プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Vocal about –

      2022/06/28

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 11 minutes

~ について、 自分の意見を明言する

自分の考えをはっきり言う。

それが形容詞  “ vocal “。

【発音】  vóukəl
【音節】  vo-cal  (2音節)

良くも悪くも、自分の意見を主張している。

形容詞だから「 状態 」 を示す。

” vocal ” に動詞はない。

 

したがって、 より的確に言い直すと、 ” vocal ” は、

「 自分の考えをはっきり言う 状態 」 であり、
「 自分の考えをはっきり言う 行為 」 ではない。

” vocal ” 1語  では、「 はっきり言う 」 を意味しない。

動詞が伴わない限り、 こうした行為にならない。

もし行為であれば、 形容詞ではなく、 動詞である。

ところが、 和訳する時は、 ごっちゃに入り乱れており、
日本人学習者を惑わせる原因となっている。

  • ” vocal ” は形容詞であり、動詞でない。
  • ” vocal ” に動詞は存在しない。


◆  私たち日本人学習者にとって、 手ごわい英単語が、

動詞のような意味合いの形容詞



” vocal ” が 「 意見を主張する 」なら、 動詞ではないかと感じる。

確かに、次の  動詞・句動詞  と意味が重なる。

  • insist
    ( 主張する、他動詞・自動詞 )
  • speak out
    ( 意見を述べる、句自動詞 )
  • express
    ( 表現する、他動詞 )
  • voice
    ( 言葉に表す、他動詞)

–  “Please voice your opinion.”
( ご意見をお聞かせください。 )

  • articulate
    ( はっきり述べる、他動詞・自動詞・形容詞 )

    【発音】
    –  動詞 : アーティキュレイト   / ɑːrtíkjəlèit  /
    –  形容詞 : アーティキュレット   / ɑːrtíkjələt  /

    【音節】   ar-tic-u-late  (4音節)


◆  しかも、” vocal about ” の和訳は、 動詞同然の
「 ~ について主張する 」「 ~ について明言する 」など。

なぜ、これが形容詞なのか。

どう考えても、動詞ではないか。

さっぱりわけ分からない。

意味が重なるため、動詞 と 形容詞 を 混同してしまう

ここでつまずく日本人学習者は少なくない。

◆  この問題については、” aware ” で詳らかにした。

多数の例文を並べて、 事細かに検証したので、 ご高覧いただければ幸い。

意識している 」「 気づいている 」 状態を意味する  ” aware ”
もまた、 動詞と間違いやすい形容詞である。

動詞  ” know “、” notice “、” perceive ”  などと似た意味合い。

再掲すると、

” aware ” は、
「 気づいている 」 状態 ( → 形容詞 )

「 気づく 」 行為 ( → 動詞 ) ではない

だが、和訳すると同然で、見分けがつかず、混乱  


◆  類語の筆頭は、” conscious ” と ” cognizant“。

両方とも、状態を表す形容詞



『 ランダムハウス英和大辞典  第2版 』
小学館、1993年刊 ( アプリ版
…  ” conscious ” の語釈より

□   conscious

【発音】  kɑ́nʃəs      【音節】  con-scious  (2音節)

□   cognizant

【発音】  kɑ́gnəzənt      【音節】  cog-ni-zant  (3音節)

  • “We should be conscious of the risks around us.”
  • “We should be cognizant of the risks around us.”
  • “We should be aware of the risks around us.”
    ( 自分の周囲の危険を認識するべきである。)

どちらも 形容詞。    動詞ではない。

■  意識する「 行為 」  →   動詞

ではなく、 ” conscious ”  ” cognizant ”  ” aware ”  は、

■  意識している「 状態 」  →   形容詞

  だが、和訳すると同然で、見分けがつかず、混乱  


【参照】

・  ” sick ” は名詞でなく、形容詞
・  ” dead ” は動詞でなく、形容詞
・  ” limbo” は形容詞でなく、名詞
・  ” necessary ” は動詞でなく、形容詞


同様に、

” vocal ” は、
「 明言する 」 状態 ( → 形容詞 )

