(1)スペルを書き出す (2)詳しく説明する
“spell out” は、つづること。
転じて、詳細に説明することを指す。
◆つづる意味の “spell” には、名詞は存在しない。
多くの人が誤解している。
“spell” には、他動詞と自動詞しかない。
※「呪文」「魅力」の “spell” は名詞だが、
これは語源の異なる別物
名詞「つづり」「つづり方」は、正しくは “spelling“。
よって、冒頭(1)の「スペルを書き出す」は、
正確には「スペリングを書き出す」。
「スペル」が名詞としてカタカナで
定着してしまったため、広く誤解されている。
日常使用では、自他動詞 “spell” の意味は重なり、
「つづる」「つづりを書く」。
◆ これに、副詞 “out”(出す)を加えて、
(1)「つづりを書き出す」を意味する句動詞となる。
副詞 “out” には、「徹底的に、完全に」の意もあり、
(2)「詳しく説明する」につながる。
◆ この副詞用法には、次のような表現がある。
- clean out(徹底して掃除する)
- tired out(疲れきった)
- burn out(燃え尽きる)
- iron out(問題を解決する)※ 小規模な問題
- hash out(徹底的に議論する)
- map out(綿密に計画を立てる)
- talk things out(徹底的に話し合う)
- smooth out(問題を解決する)
英語学習者の場合、「スペルを書き出す」の意味で使うことが多い。
しかし、ビジネスや時事では「詳しく説明する」で多用される。
◆「つづり方」をニュース等で取り上げることは、
そうそうないだろう。
だから、(2)で使われる場合がほとんどだと考えてよい。
“The policy spelled out the rules.”
(その方針には、ルールが説明されていた。)
“Please spell it out for him.”
(彼に説明してあげて。)