プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Please be aware that –

      2020/09/28

~にご留意ください。

読み手の 注意を喚起 するための常套句。

注意書き免責事項 として、
堅めの文書によく出てくる。

Please be aware
Be aware

  •  ご留意ください
  •  ご承知おきください
  •  ご注意ください

これら3つが主な和訳である。

  • “Please be aware of the following updates.”
    (以下の最新情報にご留意ください。)

 

◆  “aware” の品詞は、形容詞のみ動詞はない

  • “aware” は形容詞であり、動詞ではない。
  • “aware” に動詞はない。 

形容詞だから「状態」を示す

知っていて」「気づいていて」「承知していて
という状態。

語源は、古英語「注意深い」(gewær)。

【発音】  əwέər
【音節】  a-ware  (2音節)

「アウェァ」などと聞こえ、「R」は目立たない。

反意語は、接頭辞 “un“(~でない)を加えた unaware

【発音】  ʌ̀nəwέər
【音節】  un-a-ware  (3音節)

知らない」「気づかない」状態。

◆  “aware” も “unaware” も、
自らが「文の要素」となる「叙述用法」
の形容詞。

すなわち、叙述形容詞(predicative adjective)である。

英和・和英では「叙述」、英英では “not before noun”
などと表記されている。

COBUILD(コウビルド)を含む、Collins(コリンズ)系辞書の場合、
“v-link ADJ” で “the adjective is used after a link verb” の意。
同じく「叙述形容詞」を示唆する。

対をなすのは、名詞を直接修飾する「限定用法」の形容詞。

“a link verb” とは「連結動詞」。

【参照】     ※  外部サイト

・ 形容詞の「叙述的用法」と「限定的用法」
・ 形容詞の限定用法と叙述用法
英語の連結動詞とは?

  • 英語の形容詞の用法は2つ
    → 「限定用法」と「叙述用法」
  • 日本語の形容詞の用法は3つ
    → 「限定用法」と「叙述用法」と「副詞的用法

◼︎ 形容詞 “aware” は、英単語全体から見ても、
最頻出かつ最重要

以下の全3項目において、最高ランク。

  • 重要最上位 <トップ3000語以内>
  • 書き言葉頻出最上位 <トップ1000語以内>
  • 話し言葉頻出最上位 <トップ1000語以内>

さらに、<Academic Word List>(※)入りしている。
※  英語圏の大学教科書の頻出単語570語

(以上、ロングマン LDOCE6 の表記より)


◆  しかし、”aware” は日本の学校教育で軽視されている模様。

日本人にとって、使い方が分かりにくいことが一因である。

■  意味の似た次の 動詞 と比較すれば、
形容詞 “aware” の扱いにくさに気づく。

  • know  (知っている、他動詞・自動詞)
    →  事実・真実として知っているものと確信
  • learn  (知る・学ぶ、他動詞・自動詞)
    →  知識・情報を得て学習する
  • understand  (理解する、他動詞・自動詞)
    →  「含み」までも十分に知るほど深く認識
  • notice  (気づく、他動詞・自動詞)
    →  変化などをさっと感知
  • perceive  知覚する、他動詞・自動詞)
    →  五官でとらえた五感を幅広くカバー
    ※  perceive で 『日国』 用いて詳述、 図入り

  • realize  (悟る、他動詞・自動詞)
    →  物事の本質までじっくり理解し、はっきり自覚

  • recognize  (思い出す・認める、他動詞)
    →  既知の知識・記憶と一致し、あっと思い出す
    ※  自動詞はまれ

意味が重なるため、動詞と形容詞を混同してしまう

ここでつまずく日本人学習者は少なくない。

◇  私たち日本人には、さっぱり飲み込めない英単語が、

動詞のような意味合いの形容詞

どう考えても、”aware” は 動詞 に思えるのだ。


◆ 
この問題については、”vocal about” で考察した。

■  英語の形容詞を、日本語の形容詞に置き換えても、
日本語として不自然になることが多いため、
もっと分かりやすい動詞として和訳する傾向
がある。

■  日英では、言語系統が大きく異なる。
言語が違いすぎるため、英語の形容詞は日本語の
動詞に転換 しないと通じないことが多々ある。

■  すんなり通じることが大切で、品詞は不問
こうした工夫が、結果的に混乱を招いている。

  具体例など、詳しくは “vocal about” へ

概ね、動詞の方が感覚的に理解しやすい。
幼児の言語習得プロセスでも、動詞が先。

“aware” は、
「気づいている」状態(→ 形容詞)

