In the back of my head
2025/02/28
頭では
直訳は 「 頭の後ろでは 」。
実際は後頭部ではない。
「 頭の隅 」 と同様に、 「 頭の中 」を指す。
日本語の 「 頭 」 の用途と同じく、 使用場面はさまざま。
例えば、
-
頭では分かっていた → うすうす気づいていた
I knew it in the back of my head. -
頭の中にはある → 一応覚えている
I have it in the back of my head. -
頭の隅に留めておく → 忘れないでおく
I will keep it in the back of my head.
–
説明するとなると、なかなか厄介だが、
状況のイメージ自体は難しくない。
便宜上、 表題では ” my ” にしたが、その他の所有格( possessive )、
your / his / her / their / our / its でもよい。
所有格が複数形 ( their、our )の場合、
頭も複数形 ” heads ” になるのが原則。
単数形 ” head ” のまま、使われることも少なくない。
【発音】 héd (1音節)
この点、” turn one’s back on – ” に似通うパターン。
◆ 本稿では 「 1. 頭では分かっていた 」 を論じたい。
理由は2点。
日常的に最も耳にする用途である点、
及び意味が最も推測しにくい点である。
統計に基づく頻出度ではないが、
他の2つより目立つと考える。
3つとも、 推測は比較的容易。
” in my head ” と換言しても大意は通じる。
それでも、「 2 」と 「 3 」 に比べれば、「 1 」 の方が難しいだろう。
–
3つの共通点は、 現場が「 頭の中 」 の 「 後部 」。
◇ 優先順位が低めで、後ろ向き な状態
を示唆する。
–
◆ はっきり意識しているわけではないが、うすうす察している。
ぼんやりした感覚なのに、なぜか確信できる気もする。
「 頭では、なんとなく分かっている 」 様子が 「 1 」。
- 胸がざわつく
- なにかがおかしい
- そうあってもらいたくない
- できれば、考えたくもない
「 頭の中 」 からの警告
いわば、「 第六感 」 「 直感 」に近い。
–
「 第六感 」身体にそなわった感覚器官を超えて、 ものを直感
する感覚。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚以外の、
するどく物事の本質をつかむ心の働き。
直感。 勘。 霊感。 インスピレーション。
虫のしらせ。
–「 直感 」
説明や証明をまたないで、直ちに物事の真相を心で
感じること。 直観。( 精選版 日本国語大辞典 )
–
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚が 「 五感 」 で、
それを感覚器官で把握するはたらきが 知覚。
人間には、感覚器・触覚器・視覚器・聴覚器・
嗅覚器という 「 五官 」 が具わっている。
「 五感・五官 」 は、 ” perceive ” で事細かに述べた。
※ 図入り
その五官でとらえた 「 五感 」 以外にも、
自分を守る心の働きがある。
それが、 第六感。
理論を超越するインパクトのある不思議な現象を
体験された方は少なくないはず。
胸のざわつきも、きっとその作用のひとつ。
–
胸がざわつく
- ” I knew in the back of my head that he was cheating on me.”
( 彼の浮気にはうすうす気づいていた。)
– - ” I knew in the back of my head that
she would leave me soon.”
( 彼女にまもなく捨てられることは、ぼんやりと分かっていた。)
–
- ” In the back of my head, I knew she hated me.”
( 彼女が俺を嫌っていたことは、なんとなく知っていた。)
– - ” I knew in the back of my head that this would be my last game.”
( これが自分の最後の試合になることは、なんとなく分かっていた。)
– - ” I knew in the back of my head that we wouldn’t see it again.”
( 我々がこれを経験することは二度とないに違いないと、
あいまいながらも分かっていた。)
– - ” In the back of my head, I knew we were spinning our wheels.”
( 自分たちが空転していることに、うすうす気づいていた。)
– - ” I had a feeling in the back of my head that something was wrong.”
( なにかがおかしいと頭の片隅で感じた。)
– - ” I knew in the back of my head that we wouldn’t be able to see
each other again.”
( お互い二度と会えないだろうと漠然と感じた。)
– - ” In the back of our heads, we knew it was coming. ”
( 漠然とだが、そうなることが我々には分かっていた。)
※ ” head ” 単複両方可
– - ” In the back of our heads, we knew what was going on.”
( なにが起こっているか、私たちの頭では分かっていた。)
※ ” head ” 単複両方可
–
–
【類似表現】
■ deep down
( 心の中では )
- ” I was taken aback, but deep down, I felt silly.”
( 私は驚いたが、内心バカげていると思った。)
–
■ at / in the back of your mind
( 心の中では )
→ my / your / his / her / their / our / its も可
◆ CALD4 の解説は次の通り。
–
at / in the back of your mindyou intend to do it, but are not actively
thinking about it.( CALD4、ケンブリッジ )
–
冒頭の「 2 」 に当たる。
だが、このフレーズにも、 「 1 」 と 「 2 」 の意味合いがある。
したがって、 表題 ” in the back of my head ”
の同義フレーズとして出てくることが多い。
各種英英辞典で調べても、 解釈は分かれている。
それでも、 概ね先の3つに収まる。