プロ翻訳者の単語帳

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Just checking in

      2019/10/15

「いかがお過ごしですか」と様子を伺う  

ご機嫌伺い・様子伺いの常套句がこちら。

I’m just checking in to see
if you are doing fine.

(お久しぶりです。 お元気ですか。)

最近は、もっぱらメール。
その「件名(subject)」も、Just Checking In
または Checking Inだったりする。

“just checking in” は、比較的親しかった知人 に対し、

「その後 いかが」と久しぶりに連絡を取る  

際に多用される<3語ワンセット>

メール・手紙なら、差出人が使う。

相手は、自分と同等または目下が普通。
目上には、あまりそぐわない。(理由は後述)

双方の性別は問わない。

「久しぶり」なので、対面では少し不自然かもしれない。
その場面をついぞ見かけたことない。
理論上はありうる。

定訳はないので、相手との関係に応じて和訳する。

◆ “check in” と言えば、ホテルの宿泊手続き。

または空港での搭乗手続きの「チェックイン」がまず思い浮かぶ。

英語でも同様で、主に旅行・移動で起用する句動詞。

”check in”

1.  to go to a desk in a hotel, an airport, etc.
and tell an official there that you have arrived
.

2.  to leave bags or cases with an official to be
put on a plane or train.

(オックスフォード、OALD9)

1.  到着の報告 → 搭乗手続き、宿泊手続きも含む
2.  荷物などを預ける

check には、他動詞・自動詞・名詞・間投詞がある。

【発音】 tʃék

全品詞とも多義である。
語源は、アラビア語「王手」(shāh)。

チェスの「王手!」は、”Check ! “。
間投詞である。

「間投詞」(interjection)とは、
感動や応答を表す語で、単独で文となりうる呼掛け言葉。

【例】”Oh ! “、”Alas ! “、”Oops ! “、
Whoa ! “、”Gross ! “、”Welcome back ! “、
Well done ! “、”Barf ! “、”Snap ! ”

 

◆ 日常使用の “check” で頻出なのは、
自他動詞の「調査する」または「確認する」。

ところが、主要な英和辞典は「止める」を最初に置く。

【例】
・『ジーニアス英和大辞典
・『リーダーズ英和辞典 第3版
・『ランダムハウス英和大辞典 第2版

これはよくない。

この用法は、普段出てこないのである。
カタカナでも定着した「調査する」「確認する
の意味の方が、英語でもずっと目立つ。

■ これぞ、典型的な<英和辞典の難点>(※)である。

優先順位が不適切。

  頻度順ではなく、発生順に語義を並べるとこうなる。

※「難点」の例は、下記参照
lambaste“、”impressive“、”deprivation“、
clarify“、”reunite“、”wacky / wacko

語義の配列は、各辞書の編集方針に従う。

発生順は「歴史主義」と言われ、語義を系統的にたどるには最適。
しかし、
一般的な英語学習者には、頻度順の方が実用的と考える。

この点、学習英英辞典が役立つ
【参照】弊サイトがお勧めする学習英英辞典 の選び方

3大学習英英辞典(EFL辞典 = LDOCE6 / OALD9 /
CALD4
)のすべてが、以下のいずれかを第1、第2に置く。

  • find out
  • ask somebody
  • examine
  • make sure

いずれもカタカナ「チェック」と重なる意味である。

以下、”initial” から再掲。

手元にある著名英和を調べると、概ね以下の模様。

学習者対象の学習英英辞典(EFL辞典)は、大方「頻度順」。
英語ネイティブ向けの英英辞典は「発生順」が目立つ印象。

例えば、弊サイトが日本人にお勧めするネイティブ用辞書がこれ。

 ■ “Webster’s New World College Dictionary” → 発生順
※ 辞書のご案内(写真入り): “tapped out

世界最大の英語辞典の “OED” =『オックスフォード英語辞典
発生順(歴史主義)。成り立ち重視の表れである。

【公式サイト】  http://www.oed.com/

国語辞典では、『広辞苑』は発生順、『大辞林』は頻度順

【参照】

英語辞書は「紙」か「電子版」か
「自炊本」「紙」の辞書を含む 使用辞書一覧

表題の “check” も、同じく他動詞「確認する」。
その現在分詞 “checking” で「確認している」。

能動的な生感覚が、現在分詞の持ち味である。

【関連表現】

 