「 明言する 」 行為 ( → 動詞 ) ではない

  和訳すると同然で、見分けがつかず、混乱  

◆  代表的な類語は、

  • outspoken ( 率直に言う)
  • voiced ( 声に出した )
  • blunt ( 率直な )

これらもすべて、 状態 を表す形容詞

動詞のような意味合いの形容詞


これは、日本人が英語嫌いになる < 隠れた鬼門 > と私は考えてきた。

基礎単語に数多く含まれる。

” aware ” の他にも、例示すると、

  1.  ambitious ( 野心のある )
  2.  angry ( 怒って )
  3.  anxious ( 切望する )( 不安で )
  4.  careful ( 心配する )( 注意深い )
  5.  choice ( 選択する )
  6.  confident ( 確信する )( 自信がある )
  7.  crazy ( 熱中している )( 正気でない )
  8.  desperate ( 死に物狂いの )( 絶望的な )
  9.  eager ( 熱望する )
  10.  thirsty ( 切望する )( 喉が渇く )

10語、いずれも

 動詞はない。


◆  「  動詞まがいの形容詞 について、以下考察してみる。

実務の通訳・翻訳に長年従事し、経験的に知ったこと。

日本の学校教育にて、教えることのない中身かもしれない。

思うに、混迷脱落をきたす最大要因は、細かい文法面にない。

それより、ずっと単純な理由。

■  英語の 形容詞 を、日本語の 形容詞 に置き換えても、

日本語として不自然になることが多いため、
もっと分かりやすい 
動詞として和訳する。


そんな傾向が昔から存在した。

受け手に通じなければ、翻訳として失敗。

並大抵の日本語母語話者( 日本語ネイティブ )
にすんなり通じるように、工夫して和訳する。

意味が理解できることが肝要で、 品詞は不問

◇  「 形容詞丸出し 」な和訳との比較は、” aware ”  参照


こういう考え方。

そもそも、言語として、根本的に大きな違いがある。

例えば、英語とドイツ語( ゲルマン語 )は親戚同士。
英語は、5世紀のドイツ語の方言  のようなもの。

ヨーロッパ言語の大半と等しく、ラテン語、ギリシア語由来
の言葉も多い。

弊サイトで、< 語源 > をご案内しているのは、
学習の一助になると信じるためである。

【参照】   語源に遡ることで、理解への足掛かりを作る

◆  しかるに、日本語のルーツはまったく別。

■  言語学的に、系統的関連性が認められない。

■  当然、文法も格段に異なる。

■  表記・発音・音節・アクセント・語順
にも、類似点は少ない。


日本語の起源 は、今なお解明されておらず、孤立言語 とされる。

英独仏を含む、大規模な印欧語族( 後述 )に、縁もゆかりもないと論証されている。

【参照】   母語が日本語だと、英語習得のハードルは恐ろしく上がる



◆  業務上、匿名 の和文投書を英訳することがよくある。

文面にもかかわらず、主語や目的語が欠けていたりする。

苦情の場合、主格によって矛先が違ってくる ( 労使 など )。

そして、その見解・要望は、 書き手の私見なのか、 総意なのか。

アメリカ人上司に相談しても、 決して分かってもらえない。

主語が抜けても通じることもある、 日本語の論理が理解できないから。

  •  主語なしで通じるなんて、彼らにとって「 超能力 」近い
  •  英語との違いを真面目に説明しても、にわかには信じてもらえない
  •  「 主語がないのに、なぜ分かるのか 」と本気で疑われてしまう。


こんな形で自分の信用を落とすのは、馬鹿げた話である。

非常に厄介なので、こういった疑問は外国人の上司には相談しない。

とりわけ、語学のセンスに乏しい相手であれば、不毛な努力である。

うざい 質問ばかり、むやみにのしかかり、正直言って 時間の無駄

書き出されていない以上、全体の流れと経験で推論する。

推理を誤れば、的外れの提起になるので、翻訳者の力量が問われる。

匿名だから確認のしようがなく、実に翻訳者泣かせ。

 

