プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Just checking in

      2020/05/08

「いかがお過ごしですか」と様子を伺う  

ご機嫌伺い・様子伺いの常套句がこちら。

I’m just checking in to see
if you are doing fine.

(お久しぶりです。 お元気ですか。)

最近は、もっぱらメール。

その「件名(subject)」も、Just Checking In
または Checking Inだったりする。

◆ “just checking in” は、比較的親しかった知人 に対し、

「その後 いかが」と久しぶりに連絡を取る  

際に多用される<3語ワンセット>

メール・手紙なら、差出人が使う。

相手は、自分と同等または目下が普通。
目上には、あまりそぐわない。(理由は後述)

双方の性別は問わない。

「久しぶり」なので、対面では少し不自然かもしれない。
その場面をついぞ見かけたことない。

理論上はありうる。

定訳はないので、相手との関係に応じて和訳する。

◆ “check in” と言えば、ホテルの宿泊手続き。

または空港での搭乗手続きの「チェックイン」がまず思い浮かぶ。

英語でも同様で、主に旅行・移動で起用する句動詞。

”check in”

1.  to go to a desk in a hotel, an airport, etc.
and tell an official there that you have arrived
.

2.  to leave bags or cases with an official to be
put on a plane or train.

(オックスフォード、OALD9)

1.  到着の報告 → 搭乗手続き、宿泊手続きも含む
2.  荷物などを預ける


check には、他動詞・自動詞・名詞・間投詞がある。

【発音】   tʃék

全品詞とも多義である。
語源は、アラビア語「王手」(shāh)。

チェスの「王手!」は、”Check ! “。
間投詞である。

「間投詞」(interjection)とは、
感動や応答を表す語で、単独で文となりうる呼掛け言葉。

【例】
“Oh ! “、”Alas ! “、”Oops ! “、”Whoa ! “、”Gross ! “、
Welcome back ! “、”Well done ! “、”Barf ! “、”Snap ! ”

 

◆ 日常使用の “check” で頻出なのは、
自他動詞の「調査する」または「確認する」。

ところが、主要な英和辞典は「止める」を最初に置く。

【例】
・『ジーニアス英和大辞典
・『リーダーズ英和辞典 第3版
・『ランダムハウス英和大辞典 第2版

これはよくない。

この用法は、普段出てこないのである。
カタカナでも定着した「調査する」「確認する
の意味の方が、英語でもずっと目立つ。

■ これぞ、典型的な<英和辞典の難点>(※)である。

優先順位が不適切。

  頻度順ではなく、発生順に語義を並べるとこうなる。

※「難点」の例は、下記参照
lambaste“、”impressive“、”deprivation“、
clarify“、”reunite“、”wacky / wacko

語義の配列は、各辞書の編集方針に従う。

発生順は「歴史主義」と言われ、語義を系統的にたどるには最適。
しかし、
一般的な英語学習者には、頻度順の方が実用的と考える。

この点、学習英英辞典が役立つ

【参照】弊サイトがお勧めする学習英英辞典 の選び方

3大学習英英辞典(EFL辞典 = LDOCE6 / OALD9 /
CALD4
)のすべてが、以下のいずれかを第1、第2に置く。

  • find out
  • ask somebody
  • examine
  • make sure

いずれもカタカナ「チェック」と重なる意味である。

以下、”initial” から再掲。

手元にある著名英和を調べると、概ね以下の模様。

学習者対象の学習英英辞典(EFL辞典)は、大方「頻度順」。
英語ネイティブ向けの英英辞典は「発生順」が目立つ印象。

例えば、弊サイトが日本人にお勧めするネイティブ用辞書がこちら。

 ■ “Webster’s New World College Dictionary” → 発生順
※ 辞書のご案内(写真入り): “tapped out

世界最大の英語辞典の “OED” =『オックスフォード英語辞典
発生順(歴史主義)。成り立ち重視の表れである。

【公式サイト】  http://www.oed.com/

国語辞典では、『広辞苑』は発生順、『大辞林』は頻度順

【参照】

英語辞書は「紙」か「電子版」か
「自炊本」「紙」の辞書を含む 使用辞書一覧

表題の “check” も、同じく他動詞「確認する」。
その現在分詞 “checking” で「確認している」。

能動的な生感覚が、現在分詞の持ち味である。

【関連表現】

 

in には、前置詞、副詞、形容詞、名詞がある。

ここでは、副詞「内へ」。

 

just には、形容詞と副詞がある。

【発音】   dʒʌ́st

語源は、ラテン語「公正な」(jūstus)。

本稿での “just” は、比較・程度の副詞
ただ~だけ」「ちょっとだけ」「念のため」。
副詞 “only“、”simply“、”merely” と同等。

 露骨さを軽減する婉曲用法で重宝 
される。

【例】
・ “just for your information“(ご参考までに)
・ “just a phase“(ほんの一過性にすぎない)

以上より、”just checking in” の直訳は、

ただ内へ確認しているだけ

まさに、様子伺い。

相手が目上なら、ぶしつけな態度になりうる。

  月並みのご挨拶であり、
怪しい意図はないとの趣旨

  • “I just wanted to check in and say hello.”
    (お久しぶりです、とご挨拶したくて。)
  • “I just wanted to check in how you are doing.”
    (どうしているかなと思い、ご連絡しました。)

表題の用法では、
上掲 “OALD” の句動詞「チェックイン」は適用されない



◆ とはいえ、掛詞的な言い回しも、旅行業界で使われている。

実際のメールがこちら。実物そのまま。

ひと目で読み取れるだろうか。

We are just checking in to let you know
it’s time to check in
for your flight to Guam.

