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In the event of -

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もし 〜 の場会には 

仮定された条件を示す典型フレーズ。

契約書や公文書の他、時事ニュース(文面・音声)
にも出てくる堅めの文言。

◇  主な同義は、in case of

英語学習者はもちろん、ネイティブにとっても、
この表現の方が、身近で分かりやすい。

【注意】

冠詞 ” the ” の有無で意味が異なる

  • “in case of”(もし~の場合)
  • “in the case of”(~については)(~の場合は)
    ※  “the” がつくと、仮定ではない

“in the event of” と “in case of” の意味合いは、
副詞節を導く仮定の接続詞 “if”(もし~ならば)
に重なる。

すなわち「 if節 」。

  「 if 節 」  3用法   

■  「もしも~」= 副詞節

→  「if節」がなくても、文は成立する

  •  直説法(現実または現実に起こる可能性があること)
    = 現在形
  •  仮定法(現実とは異なること)
    = <今のこと>過去形、<昔のこと>過去完了形

 

■  「~かどうか」= 名詞節

→  「if節」がなければ、文が成立しにくい

日常会話であれば、”if” で済ましたりする。

ところが、契約書やニュースの仮定形では、
“if” ではなく、一般的に “in the event of” や
“in case of” などが用いられる。

◆  接続詞 “if” は、1音節の短い単語で発音しやすく、
親しみやすい。

【発音】  íf  (1音節)

それゆえに、目でも耳でも識別しにくいきらいがある。

上記2つの表現に比べて、埋もれがち なのである。

シンプルで便利なので、頻用される反面、
見落とし、聞き落としが生じやすい。

◆  その上、“if” は文法的に煩雑 である。

「仮定・条件」を基本としつつも、推量・因果関係・
修辞条件・譲歩など多岐に渡る分類があり、かなり細かい。

その結果、難しい文脈に置かれた場合、意味をすんなり
読み取りにくい欠点
がある。

◆  一方、” in the event of ” または ” in case of ” は、
各々の塊が「もし〜の場会には」を表す。

聴覚・視覚問わず、際立つ印象

特に音声ニュースでは、ともに文頭に多用される
ため、受け手は「仮定」とあらかじめ把握でき
すっと頭に入りやすい。

片や、”if” の場合、文頭に置いたとしても、続く 助動詞
(”should” など)や 時制 で文意が変わる可能性がある。

そのため、内容の理解には一層の集中力が求められ、
厄介である。

要件の込み入る契約書や複雑な文書では、性質上、
仮定・条件を区別する必要性は、さらに高まる。

対面であれば、その場で疑問点を質すことができ、
誤解も回避できるため、”if” でも問題ない。

だが、ビジネスの重要事項を口頭に頼ると、
トラブルを招くため、文書主義が重視されている。

そこで、”in the event of” や “in case of” が重宝される。

いわば、並置の接続詞 “and” を意味する日本語、

これらの使い分けに、やや似ている感じ。

無論、埋もれがち なのは「と」であり、契約書や規定
などの堅い文書では、「及び」が目立つ。

◆  “event” には、名詞・自動詞・他動詞がある。]

【発音】  ivént
【音節】  e-vent  (2音節)

2音節で、後半の第2音節に強勢(アクセント)を置く。

平板で均一なリズムの日本語では、4音節「  ト 」。

「音節」 (syllable、シラブル)とは、発音の最小単位。

→  音節の差異が顕著な日英比較は、”integrity” 参照

 

◆  語源は、ラテン語「出来事」(ēventus)。

カタカナ「イベント」も、「行事・出来事」を指す。

ここで「出来事」類語のおさらい。

  • event
    事の結果として生じる比較的重大な出来事
  • accident
    偶発的で好ましくない事故
  • incident
    付随的に起こる小事件
  • occurrence
    (付随せず)単独で発生する一般的な出来事
  • episode
    一連の出来事に含まれる、個別な出来事

日常使用のほとんどは名詞用法。
可算名詞のみで、不可算はない。

自他動詞は、ほぼ専門用語。

– 可算名詞「出来事」「行事」「結果」
– 自動詞「馬術(eventing)に出場する」
– 他動詞「馬術(eventing)に出場させる」

“in the event of” では、文脈次第で、”event” は
「出来事」または「結果」。

in” は、事情・条件を示す前置詞「~(の場合)には」。

特定の “event” を示すため、定冠詞 “the“。
※ “in case of” は “the” なし

of” は、関連の前置詞 “~についての”。
直後は、その対象(下記の不定代名詞 “something” に該当)。

“of” なしで、”if” を表す言い回しもある。

よって、直訳は「~についての出来事・結果の場合には」
で、仮定 を意味する。

既記の通り、”if”(もし~ならば)と大意は同じ。

“in the event of something” 
(also in the event that something happens)

used to tell people what they should do
if something happens.

(ロングマン、LDOCE6)

厳密に言えば、イギリス英語とアメリカ英語では、
解釈に僅差がある。

しかし、前後の文脈で調整できる程度の微差。

もし〜の場会には」で、基本はOK

 


例文にあるように、
自然災害などの非常時の手順書
に頻繁に活用される。

最後の3つは契約書

誤解があってはならない性質の文書ばかりである。

 

【類似表現】

“upon the occurrence of”
(~が発生した場合)

 

【参考】     ※  外部サイト

「もし〜の場合」はなんと言う?
if ・ when ・ in case(of) ・ in the case(of) の英語の使い方

https://eikaiwa.dmm.com/blog/expressions/expression/if-when-in-case/

 

 

 

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