし、 不可算名詞の ” take legal action “、  ” bring legal action “、
” raise legal action ” も普通に出てくる。

特に、 ” take legal action ” は、 無冠詞・単数 が目立つパターン。

違いを調べたが、 通常の使用では同義扱いされている模様。

となると、 3大学習英英辞典  の両様説に軍配が上がる。

こうして、 錚々たる辞書間でも争いがある場合の珍しくないのが、
可算名詞と不可算名詞の区別。

私たち日本人学習者が不得意とする 「 冠詞 」 に直結するため、
本来であれば表記は欠かせないはず。
–
単純に割り切れない以上の性質を思えば、 先の有名どころの
英和辞書が、
この記載を避ける一因となっていると推察できる。
–
–
◆  上記の調査結果によると、 多用されがちの “action” は、
「 不可算名詞 」
が主流と考えられる。

同時に、

■  ” action ”  次第で、 ” take an action ”  もある

■  ” take actions ”  も、 日常的に見聞きする

  • “We are taking actions to protect students.”
    (学生を守るために、さまざまな対策を行っています。)
    –
  • “Set goals and take actions to accomplish your dream.”
    (夢を実現するには、目標を立て、対策を講じることだ。)

 

◆  それでも、ごく抽象的な「 行動を取る 」は不可算名詞が原則。

同様に、漠然として、つかみどころのない 「 手段を取る 」 も、
無冠詞・単数の  ” take action “。

–

【参考】    ※  外部サイト

–

◇  日頃、取り立てて考えることなく用いる
「 行動を取る 」 「 行動を起こす 」 なら、

  take action  

–
冠詞なしの2語が自然

–

この場合の ” action ” は、不可算名詞

 

–
–
LDOCE6 ( 書籍版 ) p.17.
(Pearson Education 2014).

【参照】   ” in place “、  “ paperwork “、  ” acting “

–
◆  何度も述べるように、 ” take action ” は 能動的な 行動を表す2語。

その力強さを、 さらに感じ取っていただければと思う。

次の回覧は、 典型的な行政用途。

台風への備えに必要な用品を紹介し、 事前準備を促している。

 


–

  • ” We must take action to stop bullying.”
    ( いじめをやめさせるため、行動を起こさねばならない。)
    –
  • ” My teacher took action to stop bullying.”
    ( 私の先生はいじめをやめさせるため行動を起こした。)
    –
  •  ” Please disregard this email if you have already taken action. ”
    ( 既に対処済みの場合、 本メールは無視してください。)
    –
  • ” Do not ignore and take action. ”
    ( 無視しないで行動せよ。)
    –
  • ” The government has taken drastic action.”
    ( 政府は思い切った行動を取っている。)
    –
  • ” The school has taken action against bullying.” 
    ( その学校はいじめに対処している。)
    –
  • ” Take action on your account before May 1.”
    ( 5月1日より前に、アカウントに対処してください。)
    –
  •  ” There are a lot people out there taking action
    against this president.”
    ( 今の大統領への反対行動を取っている人が大勢いる。)
    –
  • ” Students are taking action for change.”
    (学生たちは変化に向けて行動を起こしている。)
    –
  •  ” There is no need to take action.”
  •  ” There is no action for you to take.”
    ( 行動を起こす必要はない。)  ( 対応は不要。)
    –
  •  ” There is no need to take further action.”
    ( 今後、 なにもする必要はありません。 )
    –
  •  “ To follow through is to take action that has been planned.”
    ( 遂行するとは、計画された行動を起こすことです。)
    –
  •  ” Their team took action based on feedback.”
    ( 彼らのチームはフィードバックに基づき行動した。)
    –
  •  ” Don’t just wait.  We need to take action.”
    ( 待つばかりでなく、我々も行動しないと。)
    –
  •  ” Users should take action as soon as possible.”
    ( 使用者はできるだけ早く行動に移ること。)
    –
  •  ” I want to take action today.”
    ( 本日、
    実行したい。)
    –
  •  ” If you want to voice opposition,  take action here.
    ( 異議申し立てをするには、こちら をクリックしてください。)
    –
  •  ” Please take action by Friday this week.”
    ( 今週の金曜日までに、ご対応をお願いします。)
    –
  •  ” Please take action to review your apps.”
    ( 使用アプリのレビューをお願いいたします。)
    –

  •  ” We are prepared to take action to protect the safety
    of our employees.”
    ( 従業員の安全を守るために行動する用意はできている。)
    –
  •  ” President takes action on international embarrassment.”
    ( 大統領は、国際的な恥に対して行動する。)
    –
  •  ” The government has decided to take action to stem
    the outbreak of Coronavirus.”
    ( 政府は、コロナウイルス流行を阻止する行動を取る
    ことを決めた。)
    –
  • ” G7 ready to take action to stem coronavirus risks”
    ( G7、コロナウイルスの危険を阻止する態勢)
    ※  ニュース見出し
    –

 

 

◆  情報セキュリティ関連の警告にも使われる。

 

 

 

Take action to secure your
compromised  passwords.

–

 

おすすめ ラジオ局 「 NPR 」  ↑
詳しくは、 「 TuneIn Radio 」で英語リスニング

 


◆  これまでは、行動することの大切さをご案内してきた。

けれども、 時には、世間一般に対して、「 無行動 」「 不作為 」
を要請する場面も生じ得る。

例えば、 凶悪犯の指名手配。––

「 公衆 」に対する 「 警報 」 で、 ” public alert “。

【発音】  pʌ́blik
【音節】  pub-lic (2音節)

【発音】  ələ́ːrt
【音節】  a-lert (2音節)

–
今月2019年7月公表の実物がこちら。
–

否定の形容詞 ” no ” を加えると、” take action ” の逆に

※  顔写真はモザイク加工
–

  • ” If seen,  take no action.  
    Do not approach.

    Call 911 immediately. “
    –
    「 見かけたら、なにもしない  こと。
    近寄るな。
    直ちに110番。」

–
◆  次いで、外付けHDD( ハードディスク )の  ” take no action “。

HDDをパソコンに接続した直後に出てくる、操作の選択画面である。
–

 

操作しない

 


【関連表現】

” Action Required ”
https://mickeyweb.info/archives/3719
( 要行動、 対応必須、 要対応 )
–

  • Action Required: Take action on your account
    to avoid service disruption.
    ( 要行動 : サービスの中断を避けるため、
    アカウントの処理をしてください )
    –

 

 

 

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