プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Just checking in

      2021/07/29

「 いかがお過ごしですか 」と様子を伺う  

機嫌伺い・様子伺いの常套句がこちら。

I’m  just checking in  to see
if you are doing fine.

( お久しぶりです。 お元気ですか。)

最近は、もっぱらメール。

その「 件名(subject)」も、” Just Checking In 
” Checking In だったり。

◆  ” just checking in ” は、 比較的親しかった知人  に対し、

「 その後 いかが 」と久しぶりに連絡を取る  

際に多用される < 3語ワンセット >

メール・手紙なら、差出人が使う。

相手は、自分と同等か目下が普通。
目上には、あまりそぐわない。(理由は後述)

双方の性別は問わない。

「 久しぶり 」なので、対面では少し不自然かもしれない。
その場面をついぞ見かけたことない。

理論上は ありうる。

定訳はない風なので、相手との関係に応じて和訳する。

◆  ” check in ” と言えば、 ホテルの宿泊手続き。

空港での搭乗手続きの「 チェックイン 」も思い浮かぶ。

英語でも同様で、主に旅行・移動で起用する句動詞。

check in

1.  to go to a desk in a hotel, an airport, etc.
and tell an official there that you have arrived
.

2.  to leave bags or cases with an official to be
put on a plane or train.

(オックスフォード、OALD9)

1.  到着の報告  →  搭乗手続き、宿泊手続きも含む
2.  荷物などを預ける


◆  check には、他動詞・自動詞・名詞・間投詞がある。

【発音】   tʃék  (1音節)

全品詞とも多義である。

語源は、アラビア語「 王手 」(shāh)。

チェスの「 王手」は、” Check ! “。
間投詞である。

「 間投詞 」( interjection )とは、感動や応答を表す語で、
単独で文となりうる呼掛け言葉。

「 感嘆詞 」( exclamation )とも言う。

「  ! ( 感嘆符 )」 は、” an exclamation mark “  または
” an exclamation point ”。

【例】
“Oh ! “、”Alas ! “、”Oops ! “、”Whoa ! “、”Gross ! “、
Welcome back ! “、”Well done ! “、”Barf ! “、”Snap ! ”

 

◆  日常使用の ” check ” で頻出なのは、
自他動詞の「 調査する 」及び「 確認する 」。

ところが、主要な英和辞典は「 止める 」を最初に置く。

【例】
・『 ジーニアス英和大辞典
・『 リーダーズ英和辞典 第3版
・『 ランダムハウス英和大辞典 第2版

これはよくない。

この用法は、普段出てこないのである。

カタカナでも定着した「 調査する 」「 確認する
の意味の方が、英語でもずっと目立つ。

◇  これぞ、典型的な < 英和辞典の難点 >(※)である。

優先順位 が不適切。

  頻度順 ではなく、発生順 に語義を並べるとこうなる。

※  「 難点 」の例は、下記参照
lambaste“、 ”impressive“、 ”deprivation“、
clarify“、 ”reunite“、 ”wacky / wacko

語義の配列は、各辞書の編集方針に従う。

発生順は「歴史主義」と言われ、語義を系統的にたどるには最適。
しかし、
一般的な英語学習者には、頻度順の方が実用的と考える。

この点、学習英英辞典が役立つ

【参照】   弊サイトがお勧めする学習英英辞典 の選び方

3大学習英英辞典( EFL辞典 = LDOCE6 / OALD9 / CALD4
のすべてが、以下のいずれかを第1、第2に置く。

  •  find out
  •  ask somebody
  •  examine
  •  make sure

いずれもカタカナ「チェック」と重なる意味である。

以下、” initial ” から再掲。

手元の 著名英和を調べると、概ね以下の模様。

学習者対象の学習英英辞典(EFL辞典)は、大方「頻度順」。

英語ネイティブ向けの英英辞典は「発生順」が目立つ印象。

弊サイトが日本人にお勧めするネイティブ用辞書は、

 ■  “ Webster’s New World College Dictionary ”  →  発生順
※  辞書のご案内(写真入り): ” tapped out