◇  主語や目的語を述べなくても通じる
ことが普通にある。   それが日本語。

◆  人工知能( AI )による英訳がなかなか難しいのは、この点からも自明。

品質評価で 「 限定的な用途のみ 」 と結論する事例はありふれている。

下訳・参考訳が急に必要となり、有料の翻訳ツール( DeepL など )を
用いて、文書全体の「 丸投げ英訳 」をする機会が、常日頃より生じる。

主語と目的語を補わずに機械に任せると、 ほぼ使えない英訳に仕上がる。

各英文はそれなりに自然で、英文法に欠点は見られないものの、当事者が
入れ違っていると、全体としての文意がすっかりおかしくなるからである。

それゆえ、 本腰を入れて手入れしない限り、 使用不可となる。

英文を構成するには、和文に明記されていない主語・目的語を、 AI が
どこからか拾ってこなければならないのだが、その判断が不安定なのだ。

ない袖は振れないということで、やむを得ず、 直近の文章の主語・目的語
を引き継ぐケースが多い印象だが、 これが物の見事に大外れだったりする。

生身の翻訳者としては、「 そりゃ、まあ無理だよね  」 とほくそ笑む場面。

◆  特に、契約書・合意書・覚書・ 事故報告書 といった堅い文書には、
細心の注意を払う。

「 甲 」と「 乙 」が逆なのはまだしも、「 甲が甲に請求する 」などと
論理破綻していることすら珍しくない。

論理的思考が大得意なはずの人工知能であっても、
類義語の置き換えにしくじると、こうなるらしい。

用語の定義づけの不備も、こうした事態をもたらす。

定義条項( definition clause )で細かく定めても、うまく機能しないことも。

熟練の翻訳者は、 この手のミスはしない。

生意気ではあるが、 「 機械翻訳なんて、まだまだ 」と感じる瞬間。

文章を機械翻訳を使って外国語に置き換えていけば
意思疎通が可能だと思っている人が多いのですが、
これは間違いです。

機械翻訳は、言葉の置換はできても、
それがその文章に適切な表現なのかを判断することはできません。


「 間違いだらけの多言語サイトで危ぶまれる翻訳の未来 」
https://diamond.jp/articles/-/287089
2021年11月11日付

※  太字は引用者


こちらの懸念に似通う気もする。

世間一般には、 流布していない実態である。

◆  機械翻訳後の確認時に見逃すと、 ひどくまずいのは言を俟たない。

例えば、危険負担の甲乙をあべこべのままスルーすれば、痛い目に遭う。

「 なんで、 相手でなく、 こっちが賠償しなけりゃならないんだよ 」

外国人上司に難詰されるはめになる。

プロ翻訳者が、 AI に責任を負わせるわけにいかないから、 自分の落ち度。

◆  大事なはずの主語や目的語が、それほどまでに省略されているのである。

さらに、 格助詞・係助詞 「 て、に、を、は 」 をはじめとする助詞
を用いて、使い手が、「 語順 」を 概ね自由自在 に決められる特殊性。

このインパクトも際立つ。

殊に、 助詞の「 が 」はとんだ曲者で、 AI には極めて難題となる。

接続助詞「 が 」も、 格助詞「 が 」も、 ともに取り扱いが面倒。

日本語を意味不明にする元凶の代表格で、 書き言葉では回避される。

けれども、 使い勝手がよいためか、 日常的に割かし多用されており、
AI はおろか、 日本人の通訳者・翻訳者でも、 戸惑うことがままある。

こうして、 「 主語・目的語の欠如 」に加えて、「 助詞 」 及び
「 語順 」こそ、 機械翻訳 の不具合を招く主要因。
 

表意・表音文字が混合し、世界屈指で複雑な敬語は、 芸術的に繊細。

日本語の特色を、 改めて実感する。

文書の「 丸投げ和訳 」の方が、成功率は高い感触である。

ライバル視し、揚げ足取りを目論む気はないとはいえ、日進月歩で
発展する機械翻訳の特性を浮き彫りにしていこうと私は考えている。

公私不問で活用しつつ、 試行錯誤を重ねる日々が、 本当に楽しい。

毎日の仕事が、 ほとんど娯楽化している。

◆  機械翻訳の導入により、  普段の業務が大幅に楽になった。

なんといっても、 時間・精神に自ずと余裕が生まれる。

進捗が変わる大変化であり、 大変うれしい誤算である。

