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Foul play

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不正行為、事件性 

  • No foul play is suspected.
    Foul play is not suspected.

    ( 不正行為の疑いはありません。)
  • There is no evidence of foul play.
    ( 不正行為の証拠はありません。)
  • There is no reason to suspect foul play.
    ( 不正行為を疑う根拠はありません。)
  • There is no sign of foul play.
    ( 不正行為の形跡はありません。)

ニュースで年中見聞きする常套句。

下線部 ” is ” の代わりに、過去形 ” was ” もよく使われる。
「 ありません 」 → 「 ありませんでした 」と過去形になる。

両方「 be動詞 」の代表格。

◆  冒頭表現の主な趣旨は1つ。

<ニュース用途の “foul play”>

「犯罪絡みか否か」 の簡潔な状況説明


視点は「 犯罪絡み 」かどうか。

受け手の関心のとば口も同様。

もし犯罪に該当する場合、罪状や違反の内容には、
さらりと触れるにとどまるのが普通。

なぜなら、” foul play ” を用いた一般ニュースの大半は、
「事件性」の有無を知らせることが目的 だから。

報道時点では、詳細は不明ゆえでもある。
この点は、” DUI ” 報道と似た姿勢と言える。

通常の現場では、警察を中心に捜査が進められる。
そのため、主格に警察を据えるパターンが多い。

  • The police do not suspect foul play.
  • The police found no evidence of foul play.
  • The police did not suspect foul play.
  • The police said it could be foul play.
  • The police had no reason to suspect foul play.
  • The police have ruled out foul play in the case
    of his death.
    ( 彼の死について、警察は事件性を否定した。)


冒頭の3文と合わせ、合計9文がニュース報道の頻出パターン。

像・音声・文面の区分を問わない。

これらが理解できれば、日常用法の “foul play” の基本はOK。

◆ それでは、単語と文法をみていこう。

まず、”foul” には、形容詞・副詞・名詞がある。

【発音】  fául  (1音節)

語源は、古英語「 不潔な 」(fūl)。

基本的意味はネガティブばかりで、語源に沿う。

” foul “

–  形容詞 「 悪臭のする 」「 不潔な 」「 荒れた 」
–  副詞 「 不正に 」「 違法に 」「 反則で 」
–  名詞 「 反則 」「 ファウル 」「 嫌なもの 」
※  可算・不可算兼用

【発音】  fául  (1音節)

野球の「ファウルボール」は “foul ball“。
ファウルラインの外側にそれた打球を指す。
「邪球」とも言うが、こちらは死語に近い。

 

ファウル

 

さらに「 ファウルチップ 」は ” foul tip “。

バットをかすり、捕手のミットに収まった打球。
ストライクになってしまう。

いずれも、打者にはネガティブに働く場面が
ほとんどなので、”foul” の本質を反映している。

表題 ” foul play ” と同じく、どちらも形容詞である。

◆ ” play ” には、自動詞・他動詞・名詞がある。

【発音】  pléi  (1音節)

語源は、古英語「すばやい動き」(plega)。

” foul ” もそこそこ多義だが、” play ” の比ではない。

ことに、動詞 ” play ” は非常に多義である上、英単語として最頻出かつ最重要。

名詞 ” play ” は、「 書き言葉の頻出度 」が、一段階下がる。

◇  LDOCE6(ロングマン)の表記によれば、

  動詞  “ play ”
–  重要最上位 <トップ3000語以内>
–  書き言葉頻出最上位 <トップ1000語以内>
–  話し言葉頻出最上位 <トップ1000語以内>

  名詞  “ play ”
–  重要最上位 <トップ3000語以内>
–  書き言葉頻出:<1001~2000語以内>
–  話し言葉頻出最上位 <トップ1000語以内>

–  自動詞
「 遊ぶ 」「 試合する 」「 行動する 」「 演技する 」
–  他動詞
「 演じる 」「 なりすます 」「 公演する 」「 演奏する 」
–  名詞
「 劇 」「 遊び」「 試合 」「 博打 」
※  可算・不可算兼用

【発音】  pléi  (1音節)


基本的意味の例示はこの通りだが、他にも存在する。

◆  表題 ” foul play ” を分析してみる。

両者とも、基本的意味の上位に入らない用法である
ため、先述のリストには挙げていない。

” foul ” の基本的意味が、一貫してネガティブなことは
既述したので、” foul ” は難しくないだろう。


◆  問題は ” play “。

「 遊び 」やら「 劇 」やら「 博打 」やら、
それほど真剣味が伴う感じはしない。

「 試合 」も含め、娯楽・エンタメに近いイメージ。

主要な英和と英英辞典 を調べてみたが、
該当する語釈がはっきりしない。

最も鮮やかな説明は、次の2点。

” play “

■ 5a 不可算名詞
(人に対する)行為、態度、対処の方法
現在は次の句でのみ用いる

・ fair play 公正な行為(態度)
・ foul play 反則、犯罪行為、殺人

(ジーニアス英和大辞典)

■ 31.
manner of action, conduct, or playing.
fair play

https://www.collinsdictionary.com


とにかく「遊び」「試合」の “play” ではなく、
「行為」を示すことは分かった。

“play” の語釈は今ひとつだったものの、
複合名詞としての “foul play” の語釈は
しっかり記載されているので、救いがある。

” foul play “

Uncountable
CRIME
a criminal act that results in serious damage
or injury, especially murder.

Uncountable
SPORT
in sport, the act of playing unfairly or doing
something that is against the rules.

( ケンブリッジ、 CALD4 )

※  下線は引用者


犯罪の「 不正行為 」とスポーツの「 反則 」。

この2つが出揃った語釈で、似通った解説だらけだが、
最もすっきり網羅していると感じたのが、この ” CALD4 “。

下線がポイントで、「 人殺し 」と同一視した語釈もあった。
( OALD9、MacmillanCollins など )

◆  一方、法律辞典ではどう説明されているか。

アメリカには、Black’s Law Dictionary
ブラックス法律辞典)という有力な法律辞典
が存在する。


Amazon Japan / Amazon US

1891年に発刊され、130年以上の歴史を誇る。

判例などに最も引用される辞典であり、英米法
を学ぶ学生で知らない者は皆無レベルの 存在感

現時点( 2018年5月 )での最新版( 第10版、2014年刊 )
の解説は以下の通り。

 foul play. (15c)

1.  Wrongdoing, esp. when it involves a person’s
murder.
2.  A dishonest, unfair, or rule-violating act, esp.
one that happens during a sporting event.

Black’s Law Dictionary, 10th Edition
p. 771.  (Thomson Reuters 2014).

※  下線は引用者
※  ” esp. ”  =  ” especially “( 特に )


ここでも、殺意のある殺人 ” murder ” を明記する。
” wrongdoing ” は、「 悪事 」「 犯罪 」。

驚くことに、英英辞典やEFL辞典よりも、
あっさりした中身であった。

◆  以上より、不可算名詞 ” foul play ” は、
「犯罪絡み、特に殺人」について指す。

◇  実際のニュース報道では、

” foul play ” の存在を否定し、
「 事件性はない 」ことを示す

ために多用されるのが一般的

上掲の9文が、その基本となる。

【関連表現】

【反意語】

 

 

 

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