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If you insist.

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そこまで言うなら。 

相手の意向を尊重し、自分の乗り気でない
ことをする時に使う常套口語。

全体の便益のため、または相手の顔を立てる
ために、渋々行うことが多い。

使用場面もニュアンスも、日本語の
そこまで言うならとだいぶ重なる。

“If you insist”
spoken
used when agreeing to do something that 
you do not really want to do.
(ロングマン、LDOCE6)

※ 下線は引用者

相手の希望通り、一応引き受けるのだが、
不承不承の態のため、こんな応答となる。

生返事ではないものの、何気に恩着せがましい。
快諾の逆で、何となく感じ悪い。

「そこまでおっしゃるなら」と返されたら、
場面によっては、意気阻喪しかねない。

一方、不本意ながら同意した本人。

自分の意思を押し殺して相手を優先させ、
気が進まないことをする立場に身を置いている。

普通なら断るところを、自分だからこそやる。

恩恵を施すのだから、こんな言い振りでも
当たり前、くらいに考えていたりする。

双方にとって、気分のよくない雰囲気である。
無論、業務中にはめったに聞かない。

当人の本来の仕事であれば、このような不満の
生じる余地は少ないからである。

ところが、代役や職務内容を超えた仕事になる
と、不平を言いたくなっても不思議ではない。

“If you insist.” を仕事中に耳にする機会は、
私自身はほとんどなかった。

上述の通り、好印象な言い回しではなく、
大勢の前で用いるには気が引けるせいもある。

だが、個別の話し合いであれば、十分想像できる。

密室で、無理難題を吹っかけられることが
珍しくないことは、組織で長年働いていれば、
きっと分かるはず。

その際、諸々の事情により受諾せざるを得ず、
悔しさ紛れに “If you insist.” と反発する流れ
は、自然と目に浮かぶ。

◆ “If you insist.” は、3語完結の受け答え。

ポイントは “insist”
語源は、ラテン語「主張する」(insistere)。

【発音】  insíst

自動詞と他動詞があるが、どちらも語源に忠実
な上、意味が重なるので分かりやすい。

– 自動詞「強く主張する」「強く要求する」
– 他動詞「強く要求する」「強く主張する」

自動詞は、”insist” の直後に、前置詞 “on
または “upon” を伴うのが基本。

他動詞は、前置詞不要で、従属接続詞
“that”(that節)を置くことが多い。

“If you insist.” は「そこまで言うなら。」で、
日英ともに、どこか投げやりで中途半端な表現。

]結果として3語で終わるため、上記は該当しない。

ここでの “insist” は、自動詞「強く要求する」。

◆ “you” は、人称代名詞の主格。

仮定・条件の接続詞 “if”(下線)を伴い、
もし、あなたが強く要求するならば」が直訳。

転じて「そこまで言うなら」。

もとより丁寧な物言いではないが、格別失礼でもない。
状況から見て、心情的に無理もない言葉遣いである。

むしろ、言い方次第で、程よい抵抗になりもすれば、
相手に対する露骨な反抗にもなる。

正直な話、”If you insist.” と言って、承諾しつつ反抗する
くらいなら、最初から “No.” と拒否する方が適切だろう。

悲しいかな、宮仕えの身では、なかなか難しいことである。

 

 

Keep it coming.

 

◆ なお、マイナー用法として、
もったいぶった “If you insist.” もある。

嫌々ながら、どころではない。

「そこまで言うなら、やってあげよう」
とか言いつつ、実はやりたくてたまらない

こういう人は、カラオケなどで見かける。

腹の中でほくそ笑んでいるのは、言うまでもない。

 

 

 

 

 

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