プロ翻訳者の単語帳

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Personal belongings

      2024/12/01

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 8 minutes

所持品、  私物

「 所持品 」 と言ったら、 こちら。

掲示板( 後掲 )や手順書で、 年中見かける。

公的文書でも久しく定着しており、 最も一般的な表現

1語完結の ” belongings ” 


で表すこともある。

personal ”  を省いても意味は同じ。

【発音】  bɪlɔ́ŋɪŋz
【音節】  be-long-ings  (3音節)


この省略版は、 自分の私物を指す時に用いる場合が多め。

→  “ my belongings

  • “I worry about my belongings when I travel.”
    (旅行中は所持品が心配だ。)
  • “I need to keep my belongings safe.”
    (持ち物を安全に保管したい。)
  • Keep an eye on your belongings.”
    (所持品から目を離さないこと。)

 

◆  ” personal ” には、 形容詞と名詞がある。

【発音】  pə́ːrsənəl
【音節】  per-son-al  (3音節)


語源は、 ラテン語 「 一個人の 」( persōnālis )。

形容詞、 名詞ともに多義であるが、
ほとんどが語源から派生した意味合い。

基本的意味は、
–  形容詞  「 個人の 」「 自己の 」
–  名詞  「 人事記事 」「 動産 」

ここでは、 形容詞 「 個人の 」。

◆  ” belonging ” は、 名詞のみ。

【発音】  bilɔ́ŋiŋ
【音節】  be-long-ing  (3音節)


「 所属・付属するもの 」 が意。

「 所持品 」 の場合、 複数語尾 ” s ” つきの 複数形 が通例。

つまり、” belongings ” は 「 複数名詞 」 ( plural noun )
として複数扱いが基本となる。

【 複数名詞の例 】
stringsdoldrumsgroundsleftovers
oddsclothes

” belongings ” も複数名詞。

黄ハイライトが示す。

belongings

plural
[SYN]  possessions
the things you own, especially things
that you can carry with you.

( ロングマン、 LDOCE6 )

【発音】  bɪlɔ́ŋɪŋz
【音節】  be-long-ings  (3音節)

※  SYN   =   synonym   =   同義語


なお、 ” a personal belonging ” ( 単数 ) は、
「 個人所有物 」を意味し、 意味がやや違ってくる。

普段使いの「 私物 」なら、 複数形の

  •  personal belongings 
  •  belongings 

◆  次の類義語に比べると、一義的で無難な印象。

すなわち、” your personal belongings ”
は他意の余地が少なく、 誤解されにくい強みがある。

  •  your things
  •  your stuff

↑  「 あなたのモノ

とても分かりやすく、 日常的には多用される一方、

時にぞんざいに聞こえる。


とりわけ、 ” stuff  ”  は高リスクになりがち。

日本語で例えると、  販売員が商品を指しつつ、

「 ( この青い ) やつ ですか

こんな風に、 粗雑に扱うかのごとく響くことがある。

洗練された ( sophisticatedrefined ) 感はない。

語源は、 古フランス語 「 物質 」( estoffe )。

  •  your personal goods
  •  your personal items 

身近な言い回しであれば、 上記の方が上品。

【参考】    ※  外部サイト

 

◆  キャンプなどで使う  ” stuff bag ”  は、 おしゃれで

なくとも、 なんでも無造作に放り込めて、 便利な巾着袋。

 

▲  イスカ は 日本の寝袋メーカー

https://www.isuka.co.jp/

 

 


やるべきことを済ませる

( 2023年1月 )

くだらんことに、くよくよすんな

 


◆  大ヒット映画  『 プラダを着た悪魔
のワンシーンは忘れがたいインパクトを放つ。

  『 プラダを着た悪魔 』  ” THE DEVIL WEARS PRADA
米 2006年 ( デイビッド・フランケル 監督 )

 

【参考】    ※  YouTube ( 全長 2分18秒 )

THE DEVIL WEARS PRADA Clip  –  ”  Stuff  “

 

問題発言は、 動画開始後  30秒 ~ 

不用意に、 ぽろりと  ” stuff ”  を口にしたところ、
場の空気がますます凍てついた …

【発音】  stʌ́f
【音節】  stuff  (1音節)

本作品中の数ある名場面の中でも、 最高レベルの人気を誇る。

出てくる英語と一緒に、 じっくりご覧いただければと思う。

特に、 ” stuff ” の語末 ” f ” を発する時の口周りを凝視する。

摩擦音 ( fricative )であり、 下唇を噛みつつ空気を漏らす。

英語では頻出であるものの、 日本語にない動きを見て取れる。

画面を戻して、 とことん観察 ( rewind and rewatch )。

必要に応じて、 コマ送りにして、 幼児みたいに真似っこ。

※  やり方は、 ” integrity ”  へ  ( 図入り、 動画入り )

