プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

In the event of –

      2020/01/16

もし〜の場会には 

仮定された条件を示す典型フレーズ。

契約書や公文書の他、時事ニュース(文面・音声)
にも出てくる堅めの文言。

in case of が同義

この表現の方が、身近で分かりやすい。
英語学習者はもちろん、ネイティブにとっても同様。

【注意】

冠詞 “the” の有無で意味が異なる

  • “in case of”(もし~の場合)
  • “in the case of”(~については)(~の場合は)
    ※ “the” がつくと、仮定ではない

“in the event of” と “in case of” の意味合いは、
副詞節を導く仮定の接続詞 “if”(もし~ならば)
に重なる。

すなわち「if節」。

  「if節」3用法   

■ 「もしも~」= 副詞節

→ 「if節」がなくても、文は成立する

  • 直説法(現実または現実に起こる可能性があること)
    = 現在形
  • 仮定法(現実とは異なること)
    = <今のこと>過去形、<昔のこと>過去完了形

 

■ 「~かどうか」= 名詞節

→ 「if節」がなければ、文が成立しにくい

日常会話であれば、”if” で済ましたりする。

ところが、契約書やニュースの仮定形では、
“if” ではなく、一般的に “in the event of” や
“in case of” などが用いられる。

◆ 接続詞 “if” は、1音節の短い単語で発音しやすく、
親しみやすい。

それゆえに、目でも耳でも識別しにくいきらいがある。
上記2つの表現に比べて、埋もれがちなのである。

シンプルで便利なので、頻用される反面、
見落とし、聞き落としが生じやすい。

その上、“if” は文法的に煩雑 である。

「仮定・条件」を基本としつつも、推量・因果関係・
修辞条件・譲歩など多岐に渡る分類があり、かなり細かい。

その結果、難しい文脈に置かれた場合、意味をすんなり
読み取りにくい欠点
がある。

◆ 一方、”in the event of” または “in case of” は、
各々の塊が「もし〜の場会には」を表す。

聴覚・視覚問わず、際立つ印象

特に音声ニュースでは、ともに文頭に多用される
ため、受け手は「仮定」とあらかじめ把握でき
すっと頭に入りやすい。

片や、”if” の場合、文頭に置いたとしても、続く助動詞
(”should” など)や時制で文意が変わる可能性がある。

そのため、内容の理解には一層の集中力が求められ、
厄介である。

要件の込み入る契約書や複雑な文書では、性質上、
仮定・条件を区別する必要性は、さらに高まる。

対面であれば、その場で疑問点を質すことができ、
誤解も回避できるため、”if” でも問題ない。

だが、ビジネスの重要事項を口頭に頼ると、
トラブルを招くため、文書主義が重視されている。

そこで、”in the event of” や “in case of” が重宝される。

◆ “event” には、名詞・自動詞・他動詞がある。

語源は、ラテン語「出来事」(ēventus)。
カタカナ「イベント」も、「行事・出来事」を指す。

ここで「出来事」類語のおさらい。

  • event
    事の結果として生じる比較的重大な出来事
  • accident
    偶発的で好ましくない事故
  • incident
    付随的に起こる小事件
  • occurrence
    (付随せず)単独で発生する一般的な出来事
  • episode
    一連の出来事に含まれる、個別な出来事

日常使用のほとんどは名詞用法。
可算名詞のみで、不可算はない。

自他動詞は、ほぼ専門用語。

– 可算名詞「出来事」「行事」「結果」
– 自動詞「馬術(eventing)に出場する」
– 他動詞「馬術(eventing)に出場させる」

“in the event of” では、文脈次第で、”event” は
「出来事」または「結果」。

in” は、事情・条件を示す前置詞「~(の場合)には」。

特定の “event” を示すため、定冠詞 “the“。
※ “in case of” は “the” なし

of” は、関連の前置詞 “~についての”

よって、直訳は「~についての出来事・結果の場合には」
で、仮定を意味する。

既記の通り、”if”(もし~ならば)と大意は同じ。

“in the event of something” 
(also in the event that something happens)

used to tell people what they should do
if something happens.

(ロングマン、LDOCE6)

厳密に言えば、イギリス英語とアメリカ英語では、
解釈に僅差がある。

しかし、前後の文脈で調整できる程度の微差。

もし〜の場会には」で、基本はOK

 

  • “In the event of a fire, call 119.”
    (火事の場合、119番に電話せよ。)
  • “In the event of an emergency, call XXX.”
    (緊急時には、XXX番に電話せよ。)

  • “In the event of rain, the concert will be cancelled.”
    (雨天の場合、コンサートは中止予定です。)

  • ” In the event of a tsunami, go to higher ground.”
    (津波の際は、高台に向かうこと。)
  • “In the event of a car crash, follow these steps.”
    (自動車事故の場合、以下の手順に従うこと。)

  • “Email me in the event of an emergency.”
    (緊急時は私にメールして。)

  • “In the event of a strike, I will stay home.”
    (もしストの場合、自宅で待機するわ。)
  • “We should know how to protect ourselves
    in the event of a missile attack. ”
    (万一、ミサイル攻撃を受けた場合の自衛手段を、
    我々は知っておく必要がある。)
  • “I will leave here in the event of his death.”
    (もし彼が死んだ場合、私はここから去ります。)

  • “In the event of a change in the ownership, X shall
    be obligated to inform Y by registered mail.”
    (所有者が変更する場合、Xは書留郵便でYに
    通知する義務を負うものとする。)
  • “In the event of any dispute, English version
    of this Agreement will prevail.
    (紛争が発生した場合は、本契約の英語版を
    優先するものとする。)
  • “In the event of the bankruptcy of either party,
    the other party may terminate this Agreement
    immediately.”
    (いずれか一方の当事者に破産した場合は、
    相手方は本契約を直ちに解除することができる。)

例文にも出てきたが、
自然災害などの非常時の手順書
に頻繁に活用される。

最後の3つは契約書

誤解があってはならない性質の文書ばかりである。

 

【類似表現】

“upon the occurrence of”
(~が発生した場合)

 

 

 

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