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Foul play

      2020/01/01

不正行為、事件性 

  • No foul play is suspected.
    Foul play is not suspected.

    (不正行為の疑いはありません。)
  • There is no evidence of foul play.
    (不正行為の証拠はありません。)
  • There is no reason to suspect foul play.
    (不正行為を疑う根拠はありません。)
  • There is no sign of foul play.
    (不正行為の形跡はありません。)

ニュースで年中見聞きする常套句。

下線部 “is” の代わりに、過去形 “was” もよく使われる。
「ありません」→「ありませんでした」と過去形になる。

両方「be動詞」の代表格。

  • is 「三人称単数直説法現在形
  • was 「一人称及び三人称単数直説法過去形

冒頭表現の主な趣旨は1つ。

<ニュース用途の “foul play”>

「犯罪絡みか否か」 の簡潔な状況説明

視点は「犯罪絡み」かどうか。
受け手の関心のとば口も同様。

もし犯罪に該当する場合、罪状や違反の内容には、
さらりと触れるにとどまるのが普通。

なぜなら、”foul play” を用いた一般ニュースの大半は、
「事件性」の有無を知らせることが目的だから。

報道時点では、詳細は不明ゆえでもある。
この点は、”DUI” 報道と似た姿勢と言える。

通常の現場では、警察を中心に捜査が進められる。
そのため、主格に警察を据えるパターンが多い。

  • The police do not suspect foul play.
  • The police found no evidence of foul play.
  • The police did not suspect foul play.
  • The police said it could be foul play.
  • The police had no reason to suspect foul play.
  • The police have ruled out foul play in the case
    of his death.
    (彼の死について、警察は事件性を否定した。)

冒頭の3文と合わせ、以上の合計9文がニュース報道の
頻出パターン。映像・音声・文面の区分を問わない。

これらが理解できれば、日常用法の “foul play” の
基本はOK。

◆ それでは、単語と文法をみていこう。

まず、”foul” には、形容詞・副詞・名詞がある。

【発音】  fául

語源は、古英語「不潔な」(fūl)。
基本的意味はネガティブばかりで、語源に沿う。

“foul”

– 形容詞「悪臭のする」「不潔な」「荒れた」
– 副詞「不正に」「違法に」「反則で」
– 名詞「反則」「ファウル」「嫌なもの」
※ 可算・不可算兼用

【発音】  fául

野球の「ファウルボール」は “foul ball“。
ファウルラインの外側にそれた打球を指す。
「邪球」とも言うが、こちらは死語に近い。

 

 

さらに「ファウルチップ」は “foul tip“。
バットをかすり、捕手のミットに収まった打球。
ストライクになってしまう。

いずれも、打者にはネガティブに働く場面が
ほとんどなので、”foul” の本質を反映している。
表題 “foul play” と同じく、どちらも形容詞である。

◆ “play” には、自動詞・他動詞・名詞がある。

【発音】  pléi

語源は、古英語「すばやい動き」(plega)。

“foul” もそこそこ多義だが、”play” の比ではない。
“play” は非常に多義である上、英単語として
頻出かつ最重要。

LDOCE6(ロングマン)の表記によれば、

■ 動詞 “play”
– 重要:最上位 <トップ3000語以内>
– 書き言葉頻出:最上位 <トップ1000語以内>
– 話し言葉頻出:最上位 <トップ1000語以内>

■ 名詞 “concern”
– 重要:最上位 <トップ3000語以内>
– 書き言葉頻出:<1001~2000語以内>
– 話し言葉頻出最上位 <トップ1000語以内>

– 自動詞
「遊ぶ」「試合する」「行動する」「演技する」
– 他動詞
「演じる」「なりすます」「公演する」「演奏する」
– 名詞
「劇」「遊び」「試合」「博打」
※ 可算・不可算兼用

【発音】  pléi

基本的意味の例示はこの通りだが、
他にも存在する。

◆ 表題 “foul play” を分析してみる。

両者とも、基本的意味の上位に入らない用法である
ため、先述のリストには挙げていない。

  • “foul” は、形容詞「不正の」※ 副詞ではない
  • “play” は、名詞「行為」
  • 2語一体の “foul play” で、不可算の複合名詞

“foul” の基本的意味が、一貫してネガティブなことは
既述したので、”foul” は難しくないだろう。

問題は “play”。
「遊び」やら「劇」やら「博打」やら、それほど真剣味
が伴う感じはしない。

「試合」も含め、娯楽・エンタメに近いイメージ。

主要な英和と英英辞典を調べてみたが、
該当する語釈がはっきりしない。

最も鮮やかな説明は、次の2点。

“play”

■ 5a 不可算名詞
(人に対する)行為、態度、対処の方法
現在は次の句でのみ用いる

・ fair play 公正な行為(態度)
・ foul play 反則、犯罪行為、殺人

(ジーニアス英和大辞典)

■ 31.
manner of action, conduct, or playing.
fair play

https://www.collinsdictionary.com

とにかく「遊び」「試合」の “play” ではなく、
「行為」を示すことは分かった。

“play” の語釈は今ひとつだったものの、
複合名詞としての “foul play” の語釈は
しっかり記載されているので、救いがある。

“foul play”

Uncountable
CRIME
a criminal act that results in serious damage
or injury, especially murder.

Uncountable
SPORT
in sport, the act of playing unfairly or doing
something that is against the rules.

(ケンブリッジ、CALD4)※ 下線は引用者

犯罪の「不正行為」とスポーツの「反則」。

この2つが出揃った語釈で、似通った解説だらけだが、
最もすっきり網羅していると感じたのが、この “CALD4″。

下線がポイントで、「人殺し」と同一視した語釈もあった。
(OALD9、MacmillanCollins など)

◆ 一方、法律辞典ではどう説明されているか。

アメリカには、Black’s Law Dictionary
ブラックス法律辞典)という有力な法律辞典
が存在する。


Amazon Japan / Amazon US

1891年に発刊され、100年以上の歴史を誇る。

判例などに最も引用される辞典であり、英米法
を学ぶ学生で知らない者は皆無レベルの存在感

現時点(2018年5月)での最新版(第10版、2014年刊)
の解説は以下の通り。

 foul play. (15c)

1. Wrongdoing, esp. when it involves a person’s
murder.
2. A dishonest, unfair, or rule-violating act, esp.
one that happens during a sporting event.

Black’s Law Dictionary, 10th Edition
p. 771 (West Group 2014)

※ 下線は引用者、”esp.” = “especially”(特に)

ここでも、殺意のある殺人 “murder” を明記する。
“wrongdoing” は、「悪事」「犯罪」。

驚くことに、英英辞典やEFL辞典よりも、
あっさりした中身であった。

◆ 以上より、不可算名詞 “foul play” は、
「犯罪絡み、特に殺人」について指す。

実際のニュース報道では、

“foul play” の存在を否定し、
「事件性はない」ことを示す

ために多用されるのが一般的

上掲の9文が、その基本となる。

【関連表現】

【反意語】

  • “fair play”
    (フェアプレー=正々堂々の試合態度)
    (公明正大な行為)

 

 

 

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