〜を激しく非難する、〜を罵る
“rail at – ” とも言う。
相手に激しい非難を浴びせること。
ニュースにも頻出である。
下品な罵りや罵詈雑言に限らない。
論理的で正当な批判であっても、
“rail against / at” と表現できる。
ポイントは、口汚さではなく、
憤懣やる方ない「激しさ」。
ちょっとした怒りでは使わない。
◆ “rail” には、自動詞と他動詞があり、
意味はほぼ重なる。
– 自他動詞「~を罵る」「~を激しく非難する」
◆ “against” と “at” は、対象を示す前置詞。
ここでは、敵対的な相手が対象となる。
– 前置詞「~に対して」
かつては、”rail” に伴う前置詞として、
“on” と “upon” も使われていた。
現在は “against” と “at” ばかり。
この “rail” の語源は、中期英語「あざける」。
名詞がないことでも分かるが、「手すり」の “rail”
とは語源の異なる別物。
※ 「手すり」の “rail” の語源は、
ラテン語「物差し」「横棒」。
そこから、「鉄道」「柵」「レール」を意味する
可算名詞・他動詞・自動詞になった。
“rail against / at” が出てきたら、
社会的な立場がどうであれ、その人が
怒りをぶちまけている様子を示している。
先述の通り、「激しさ」がポイント。
語り口や妥当性は問わない。
語勢が強いので、ガンガン罵るイメージが
あるが、そうとも言えない。
品性に大きく欠ける悪口雑言であれば、
これほどニュース(音声・文面)
に多用されることはないだろう。
権力に屈しない正義漢から、悪たれ者の
クレーマーまで、広くカバーする表現。
和訳次第で、印象を大きく左右できる
と言える。
“The lawyer railed against these racial slurs.”
(その弁護士は、これらの人種差別的な中傷を
激しく非難した。)
“She railed against her enemies.”
(自分の敵に向かって彼女は口汚く罵った。)
“In the course of a day, I rail against my parents
and my teachers.”
(1日の間で、私は両親と先生を非難します。)
“I railed against my wife about the waste of money.”
(その浪費について、妻に毒づいた。)
“She railed against his behavior.”
(彼女は彼の態度を激しく非難した。)
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