プロ翻訳者の単語帳

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Integrity

      2022/09/27

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 27 minutes

(1)   誠実、  高潔       (2)   完全性

産学官軍を問わず、 米国のリーダー
の演説に付いて回るのが、 ” integrity “。

【発音】   intégrəti
【音節】   in-teg-ri-ty  (4音節)

語源は、 中世フランス語 ( intégrité )または

ラテン語 ( integritatem ) の 「  完全  」。

初出は14世紀。

これから見ていくように、 そこそこ重要なものの、
とにかく訳しにくい。

和訳が難しい、 英単語の代表格である。

翻訳者として、 毎度もどかしく感じている。

vulnerable ”  同然の、 翻訳者泣かせの厄介さ。


◆  ” integrity ” は  名詞のみ  で、基本的意味は冒頭の2つ。

  一般社会で、より頻出なのは  (1)  誠実、高潔 


よって、本稿では (1)中心に取り上げる。

(1)   誠実、高潔


The quality of being honest and strong

about what you believe to be right.

( ロングマン、LDOCE6 )


理想の人格や心構えを示す際に使われる。

  心が清くて、 後ろ暗いところがない。

” integrity ” は、 米国人リーダーの大好きな言葉。

そんな印象が強い。

それを端的に表す表現がこちら。

  • a man of integrity
    ( 清廉潔白な人物 )

英和辞典に欠かせない言い回し。

ともに、 人品骨柄への最大級の賛辞に起用される。

” integrity ” は、不可算名詞。

” a man of integrity ”  の 不定冠詞  ” a ” は、
可算名詞 ” man ” についたもの。

格言・成句・ことわざに使われる ” man ” であり、
男女不問の不特定な 「 人 」。


◆  人の性格や態度を、言葉で表現するのは容易でない。

いずれも無形ゆえ、 不可視的で抽象的。

イメージばかりが先行し、 つかみどころがないのだ。

ポジティブな言葉で飾り立てると、 眉唾物になりがち。

白黒つけがたいことだらけの、 厳しい現実を生きる人々
にとって、 自ずと疑いが生じやすくなるからであろう。

とりわけ人格面は、 斜に構えた見方をする大人が少なくない。


◆  にもかかわらず、米国の指導者たちは、
事も無げに  ” integrity ”  を多用する。

東西文化の違いなのだろうか。

孔子一門のたまわく 「 水清ければ魚棲まず 」。

人格が清廉すぎると、 人に親しまれなくなってしまう。

おまけに、 受け手の嫉妬・ひがみを刺激しないよう、
細心の配慮を要するのが日本社会。

称賛しあうような色合いに乏しい文化であるから。

【参照】
stand tall “、 ” well-liked “、 ” dazzling “、 ” against all odds

そのため、 和訳は難しい。

反発を遠ざけ、 美点を汲み上げて訳出  するのに難儀する。

この辺りは、 語学力以外に「  異文化理解力  」も問われる。

結局、 定訳をそのまま使う のが、 私の常。

歯がゆく、 もどかしい理由はここにある。

◆  長年、 新聞・雑誌・ウェブ記事における
” integrity ” の和訳に注目してきた。

  ” integrity ”  頻出和訳  < トップ6 > 
 ( 1990 – 2021年 )     ※  私見

  1.  誠実
  2.  高潔
  3.  品位
  4.  真摯
  5.  清廉潔白
  6.  公正

◇  名詞をつくる接尾辞 「 ~ さ 」 及び
~ 性 」などの接尾辞的な語を加えた形も含む


◆  直近5年( 2017 – 2021年 )は、
「 誠実 」 と 「 真摯 」 が目立ってきている。

しっくりこない気もするが、 これら6つに大概収まる。

  • professional  integrity
    ( 仕事上の誠実さ  →  意訳 : 高いプロ意識 )
  • moral  integrity
    ( 道義面の誠実さ  ←  善悪基準などがまとも )
  • intellectual  integrity
    ( 知的誠実さ  ←  事実のでっち上げや嘘偽りなど、
    知性への信頼を損なう行為をしないこと )
  • “people of questionable integrity and talent”
    ( 誠実さと才能に疑問の余地がある人たち )
  • “Men of talent and integrity are rare.”
    ( 才能と誠実さを具える人はまれです。)
  • “We have to behave with integrity.”
    ( 私たちは公正に行動しなければならない。)
  • “Act with integrity.”
    ( やましいことをするな。) ( 誠実に行動しろ。)
  • “I expect every employee to act with integrity.”
    ( 各従業員には誠実に行動することを期待する。)
  • “You are the only custodian of your own integrity.”
    ( 自分の品位を管理できるのは自分自身のみ。)
  • “People are raising questions about her integrity.”
    ( 彼女の人間性について、人々は疑問を投げかけている。)
  • “I never doubted his integrity.”
    ( 彼の品位を疑ったことはありません。)
  • “We are committed to publishing works of quality and integrity.”
    ( 弊社は質の高い、 誠実な作品を出版することをお約束します。)

◆  「 経営学の父 」 ピーター・F・ドラッカー ( 1909-2005 ) の
数ある作品中の  ” integrity ”  で、 定訳扱いされているのは「 真摯さ 」。

主要著作の和訳を長年担当された、上田 惇生 ( 1938-2019 )が、
「 真摯さ 」と和訳している。

世界で一番読まれた経営学書は、 言わずと知れた『 マネジメント 』。

英文原著の発売は、 1973年。


They may forgive a person for a great deal:

incompetence, ignorance, insecurity, or bad manners.
But they will not forgive a lack of  integrity  in that person.

Management: Tasks, Responsibilities, Practices
Harper Business  (Reprint ed. 1993).

※  原著初版は、 1973年刊


無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。
だが、   の欠如は許さない。

[ エッセンシャル版 ]  マネジメント – 基本と原則  』 
上田 惇生 ( 翻訳 ) 、ダイヤモンド社、 2001年刊


マネジャーに絶対不可欠な素質は、 ” integrity ”  =  「 真摯さ 」。

integrity in leadership ” であり、「 真摯さ なくして組織なし 」。

有名なくだりである。

直前の一文も、 相当怖い。


The people with whom a person works, and especially subordinates,

know in a few weeks whether he or she has  integrity  or not.

ともに働く者、特に部下に対しては、 真摯 であるかどうかは
二、三週間でわかる。

( 同上 )


◆  奈良大学の教授が書いた、次の和文論文も興味深い。

300万部超え のベストセラー『 もしドラ 』と併せて、
キーワードの「 真摯さ( Integrity )」を解明している。

2020年発表。


領内 修 (2020)「 『 もしドラ 』の Integrity  」、
『 奈良大学紀要 』 48,   pp.75-97.,   2020-02.

http://repo.nara-u.ac.jp/modules/xoonips/download.php
/AN00181569-202002-1006.pdf?file_id=7400

※  PDF 全24頁、 1.5MB


読みどころは、「 Ⅲ  Integrity 」 解説  ( 83~86頁 )。



◆  LDOCE6 ( ロングマン ) の指標によると、
名詞  ” integrity ”  の位置づけは、

  •  重要度:<6001~9000語以内>
  •  書き言葉の頻出度:3000語圏外
  •  話し言葉の頻出度:3000語圏外

【発音】   intégrəti
【音節】   in-teg-ri-ty  (4音節)

” integrity ” の意味合いからして、 日々出番が生じるはずはない。

したがって、 頻出度がランク外であることに不思議はない。

一方、 重要度は < 6001~9000語以内 > にランクイン。

上述の指標は、 英単語全体における立ち位置ゆえに、
先の 「 そこそこ重要 」 たる所以になると考える。

加えて、 < Academic Word List >(※)入りしている。

※  英語圏の大学教科書の頻出単語570語

演説では、 キーワードになったりする。

ーー

(2)   完全性


formal: the state of being united as
one complete thing.