「気づく」行為(→ 動詞)ではない

  和訳すると同然で、見分けがつかず、混乱  

類語の筆頭は、”conscious“(意識している)。
これも、状態を表す形容詞

ランダムハウス英和大辞典 第2版
“conscious”  (アプリ版)より転載

conscious   【発音】  kɑ́nʃəs        【音節】  con-scious  (2音節)
cognizant   【発音】  kɑ́gnəzənt   【音節】  cog-ni-zant  (3音節)

どちらも形容詞。  動詞ではない。

【参照】
・  “sick” は名詞でなく、形容詞
・  “dead” は動詞でなく、形容詞
・  “vocal” は動詞でなく、形容詞 
・  “limbo” は形容詞でなく、名詞

 

◆  形容詞なので、”be動詞“(黒の下線部)に続くのが、
最多パターン。

  • “I think I am aware of his problems.”
    (彼の問題は分かっているつもりだ。)
  • “She was aware that he was wrong.”
    (彼女は彼が間違っていることに気づいていた。)
  • “We were well aware that Mom was very sick.”
    (母が重病だということは、私たちはよく分かっていました。)
  • “I am fully aware of the danger.”
    (その危険は十分に承知しています。)
  • Are you aware of the situation ? ”
    (その状況をご存知ですか?)
  • “My boss was not aware of the situation.”
    “My boss was unaware of the situation.”
    (上司はその状況を知りませんでした。)
  • “I am aware of this issue.”
    (この問題に私は気づいています。)
  • “They were aware of the possibility of infection.”
    (彼らは感染の可能性を知っていた。)
  • “My professor is very much aware of what’s going on around the world.”
    (世界中で何が起きているか、教授はとてもよく知っている。)
  • “He was not aware of this law.”
    “He was unaware of this law.”
    (彼はこの法律を知りませんでした。)
  • “Most students are not aware of upcoming
    tuition changes.”
    “Most students are unaware of upcoming
    tuition changes.”
    (ほとんどの学生は、今度の授業料の変更を知らない。)
  • “We were not aware of the prohibition on duplication.”
    “We were unaware of the prohibition on duplication.”
    (我々は複写禁止について知りませんでした。)
  • “We are aware of the media reports and are cooperating with authorities.”
    (我々はメディア報道について知っており、当局に協力しています。)
  • “As you all are well aware, we cannot predict
    when this pandemic will come to an end.”
    (皆様もよくご存じの通り、このパンデミックが
    いつ終わるか誰にも予測できません。)

 

◆  では、なぜ「形容詞なので、”be動詞” に続く」のか。

日本語の形容詞との違いをおさらいしてみよう。

日本語の形容詞は用言の一つで、
単独で述語 になることができる。

  • 私は悲しい
  • 彼女はきれい
  • それが楽しかった

太字は形容詞。
「は」と「が」は、助詞postpositional particle)。

名詞・代名詞の後ろに置き、
他の語との文法的関係を示す語。
前置詞(preposition)の反対の 後置詞(こうちし)。

それが、日本語の助詞。

◇  本稿末尾に『』語釈を全文掲載している

◆  一方、英語の形容詞は「be動詞などの
助けを借りないと、述語になれない。

日本語の形容詞に比べて、
力が弱いから。

  • I am sad.
  • She is beautiful.
  • It was fun.

黒の下線部が “be動詞“。

be動詞be、am、was、been、will be、is、were、are


要するに、英語の形容詞は、

  弱すぎて述語として自立不能。

先述の文例を比べると、

  <日本語の形容詞>  単独で述語 ○  

強くて独立しているので「助詞」が欠けても可。
少なくとも「話し言葉」なら、大抵問題ない。

私、悲しい
彼女、きれい
それ、楽しかった

  <英語の形容詞>  単独で述語 X  

弱くて依存している
ので、「be動詞」などは不可欠
よって、以下は完全に間違い。

X  I sad.
X  She beautiful.
X  It fun.


◆  “aware” の場合、次のいずれかと
組むのが通例  (※  後述)。

動詞に 「助けを借りる」 ためである
英語の形容詞は、ひ弱で「自立」できず

片や、日本語の形容詞は、力強く「自立」できる

  1. be動詞(上掲)
  2. 自動詞become(~になる)
  3. 自動詞seem(~のように見える、思える)

以上、英文法の基本。  ぜひ押さえておきたい。

■  “please” は、<お願い>の副詞または間投詞
「どうか」「どうぞ」

「間投詞」(interjection)とは、
感動や応答を表す語で、
単独で文となりうる呼掛け言葉。

【例】  ”Oh ! “、”Oops ! “、”Alas ! “、
Whoa ! “、”Gross ! ”、“Welcome back ! ”、
Check!”、”Well done ! ”、”Barf ! ”

 

