プロ翻訳者の単語帳

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That's a different story.

      2019/12/08

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 3 minutes

それは話が違う。

“That is a different story.” の省略形。

基本文法で構成された、直訳通りの一文。
日本の中学校で学ぶレベルである。

“It’s a different story.” とも言う。
“that” は指示代名詞、”it” は人称代名詞

“that” は前の文の内容すべてを指し、
“it” は前の文の名詞のみを指す。
これが原則。

【参考】 it” 人称代名詞、”that” 指示代名詞


◆ しかし、表題の用法では、両者の趣旨は
たいてい変わらない。

  • it’s = it is
  • that’s = that is

いずれも訳出しないことが多く、日常使用
では使用者も細かく区別しない場合が大半。

It’s a long story.” (それは話が違う)が、
“That’s a different story.” と重なるのと同様。

ただし、”It’s a different story.” には、上記の意味に
加えて、まったく別の意味もあるので要注意。(後述)

これが、ビジネス会話でも活用されている。
打合せや会議にも出てくる。

使用場面は、日本語の「話が違う」と重なる。

◆ 主な意味は3つ。

(1)その話とこの話は別 
→ 無関係な話ではなく、今回の話について考えてよ

(2)それは以前聞いた話と違う 
→ 前に言ったことはきちんと守ってよ

(3)そうなると話が違ってくる 
→ 状況が変わったから、再検討しないと

※ 文脈によっては、これ以外の解釈もある

「話を勝手に変えるな」との反発を含む場合が多い。
日本語と同様で、「話が違う」の趣旨となる。

■ “that’s” は “that is” の縮約形。

【発音】 ðæts

指示代名詞 “that”(それ)などの直後に来る場合、
このように “is” の縮約語を用いることが多い。

■ “different” は形容詞のみの単語。

【発音】 dífərənt

語源は、ラテン語「相違する」(differēns)。

「違った」「別の」「さまざまの」。
ここでは「違った」または「別の」。

◆ 形容詞 “different” には、次の特徴がある。

1)比較級と同じ性質があるため、
修飾語に “no“、”any“、”much“、”little
も用いることができる。

2)程度副詞 “very“、”entirely“、”quite
でも修飾できる。

【発音】 dífərənt


■ “story” には、名詞・他動詞・自動詞 がある。

【発音】 stɔ́ːri

– 名詞「話」「報告」「事件」「階」
– 他動詞「歴史の絵で飾る」※ まれ
– 自動詞「話をする」※ まれ

語源は、ラテン語 “historia“(歴史)。
名詞中心で、動詞はマイナー用法。

“story” は、可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
複数形は “stories”。

原則は可算で、ここでも可算名詞「話」。
したがって、不定冠詞 “a” をつける。

“That’s a different story.” は「それは話が違う」。
直訳通りの基本英文である。



◆ 3つの意味の使用例を、3つずつ挙げる。

文脈によっては、複数の解釈もありうる。

(1)その話とこの話は別  

  • “I hate you.”
    “That’s a different story.”
    (あなたが嫌い。)
    (それとこれとは別。)
  • “He groped me then.”
    “That’s a different story.”
    (あの時、彼は私に触ったのよ。)
    (それとこれとは別だから。)
  • “I don’t want to go there.”
    “That’s a different story.”
    (そこに行きたくないんだけど。)
    (その話は今はいいから。)

(2)それは以前聞いた話と違う  

  • “I’m going to purchase directly from him.”
    “That’s a different story.”
    (彼から直接買うつもりです。)
    (それでは話が違う。)
  • “He wants to work for her.”
    “That’s a different story.”
    (彼は彼女のもとで働きたがっています。)
    (話が違うではないか。)
  • “I’ll quit this job and go abroad.”
    “That’s a different story.”
    (この仕事を辞めて、海外に行きます。)
    (それは話が違う。)

(3)そうなると話が違ってくる  

  • “I won the lottery.”
    “That’s a different story.”
    (宝くじに当たりました。)
    (そうなると話が違ってくる。)
  • “He dropped out and got a job.”
    “That’s a different story.”
    (彼は中退して、就職しました。)
    (そうなると話が違ってくる。)
  • “She is with child.”
    “That’s a different story.”
    (彼女は妊娠している。)
    (そうなると話が変わってくる。)

【関連表現】

“It’s a different story”
used to say that something is not what you expect it to be.
(ロングマン、LDOCE6)

(実際の)話は違う
→ 期待とは違った場合に使う常套句

  • “She looks like a nice person, but in reality, it’s a different story.”
    (彼女は親切そうな人に見えるが、実際は違う。)

  • “Behind the scenes, it’s a completely different story.”
    (水面下はまるで違っている状況だ。)

“But that’s another story”
used when you have mentioned something that
you are not going to talk about on this occasion.
(ロングマン、LDOCE6)

しかし、それはまた別の話だ
→ 今回話す内容とは別の話に触れた時に使う常套句

  • It was a blast, but that’s another story.”
    (とても楽しかったけど、それは別の話だ。)
  • “It really made me mad, but that’s another story.”
    (それに怒りを感じたけど、それは別の話だ。)

◆ “This is not the case.
https://mickeyweb.info/archives/10233
(1)これは該当しない、そうでない
(2)これは事実でない

 

 

 

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