( ロングマン、 LDOCE6 )

※  ” formal ”  =  正式な表現、堅めの表現


全体的に欠けてるものがなく、 ぴしっと整っている具合。

システム構築をはじめとする、 技術分野に使われることが多い。

JIS・ISOの工業規格やIT( 情報技術 )の分野では当たり前
でも、 世間一般では今ひとつ馴染みのない日本語であろう。

ISO/IEC 27001( 情報セキュリティマネジメントシステム )
の3大要素( 機密性 ・完全性 ・可用性 )のひとつでもある。

対応する 日本工業規格( JIS )を引用すると、


3.28  情報セキュリティ( information security )

情報の機密性(3.10),完全性(3.36)及び可用性(3.7)を維持すること。

3.36  完全性( integrity )
正確さ及び完全さの特性。

JIS Q 27000:2019
情報技術−セキュリティ技術−情報セキュリティ マネジメントシステム−用語
https://www.kikakurui.com/q/Q27000-2019-01.html


英文の  ” ISO/IEC 27000:2018 ”  に当てはめると、

定義上の 「 完全性 」 とは、情報が  正確かつ完全  な状態を指す。

「 完全性 」 が保たれていないと、 情報としての信頼性を欠く。

この対策の一例は、 情報の  ダブルチェック  を義務づけること。

近年のビジネスでは、 デジタル署名や電子署名  などの導入により、
改ざん・虚偽のデータ作成を予防し、「 完全性 」 を維持している。

保全性 とも言う。

ソフトウェアなどの 「 整合性 」 を意味する 「 インテグリティ 」 は、
IT業界  で定着済み。

 

◆  2019年発行の国語辞典では、

インテグリティ  [ integrity ]

完全な状態。   統一(性)。


大辞林 第四版 』  ( アプリ版
松村 明(編集)三省堂、  2019年刊
<三省堂HP>

◆  2021年発売の辞書アプリでは、

インテグリティー  [ integrity ]

  1.  誠実。  正直。  完全無欠。
  2.  コンピューターのシステムやデータの整合性、 一貫性、 無矛盾性、 完全性。


物書堂 『 大辞泉 』  ( アプリ版

  この 物書堂 版アプリは、2012年発売の小学館『 大辞泉 第2版 』の
書籍版 を底本とするものの、その後も継続更新している小学館データ
ベースの最新データが反映されているため、書籍版を超える収録数を誇る。

◇  小学館 『 デジタル大辞泉 』 特設サイト
https://daijisen.jp/digital/index.html


以上、語釈全文である。

 

◆  2020年発行の「 カタカナ語辞典 」では、

インテグリティー  [ integrity ]

完全。  不可欠性。  統一(性)。


コンサイス  カタカナ語辞典  第5版
三省堂編修所(編集)三省堂、  2020年刊
<三省堂HP>


同じく、語釈全文。

映画などの作品名に 「 インテグラル 」 と添えてある場合、
「 ノーカット 完全版 」を指すのが通例。

この「 第5版 」は、2020年9月10日に発行された。

それから、ちょうど26年前の1994年9月10日に発行
された「 初版 」の全文はこちら。

インテグリティー  [ integrity ]

完全。  不可欠性。


『 コンサイス カタカナ語辞典  初版 』
三省堂編修所(編集)三省堂、  1994年刊


「   統一(性) 」 がない。

◆  英語では「 4音節 」。

intégrəti

in – teg – ri – ty  
イン – グ – リ – ティ
1 –  2 3 4  音節

第2音節に、アクセント( 強勢、ストレス )を置く。    ※  後述

音節( syllable、シラブル )とは、発音の最小単位

◆  片や、 日本語では「 6音節 」。

平板で、 均一なリズムが、 日本語の持ち味

ティ
1 2   3 5 6   音節

初っ端の第1音節 「 イ 」 にアクセントが来る感じ。

第4音節 「 グ 」 に置く人もいるかもしれない。

音節の長さは均等、 同じ速さで発音し、 高低のアクセントを使う。

これが、 日本語の基本。


◆  「 アクセント 」 は、 言語体系によって、 大きく二分される。

アクセントとは、 音声学の用語で「 単語を区別する 」 もの。

音の強弱か高低かで、「 強弱 アクセント 」 または 「 高低 アクセント 」。

英語は強弱。

日本語は高低。

ドイツ語は強弱。

中国語は高低。

  •  英語  ←  音の 強弱 による、
    「 強さアクセント 」  =  「 強弱アクセント 」
  •  日本語  ←  音の 高低 による、
    「 高さアクセント 」  =  「 高低アクセント 」



◆  さらに、「 イントネーション 」 との違いを大まかに述べると、

  •  アクセント( accent )は、「 単語単位 」の強弱か高低
  •  イントネーション( intonation )は、「 文単位の抑揚 」

アクセント( 強勢 )は、英語で  ” stress ” とも言う。    ※  後述

なおかつ説明すると、「 イントネーション 」 は、

「  単語の単位を超えた、文などの全体に現れる音調で、
話し手の聞き手に向けた態度表明の役割を持つもの  」

英語のような強弱アクセントの言語では、 おおよそ、

「 アクセントは強さ、 イントネーションは高さの変化 」。

【音節】  ac-cent  (2音節)    ※  動詞は、 ac-cent  (2音節)
【音節】  in-to-na-tion  (4音節)



◆  学術的な研究結果の一部によれば、

音声発話 ( 後述 ) の理解度を決定する要素として重要なのは、
母音・子音の 「 発音 」 以上に、 「 イントネーション 」。

「 イントネーション 」 こそ、 話し言葉の理解度を左右する。

こう結論づける論文は多数提出されている。

 

◆  アクセントも、音節も、 異なる「 カタカナ発音 」( 後述 )
では、英語母語話者( ネイティブ )には、 まず通じないのが、
integrity ” 。

◇  日本語母語話者が、英語を学ぶ上で、一段と留意
  する必要があるのは、音節 ( syllable、シラブル )


◆  「 音節 」がおかしいと、 通じないケースが多々ある。

私たち日本人は、 やたらと 「  発音( pronunciation ) 」
のせいにしがちだが、

 ★★★ 「 音節 」も 大きな課題  ★★★ 


実際のところ、 発音以上に影響することすら珍しくない。

日本語の場合、 原則として「 仮名一字が1音節 」。

日頃、 音節を意識する機会はなきに等しい。

日本の英語教育は、「 音節 」をもっと重視するとよい


本質的に、「 音節 」 は 「 発音 」 と同時に学ぶべきもの。

「 音節 」とは 「 発音の最小単位 」 だから、 それが道理である。

「 音節 」 の概念が身につくまでは、 英単語に接する都度、

  •  この単語は 何音節 ?
  •  How many syllables does this word have  ?
    How many syllables are in this word  ?