in には、前置詞、副詞、形容詞、名詞がある。
ここでは、副詞「内へ」。

 

just には、形容詞と副詞がある。

【発音】 dʒʌ́st

語源は、ラテン語「公正な」(jūstus)。

本稿での “just” は、比較・程度の副詞
ただ~だけ」「ちょっとだけ」「念のため」。
副詞 “only”、”simply”、”merely” と同等。

 露骨さを軽減する婉曲用法で重宝 される。

【例】
・ “just for your information“(ご参考までに)
・ “just a phase“(ほんの一過性にすぎない)

以上より、”just checking in” の直訳は、

ただ内へ確認しているだけ

まさに、様子伺い。
目上には、ぶしつけな態度になりうるだろう。

  月並みのご挨拶であり、
怪しい意図はないとの趣旨

  • I just wanted to check in and say hello.
    (お久しぶりです、とご挨拶したくて。)

表題の用法では、上掲 “OALD” の句動詞は適用されない。

 

◆ ハイフン入りの複合名詞 “check-in” は、可算名詞。

「内への確認」で、「状況確認」「近況確認」の意味に。

  • “My boss is a micro manager and requires
    a lot of check-ins.”
    (私の上司は細かく管理するタイプで、
    しつこく確認してくる。)
  • Every now and then, I receive check-in
    emails from former bosses.”
    (時折、かつての上司から近況確認
    のメールが届く。)

 

◆ これまで文法面を見てきたが、常套句・慣用句
については、文法解釈に多くの時間を注ぐ意義は薄い
のが一般的。

英語学習者として、文法面を把握することは大切な
のだが、基礎文法を習得する目的には<特殊すぎる>
ケースが多いためである。

大勢が使う<決まり文句>の場合、
そういうものだと真似する
くらいがちょうどよかったりする。

 

◆ “just checking in” では、3パターンが多用される。

(1)
I’m
just checking in to see if – .

(~か確認させていただければと思います)

(2)
I just wanted to check in to see if there is –

(~があるかどうか、念のため確認させてください)

(3)
I haven’t heard back from you, so I just

wanted to check in.
(ご回答がなかったので、確認のご連絡を
差し上げたいと思いました)

(1)の例は、冒頭の一文が典型である。

親しい相手なら、
お久しぶりです、お元気ですか
という感じ。

  • “I’m just checking in to see if you are OK.”
    (お変わりないですか。)

も同じ系統。

(2)の例は、

  • “I just wanted to check in to see if there is
    anything I can do for you.”
    (私に何かお手伝いできることがあるかどうか、
    念のため確認させてください。)

(3)は、

売り込みのフォローアップによくある文言。
少々なれなれしいので、不快を覚える受取人もいるはず。

 

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◆  “Just Checking In” メールを、かつての上司から
何度いただいたことか。

  • I’m just checking in to see if
    you are still working there.

    「お久しぶりです。 まだそこで働いていますか。」

部下だった私のことを忘れないでいてくれる
上司たち(former bosses または ex-bosses)
に恵まれたことを、大変うれしく思う。

その反面、
転職の多い元部下を、まだ監視してるのか>
などと、生意気にもうっとうしく感じる自分がいたりする。

  • Mind your own business.
    You’re no longer my boss.

    「余計なお世話。 もう私の上司じゃないだろ。」
  • Your ‘Just Checking In’ emails are
    so annoying.

    「様子伺いのメールが、超うざいんですけど。」

無論、こんな返答はしないで、次のようにおだて上げておく。

  • Yes, I do.  I’m now aware that you
    were the best boss
    I’ve ever had.

    「ええ。 あなた様こそが、これまでで最高の上司
    だったと、今では気づいております。」

結果的に、私のボスは「最高の上司」だらけ。

 

 

【類似表現】

  • check on an elderly neighbor
    (近所のお年寄りの様子を確認する)

<5語ワンセット>の決まり表現である。

“I went to check on an elderly neighbor.”
(近所のお年寄りの様子を見に行った。)

◆ ご近所の高齢者以外であれば、例えば、

“I went to check on him.”
“I went to check on Mary.”
“I went to check on my son.”
(◯◯の様子を見に行った。)

 

 

 

 

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