 

日英の音は、 舌・唇・歯・呼吸間の相互作用が
まったく違います

日本語音と同じ感覚で英語音を発音するから伝わらない。


👄 唇をよく見て 🫦

リスニングばかりで口は置いてきぼりの日本人が多すぎ。

  英   語 「 息の音 」
  日本語 「 声の音 」

 

 

◆  従業員を表す 「 スタッフ 」 は、 別単語の  ” staff “。

【発音】  stǽf
【音節】  staff  (1音節)

語源は、 古英語 「 杖 」( stæf )。

摩擦音 ” f ” の動きは、 ” stuff ” と完全に同じ。

1音声 ( one syllable ) の点も同じ。

短母音 ( short vowel ) の  /ʌ/  と  /æ/

の発音は違うのだが、 カタカナ表記は同一。

 

 

「 音節 」 ( = syllable = シラブル ) の日英比較は、

integrity ”  で事細かに取り上げた ( 図入り、 動画入り )。


 

↑  「 あなたの所有物

法的には欠かせない用語。

日常会話には少々堅い。

 

↑  「 あなたの身の回り品

effects ” は、ごくささいな物まで
含めた私有物のすべて。

こちらも ” s ” つきが通例。

 

  日本郵便の < EMS >  や  < eパケット > のラベルでは、
personal effects  を 身のまわり品と和訳。

※  2017年7月 初稿当時

  米国の税関 でも使用する。

  • household / personal effects
    ( 「 家財 」  「 身のまわり品 」 )

    ※  2019年7月現在

  保険用語 ( 「 携帯品 」  「 遺品 」 )でもある。

しかし、 日常会話には堅すぎる。

  ◇  他者の所持品を表現する際は
        気を遣う必要がある。      


自分の所有物や私物について、 他人にぶしつけに指摘される
ことが、 神経に障る 人が少なくないためである。

国籍不問でみられる傾向らしい。

私的領域にみだりに立ち入られることを警戒し、
嫌悪するのは普通の反応。

おそらく、 警察官や空港職員らによる
「 職務質問 」 「 所持品検査 」 「 保安検査 」
に似た不快感を覚えるのだろう。



Let go !

 

 

◆  世界標準に近いマナーとして、

よほどの緊急時 or 権限を有する者を除き、


★★  許可なく、 他人の 身体 に触らない  


必ず押さえておきたい。

何気なく手を出す人が、 私たち日本人に目立つ気がする。

公共の財産と思っても、 実はそうでないこともありうる。


自分の所有物以外、 むやみに触ってはいけない。


注意喚起で触れる部位は、 手でも背でもなく、  原則

老若男女は関係なく、 相手が異性であっても、  原則

※  ただし、 事故防止や応急手当など、 人命救助の接触は別の話

声掛けで済む状況であれば、 やはり触らないに越したことはない。

この世には、 理解不能な感性の持ち主や風習が数限りなく存在する。

 



私物に触るな

 

大げさに騒ぎ立てる人は、 老若男女問わず、 どの世界にもいる。

他人が身体・私物に触れることを極端に嫌がる過敏な人も大勢いる。

生理的に我慢できないらしく、 予期せぬ不利な展開を招いたりする。

まったく悪気がないのに犯罪者扱いされるのは、 なかなかきつい。

楽しい旅行中はもちろん、 どんな時もそんな思いはまっぴらごめん。

事前に 「 ~ いいですか 」( May I – ?  ) と尋ねる習慣は心強い。

許可されたと弁明でき、 一方的に誤解される窮地から我が身を救う。

 

Ask before touching or interacting with things you see.
( 目にするものに触ったり、 触れ合ったりする前に尋ねましょう。)

 

◇  無用なトラブルを避けるため、

 「 所持品 」  personal belongings  

と 覚えておこう。




手回り品   =   Personal belongings 
と表記する  公共交通機関
( 2020年2月4日  筆者撮影 )