と考える習慣をつければ、すぐ慣れる。

「 発音 」 とペアで確認しよう。

「 音節 」 が分かるようになれば、  英語を見る目が変わる。

1音節、 2音節、 3音節、 4音節、 5音節、 6音節、 7音節  …  と、
音節ごとに好きな英単語を探し求め、 四六時中、 口ずさむとよい。

軽やかに発音できて、 耳心地のよい語り口の単語をいくつか選ぶ。

ご自分の好みでOK。

こうすれば、 あっという間に 「 音節 」 の雰囲気がつかめる。

慣れるまでは、 音節を意識しながら、 少し大げさに発音する。

日の出から日没まで、 夜となく昼となく、 静かにつぶやく。

慣れてきたら、 強さアクセント  =  強勢  =  ストレス  も加味。

【参考】     ※  外部サイト

 

もしも、「 音節 」を知らずに、 英語を学んできたとすれば、

それは根本的に間違っており悲劇の英語教育だと感じる。


正直申し上げると、「 素っ裸で通勤するレベル 」 の異常な有様。

それくらいまずい、 と私は断言する。

「 音節 = シラブル  」 なしで、  どうやって英語学べるんだ

教育上、 あってはならないこと。

総毛立つ衝撃を受けるあまり、 もうどうにも我慢ならない。

教材その他の適否を見直すよう、 その尻を乱暴に引っぱたきたくもなる。

【参照】  「 お尻 」 の英語表現

 

【 音節とアクセントを学べる動画 】    ※  YouTube ( 全長 13分51秒 )

” syllable ”  と  ” word stress ”  の概要を、 この1本で習える。

” word stress ” とは、「 強勢 」 = 「 強さアクセント 」 の意。

男女のネイティブ講師が、 懇切丁寧に基礎から教えてくれる。

とても秀逸な出来映え。

一見の価値ありと思うので、 ご高覧いただければ幸い。

全編英語 ( 男性側はイギリス英語 ) だが、  自信がなくても大丈夫。

先生と一緒に( ” Repeat after me. ” )、 声を出して、 練習してみたい。



◆  世界中の英語学習者に対して発信される、 本場の講義動画を推奨する。

私自身、 年がら年中お世話になっており、 心より感謝、 恩に着ます。

今回の  ” Oxford Online English ”  は大いにお勧め。

英語人口、15億人

地球上の英語の使い手の概数である。

英語母語話者( 英語ネイティブ )は、 世界の全人口の 約 5%

つまり、 世界の 95% の人にとって、 英語は母語ではない。

15億人の英語力は様々であることを知れば、 気が楽になるだろう。

ここは英語学習者ばかりなので、 気後れなんていらない。

英語を学ぶ者のために設けられた専用の場所で、 全員が学習者。

各国の学習者が書き寄せたコメントも必見。

勇気を出して、 英文の投稿にトライしてみよう。

学習仲間から返信が来たりするので、 英作文にも申し分のない場。

「 いいね( Like ) 」もあり、 結構尽くめで、 励みになる。

視聴者同士の上達と 切削琢磨 を目指し、 どんどん書き込もう。

相性のよさそうな発信者や番組を見つけて、 食らいつくとよい。

市販の教材にしがみつくよりは、 きっと成長する。

なにより、 楽しい。

【参照】  ” no need



【 音節が一発で出てくるサイト 】     ※  外部サイト


◆  日本語の「 音節 」は、 「  拍( はく ) とも称する。

英語では  ” clap ” (1音節)。

拍手 」( 可算名詞 )と「 拍手する 」( 動詞 )の意味もある。

俗語の ” the clap ” は、 性病の「 淋病( りんびょう ) 」 = ” gonorrhea

  •  「 1拍 」  →   a clap
  •  「 半拍 」  →   half of a clap
  •  「 1拍半 」  →   a clap and a half
  •  「 3拍 」  →   three claps


【参考】     ※  外部サイト

 

【 ご注意 】

ローマ字表記と音声記号表記は、別物。

いわゆる「 発音記号 」とは、音声記号のこと。

英語用として、大正時代以降の日本で有力視されて
きた音声記号は、以下3つ。

  •  言語不問の IPA  ( 国際音声記 )
  •  IPAの変異形のジョーンズ式 ( 音量表記 )
  •  IPAの変異形のギムソン式 ( 音質音量表記 )

音声記号は、ブラケット  [ ] で括るルールがあり、
ローマ字表記とは区別されている。

【発音】   brǽkit
【音節】   brack-et (2音節)

例えば、日本語の「 う 」 のローマ字表記は  “u”。

IPA記号では、通常は  [ɯ] 、まれに [u] 。

  •  口を丸めない 「 う 」 …  [ɯ] ( 非円唇母音 )    ※  後述
  •  口を丸める 「 う 」 …  [u] ( 円唇母音 )

[ ]  の代わりに、 スラッシュ  // で括る場合もある。

【発音】   slǽʃ
【音節】   slash (1音節)

言語学者の慣習としては、

  •  [ ]   …   物理的な音
  •  //   …   抽象概念の音素

[ ]  は、 最も正確な表音の「 精密表記 」 とみなすことも。

言語学者の用いる正式名は、

  •  [ ]   …   square  brackets
  •  //   …   oblique  strokes

本稿では、[ ]   //  を併用している。

 

◆  なお、 [ ]  は、 引用した書き手が注釈を加える際にも使う。

引用者による補足的説明を、 原文から区別する役目。

ニュース記事や学術論文でも用いられる。

具体例は、 ” He is in a better place now. ”  に示した。

 

◆  弊サイトで取り上げた単語のうち、 日英の音節の
差異が著しい 「 12語 」 を例示する。

■  strike  stráik / 1音節

【日】  5音節 「  –
【英】  1音節

ストライ

「ライ」を強調。

https://mickeyweb.info/archives/11891

■  spike  / spáik / 1音節

【日】  4音節 「  –  –  – 
【英】  1音節

パイ

破裂音[p]に力を込めて「パイ」。

https://mickeyweb.info/archives/38396

 

■  stand  / stǽnd / 1音節

【日】  4音節 「  –
【英】  1音節

タン

破裂音[ t ]で「タン」を強調。

https://mickeyweb.info/archives/40016

 

■  trump  / trʌmp / 1音節  

【日】  4音節 「  –  –  – 
【英】  1音節

第45代米国大統領  “ Trump ” も同様。

https://mickeyweb.info/archives/3272

 

■  blast  / blǽst / 1音節  

【日】  4音節 「  –  –
【英】  1音節

ブラ

表面処理の「 エアブラスト 」「 ショットブラスト 」「 サンドブラスト 」
がこれ。

https://mickeyweb.info/archives/7795

 

■  chance  / tʃǽns / 1音節

【日】  3音節 「 チャ –  – ス 
【英】  1音節

チヤ

複数形  ” chances ”  は「2音節」になる。

https://mickeyweb.info/archives/20490

■  thrill θríl / 1音節

【日】  3音節 「  – – ル 
【英】  1音節

スリッル

過去形・過去分詞形・形容詞の ” thrilled ” も「1音節」。

https://mickeyweb.info/archives/50437

 

■  slam  / slǽm / 1音節

【日】  3音節 「  – 
【英】  1音節

「 スラム街 」も「1音節」だが、別単語の ” slum “。

https://mickeyweb.info/archives/14790

 

■  test  / tɛst / 1音節

【日】  3音節 「  –  
【英】  1音節

 テ

破裂音[ t ]が、殊に強調される感覚。

https://mickeyweb.info/archives/7468

 