■  “be” は、状態の自動詞「である」
※  命令の自動詞「~しなさい」や
助動詞「~してください」との解釈もある

よって、”please be – ” は、
どうか~であってください」。

【例】
“Please be quiet“(どうか静かにして)
“Please be patient” (どうか辛抱して)

同様に、”Please be aware” は、

「どうか知って」
「どうか気づいて」

転じてどうかご留意ください

※  黒の下線部 → すべて形容詞


◆  “Please be aware that – ” は、決まり文句。

したがって、あまり考えすぎずに、
<4語ワンセット>で丸ごと覚えるとよい。

  • Please be aware that your order can be canceled.”
    (ご注文がキャンセルされる場合がありますのでご留意ください。)
  • Please be aware that there may be a delay.”
    (遅延が生じる場合がありますのでご留意ください。)
  • Please be aware that security cameras are in use.”
    (防犯カメラが作動しているのでご留意ください。)

 

◆  ご参考までに、上述の例文すべてを、本来の形容詞に忠実に
直訳してみる。

あえて「 状態を表す形容詞 」の持ち味を丸出しにすると、
例えばこんな具合。

  • “Please be aware of the following updates.”
    △(以下の最新情報に留意した状態でいてください。)
  • “I think I am aware of his problems.”
    △(彼の問題について、私自身は分かっている状態だと考える。)
  • “She was aware that he was wrong.”
    △(彼女は彼が間違っていることに気づいている状態だった。)
  • “We were well aware that Mom was very sick.”
    △(母が重病だということは、私たちはよく分かっている状態でした。)
  • “I am fully aware of the danger.”
    △(私はその危険を十分に承知している状態です。)
  • “Are you aware of the situation ? ”
    △(あなたはその状況をご存じの状態ですか?)
  • “My boss was not aware of the situation.”
    “My boss was unaware of the situation.”
    △(私の上司はその状況を知らない状態でした。)
  • “I am aware of this issue.”
    △(私はこの問題について知っている状態です。)
  • “They were aware of the possibility of infection.”
    △(彼らは感染の可能性を知っている状態だった。)
  • “My professor is very much aware of what’s going on around the world.”
    △(世界中で何が起きているか、教授はとてもよく知っている状態です。)
  • “He was not aware of this law.”
    “He was unaware of this law.”
    △(彼はこの法律を知らない状態でした。)
  • “Most students are not aware of upcoming tuition changes.”
    “Most students are unaware of upcoming tuition changes.”
    △(ほとんどの学生は、今度の授業料の変更に気づいていない状態です。)
  • “We were not aware of the prohibition on duplication.”
    “We were unaware of the prohibition on duplication.”
    △(我々は複写禁止について知らない状態でした。)
  • “We are aware of the media reports and are cooperating with authorities.”
    △(我々はメディア報道について知っている状態で、当局に協力しています。)
  • “As you all are well aware, we cannot predict
    when this pandemic will come to an end.”
    △(皆様もよくご存じの状態におられるように、
    このパンデミックがいつ終わるか誰にも予測できません。)
  • “Please be aware that your order can be canceled.”
    △(ご注文がキャンセルされる場合がありますので、
    承知している状態でいてください。)
  • “Please be aware that there may be a delay.”
    △(遅延が生じる場合がありますので、承知している状態でいてください。)
  • “Please be aware that security cameras are in use.”
    △(防犯カメラが作動しているので、承知している状態でいてください。)

いかがだろう。

意味は分かるけど、やや回りくどくて不自然な感じか。

もとの英語に素直に訳すと、こっちの方が、むしろ正確。

まさしく「形容詞」の素顔である。

動詞を用いた、先ほどの和訳と見比べていただければと思う。

 