世界最大の英語辞典の ” OED ”  = 『 オックスフォード英語辞典
も、発生順(歴史主義)。

成り立ち重視の表れである。

【公式サイト】   http://www.oed.com/

国語辞典では、『 広辞苑 』は発生順、『 大辞林 』は頻度順

【参照】

■  英語辞書は「紙」か「電子版」か
■  「自炊本」「紙」の辞書を含む 使用辞書一覧
—-→  世界最大 “ OED ” と 日本最大『 日国 』入手済み


◆  表題の ” check ” も、同じく他動詞「 確認する 」。

その 現在分詞形 ( present participle )が ” checking ” で、
確認している 」。

「 まさに ○○ している !!
「 まさしく ○○ しつつある !!

こうした 能動的な生感覚 が、現在分詞形の持ち味である。

【関連表現】

 

◆  in には、前置詞、副詞、形容詞、名詞がある。

ここでは、副詞「内へ」。

 

◆  just には、形容詞と副詞がある。

【発音】   dʒʌ́st  (1音節)

語源は、ラテン語 「 公正な 」(jūstus)。

本稿での ” just ” は、比較・程度の副詞
ただ ~ だけ 」「 ちょっとだけ 」「 念のため 」。

副詞 ” only “、” simply “、” merely ” が主な同義語。

 露骨さを軽減する 婉曲用法で重宝
される。

「 邪( よこしま )な動機はありませんから 」とアピール。

just for your information ”  の  ” just ” と似た使い方。

言い振りを柔らかくしておき、相手の誤解と反発を防ぐ。

日本語にも見られる、トラブル回避の婉曲表現

クッション言葉 」同然の役割を果たす。

 

◆  以上より、” just checking in ” の直訳は、

ただ内へ確認しているだけ

まさに、様子伺い。

ぬかりなく見張られているような、不気味な気配が迫ることも。

相手が目上ならば、ぶしつけな態度になりうる。

  月並みのご挨拶であり、
怪しい意図はないとの趣旨

  • ” I just wanted to check in and say hello.”
    (お久しぶりです、とご挨拶したくて。)
  • ” I just wanted to check in how you are doing.”
    (どうしているかなと思い、ご連絡しました。)

表題の用法では、
上掲 ” OALD ” の 句動詞「 チェックイン 」 は  適用されない



◆  とはいえ、掛詞的な言い回しも、旅行業界で使われている。

実際のメールがこちら。実物そのまま。

ひと目で読み取れるだろうか。

We are  just checking in  to let you know
it’s time to  check in  
for your flight to Guam.


最初の  ” just checking in ” は、先述の、
月並みのご挨拶であり、怪しい意図はないとの趣旨」。

単なる連絡事項ですよ、という具合。

続く  ” check in ” は、上掲 ” OALD ” の句動詞 の通りで、
飛行機の搭乗手続き「 チェックイン 」を指す。

“We” とは、 人称代名詞の一人称複数形の主格。

「 私たち 」 または 「 弊社 」など、このメールの発信者。

参考和訳を2つ添えると、

  • グアム行きの便に チェックイン していただく時間であることを、
    お客様にご連絡するための お知らせ です。
  • グアム行きの便の 搭乗手続き 時間が来たことを、
    お客様にお知らせするために ご連絡 申し上げます。

2つの  ” check in ”  を重ね、しゃれた表現であるものの、
「 ご挨拶 」的な  “check in”  を知らないと、理解困難。

「 ご挨拶 」的な  ” check in ” とは、
本稿で取り上げている「 様子伺い 」 の  ” check in ” のこと。

旅行者対象なのに、英語ネイティブ以外には分かりにくい通知文である。

 