■  time  / taɪm / 1音節

【日】  3音節 「  –  –  
【英】  1音節

 タイ

「ム」は消え入るようで、聞こえないくらい。

https://mickeyweb.info/archives/7468

 

■  help  / hélp / 1音節

【日】  3音節 「  –  
【英】  1音節

カタカナ発音でも、ぎりぎり通じるかも。

https://mickeyweb.info/archives/6691

 

■  ink íŋk / 1音節

【日】  3音節 「  –  – ク 
【英】  1音節

イン

同義扱いの 「 イン」は、オランダ語 ” inkt ” より。

https://mickeyweb.info/archives/6217

 

◇  12語 すべて「 1音節 」( one syllable )  

どれも、 腹の底から ゲロする 勢いで、
思いっきり吐き出し、一息に発声する。

発音の最小単位 」に切れ目がない1音節
のため、 一気にゲロする凄みが出る。


■ う  (1音節)
■ お  (1音節)
■ げ  (1音節)

1 音節  =  1 シラブル

 

 

  英   語 「 息の音 」

  日本語 「 声の音 」


※  後述

 

日英の音は、 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が
まったく違います

「  音節( syllable ) 」 の感覚を知るため、

ゲロ の迫力で、 しばらく練習するとよい。

→  ゲロ吐くように、 発音してみる


少々下品だが、 英語音の肝「 シラブル 」
の感触を、 生理的に体得できればと願う。

◇  もし分からなければ、 ペットに耳を傾けてみよう。

     (1音節)

      (1音節)

 ハムスター    (1音節)

 インコ    (1音節)

◆  日本語母語話者が、擬音語 ( オノマトペ、 onomatopoeia )
で表現すると、

    / 1音節

【日】  2音節 「  
【犬】  1音節

   / 1音節

【日】  2音節 「 ニャ  
【猫】  1音節

ゲロも似たようなもの。

    / 1音節

【日】  3音節 「 う  
【?】  1音節

    / 1音節

【日】  3音節 「
【?】  1音節

 

うなり声・うめき声に乗せて、 「 1音節 」 のリズムをつかむとよい。

    ブラ    /  タン 

 パイ        /    

1 音節  =  1 シラブル

 

ワンコと合唱し、 練習しましょう。


◆  身近な犬猫の鳴き声と、 日本語表記の隔たりからも、 先述

平板で、 均一なリズムが、 日本語の持ち味

をなんとなく体感できると思う。

日本語の基本を再度挙げると、

音節の長さは均等、 同じ速さで発音し、 高低のアクセントを使う。

聞く音声と表記のギャップこそ、 我らが母語の特色の反映。

違和感めいた手応えがあれば、 英語の「 音節 」に近づける。

◆  立場を逆にして、 普通の英語ネイティブの皆様に、 私が
日本語をお教えすると、 最初のうちは、こんな風に仕上がる。

【日】  5音節 「  –
【?】  2音節

        / 2音節


皆一様に、「 2音節 」で発声する。

なんて器用で、 けったいな  …  なんでこうなる

なんとも、 すごすぎ  …

我々日本語ネイティブには、 皆目不明な感。

幾度となく、 繰り返してもらっても、 なかなか改善しない。

お互い様ね。

 

◆  お手持ちの 「 虎の巻 」 を見せていただいた。

  •  Excuse me
    sue-me-mah-sehn
    ( すみません )


学術的な教本ではなく、旅行ガイドに準じる実用書。

旅行者向けなので、無論、音声記号とは無縁である。

ローマ字表記( su-mi-ma-se-n )と驚くほど異なる。

sue-me-mah-sehn

英語母語話者にとっては、 この方が把握しやすい
ということだろう。

◆  日本語を習いたての外国人の発音が不自然なのも、
実は「 音節 」に問題があることが多い。

そろいもそろって 「     ッ  」 と返されるので、
なにふざけているんだと、  始めの頃は本気で憤慨していた。

両言語の  音節構造の違い  を、 当時の私は知らなかったのである。

  •  英  →  「 子音の連続 」 が目立つ
  •  日  →  「 子音 + 母音 」 が基調で、「 子音の連続は不可

既出単語のうち、 「 子音の連続 」 の好例は、 ” strike ”  stráik / 1音節

  •  /CCC/   →  「 子音 + 子音 + 子音 」 ( 例  ” s t r i k e ” )

のっけから、子音の3連発 str- ) で、日本語ならありえない  / CCC / 。

  •  子音  /C/   →  consonant  / kɑ́nsənəntcon-so-nant  (3音節)
  •  母音  /V/   →  vowel  / váuəlvow-el  (2音節)

ローマ字表記は、  su-to-ra-i-ku  ( 5音節 )。

◆  日本語の音声の大部分は、 母音で終わる開音節 」( open syllable )。

ただし、 子音で終わる音節「 閉音節 」( close syllable )は、日本語にもある。

すなわち、「 促音 」 と 「 撥音 」。

母音が付かなくても、 1拍分の長さを持ち、 1拍とカウントされるのが特徴。

  •  促音  ( そくおん )
    →  「 つまる音 」  =  小さい「」の直後に出てくる子音。
    ( 例 「 待った 」  matta  )

    小さい「」自体を促音と称することもある。

    副詞 「 すっごく 」 のごとく、 促音化することで、
    感情の高ぶりを露わにして、 語気を強める効果も。

    「 とびっきり 」 「 思いっきり 」 「 よっぽど 」
    「 やっぱり 」 「 だいっきらい 」 もほぼ同様。

  •  撥音  ( はつおん )    ※  後述
    →  「 はねる音 」  =  「 ん 」
    ( 例 「 本気 」  honki )

日本語で、 子音だけを表す表記は、 以上の

  •  促音 「
  •  撥音 「 ん 」

を除いて存在しない。

もっとも、 これらを音声記号( IPA など )で表す際は、
そう単純でなく、 複数の音声記号に分かれたりする。

既述の通り、 ローマ字と音声記号表記は、 まったく別。

 

◇  「 子音 」 多めの 英単語の発音が 苦手で、
  無意識にも 「 カタカナ発音 」

になってしまう
日本人が大勢いる、 根本原因

 

は、 日英の  音節構造の違い  にある。

 /CV/  →  「 子音 + 母音

日本語の音の基調
( 結合音節 )


1音節
の英単語  ” strike ” を、 日本語の語彙の中に組み込むためには、
子音の間と語尾に「 母音 」を挿入し、5音節組み替える しかない

なぜなら、 日本語音は「 母音 」と組む のが大原則   なので、
基本的に、 「 母音 」がつかないと、日本語になりえない。

◆  英語の  ” strike ” は、 [ stráik ]  →  / CCCVSC / で、 1音節。

S ” は、 ” semivowel ” ( 半母音 )。

  子音3連発 の1音節  ” strike ” を
日本語に   迎え入れるため、 無理やり、
ウ [ɯ]  と オ [o]  という 母音 添加


【日】  5音節    [ sɯtoraikɯ ]
【英】  1音節    [ stráik ]          

  •  [ɯ] ( 非円唇母音 ) …  口を丸めない 「 う 」


こうして、

日本語に取り入れるため

子音3連発 str- strike ” に、
母音ɯoɯ 突っ込んだ結果、

1音節 から 5音節 になってしまった。

  [ stráik ]  →  [ sɯtoraikɯ ]


もはや、 どうしようもない開き。

英語の音の原形をとどめていない。

これでは、 通じるわけない。

 