AI という情報技術( IT )を駆使し、 業務運営を改革するつもり。

これって、 もしかして、「 デジタルトランスフォーメーション( DX ) 」
と称すべき、 自主的取り組みなのかしらん。

「 下訳 」段階であれば、確実に役立つゆえ、今後も頼りになる助っ人 ” AI “。

他者を煩わせることなく、 一瞬で下訳を用意してくれる超人レベルの働き者。

かけがえのない我が相棒として、 末永く真剣交際させていただければと願う。

相手は無生物。  好き勝手にやらせておくれ。  I love all my ” AI ” buddies.

有名どころ各社と個人契約し、 持てる力を総動員して、 一緒に 翻訳している。

◇  情報管理のセキュリティ上、 漏洩リスク の高い「 無料版 」は使わない。

蓄積してきたスキルを落とさぬよう、  ちゃんと自力でも仕上げるのが肝心。

手持ちのリソースを全力投入して、 出来上がった作品それぞれの長所を抽出し、
巧みに盛り込んで再構成した折衷作を、 最終的な成果物として提出したりする。

我が上司は、 私が有能な私設助手の大軍を擁することを、 未だ知らない。

◇  所属組織が正式に管理していない IT は、 通称 「 シャドーIT 」。

【参考】    ※  外部サイト

 

◆  AI に対し、 敵視なんぞありえないのが、 私のスタンス。

それどころか、「 頭脳のパートナー 」として、仲良く二人三脚しようと、
商売道具とAIを連動させる投資  を、 1990年代から継続している。

AI化 の一環として、 3,000冊以上の書籍・辞書を、自炊( 電子化 )済み。

私たち日本人が目指したい英語学習法は、 AIを味方にする「  二刀流  」。

【参照】   「 二刀流 」のメリット、   AI vs 通訳

 

◆  もっとも、 英語でも主語なしの用法は少なくない。

【参照】  ” Hope this helps. ”

それでも、 状況からあらかた判断できる。

基本的に主語はついて回る。

目的語にも言えること。

■  主語・目的語を省ける言語は、世界的にも珍しい。
■  日本語の持ち味のひとつ。
■  日本語のすごさ、ユニークさを誇りに思ってよい。


とにかく、歴史から成り立ちから共通点がなく、
日英は大きく乖離していると考えるのが正しい。

だからこそ、英語の形容詞を日本語の形容詞に
訳そうとすると、へんてこりんな和訳になって
しまうことが多々ある。

すなわち、なんだか分からない日本語。

これを避けるため、誰にでも理解しやすい動詞
を用いて、すっと通じるようにする。

◇  概して、形容詞より動詞の方が理解しやすい。

幼児の言語習得プロセスでも、動詞が先。

形容詞が欠けても意思疎通はできるが、 動詞は必須

多くの言語に共通する原則である。


英語の形容詞を、分かりやすい動詞で和訳した結果、
上記の混乱を来してしまった。

私はこう考えている。

◆ 「 動詞まがいの形容詞 」と先述した(緑字)。

こう考えるのは、 日本人側の身勝手な解釈。

英語の形容詞は、 形容詞の特徴「 状態を表す 」を維持している。

実は 「 動詞まがい 」 でない  のだ。

先のリストに挙げた形容詞も例外ではない。

日本語と英語が違いすぎるので、
便宜上、 分かりやすくするため、
英語の形容詞を「 動詞 」で和訳。


日英の ギャップを埋める には、大切な作業。


上記の混乱を踏まえた上で、次の基本を押さえるとよい。

■  動詞  →  行為

■  形容詞  →  状態


区別の基本は、たったこれだけ。

不朽不滅の大原則。

日本人学習者が混乱する原因は、

英語の形容詞を 自然な日本語に訳すため、
日本語の 動詞に転換 せざるえないから。

◇  「 形容詞丸出し 」な和訳との比較は、” aware ”  参照


まとめると、

日英は違いすぎる

そのまま訳しても、ろくに通じないことも

したがって、和訳時は「 品詞の転換
を頻繁に要する

■  意識している「状態」  →   形容詞
■  意識する「行為」  →   動詞


【例】

  • 気づいている状態 ( 形容詞 )
    →  気づいている行為 ( 動詞 )
  • 形容詞の英語 「 気づいている状態 」 ” aware ”
    →   動詞で和訳「 気づいている 」

