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In the back of my head

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頭では

直訳は「 頭の後ろでは 」。

実際は後頭部ではない。

「 頭の隅 」と同様に、「 頭の中 」を指す。

日本語の「 頭 」の用途と同じく、使用場面はさまざま。

例えば、

  1. 頭では分かっていた   →   うすうす気づいていた
    I knew it in the back of my head.
  2. 頭の中にはある   →   一応覚えている
    I have it in the back of my head.
  3. 頭の隅に留めておく   →   忘れないでおく
    I will keep it in the back of my head.

説明するとなると、なかなか厄介だが、
状況のイメージ自体は難しくない。

便宜上、表題では “my” にしたが、その他の所有格、
your / his / her / their / our / its でもよい。

所有格が複数形(their、our)の場合、
頭も複数形 “heads” になるのが原則。

だが、単数形 “head” のまま、使われることも少なくない。

この点、”turn one’s back on – ” に似通うパターン。

 

◆  本稿では「 1.  頭では分かっていた 」を論じたい。

理由は2点。

日常的に最も耳にする用途である点、
及び意味が最も推測しにくい点である。

統計に基づく頻出度ではないが、
他の2つより確かに目立つと考える

3つとも、推測は比較的容易。

“in my head” と換言しても大意は通じる。

それでも、2.と3.に比べれば、1.の方が難しいだろう。

3つの共通点は、現場が「 頭の中

しかも、その「 後部 」。

◇  優先順位が低めで、後ろ向き な状態

を示唆する。


◆  はっきり意識しているわけではないが、うすうす察している。

ぼんやりした感覚なのに、なぜか確信できる気もする。

頭では、なんとなく分かっている 」様子が 1。

「 頭の中 」 からの警告  

いわば、「 第六感 」 「 直感 」に近い。

「 第六感 」

身体にそなわった感覚器官を超えて、ものを直感
する感覚。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚以外の、
するどく物事の本質をつかむ心の働き。
直感。 勘。 霊感。 インスピレーション。
虫のしらせ。

「 直感 」
説明や証明をまたないで、直ちに物事の真相を心で
感じること。 直観。

(精選版 日本国語大辞典)

※  視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚が「五感」で、
それを感覚器官で把握するはたらきが 知覚

人間には、感覚器・触覚器・視覚器・聴覚器・
嗅覚器という 「 五官 」 が具わっている。

【参照】    “perceive

その五官でとらえた「五感」以外にも、自分を守る
心の働きがある。

それが、第六感。

理論を超越するインパクトのある不思議な現象を
体験された方は少なくないはず。

胸のざわつきも、きっとその作用のひとつ。

 

胸がざわつく

 

【類似表現】

■  ” deep down
(心の中では)

“I was taken aback, but deep down I felt silly.”
(私は驚いたが、内心バカげていると思った。)

■  ” at / in the back of your mind
(心の中では)

→   my / your / his / her / their / our / its  も可

 

◆  CALD4 の解説は次の通り。

“at / in the back of your mind”

you intend to do it, but are not actively
thinking about it.

(CALD4、ケンブリッジ)

冒頭の2に当たる。

だが、このフレーズにも、1と2の意味合いがある。

したがって、表題  ” in the back of  my head
の同義フレーズとして出てくることが多い。

さほどメジャーな言い回しではないため、
各種英英辞典で調べても、解釈は分かれている。

それでも、概ね先の3つに収まる。

 

 

 

 

 

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