■  「 母音 」を組み合せる「 結合音節 」が、日本語の音  

原則、 日本語に取り込むには 「 母音 」 必須

- 

強引すぎるが、 やむを得ない、 母音添加。

 「    母音の呪縛 ( じゅばく )    と称されたりする。

かくして、おあつらえ向きの 「  カタカナ語  」 の 出来上がり。

前掲のその他 「 11語 」 も、 同様のパターン。

◆  こうした流れを踏まえると、 行き着く先はこうなる。

◇  日本語が母語だと、
どうしても
母音を添加 」して
発音してしまう

「 カタカナ発音 」 の正体だ

 

   母音の呪縛   



日本語音の性質上、 必然 言語習慣  ゆえに、

子音の連続だらけの英語のハードルは、 ひときわ高くなる。

日本語ネイティブならば、 当然成り行き


◆  音節構造の違い  をおさらいすると、

  •  英  → 子音の連続 」 が目立つ
  •  日  →  「 子音 母音 」 が基調で、 子音の連続は不可

子音 」 の取り扱いが、真逆  に近い。


さらに、日本語の母音は  5 個  しかないのに対し、
英語の母音は、 一説によると  26 個 。

英語の母音は、 単母音・長母音・二重母音・三重母音
の4種類もあり、 その合計が26個 ( 諸説あり )。

「 ア 」は、 日本語の母音では、 [a]  の1つだけ。

英語の母音では、 舌の位置や隣接点の違いにより、
[ʌ]、 [æ]、 [ɑ]、 [a]、 [ə]   の5つ ( 諸説あり )。

濁音・半濁音・短音など込みで、 日本語音は  114
英語音は  2,100  との学説もある。

 

◆  先ほどの 「 虎の巻 」 の続き。

英語母語話者には、 次のように聞こえているらしい。

  •  Good Morning
    oh-HI-oh goh-zigh-mahs
    ( おはようございます )

  •  Good Afternoon
    kon-nee-chee-wah
    ( こんにちは )

  •  Good Evening
    kon-bahn-wah
    ( こんばんは )

  •  Good Bye
    Sigh-oh NAH-rah
    ( さようなら )

  •  How are you ?
    oh-GEHN-kee dess kah ?
    ( おげんきですか ?

  •  Nice to meet you
    hah-jee-meh-MAHSH-teh
    ( はじめまして )

  •  Please
    Oh-nee GUY-ee shee-mahs
    ( おねがいします )

  •  Thank you
    Ah-ree-gah-toh goh-zye-mahs
    ( ありがとうございます )

  •  I’m sorry
    goh-men nah-sigh
    ( ごめんなさい )

  •  You are welcome
    doy dah-shee-mahsh-teh
    ( どういたしまして )
  •  Do you speak English ?
    Ey-ee-goh oh hah-nahs sehmahs kah ?
    ( えいごをはなしますか ?


日本語母語話者が見ると、 思わず笑ってしまう。

もう滅茶苦茶で、 突っ込みどころ満載。

私たちのカタカナ英語と、 どっこいどっこい。

ジョン万次郎 ( 1827-1898 ) の 英会話教本 ( 1859年刊 )
を彷彿させる、 ユニークな音声表記の長所と短所。

ここで、  ローマ字表記との大差を、 再び指摘しておきたい。

やはり、 子音の連続   が目に付く。

とりわけ、” gh ”  と  ” hs “。

加えて、語末の  ” h ”  と  ” y “。   

日本語には、ありえないのに。

言語習慣  及び  音節  の相違点を見せつけられた感。

※  「 滅茶苦茶 」と前記したものの、 学術的な音声記号
とは別に、 実はそれなりに確立されている表記法である。

◆  日本語を一切知らない、 並大抵の英語ネイティブが、
日本語のローマ字表記を、 どう認識し、 発音するか。

発音向上に有効な着眼点であると、 経験上、 確信している。

それゆえ、折に触れて、 多種多様な試行錯誤 を重ねてきた。

同僚を含む、 数多くの外国人に頭を下げて、 ご協力を求めた。

尾籠で赤面の至りだが、 卑近な例では、

■ ち こ~う (2音節)   chinko

■ ち  ち (2音節)   chinchin



米国人数名にお願いして、 語意は伝えずに、
ローマ字表記を読み上げていただいたもの。

高官の温かいお力添えも賜りました。

  こ~う (3音節)   pachinko

■ ち ぱあ  ~う (3音節)   chinpoko (※)



私の耳には、 だいたいこう聞こえるが、 いかがだろう。

例外なく、     を「 1音節 」 の 音声で発していた。

【日】  3音節 「   –  」   chi – n – ko
【英】  2音節 「    –   」   chin – ko

【日】  4音節 「   – ち  」   chi – n – chi – n
【英】  2音節 「    –   」   chin – chin

【日】  4音節 「   – ん こ  」   pa – chi – n – ko
【英】  3音節 「    –    こ     pa – chin – ko

【日】  4音節 「       chi – n – po – ko (※)
【英】  3音節 「  ちん  –  ぽ  –       chin – po – ko


確かに、 英語の  ” chin ”  は、 1音節。

可算名詞の「 顎 ( あご ) 」である。

【発音】   tʃín
【音節】   chin  (1音節)

語源は、 古英語 「 あご、 ほお 」 ( cin )。

日本語の  「 ん 」 は子音で、 前述の 撥音( はつおん、 はねる音 )

外国人風に、「 ちんこ 」 「 ちんちん 」 と発音してみよう。

  •  ち (3音節)       (2音節)
  •  ち – (4音節)      (2音節)

恥ずかしがらずに、 元気な声で威勢よく発声する。

語学の基本は 「 真似 」 だから、 幼児のように無邪気に真似る。

語意はともかく、 両言語の音の違いを会得するには、 もってこい。

とはいえ、 学校教育では採用されにくい、 卑猥さを帯びるのが残念。

【参照】  ” smooth out “、  ” no need. “、  ” hiatus

◆  正式な  ヘボン式  及び  訓令式 のローマ字表記は、
それぞれ以下の通り。

【ヘボン式】  chinko
【訓令式】  tinko

【ヘボン式】  chinchin
【訓令式】  tintin

【ヘボン式】  pachinko
【訓令式】  patinko

【ヘボン式】  chimpoko
【訓令式】  tinpoko


※  比較の便宜上、 ” chinpoko ” と表したが、 ヘボン式では、
” P ”  の前の 撥音「 ん 」は、 ” N ” の代わりに ” M ” となる
ため、” chimpoko ” ( ちんぽこ ) が正しい表記である。

パスポートの表記は、 原則ヘボン式( the Hepburn system )。

学術的な音韻論では、 同一の音素  /N/  として、 日本語でも、
「 ちんこ 」「 ちんちん 」 もろとも 「 2音節 」とする解釈がある。

その他、 ” chimpo ” ( ちんぽ ) については、
What’s the use of – ? ”   で言及した。


【ヘボン式】  chimpo
【訓令式】  tinpo


◆  学術的には、 音韻論 的分析 と 音声学 的分析 は異なる。

どちらも非常に奥が深く、 学説と論点も多い。

専門家ではない学習者の手に届く水準にない上、 英語学習上
の優先順位を勘案すると、 深入りすべき対象でないと考える。

はっきり言って、 難しすぎる。

本稿は、 あくまでも 「 実用 」 に焦点を絞った内容である。

調査はしたが、 学者から見れば、 きっと稚拙な考察もある。

大づかみな把握を求める、一般学習者の一助になればと願う。

【参考】     ※  外部サイト

◆  私たちが予想だにできない読み方をしかねない点は、
上掲一覧に目を通せば、 嫌でも察するに違いない。

的外れであっても、 微妙な一貫性を感じ取り、 気づきが生じる。

まさしく、日英の音言語習慣音節構造  のヒントの宝庫。


ちなみに、 志村けん ( 1950-2020 ) の伝説の英語授業コントも、
日英の音 のずれを面白おかしく誇張することで、 笑いをとっている。

【参考動画】     ※  YouTube ( 全長  5分21秒 )

https://www.youtube.com/watch?v=Ic53hhFllPM
https://www.youtube.com/watch?v=ugDIYqWmbX8   ( 英語字幕付き ) 