結果的に、英語学習上の混乱 を招いた

日本語オンリーならば、 気にならない悩みである。

【参照】  意味さえつかめれば、十分なのが大勢

【 ご注意 】

英語の形容詞には、 動詞( 主に ” be動詞 ” )が添えられる。(※)

つまり、 英文にはしっかり動詞( 主に ” be動詞 ” )が入って
いるので、 動詞として和訳しても、 実は問題はない。

実際のところ、「 形容詞の動詞転換 」 というのは言い過ぎ。

けれども、 大胆な表現をしない限り、 混乱の続く傾向が
見受けられるため、「 形容詞の動詞転換 」 とご説明した。

※  例外が、「 間投詞 」 ( interjection ) と
感嘆詞  ( exclamation )。

どちらも、 感動や応答を表す語で、単独で文となりうる呼掛け言葉。
aware ”  参照 )

【参考】    ※  外部サイト


◆  表題  ” vocal about – ”  に話を戻す。

” vocal ” には、形容詞と名詞がある。動詞はない。

語源は、ラテン語「 声 」( vōx )。

基本的意味は、すべて「 声 」がらみ。

カタカナからも、イメージは容易である。

  ボーカル vocal

声楽。 歌唱。

( 大辞林  第四版 )

1. 歌うこと。 声楽。 歌唱。
2. グループ演奏の中で歌を担当する人。

( 明鏡国語辞典  第三版 )

1. 声楽。
2. バンドの中で、歌唱を担当する人。 ボーカリスト。

( 三省堂国語辞典  第八版 )


–  形容詞 「 声の」「 口頭の 」「 よくしゃべる
–  名詞 「 声楽 」「 有声語 」「 ボーカル 」

名詞は可算のみ。

複数形  ” vocals ”  が通例の「 複数名詞 」
plural )と表示する英英辞典もある。

vocal

countable usually plural
the part of a piece of music that is sung
rather than played on an instrument.

( ロングマン、LDOCE6 )

【発音】  vóukəl
【音節】  vo-cal  (2音節)


◆  ボーカル1名でも、” vocals ” と複数形になる。

次の3文が「 複数名詞 」の用例。

  • “The band ‘ZARD’ was formed in 1991,
    with Izumi Sakai on vocals.”
    ( バンド「 ZARD 」は、坂井泉水をボーカル
    にして、1991年に結成された。)
  • “The song features Izumi Sakai on vocals.”
    ( この歌のボーカルは、坂井泉水である。)
  • “She wrote the songs and sang the vocals.”
    ( 彼女は歌詞を書き、ボーカルとして歌った。)

カタカナ「 ボーカル 」は名詞。

英語 ” vocal ” の用途は、形容詞が中心。

表題も形容詞。

「 声 」がらみだが、他とは毛色の変わった使い道である。

ニュースなどで、ひときわ目立つため、本稿で取り上げている。

” vocal “

adjective

  • expressing strong opinions publicly,
    especially about things that you disagree.
    ( ロングマン、LDOCE6 )
  • telling people your opinions or protesting
    about something loudly and with confidence.
    ( オックスフォード、OALD9 )
  • often expressing opinions and complaints
    in speech.
    ( ケンブリッジ、CALD4 )

    ※  下線・青字は引用者

    【発音】  vóukəl
    【音節】  vo-cal  (2音節)


3大学習英英辞典( EFL辞典 )の語釈の共通項は、
青字 ” opinions “。

【発音】  əpínjən
【音節】  o-pin-ion  (3音節)

