「でも」じゃない! 口答えするな!
「だって…」「でも…」と応じた相手に対し、
ぴしゃりと封じる手厳しい2語。
「だって…」が癇に障った時に、
不意に飛び出す勢い。
「とやかく言うな!」が趣旨。
指導する立場の人(上司・親・先生・コーチ)
が主に使う。
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◆ “No buts ! ” では、逆接の接続詞 “but”(しかし)
を形容詞 “no” で否定しているように感じる。
ところが、この “but” は、実は名詞。
<「しかし」という言葉 >を示す可算名詞である。
名詞 “but” は、複数形 “buts” が通例。
会話の流れから見れば、相手は一度しか “but”
と言ってないはずだが、それでも複数形になる。
“but” の名詞用法例:
- “There are no buts about it.”
(そのことに「しかし」はない。)
(とやかく言うな。) - “No ifs and buts.”
(「もしも」や「しかし」は要らない。)
(弁解無用。) - “It’s a big but.” ※ 単数形
(この「しかし」が大きな問題なのだ。)
(これは大きな条件となる。)
接続詞、名詞に加えて、”but” には前置詞・代名詞・
副詞・自動詞・他動詞がある。多品詞なのだ。
語源は、古英語「外に」(butan)で、
本筋から外れる様子を示す。
ここから、逆接を意味するように。
“but” は接続詞が最頻出であり、
他の品詞はマイナー用法である。
だが、語源的には、副詞・前置詞から発達し、
その後に接続詞が派生している。
この3つの品詞区分は明確ではない場合も多い。
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◆ “No buts ! ” は、相手の言い分(弁解)を
一切聞き入れない姿勢を表す。
相手が “but” という単語を用いてなくても、
「口答えするな」との意味で使う場合もある。
まさに「問答無用」。
かなり高圧的なので、それなりの立場と権限
がなくては、トラブル必至。
したがって、通常は目下か同程度の人に対して使う。
けんか腰なので、目上には無礼。
先述の通り、指導する立場の人(上司・親・先生・コーチ)
が使う言葉である。
【類似表現】
“talk back to”
https://mickeyweb.info/archives/4583
(~に口答えをする)