 

◆  英文を書く時の日本語のローマ字表記は、 SWET
が作成した、 こちらのガイドブック( 英文 )が役立つ。

PDF版は無料。


第3版
2020年 2月16日 更新
※  PDF 全92頁、  810 KB

https://japanstylesheet.com/download-jss/


「  1950年代から 日本で活動した プロたちの経験と助言による蓄積  」

https://swet.jp/jp


https://swet.jp/shop/japan-style-sheet



◆  英語力が確実に上がってくると、
gh “、  ” hs “、 ” h ” 、  ” y
で日本語の発音を表している理屈が見えてくる。

英語が母語の一般人向けなら、 日本で普及している ヘボン式 や 訓令式
よりも、 これらの表記が好ましいわけが、 すんなり分かるようになる。

日英の音言語習慣音節構造
の根本的な違いの基礎知識が身についた証左である。

◆  英語ネイティブの発する英語音が、 なんだか短く、 不足気味
に聞こえる一因は、 文単位でも  強弱  が激しく作用しているから。

つまり、「 強弱アクセント 」 の英語には、 文にも単語にも
強弱  が存在するのである

そして、 言語習慣母音 を加えたくなる  日本語ネイティブ

と裏腹に、 連続する単語の発音時に、 子音 が挿入されたりする。

  •   thereðεə  is iz ]    [ ðεəriz
  •   thereðεə  are  [ ɑː ]    [ ðεərɑː

音が連結して、「 1つの音 」 として発音される。

これは、 リエゾンliaison という、
「 連音 ( れんおん ) 」 の一種。

音韻論の現象で、 英語よりはフランス語で顕著。

単語 「 リエゾン ( liaison ) 」 自体もフランス語由来。 

英語では、 リンキング linking ) とも言う。

音声変化 phonetic  change ) の代表格である。

リエゾン・リンキング ( 連音 ) 以外の主な 音声変化 は、

  • リダクションreduction 脱落  
    →  音が弱くなったり、 完全に省略 ( 欠落 )される発音
    【例】  TBD  –  coming soon

  • アシミレーション assimilation ) 同化 
    →  2つの異なる音が重なり、 新たな音として発音
    【例】  TBD  –  coming soon


  • フラッピング ( flapping ) 弾音 
    →  破裂音  / t /  及び  / d /  を弾かせた「 ラ 」行に近い発音
    【例】  TBD  –  coming soon

    ※  英語の 破裂音  plosive  は 6つ
     [p][t][k][b][d][g

◆  ネイティブの英語が聞き取れない主要因は、 発音などが

「  速すぎるから  」 と思い込んでいる日本人は極めて多い。

けれども、 決して   速度だけの 問題ではない

これまで見てきた、  日英の音言語習慣音節構造  

の恐るべき乖離から、 ご理解いただけるのではないだろうか。

日本語は 「 声の音 」、 英語は 「 息の音 」 と呼ばれる。

口を開いてものを言う 「 発話 」( utterance ) と、 出てくる
音声 」 の両方の構造が、 この上ない度合いで相違する。

日英の「 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用 」 は極端に離れている。

口周りどころか、 音声器官の動きが違うと言っても過言ではない。

声帯・喉頭・咽頭・鼻腔・肺・気管・顎・口蓋も、 もれなく関与。

「 発音 」だけで判断するのは、 とてつもなく危険で浅学すぎる。


◆  日英の音の基礎はおろか、 「 音節 」 の概念さえ知らなければ、

どんなに  ゆっくり  きれいに  穏やかに  話してもらっても

「 ぜんぜん 聞き取れない …  」 と相変わらず落ち込むはめに

超スローな発音により、 超たやすくなるかどうか。

話し手・聞き手になり、 自ら実際に試してみるとよいと思う。

この時点で 「 速度の問題ではないのか 」 と自覚するのが望ましい。

「 速度 」 よりも、 はるかに本質的な上記3点を押さえておきたい。

この点の正しい知識が、 日本人学習者を救うと私は信じる。

単なる 「 努力不足 」 なんかではない。

私たちのせいではない。

先生のせいでもない。

英語の不得手な日本人が
過半を占めるのは、 自然の数

■  「 本能的に 」 習い覚えた第一言語( 母語 )の影響力は、常に絶大 
■  人間は言語を用いて考えるため、母語こそ「 思考の土台 」を形作る 

  •  発音・音節のみならず、 日英は、 文法から何から共通点が乏しい
  • 言語系統が別次元 」なので、 糸口を得がたく、 習得が困難


◆  英語教育の内容の適不適は、 第二義的な問題にすぎない。

受験英語の弊害 」 ?

本当は、 そんな程度の話ではないのだ。

大胆に例えると、 ワンコ ニャンコ  に仕立てようとするくらい、
一般的な環境に育った日本人にとって、  英語習得は難易度が高い。

からくりをきちんと解かずして、 むやみに詰め込む、 こんな様相。

「 ワ! 」 はダメ、  正しくは 「 ニ! 」 

挙句の果てに混乱し、 授業についていけない脱落者が続出する。

「  なんで、ニャン が正解で、ワン は間違いなんだよ ?

どうやら、 先生方もよく分かっておらず、 堂々と教える自信がないのかも。

  ◇  英独仏を含む、 大規模な印欧語族 ( インド・ヨーロッパ語族 ) を
母語とする学習者と異なり、  母語が日本語の私たちは、

  手掛かり・足掛かり が全然つかめない

文字表記発音・音節・アクセント・語順  はほとんど重ならない。

舌・唇・歯・呼吸間の相互作用  が大違いで、 発音時の口周りも異次元。

言語面にとどまらず、 物事の見方を左右する、 文化的な違いも天地。

だから、 「 異文化理解力 」  も身につけなければならない。

 

  母語 = 日本語の宿命を担うと、

  英語習得はやたらと難しくなる。


  母語が 「 踏み台 」 になってくれないから

 

やること多すぎ



母語に比べて、 「 言語系統が別次元 」 とは、 こういうこと。

母語に存在せず、 イメージしずらいことだらけだから、
どうあがいても理解できない。

 

◆  一方、 中国人には英語堪能な方が多いとの反論がある。

確かに、 中国語は日本語と同じく、 印欧語族に属さない。

しかし、 日英に比べれば、 文法と語順が似通っていることは検証済み。

中国語( Mandarin )を大学の第二外国語で学んだ際、 自ら実感した。

 

◆  英語は 「 印欧語族 」 ( the Indo‐European languages )。

インド・ヨーロッパ語族系統図


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【出典】  小学館 日本大百科全書 ( ニッポニカ ) より


conclusive ”  では、 歴史を振り返りつつ、 世上流布しない
正負の側面を事細かに考察した ( 地図入り )。

aware ”  では、 日本人教師の皆様の強みを述べた。

 

◆  以下、 ” no need ”  より再掲。


◆  日本語と英語の埋めがたい差異を踏まえると、 日本語で
英語をどこまでも理解しようとする 思惑そのものがよくない。

日本語は、 英語習得の 「 踏み台 」 になりにくい言語

強引に結びつける熱意自体が、 激しいストレスを作り出す

無理強いして、 嫌がる男女をくっつけようと奮闘するかのよう。

相性悪いんだから、 やめとけ !


