娯楽を目的とする、娯楽目的のため
“for the purposes of entertainment“
と同義。
「免責事項」(disclaimer)で、目にする機会が増えている。
特に、動画投稿サイトにて出会うことが多い。
–
■ 比較・程度の副詞 “only“(ただ~だけ)
直前または直後に、副詞 “only” を添える言い回しも定着済み。
ここでの “only” の意味合いは、以下の副詞と同等。
- just
- simply
- merely
しかし、決まり文句としては “only” ばかり使われている。
利益侵害の意図はなく、「素人だから許してね」などの気持ちを
含んでいたりする。
無断使用(an unauthorized use)または品質についてであろう。
【YouTube 免責文言の例】
-
This video is provided for entertainment purposes only.
(この動画は娯楽のみを目的としています。)– -
This video is made for entertainment purpose only.
(この動画は娯楽目的で作成されたものです。)– -
For Entertainment Purposes Only
(娯楽専用)
※ “purpose” は、単数・複数いずれも可(後述)
■ “for” は、目的の前置詞「~のために」。
■ “entertainment” の品詞は名詞のみ。
【発音】 èntərtéinmənt
基本的意味は「娯楽」で、「エンタメ」のこと。
もととなる自他動詞 “entertain”(楽しませる)の語源は、
中期フランス語「家の中に招待する」(entretenir)。
この動詞に、結果を表す名詞を作る接尾辞 “ment” を加えたもの。
この用法では、可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
■ “purpose” には、名詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 pə́ːrpəs
語源は、中期フランス語「企てる」(purposer)。
ここでは名詞「目的」。
この用法でも、可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
よって、直訳は「娯楽の目的のために」。
◆ 表題の用法では、”entertainment” と “purpose” の両方が、
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
したがって、次の3表現が可能。
-
<複数>
for entertainment purposes -
<無冠詞の単数>
for entertainment purpose
-
<冠詞つき単数>
for an entertainment purpose
※【頻度順】 Google検索:2017年3月24日 アクセス(初稿時)
◆ 昨今、著作権(copyright)を含む
知的財産権(intellectual property rights)の侵害が
世界的に問題となっている。
インターネットの普及により、対外的に自己表現する人が
地球規模で急増した上、適用法が各国で異なることが、
問題を複雑にしている。
–
権利者はあらゆる手立てを講じて、目を光らせるものの、
野放しに近い分野も少なくない。
YouTubeでは、他者の権利に触れる作品が
アップロードされた場合、権利者の申立て以前に発動される、
自動警告システムを一部採用している。
アップした途端、警告を食らった経験が私にも何度かある。
投稿者側は、商用でないことを明示するため、
上記文言などを用いて予防線を張ったりする。
だが法律的には、免責事項や素人作成に関わらず、
侵害行為は違法性を帯びるので注意を要する。
- “I did that for entertainment purposes.”
“I did that for the purpose of entertainment.”
(自分が楽しむため、それをやりました。)
– - “This picture is taken for an entertainment purpose.”
(この写真は、娯楽目的で撮ったものです。)
– - “I watch movies just for entertainment purpose.”
(単なる娯楽として、私は映画を観ます。)
– - “Books are not only for entertainment purpose.”
(本は娯楽目的だけでない。)
–
【類似表現】
- “for entertainment value” ※ 単数が通例
(娯楽のために)
“She killed him for pure entertainment value.”
(彼女は、ただ娯楽のためだけに彼を殺害した。)
–
“for – purposes”
(~を目的とする)(~の目的のために)
この表現パターンは、幅広く応用できる。
免責事項以外にも、趣旨の表示に多用される。
代表例は、
- for educational purposes
(教育目的の)
– - for an informational purpose only
for informational purposes only
(情報提供のみを目的とする)
– - for your planning purposes
(ご計画の際のご参考までに)
– - for reference purposes
(参照のために)
–