最初の “just checking in” は、先述の、
月並みのご挨拶であり、怪しい意図はないとの趣旨」。

単なる連絡事項ですよ、という具合。

続く “check in” は、上掲 “OALD” の句動詞の通りで、
飛行機の搭乗手続き「チェックイン」を指す。

“We” とは、 人称代名詞の一人称複数形の主格。
「私たち」または「弊社」で、このメールの発信者。

参考和訳を2つ添えると、

  • グアム行きの便にチェックインしていただく時間であることを、
    お客様にご連絡するためのお知らせです。
  • グアム行きの便の搭乗手続き時間が来たことを、
    お客様にお知らせするためにご連絡申し上げます。

2つの “check in” を重ね、しゃれた表現であるものの、
ご挨拶」的な “check in” を知らないと、理解困難。

「ご挨拶」的な “check in” とは、
本稿で取り上げている「様子見」目的の “check in” のこと。

旅行者対象なのに、英語ネイティブ以外には分かりにくい通知文である。

 

◆ ハイフン入りの複合名詞 “check-in” は、可算名詞。

「内への確認」で、「状況確認」「近況確認」の意味に。

  • “My boss is a micro manager and requires
    a lot of check-ins.”
    (私の上司は細かく管理するタイプで、
    しつこく確認してくる。)
  • Every now and then, I receive check-in
    emails from former bosses.”
    (時折、かつての上司から近況確認
    のメールが届く。)

 

◆ これまで文法面を見てきたが、常套句・慣用句
については、文法解釈に多くの時間を注ぐ意義は薄い
のが一般的。

英語学習者として、文法面を把握することは大切な
のだが、基礎文法を習得する目的には<特殊すぎる>
ケースが多いためである。

大勢が使う<決まり文句>の場合、

そういうものだと真似する

くらいがちょうどよかったりする。

 

◆ “just checking in” では、3パターンが多用される。


  1. I’m
    just checking in to see if – .

    (~か確認させていただければと思います)

  2. I just wanted to check in to see if there is –

    (~があるかどうか、念のため確認させてください)

  3. I haven’t heard back from you, so I
    just
    wanted to check in.
    (ご回答がなかったので、確認のご連絡を
    差し上げたいと思いました)

■ (1)の例は、冒頭の一文が典型である。

親しい相手なら、
お久しぶりです、お元気ですか
という感じ。

  • “I’m just checking in to see if you are OK.”
    (お変わりないですか。)
  • “I was just checking in to see how you are doing.”
  • “I just wanted to check in and see how you are doing.”
    (どうしているかなと思って、ご連絡しました。)

これらも同じ系統。

■ (2)の例は、

  • “I just wanted to check in to see if there is
    anything I can do for you.”
    (私に何かお手伝いできることがあるかどうか、
    念のため確認させてください。)

似通ったものに、

  • “I wanted to check in with you
    to express my concern.”

    (心配なので、ご連絡したいと思いました。)


■ (3)は、

売り込みのフォローアップによくある営業文言。

少々なれなれしいので、不快を覚える受取人もいるはず。

 

 

◆  “Just Checking In” メールを、かつての上司から
何度いただいたことか。

  • I’m just checking in to see if
    you are still working there.

    「お久しぶりです。 まだそこで働いていますか。」

部下だった私のことを忘れないでいてくれる
上司たち(former bosses または ex-bosses)
に恵まれたことを、大変うれしく思う。

その反面、

転職の多い元部下を、まだ監視してるのか >

などと、生意気にもうっとうしく感じる自分がいたりする。

  • Mind your own business.
    You’re no longer my boss.

    「余計なお世話。 もう私の上司じゃないだろ。」
  • Your ‘Just Checking In’ emails are
    so annoying.

    「様子伺いのメールが、超うざいんですけど。」

無論、こんな返答はしないで、次のようにおだて上げておく。

  • Yes, I do.  I’m now aware that you
    were the best boss
    I’ve ever had.

    「ええ。 あなた様こそが、これまでで最高の上司
    だったと、今では気づいております。」

結果的に、私のボスは「最高の上司」だらけ。

 

 

【類似表現】

check on an elderly neighbor
—-(近所のお年寄りの様子を確認する)

<5語ワンセット>の決まり表現である。

  • “I went to check on an elderly neighbor.”
    (近所のお年寄りの様子を見に行った。)

ご近所の高齢者以外であれば、例えば、

  • “I went to check on him.”
  • “I went to check on Mary.”
  • “I went to check on my son.”
    (◯◯の様子を見に行った。)

 

 

 

 

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