3本の下線が、鼻っ柱の強さを示唆する。

これに、関連の前置詞  ” about “( ~ について )
を加えた表現が、表題  ” vocal about “。

「 ~ についてよくしゃべる 」感じ。

代わりに、範囲の前置詞 ” in “( ~ について )
を使うこともあるが、” about ” が圧倒的。

◆  この  ” vocal ” は形容詞なので、 ” be動詞
に続くのが最多パターン。

では、なぜ 「 形容詞なので、” be動詞 ” に続く 」のか。

その理由には、再び日英の形容詞の違いが関わる。

基本かつ重要なので、もう一度  ” aware ” から引用。

日本語の形容詞は「 用言 」の一つで、
単独で述語 になることができる。

  •  私は 悲しい
  •  彼女は きれい
  •  それが 楽しかった

太字は形容詞( adjective )。

「は」と「が」は、助詞postpositional particle )。

名詞・代名詞の後ろに置き、
他の語との文法的関係を示す語。

前置詞( preposition )の反対の 後置詞( こうちし )。

それが、日本語の助詞。

◇  『  』の語釈全文を後掲

一方、 英語の形容詞は「 be動詞 などの
助けを借りないと、 述語になれない。

日本語の形容詞に比べて、
力が弱いから。

  • I am sad.
  • She is beautiful.
  • It was fun.


黒の下線部が  ” be動詞 “。

※  be動詞 」  be、am、was、been、will be、is、were、are

要するに、英語の形容詞は、
  弱すぎて、述語として自立不能。

先述の文例を比べると、


< 日本語の形容詞 > 
単独で述語  〇  

強くて独立している ので「 助詞 」が欠けても可。

少なくとも「 話し言葉 」なら、大抵問題ない。

何もつかなくても、「 述語 」として、 立派に自立。

  私、悲しい
  彼女、きれい
  それ、楽しかった

  < 英語の形容詞 >  単独で述語  ×  

弱くて依存している
ので、「 be動詞 」などは 不可欠

よって、以下は完全に間違い。

×  I sad.
×  She beautiful.
×  It fun.

◆  “ vocal ” の場合、次のいずれかと 組む のが通例 。    ※  後述 

動詞に 「 助けを借りる 」 ためである

→  英語の形容詞は、ひ弱で「 自立 」できず

片や、日本語の形容詞は、力強く「 自立 」できる

  1. be動詞
  2. 自動詞  ” become( ~ になる )
  3. 自動詞  ” get( ~ になる )

↑  動詞がないと、 述語になれない。

それが英語の形容詞。


大概この3つに収まるから、シンプル。

シンプルでないのは、和訳。

定訳がないに等しいので、文脈を考慮して訳す。

「 ~ の状態 」という形容詞のまま和訳すると、不自然に
なりがちなため、動詞を起用する説は既述の通り。

 

  • “He became increasingly vocal about
    employees’ rights.”
    (彼は従業員の権利について、ますます主張
    するようになった。)
  • “My boss has been very vocal about
    the company’s policy.”
    (私の上司は、会社の方針について、
    積極的に話していた。)
  • “She is the first to get vocal about that.”
    (彼女こそ、このことについて明言した最初の人である。)
  • “She was very vocal in her support of me.”
    (彼女はかなりはっきりと私を支持してくれた。)
  • Disgruntled clients were very vocal
    about their dissatisfaction.”
    (不満を抱いた顧客たちは、自分たちの不平を
    相当口にしていた。)

