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So be it.

      2018/07/15

好きにすれば。それならそれでよい。

典型的な捨て台詞。
「もういい!」「もう結構!」と言い放つ感じ。
映画などでもよく聞く。

◆ 使用場面は、主に2つ

1)相手に愛想を尽かし、突き放す時
好きにすれば(承知)

2)現状を受け入れる覚悟を決めた時
それならそれでよい(断念・諦め・受容)

発言者は、相手または現状にうんざりした状態。
それらを変えようとする意思を、既に放棄している。
結果的に、その状況を受け入れている。

各2文字の平易な3語より構成され、
語気の鋭く言い放つ際に迫力が出る。
3語単独文末に出てくる。

◆ 主な英和辞典では、文法的に文語」とされている。
すなわち、書き言葉である。
(『ランダムハウス英和大辞典 第2版』、
『ジーニアス英和大辞典』など)

しかし、英英辞典では “Spoken”(口語体)と
位置づけるものもある。
(LDOCE6、ロングマン)

実際に捨て言葉として多用されることから、
特殊なフレーズといえる。(後述 “be” 参照)

◆ 次の2つの同義の変形表現もある。
Be it so.
Let it be so.

だが、最頻出は表題の “So be it”。

◆ “so” には、副詞・接続詞・間投詞がある。
語源は、古英語「そのように」(swā)。
副詞が語源なので、”so” の基本は副詞用法。

– 副詞「そのように」「同じように」「とても」
– 接続詞「~するように」
– 間投詞「それで」「ほら」

ここでは、副詞「そのように」。

◆ “be” には、助動詞と自動詞がある。
ともに重要かつ多機能である。

原形 “be” のまま用いるのは、命令・助動詞の直後・
不定詞・仮定法現在の4ケースのみ。
それ以外は、be動詞(am,are,is,was,were)
や “being” として使われる。

– 助動詞「状態:being」「義務:be動詞」など
– 自動詞「存在:be」「状態:be動詞」など

ここでは、自動詞の命令または仮定法現在
(仮に~であるとして)に準じる。

◆ “it” は、代名詞「それ」。
文脈によってさまざまであり、
訳出しない場合も多い。

副詞 “so”(そのように)+
自動詞 “be”(~である)+
代名詞 “it”(それ)

よって、直訳は「そのようにそれである」。
命令形に準じるため、「そのようにそれであれ」。
転じて、「それはそれでいい」。

何だか釈然としない。
文語の<決まり文句>と考えれば、あまり詳しく
分析すべき対象ではないだろう。

◆ 文法より大切なのは、実際の用途。
対象となるのは、相手(人間)または
現状(状況)なので、普通は文脈から区別可能。

だが、どちらとも解釈できる場合もある。

1)相手に愛想を尽かし、突き放す時
好きにすれば(承知)
2)現状を受け入れる覚悟を決めた時
それならそれでよい(断念・諦め・受容)

実際のところ、「承知」(agreement)や
「断念」(resignation)というより、腹をくくった感じ。

「相手または現状に抗うつもりはない」
との意思表示。

相手に翻意や再考を促したり、自ら状況を
変えるための行動を起こす気はない。

他責する様子もなく、相手や現状をそのまま
引き受ける
潔さの伴う3語である。

◆ この種のドライさは、以下にも共通する。

【類似表現】※ 突き放す表現

“Believe what you want.”
(好きなように信じるがいい。)

“Do what you want.”
(好きにすれば。)

“Do as you like”
(好きにすれば。)

“Suit yourself.”
(好きにすれば。)

“Have fun.”
(ご勝手に。)

“Whatever.”
https://mickeyweb.info/archives/1651
(どうでもいいけど。)

“That’s all I’ve got to say.”
https://mickeyweb.info/archives/2227
(自分には、それしか言いようがない。)

“You are on your own.”
https://mickeyweb.info/archives/3445
(今後は自力でやりなさい。)

“Have it your way.”
https://mickeyweb.info/archives/8482
(どうぞご勝手に。)

【例文】
“If you want to call it quits, so be it.”
(辞めたいなら、勝手にしろ。)
(辞めたいなら、それでいい。)

“If I have to translate on the fly, so be it.”
(その場で通訳しなくてはならないなら、
そうするわ。)

“If she choose to walk out, so be it.”
(彼女が立ち去ることを選ぶとすれば、
それならそれでよい。)

“Our team effort fell apart, but so be it.”
(チームワークは崩れたけど、しかたがない。)

“I’m leaving.” “So be it.”
(別れるわ。)(勝手にしろ。)

【類似表現】※ 好意的で丁寧な表現

“Please feel free to – ”
https://mickeyweb.info/archives/70
(ご自由に、ご遠慮なく)

“as you see fit”
https://mickeyweb.info/archives/2326
(お好きに)

“It’s all yours.”
https://mickeyweb.info/archives/26580
(あとはご自由にどうぞ。あとはお任せします。)

 

 

 

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