  • “Leave your belongings behind.”
    (所持品はそのまま残して。)    ※  ” personal ” 省略
  • “Leave personal belongings and get off the bus.”
    (所持品はそのままにして、バスから降りて。)
  • “Leave all personal belongings inside the aircraft
    in the event of an evacuation.”    ※  ” personal ” 省略
    (避難する際、所持品はすべて航空機内に残すこと。)
  • “She went back inside the aircraft to retrieve her belongings.”
    (彼女は荷物を取りに機内に戻った。)
  • Passengers tried to take their personal belongings.”
    (乗客は所持品を持っていこうとした。)
  • “Be sure to take your personal belongings
    with you when you get off the bus.”
    (バスから降りる際は、所持品をお忘れなく。)
  • Go pack your belongings and leave !
  • “Pack up your belongings and leave !
    (私物をまとめて、出て行け)    ※  ” personal ” 省略
  • “The police examined his personal belongings.”
    (警察は彼の所持品を検査した。)
  • “I couldn’t return to my workplace to gather my belongings.”
    (私物を取りに職場に戻ることができなかった。
    ※  ” personal ” 省略

  • “Do not leave your personal belongings unattended.”
    (所持品を放置しないでください。)
  • “It is a big no-no to leave your personal belongings here.”
    (所持品をここに放置するのは絶対に禁物です。)

  • “Please move personal belongings around the desk prior to cleaning.”
    (清掃前に、机周辺の私物を移動しておいてください。)
  • “Don’t block the aisles with your personal belongings.”
  • “Please do not put your personal belongings in the aisles.”
  • “Keep the aisles clear of your personal belongings.”
    (通路に手荷物を置かないでください。)

    【発音】  áil     ル 」 と発音
    【音節】  aisle  (1音節)

【関連表現】

■  ” Property of ○○

○○ の所有物 )  ( ○○ の私物

決まり文言  「 これは私物です 」

例えば、 職場の備品と区別するため、 自前の参考書などに記入する。

【例】   ” Property of Ken Tanaka ”

盗難または誤解を防ぐための 予防措置 として、
自前のゴム印やラベルを作っている人もいる。

同僚のマシューにお借りした本はこんな具合。

※  名字にはモザイク

Property of Matthew XX

この場合の  ” property ” は、
不可算名詞  「 所有物 」 「 財産 」。

【発音】  prɑ́pərti
【音節】  prop-er-ty  (3音節)



◆  公費で賄われる 「 官給品 」 は、 正式には、

  •  government-furnished equipment ( GFE )
    官給品 ( 給付・貸与される物品・装備・機器 や 設備・備品 )


    【発音】  gʌ́və(rn)mənt
    【音節】  gov-ern-ment  (3音節)

    【発音】  fə́ːrniʃt
    【音節】  furn-nished  (2音節)

    【発音】  ikwípmənt
    【音節】  e-quip-ment  (3音節)

    【発音】  mətíəriəl
    【音節】  ma-te-ri-al  (4音節)
  • ” Do not charge a personal mobile device using
    government-furnished equipment ( GFE ).”
    ( 官給品を用いて私物のモバイル機器を充電してはならない。)

” GFE ” は、 通常、「 貸与 」( 貸し与えること ) 分も含む。

私の公務経験上( 日本と外国 )は、 「 貸与 」 の認識が普通。

要は、 用途は公用限定 ( for official use only、 FOUO )で、
私用 ( personal use )してはならない。

  • ” Personal use of GFE is prohibited.
    ( 官給品の私用を禁じる。)

官給スマホは、 ” a government-furnished smartphone “。

官給ノートパソコンは、 ” a government-furnished laptop “。

「 官給財産 」 は、

  •  government-furnished property ( GFP )
  •  government-furnished properties

「 国有財産 」 「 官物 」  は一般的に、

  •  government property 
  •  government asset

「 官給資材 」 は、

  •  government-furnished material ( GFM )
  •  government-furnished materials 


◆  この流れで考えると、 間違えやすくなってしまうのが、

  •  professional belonging
  •  professional belongings
    仕事上の 相互信頼 )   ( 仕事上の 帰属意識

一見、 表題  ” personal belongings ” の対として、
「 仕事上の持ち物 」 を意味する感じを受けるが、
そうではない。

この場合の  ” belonging ” は、
「 所持品 」 ( ←  複数形  ” belongings ” が基本 ) ではなく、

  •  同一性 
  •  相互信頼 
  •  一体感 
  •  帰属意識
  •  帰属感 

belonging

Uncountable
the feeling of being comfortable and happy
in a particular situation or with a particular
group 
of people.

( オックスフォード、 OALD9 )

【発音】  bɪlɔ́ŋɪŋ
【音節】  be-long-ing  (3音節)


不可算名詞である。

「 所持品、 私物 」 と異なり、 単数  ” belonging ” でも使う。

 

 

 

 

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