初級を卒業し、 基礎単語・基礎文法を修得した 中級者 ならば、

日本語で詳細に解説するような教材よりは、 ぜひ早め早めに

力量相応の 「 生の英語 」 を中心に据える方が、

良好な結果を生む。

さもないと、 まともに英語を使うこともなく、  教材やるだけで人生が終わる。

教材大国ゆえか、 教本に依存したまま寿命が尽きる、 背筋の凍る未来像。

英語教育産業の思う壺。

英語教育業界と教材学習がもたらすリスクも、 ” no need ”  で暴き出した。



◆  英学界の巨人、 斎藤秀三郎 ( 1866-1929 ) いわく、

  • ” English, though a comparatively easy language,
    is far from being so to the Japanese student.
     ”
    ( 英語は比較的平易な言語であるが、日本人学習者に
    とっては、平易から程遠い。 )
  • a pronunciation wholly alien to that of his mother-tongue
    ( 母語の発音に対し、完全に異質な発音 )


p. 5.   “ PREFACE ”

正則英文教科書 第4冊 ( 第4学年用 )
斎藤秀三郎 (著)
興文社、  1908年刊

※  斎藤秀三郎は、 世界初の EFL辞典を生んだ 影の立役者
→  辞書は 「 紙 」 か 「 電子版 」


同感します。

◆  日本語音の 基調 / CV /  を十分に理解した外国人は、
「 外国人なまり 」が減り、 みるみるうちに上達していく。

特に熱心な学習者だと、 別人並みに変わるから、 こっちはびびる。

目を見張る見事な変身ぶりに、 発音のポイントは「 音節 」
に宿ると改めて気づかされる。

 

◆  やや際どいが、 大事な器官の発音を、 またぞろ練習しておこう。

初めて耳にすると、 おそらく分からない。

■  penis  / píːnispe-nis  (2音節)

【日】  3音節 「   –
【英】  2音節

ピー   ニス
ピー   ナス

「ぺ」 でなく 「ピ」


語源は、 ラテン語 「 尾 」 ( pēnis )。

https://mickeyweb.info/archives/18907

 

■  vagina  / vədʒáinəva-gi-na  (3音節)

【日】  3音節 「  
【英】  3音節

ヴァ   ジャイ   ナ

———-「ギ」 でなく 「ジャイ」
「ワ」 でなく 「ヴァ」


語源は、 同じくラテン語 「 鞘  =  さや 」 ( vāgīna )。

「 お袋 」 に似通う発想で、 あそこの形状と機能を示唆する。

なお、 「 お袋 」 の語源説は、 複数存在する。

以下、 ” private parts ”  より再掲。

語釈全文である。


(1) フクロが子宮をさす


『 日本語源大辞典 』  pp.273-274.
前田 富祺 (監修)、 小学館、 2005年刊


母親を 「 お袋 」 呼ばわりするのが、 気恥ずかしくなるわ。

◆  ” vagina ” ( 膣 ) は、 甘い香りの 「 バニラ 」 ( vanilla ) と同源。

既記の通り、 ラテン語 「 鞘  =  さや 」 ( vāgīna ) が出自。

■  vanilla  / vəníləva-nil-la  (3音節)

【日】  3音節 「  – ラ 
【英】  3音節

ヴァ      

両方とも、第2音節に強いアクセント( 強勢 )

ヴァ       
ヴァ   ジャイ   ナ
1       2      3  音節

3音節同士で、 真ん中に強勢、 リズムはやんわり重なる。

 

◆  今後は、 バニラを食すたびに、

vanilla,  vagina,  vanilla,  vagina

と小声でささやき、 発音を反復練習しましょう。

これで、 第2音節に強勢を置く3音節単語は、 大丈夫。

◆  ご自分の生活の中に、 学習機会を見出し、 あたかもパズル
のように、 巧みに練り込んでいけば、 ストレスかけずに学べる。

ほどよい弾みが気持ちを盛り上げ、 心身の不調を遠ざけてくれる。

見慣れているいつもの光景に、 知的な趣にあふれる変化が訪れる。

良くも悪くも心が躍り、 不平不満にかまう隙が消え、 気分が上向く。

「 3時のおやつ 」 みたいに、 学習習慣を挟み込んでいくことだ。

心地よいリズムが暮らしに加わり、 生きることが楽しくなってくる。

これまで、 なんとも思わなかった  「 バニラ 」 を見聞きする都度、
ぷぷぷっ と笑みがこぼれてしまうので、 もう楽しくないわけない。

日本語オンリーの頃には、 夢想だにしなかった新たな視界がぐっと広がる。

英語好きな人に幸せそうな人が多い理由のひとつで、 物事が多重に見える。

語学の魔力であり、 今まで知らなかった活力がみなぎり、 毎日が輝く。

◆  私自身、 日常のふとした隙を突いて、 いろいろ訓練する日々。

【参照】  ” hiatus “、  「自分の世界」が広がる英語 、  単語の覚え方



” vanilla ” と聞いて、 ぱっと即座に ” vagina ” を想起する
レベルにないと、 プロの通訳翻訳官は 務まらない気がする。


語源はもちろん、 連想語を調べることなく、 氏名・芸名・
ペット名などをつけるのは、 控える方がよいかもしれない。



◆  本題  ” integrity ”  に戻る。

(1) 誠実、高潔 異なり、  (2)完全性  の場合、
人となりの描出に使われる場面を、そうそう見かけない模様。

(2)は、専門的な堅い文脈中心で、技術分野 及び 権利関係 が、
主たる用法。

既に記した(2)の使用例でご覧いただいたように、
「 技術分野 」は判別しやすく、大半が(2)に該当。

「 権利関係 」については、「 人格 」も関係してくるので、要注意。

ただし、道徳的に高尚な人柄を表す(1)の「 人格 」ではない。

生存に必要な自由・独立といった、人間の権利としての
法律的な「 人格権 」を主に示すのが(2)。

とかく手強いのは、こっちの「 権利関係 」 の  ” integrity “。

(1)と(2)ともども、適用できそうな用途が少なくないのである。

これまた難問で、 翻訳者泣かせ。

公開されている翻訳を調べても、どこかあいまいな和訳が珍しくない。

一応の目安としては、「 権利 」を意味する語、
” a right “、” the right “、” rights ”  を伴う時は、(2)中心。

【発音】   ráit
【音節】   right  (1音節)

「 人権 ( human rights )」 や 「 人間の尊厳 」を扱う中身で
あれば、 個人の(2)「 完全性 」「 統一性 」を指す可能性が高い。

  • ” human dignity,  human identity and human integrity
    (人間の尊厳、人間の独自性、 人間の完全性)

◇  ” integrity ” の趣旨  (1)(2)に通底するイメージ

「 完全無欠 」のまま、 丸ごと保護する「 個の保全 」

  • ” physical and mental integrity
    ( 精神と肉体の完全性 )( 精神と肉体の統一性 )

