いくつか例を挙げると
文頭・文中・文尾に使われる決まり文句。
副詞 “just” 抜きで、こうも言う。
“to name a few“
口頭と文面の両方で使う。
◆ 説明を補うために、同種類の中から提示する
<たとえ>が「例」。
特に分かりやすい事項を取り上げることで、
聞き手の類推を助ける役割を担う。
例示が巧妙であれば、すんなり理解しやすく、
説明者の評価は上がる。
つまり、当人のプレゼン能力を如実に示すのが、
<例>の選定と提示方法である。
説明全体の成否を左右する山場となるため、
その前後で聞き手の注意を引き込む必要がある。
◆ 主な紹介文言を10点挙げる。
- just to name a few (文頭・文中・文尾)
- to name a few (文頭・文中・文尾)
- for example (文頭・文中・文尾)
- for instance (文頭・文中・文尾)
- such as (文頭・文中)
- in other words (文頭・文中・文尾)
- among other things (文頭・文中・文尾)
- namely (文頭・文中)
- like (文頭・文中)
- say (文頭・文中)
文面でもスピーチでも、普段から見聞きする
ものばかりである。
文頭につけない場合、事前に相手の注意
を引く導入表現にはなりえない。
その場合、上記を組み合わせて用いることが多い。
例えば、
“For example” で始まり、”just to name a few”
で締める。
または、
“Say” で始まり、”among other things” で終わる。
どんな形で例示を展開するにせよ、重要なのは
その中身、つまり指摘する事例である。
ぐっと引き寄せることまでは成功しても、
正味の少ない残念なプレゼンは少なくない。
肩透かしを食らえば、相手の印象は悪化する。
言葉の威力を知り、実力以上に見せつけないことも大切。
◆ “just to name a few” の文法は、難しくはない。
“to name a few” も同様である。
- 比較の副詞 “just“(ただ、ちょっと)
- 目的の前置詞 “to“(~のために)
- 他動詞 “name“(述べる)
- 不定冠詞 + 代名詞 “a few“(いくつかのもの)
【直訳】 ただいくつかのものを述べるために
私たち日本人学習者にとって分かりにくいのは、
次の2箇所だろう。
1) “name” は「名前」ではなく、動詞
“name” には、名詞・他動詞・形容詞がある。
語源は、古英語の「名前」(nama)。
基本的意味は、語源に沿う。
– 名詞「名前」「呼称」「評判」(可算・不可算)
– 他動詞「命名する」「指名する」「述べる」
– 形容詞「有名な」「名にちなんだ」
ここでは、他動詞「述べる」で、語源から少し外れる。
2) “a few” と “few” の違い
“few” には、形容詞と代名詞がある。
語源は、古英語「少数の」(fēawe、fēawa)。
ここでは、代名詞「いくつかのもの」
で、「例」の代用形である。
冠詞つきでも、無冠詞でも<複数扱い>
されるのが、代名詞 “few”。
それよりも、混乱しがちなのが、
冠詞の有無で意味合いが違ってくること。
形容詞と代名詞に共通する “few” のポイントである。
多いのか少ないのか、一見分からない。
◆ 押さえるべきポイント
語源「少数の」の通り、
基本は「少ない」
いずれも少ないに違いないが、視点・見方が異なる。
グラスの水は、半分いっぱい? 半分空っぽ?
と同じく(※)、ポジネガのどちらに着目するか次第。
いわば、
気持ちの問題であって、
実際の数の相違でない。
※ ただし、”few” は<数>の少なさで、水には不可。
<量>の少なさは “little” など。
■ “a” あり <肯定的用法> いくつか ある
「ある」ことに注目(ポジティブな見方)
□ “a” なし <否定的用法> ほとんど ない
「ない」ことに注目(ネガティブな見方)
以下3つを覚えておこう
-
a few = some (いくつかの)
-
few = only (わずか)
-
quite a few = many (たくさん)
表題では、代名詞 “few”。
■ “a” あり <肯定的用法> いくつか ある
「ある」ことに注目(ポジティブな見方)
= “some“(いくつかの)
上掲黄枠の “some”、”only”、”many” で
把握する方がすっきりするかもしれない。
日本語で考えると、かえって混乱する。
- “We have L, R, Y, B, P, just to name a few,
here on stage tonight.”
(今夜のステージには、L、R、Y、B、P
をはじめとする皆様をお迎えしています。)
– - “Just to name a few…here are 3 reasons
why you should consider stop smoking.”
(ちょっといくつか例を挙げていましょう。
これが喫煙を止めるべき3つの理由です。)
– - “That include Mr. A, Ms. B, Ms. C, Mr. D,
just to name a few.”
(Aさん、Bさん、Cさん、Dさんは、そのうち
の一部の方々です。)
【関連表現】
“ to name but a few ”
(ほんの数例を挙げれば)