◆  英語の形容詞を日本語にする際、多くの場面では、

形容詞「〇〇の状態」のままよりは、
動詞にしてしまった方が
自然な日本語になるので

日本語ネイティブには理解しやすい。

和訳時の動詞転換 の結果、

日本人学習者が混迷脱落しがちなのが、こういう

動詞のような意味合いの形容詞

→  “aware” はその代表例

※  具体例など、詳しくは “vocal about” へ

◇  「形容詞」のままだと分かりにくいからと、
勝手に「動詞」で和訳した挙句、頭がごちゃごちゃ

日本人向けの「自己本位」な和訳が招いた悩み

とはいえ、受け手(聞き手・読み手)が日本語母語話者ならば、
形容詞の動詞転換は当たり前。

◇  動詞のような意味合いの形容詞 の「悩み」

日本語をよく知らない 英語ネイティブには
把握しきれず、解説も解決も不可能に近い

お互いに、なんで分からないのか、分からない。

英語学校で頻発するトラブルのパターンである。

日本人の英語教師は、いつの時代も必須の存在

盤石な日本語知識があれば、確実に有利となる。

気後れせず、堂々と教えていただければと願う。

◆  意味さえつかめれば、十分なのが世間一般。

英語学習者と異なり、品詞の種類は考えない。

つまり、「気づいている状態」か「気づく行為」かなんて、
どうでもよくて、「気づいている」ことだけ知れればOK。

このような一般人の感覚で英語学習を続けていくと、
日本語ネイティブの場合、必ずといってもよいほど、
動詞のような意味合いの形容詞」でひっかかる。

それでも、日英の形容詞の差異を「実感」できるように
なってくると、混乱していた原因がすっきり見えてくる。

実は、さほど難しい内容ではないのだ。

初学者・初級者を卒業し、中級学習者にふさわしい実力
を積み重ねていけば、無理なく会得できるようになる。

一度、すとんと腑に落ちれば、悩んでいた過去が不思議に思える。

ネイティブ教師には説明しがたい、日本人初学者の数々の疑問に、
少しずつ解答できるようになってくるのが、中級学習者の頃。

自信がぐっと深まり、英語が一段と楽しくなってくる。

逆に、これまで述べてきた「形容詞」のからくりが不得要領だと、
なかなか先に進めない。

これぞ挫折の典型的な流れ。

とりあえず、

英語の形容詞は自立できない →「動詞」必要

これだけ覚えておこう。

◆  “aware” のような重要単語の場合、組むべき単語は、

コロケーション辞典(連語辞典)」

を調べれば、きちんと明記されている。

この場合、「組むべき単語」が「コロケーション連語」。

繰り返すと、

「自立」できる日本語の形容詞と異なり、
単独で「述語」になるには弱すぎるため、
英語の形容詞には、動詞が欠かせない

 

■  代表格の『オックスフォード コロケーション辞典』がこちら。


Oxford Collocations Dictionary for
Students of English
“  (アプリ版)より転載
※  漢字は追加

また、学習英英辞典(EFL辞典)にも併記されている。

英語学習者用に特化されている学習辞書の強みであり、大変便利。

特に、LDOCE” と “OALD” は、コロケーション満載。

【参照】
・ LDOCE(ロングマン現代英英辞典)
辞書の「自炊」と辞書アプリ
・ 英語辞書は「紙」か「電子版」か

【実例】     ※  辞書アプリの転載あり
threshold“、”damage“、 “scrutiny“、
backdrop“、”paperwork“、”struggle“、
downfall“、”bombshell“、”alternative“、
feasible“、”disparity“、”presence

【類似表現】

“Please be advised that – ”
https://mickeyweb.info/archives/3530
(~をご承知おきください。)

“Please note that – ”
(~にご注意ください。)

【関連表現】

“raise awareness”
https://mickeyweb.info/archives/8831
(関心を高める)


◆  日本最大の国語辞典の名を誇る『日国』。

「助詞」全文は、以下の通り。


日本国語大辞典 第二版』第7巻、p. 357、
小学館(2001年刊)より転載

おまけに、「形容詞」全文。


日本国語大辞典 第二版』第4巻、p. 1287、
小学館(2001年刊)より転載

緑の傍線が、既記の

英語の形容詞は「be動詞などの助けを借りないと、述語になれない

に該当する。

◆  英語も「印欧語」。

インド・ヨーロッパ語族(the Indo‐European languages)とも言う。

「印欧語」と「形容動詞」は、”conclusive” で取り上げている。

 

◆  日本語の文の種類は、3種類に大きく分けられる。

1.  名詞文
2.  形容詞文
3.  動詞文

1. 「名詞文」→ 述語に名詞が使われる

1-1  私は学生です。
1-2  父は今ニューヨークです。

2. 「形容詞文」→ 述語に形容詞または形容動詞が使われる

2-1  富士山は美しい。(形容詞)
2-2  京都は有名である。(形容動詞)

3. 「動詞文」→ 述語に動詞が使われる

3-1  彼はそこに行きました
3-2  私は昼食を食べました

上記を英訳してみる。  青字は動詞 (下線部は “be動詞”)。

1-1  I am a student.
1-2  My father is in New York now.

2-1  Mt. Fuji is beautiful.
2-2  Kyoto is famous.

3-1  He went there.
3-2  I ate lunch.

動詞が「3. 動詞文」に用いられることは言うまでもない。

ところが、

「1. 名詞文」と「2. 形容詞文」にも
動詞be動詞)が使われている。

日本語の「1. 名詞文」「2. 形容詞文」には動詞はないのが普通なのに、

英語になると、必ず動詞が出てくる。

「名詞文」「形容詞文」「動詞文」
すべてに、英語では動詞が使われる。

日本語と英語の大きな違いである。

 

 

 

 

 

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