◆  ハイフン入りの複合名詞  ” check-in ” は、可算名詞。

「 内への確認 」で、「 状況確認 」「 近況確認 」の意味に。

  • ” My boss is a  micro-manager  and requires
    a lot of check-ins.”
    ( 私の上司は細かく管理するタイプで、しつこく確認してくる。)
  • Every now and then, I receive check-in
    emails from former supervisors.”
    ( 時折、かつての上司から近況確認のメールが届く。)

 

◆  これまで文法面を見てきたが、常套句・慣用句については、
文法解釈に多くの時間を注ぐ意義は薄いのが一般的。

英語学習者として、文法面を把握することは大切なのだが、
基礎文法を習得する目的には<特殊すぎる>ケースが多いため
である。

大勢が使う<決まり文句>の場合、さして考えすぎずに、

そういうものだと真似してみる

くらいがちょうどよかったりする。

【参照】   ” hiatus “、    “ smooth out

 

◆  ” just checking in ” では、3パターンが多用される。


  1. I’m
    just checking in to see if – .

    ( ~ か確認させていただければと思います )

  2. I just wanted to check in to see if there is –

    ( ~ があるかどうか、念のため確認させてください )

  3. I haven’t heard back from you, so I
    just
    wanted to check in.
    ( ご回答がなかったので、確認のご連絡を
    差し上げたいと思いました )


 (1)の例は、冒頭の一文が典型である。

親しい相手なら、

「 お久しぶりです、お元気ですか 

という感じ。

  • ” I’m just checking in to see if you are OK.”
    ( お変わりないですか。)
  • ” I was just checking in to see how you are doing.”
  • ” I just wanted to check in and see how you are doing.”
    ( どうしているかなと思って、ご連絡しました。)

これらも同じ系統。

 (2)の例は、

  • ” I just wanted to check in to see if there is
    anything I can do for you.”
    ( 私に何かお手伝いできることがあるかどうか、
    念のため確認させてください。)

似通ったものに、

  • ” I wanted to check in with you
    to express my concern.”

    ( 心配なので、ご連絡したいと思いました。)


 (3)は、

売り込みのフォローアップ によくある営業文言。

少々 なれなれしい ので、不快を覚える受取人もいるはず。

 

 

◆  ” Just Checking In ” メールを、かつての上司から
何度いただいたことか。

  •  ” I’m just checking in to see if
    you are still working there. 

    「 お久しぶりです。 まだそこで働いていますか。」

部下だった私のことを忘れないでいてくれる
上司たち( former bosses  または  ex-bosses )
に恵まれたことを、 大変うれしく思う。

その反面、

転職の多い元部下を、まだ監視してるのか  … 」

などと、生意気にも うっとうしく 感じる自分がいたりする。

  •  ” Mind your own business.
    You’re no longer my boss. 

    「 余計なお世話。 もう私の上司じゃないだろ。」

  •  ” Your  ‘Just Checking In’  emails are
    so annoying.
     “

    「 様子伺いのメールが、超うざいんですけど。」

無論、こんな返答はしないで、次のようにおだて上げておく。

  •  ” Yes, I do.   I’m now aware that you
    were the best boss
    I’ve ever had. 

    「 ええ。 あなた様こそが、これまでで最高の上司
    だったと、今では気づいております。」


結果的に、私のボスは「 最高の上司 」だらけ。

 

 

【類似表現】

■  check on an elderly neighbor
—-( ご近所のお年寄りの様子を確認する )

< 5語ワンセット >の決まり表現である。

いわば、安否確認  のようなもの。

  • ” I went to check on  an elderly neighbor. ”
    ( ご近所のお年寄りの様子を見に行った。)

近所の高齢者以外であれば、例えば、

  • ” I went to check on him. “
  • ” I went to check on Mary. “
  • ” I went to check on my son. ”
    ( ◯◯の様子を見に行った。)

 

 

 

 

Sponsored Link




Jetpack

 - 英語, 英語フレーズ