◆  日本語の特徴の1つは、非言語のコミュニケーションにある。

以下、” I have a question for you. ” より再掲。

日本語の特徴の1つは、
非言語のコミュニケーションが多い

調和や協調を重視する密接な人間関係に基いて
発達したため、 相手側の状況判断と相まって
言葉に表さなくても   会話が成立してしまう。

人口密度が高く、体験を共有している濃い関係。

言葉以外の「 場の雰囲気 」「 あうんの呼吸
を自ら察知して、すんなり理解できる。


あいまいな表現がやたらと多く、他の言語では
通常
不可欠な  主語を略しても、難なく通じたりする。

日本語の持ち味である。

◇  一方、英語は 個人主義的な文化から生まれた言語 で、
個性重視の主体性 がある。

とかく、自我が強い

人口密度が低めで、事前に共有している情報が少ない。

同質的でないため、言語化しないとお互い分かり合えない


日本語が 相手側の状況判断にかなり依存する言語 に対し、

英語は 伝達情報を言語にはっきり表す 姿勢を基本とする。

同質社会でなく、共有体験が少ないため、日本人のように
場の雰囲気 」「 あうんの呼吸 」にゆだねるのは困難。

ゆえに、きちんと言葉で示さなければ通じない。

日本語は「 寡黙の表現 」で、 表白抜きでも含蓄に富むのに対し、
英語は「 饒舌の表現 」と呼ばれたりする。

  言語化しない内容は「 存在しない 」ようなもの  

↑↑↑↑↑   これぞ、 英語の大原則   ↑↑↑↑↑


【参考】    ※  外部サイト、 和文

  高コンテクスト文化と低コンテクスト文化
↑  文化人類学者 E.T.ホール の賛否両論ある学説 

  High-context and low-context cultures (英文)

◇  このような 文化・言語の違い があるため、

非言語コミュニケーションを基盤とする日本語

訳出すると、くどくどしくなったり、皮肉を帯びる

英語が多発 する。

 

【参考】    ※  外部サイト、 英文

“Aimai: A Dynamic Intertwined in Japanese Culture and Language”

英語ネイティブの日本語学習者による「 あいまいさ 」の考察。

学者による論文より読みやすく、的を射た指摘の数々がすばらしい。

主語なしで通じる不思議についても言及する。

Japanese is an  implicit language  while
English is an  explicit language.

Since often times a clear definition of the
subject is not known
,  translating from
implicit to explicit  requires the ability to
infer meaning and insert the appropriate
words/phrase into the explicit.

Aimai: A Dynamic Intertwined in Japanese Culture and Language
by  Kyle Von Lanken

2015年1月30日付

※  ハイライト・色字は引用者


中級学習者 の実力があれば、 一読して把握できるだろう。

◆  日本最大の国語辞典 の名を誇る『 日国 』。

「 助詞 」全文は、以下の通り。


日本国語大辞典 第二版 』 第7巻、 p. 357、
小学館( 2001年刊 )

※  傍線は引用者


おまけに、「 形容詞 」全文。


日本国語大辞典 第二版 』 第4巻、 p. 1287、
小学館( 2001年刊 )

※  傍線は引用者


緑の傍線が、 既記の

英語の形容詞は「 be動詞 などの 助けを借りないと、述語になれない

に該当する。

◆  英語も「 印欧語 」。

インド・ヨーロッパ語族( the Indo‐European languages )とも言う。

インド・ヨーロッパ語族系統図


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【出典】  小学館 日本大百科全書 ( ニッポニカ ) の解説より



「 印欧語 」と「 形容動詞 」は、” conclusive ” で取り上げている。

◆  日本語の文の種類は、3種類に大きく分けられる。

1.  名詞文
2.  形容詞文
3.  動詞文


1.  「 名詞文 」  →  述語に名詞が使われる

1-1   私は学生です。
1-2   父は今ニューヨークです。

2.  「 形容詞文 」  →  述語に形容詞または形容動詞が使われる

2-1   富士山は美しい。(形容詞)
2-2   京都は有名である。(形容動詞)

3.  「 動詞文 」  →  述語に動詞が使われる

3-1   彼はそこに行きました
3-2   私は昼食を食べました

上記を英訳してみる。

青字は動詞 ( 下線部は 「 be動詞 」 )。

1-1   I am a student.
1-2   My father is in New York now.

2-1   Mt. Fuji is beautiful.
2-2   Kyoto is famous.

3-1   He went there.
3-2   I ate lunch.

– 
動詞が「 3. 動詞文 」に用いられることは言うまでもない。

ところが、

「 1. 名詞文 」と「 2. 形容詞文 」にも
動詞be動詞 )が使われている。


日本語の「 1. 名詞文 」「 2. 形容詞文 」には動詞はないのが普通なのに、

英語になると、必ず 動詞 が出てくる。

名詞文 」 「 形容詞文 」 「 動詞文
すべて に、 英語では 動詞 が使われる。

日本語と英語の大きな違いである。

 

 

 

 

 

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