完全な状態 」を旨とするのが、 ” integrity ” の語釈(2)で、

前掲の通り、「 完全性 」「 統一性 」「 保全性 」「 整合性 」。

  • personal  integrity
    ( 個人の誠実さ  ←  人としての品性 )  →  (1) 誠実、高潔
    ( 個人の完全性・統一性  ←  人間の尊厳の一部 )  →  (2) 完全性
  •  ” integrity of Olympics”
    ( オリンピックの高潔さ )  →  (1) 誠実、高潔
    ( オリンピックの完全性・統一性 )  →  (2) 完全性
  • ” the integrity of competition”
    ( 競技の高潔さ )  →  (1) 誠実、高潔
    ( 競技の完全性・統一性 )  →  (2) 完全性
  •  ” the right to the integrity of the person”
    ( その人の完全性に対する権利 )( 人格の完全性に対する権利 )

(1)と(2)は、矛盾する語意ではない。

普段、接する分には、あまり神経質に分別しなくてもよいと考える。

繰り返すと、 (1)と(2)に相通じるイメージは、

「 完全無欠 」のまま、 丸ごと保護する「 個の保全 」

ひと言に要約すると、

 

「 完全無欠 」

 

それが、 ” integrity “。

 

(1)  誠実、高潔 


The quality of being honest and strong

about what you believe to be right.

( ロングマン、LDOCE6 )



(2)  完全性


formal: the state of being united as
one complete thing.

( ロングマン、LDOCE6 )

※  ” formal ”  =  正式な表現、 堅めの表現


◆  主な類義の不可算名詞は、

completeness “、  ” unity “、  “ solidarity “。

  • ” the integrity of the nation ”
    ( 国家としての統一性 )
  • ” data integrity
    ( データの完全性 )  ( データの整合性 )

    →  “Hackers tend to focus on compromising the integrity of data.”
    ( ハッカーはデータの完全性を侵害することに重点を置く傾向がある。)
  • ” structural integrity
    ( 構造完全性 )   ※  頑強な構造など
  • ” the integrity of hair ”
    ( 髪の毛のまとまり )
  • “the integrity of the film”
    ( 映画の完全性 ) ( 映画の完成度 )
  • ” the territorial integrity of the country ”
    ( 領土の保全 )   ※  定訳 「 領土の一体性 」 のこと

    →  ” maintain Japan’s sovereignty and territorial integrity ”
    ( 日本の主権と領土保全を維持 )
  • ” skin integrity
    皮膚統合性 )   ※  定訳

    →  「 皮膚統合性 障害( impaired skin integrity ) 」
    をもたらすのが「 褥瘡 ( 床ずれ ) 」などの皮膚損傷

    ・  ” impaired “( ~ に障害のある ) …  形容詞

    【発音】  ɪmˈperd
    【音節】  im-paired  (2音節)

 

◆  締めくくりに、世界最大の英語辞典  “ OED ” をご紹介。

 ” integrity ” 全文である。


“Integrity.”  The Oxford English Dictionary.  2nd ed. 1989.


これぞ、 “ OED ” ( オーイーディー )の略称で名高い、
“ The Oxford English Dictionary ” ( オックスフォード英語辞典 )。

[ 公式サイト ]  →   http://www.oed.com/

1884年にイギリスで刊行が始まり、 最新版の第2版は1989年刊。

全20巻、 2万1730頁、 29万1500の見出し語、 62kg。

語義の配列は、頻出順ではなく、発生順の「 歴史主義 」。
成り立ちを、系統的にたどれる利点がある。

◆  「 発生順」「 歴史主義 」の ” OED ” によれば、
” integrity ” の成立は、世間的な「 頻出順 」と逆になる。

つまり、既に述べた下記は、二の次。

  一般社会で、より頻出なのは   (1)  誠実、高潔 

すなわち、

【成立】   完全性   →   誠実、 高潔
【頻出】   誠実、 高潔   →   完全性


上記 ” OED ” の語釈 ( sense 123 に当てはめると、

【成立】   完全性  [ 1 2 ]   →   誠実、 高潔  [ 3 ]
【頻出】   誠実、 高潔  [ 3 ]   →   完全性  [ 1 2 ]

◆  前出の ” OED ” の語釈全部を転記する。

キーワードには、ハイライトを施した。


1.
 
The condition of having no part or element
taken away or wanting;  undivided or unbroken
state;  material wholeness,  completeness,
entirety.

b.  Something undivided;  an integral whole.

2.  The condition of not being marred or
violated;  unimpaired or uncorrupted condition;
original perfect state;  soundness.

3. In moral sense.   a. Unimpaired moral state;
freedom from moral corruption;  innocence,
sinlessness.

b.  Soundness of moral principle;  the character or
uncorrupted virtue, esp. in relation to truth
and fair dealing;  uprightness,  honestysincerity.


” OED ” には、難解な記述がままあるのが常例。

ところが、” integrity ” の語釈は、シンプルな文章で構成されている。

中級学習者の実力があれば、一目で把握できるレベル。

◆  語義の配列は、各辞書の編集方針に従う。

手元の 著名英和を調べると、 概ね以下の模様。

学習者対象の 学習英英辞典(EFL辞典)は、大方「 頻度順 」。
英語ネイティブ向けの英英辞典は「 発生順 」が目立つ印象。

弊サイトが日本人にお勧めするネイティブ用辞書は、

国語辞典では、『 広辞苑 』は 発生順、『 大辞林 』は 頻度順

発生順(歴史主義)は、 語義を系統的にたどるには最適。
しかし、
一般的な英語学習者には、頻度順の方が実用的。

【参照】  ” initial “、  ” just checking in

“ OED ” 編集主幹の  James Murray 博士 ( 1837-1915 )
については、” in place ”  で触れている( 写真入り )。

 

◆  世界最大 ” OED ” に比肩する偉大な存在として、 日本最大
の国語辞典『 日国 』(※)の語釈も、 ぜひご案内したかった。

※  『  日本国語大辞典 第二版(全13巻+別巻)
小学館、 2000~2002年刊、 B5判変型、 平均 1,456頁


残念ながら、 見出し「 インテグリティ 」、「 インテグリティー 」
のどちらも設けられていなかった。

 

◇  『 日国 』 と  “ OED ”  は入手済み  →  辞書の 「 自炊 」 と辞書アプリ

 

 

【類似表現】

” Do the right thing.”
https://mickeyweb.info/archives/1552
( 正しいことをする。)

” Honest with –  ”
https://mickeyweb.info/archives/472
( 〜 に対して正直である )

 

 

【参考】     ※  外部サイト

◇  英語母語話者 ( 英語ネイティブ ) 対象の 「 言語習得難易度表 」

米国務省の外務職員局 ( FSI : Foreign Service Institute ) 発表

日本語は最難関 ( 4段階中、最高位 )

超難しい


Super-hard

exceptionally difficult for native English speakers

https://www.state.gov/foreign-language-training/


割かし頻繁に引用される資料なので、 信用に値すると考えられる。

70 years of experience in teaching languages to U.S. diplomats ”

米外交官に、 70年間、 外国語教育を施した実績が叩き出したランキング。

英語ネイティブにとって、 日本語がかなり難しいのは、 確かであろう。

要は、我ら双方にとって大変であり、 本稿で挙げた側面からも明らか。

まったくもって、 お互い様。

【参照】  ” I have a question for you.

 

 

 

 

 

 

 

 

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