落ち度がある、 責任がある
法律が関わる場合に加えて、 ごく日常場面で
「 ~ に落ち度がある 」 「 ~ に責任がある 」
と言いたい時にも使える。
落ち度の規模と深刻さは問わない。
日頃の 「 ~ が悪い 」「 ~ のせい 」に、 幅広く活用できる。
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◆ 攻防不問で便利な表現。
相手に責任を負わせたり、 自ら否認したりと、
責めの有無がどうであれ、 趣旨が明確な2語。
■ 「 落ち度( 責任 )がある 」 = at fault
■ 「 落ち度( 責任 )がない 」 = not at fault
頭に否定の副詞 ” not ” を加えて「 落ち度がない 」。
ビジネスでもプレイベートでも、応用が効く。
通常、「 be動詞 」に続けるだけなので、使い方もシンプル。
※ 「 be動詞 」 = be、am、was、been、will be、is、were、are
” at fault ” というフレーズ全体が、形容詞の機能なので、
「 be動詞 」 に続くのが基本パターンになる。
なぜ、形容詞が「 be動詞 」に続くのかは、
” aware ” と ” vocal about ” で詳らかにした。
英文法の基本であるので、ぴんとくる ことがなければ、
この機会におさらいしていただくとよいかもしれない。
◆ “ fault ” には、名詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 fɔlt
【音節】 fault (1音節)
語源は、ラテン語「 間違っている 」( fallere )。
ここから、人の「 欠点 」「 足りない点 」を表す一般語に。
本来は「 不足 」を客観的に示すのみで、 必ずしも非難の意図を含まない。
しかし、 実際のところ、 ネガティブな意味合いの起用が目立つ。
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◆ 基本的意味は、
– 名詞 「 欠点 」「 落ち度 」「 責任 」「 故障 」「 過失 」「 罪 」「 断層 」
– 自動詞 「 間違える 」「 過失を犯す」「 断層を起こす 」
– 他動詞 「 非難する」「 失敗する」「 断層を起こさせる 」
名詞は多義である。
可算名詞と不可算名詞を兼ねる。
a fault
素人目には、 割れ目の数え方はよく理解しがたいものの、
「 断層 」は可算名詞だから、 ” a fault ” と覚えてよい。
一方、 表題「 落ち度 」「 責任 」は、不可算名詞。
よって、 不定冠詞 ” a ” はつかない。
「 誰々の責任( one’s fault ) 」 の頻出パターンも、
不可算名詞である。( 後述 )
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◆ 状態を示す前置詞 ” at “( ~ の状態で )を付けると、
” at fault ” は、2語で形容詞のフレーズとなり、
「 落ち度の状態で 」→ 「 落ち度のある状態で 」→ 「 落ち度がある 」
形容詞の役目なので、 原則「 be動詞 」に続くことは、既に述べた。
■ 「 責任 」といえば、 ” responsibility “。
【発音】 rispɑ̀nsəbíləti
【音節】 re-spon-si-bil-i-ty (6音節)
主な違いは、” responsibility ” は、性質的に最初から付随する責務。
親の責任、 利用者の責任、 自由に伴う責任など。
” fault ” は、最初から付随する責任ではなく、
落ち度や過失に対する責任
であり、 この点は ” blame ” も同じ。
【発音】 bléim
【音節】 blame (1音節)
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ただし ” fault ” は、所有格を直接つけられるが、
” blame ” は不可。
「 私のせいです 」
【正】 ” It’s my fault. ”
【誤】 ” It’s my blame. ”
※ 所有格:
my、your、his、her、their、our、its
■ なお、” accountable ” は、結果に対し、
根拠に基づく説明を求められる「 プロの責任 」。
【発音】 əkáuntəbl
【音節】 ac-count-a-ble (4音節)
” responsiblity ” との比較は、” accountable ”
で事細かに取り上げている。
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一部抜粋する。
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一般社員向けの事務連絡では、大雑把に、■ accountability ( 説明責任 )
■ responsibility ( 責任能力 )やや厳密さに欠けるとはいえ、 定訳ばりに幅を利かせた和訳である。
大づかみだが、 通常はこのくらいでOKだろう。
もっと掘り下げると、
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■ accountability
プロの責任
【例】 実務担当者
- 報酬あり = 責任範囲はピンポイントで明確
–- < 結果 >に対する責任と説明責任に焦点
→ 万一の場合、
数値などの根拠で説明する覚悟を要す
–- 担当者の責任なので、共同責任にそぐわない
■ responsibility
役割としての責任
【例】 未成年の保護者
- 報酬不問 = プロ・アマ可
→ 普段は自覚しずらい責任
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- 性質上、最初から付随し、事前事後に焦点はない
→ 状況に関係なく、役割に伴う常識的責任
–- 共同責任でも可
→ ただし、責任範囲・内容はあいまい–
” accountability ” を負う人は、
役割としての ” responsibility ” も負う。しかし、” responsibility ” を負うからといって、
根拠を提示して、事細かに説明する ” accountability ”
まで負うとは限らない。
https://mickeyweb.info/archives/21196
Accountable
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◆ 先述の通り、 ” at fault ” は相手を責める時にも、
自分を守る時にも使えるから、 大変便利。
- ” You are at fault. ” = ” It’s your fault. ”
( あなたの落ち度だ。) ( あなたのせいだ。)
– - ” I am not at fault. ” = ” It’s not my fault. ”
( 私の落ち度ではない。) ( 私のせいではない。)
– - ” I am at fault. ” = ” It’s my fault. ”
( 私の責任です。) ( 私のせいです。)
◆ ” at fault ” は、落ち度の程度を問わず使える。
日本語の「 ~ のせい 」「 ~ の責任 」とかなり似通う。
どんな状況でも、責任の所在を明確化できる。
無論、正式な決定には適正手順を踏む必要がある。
けれども、その場で責任の有無をとりあえず主張したければ、
確実に役立つ。
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「 落ち度( 責任 )がある 」 = at fault
-
「 落ち度( 責任 )がない 」 = not at fault
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◆ いざという際、 ご自分を救ってくれる表現かもしれない。
ぜひ押さえておきたい。
- “You are at fault here.”
(これはそっちのせい。)
(これはお前が悪い。)
– - “She was at fault for the accident.”
(その事故の責任は彼女にあった。)
– - “I was under the impression that he was at fault.”
(私の受けた印象では、彼に落ち度がありました。)
– - “I am not entirely at fault.”
(私だけが悪いのではない。)
(全部、私が悪いわけでない。)
– - “My boss has been found at fault for sexual harassment.”
(私の上司がセクハラしたと認められた。)
【類似表現】
” It’s my fault. ”
https://mickeyweb.info/archives/2596
( 私のせいです。)
” take the blame ”
https://mickeyweb.info/archives/15094
( 責めを負う )
“ accountable ”
https://mickeyweb.info/archives/21196
( 責任・説明責任を負う )