プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Taken aback

      2018/11/27

不意を衝かれる、面食らう 

「不意を衝かれる」といったら、これ。

不意」=
思いもよらないこと。思いがけないこと。
意外。転じて、突然。だしぬけ。

「不意を衝(つ)く」=
相手に対し、だしぬけに事を行う。
敵をだしぬけに襲う。不意を討つ。

(広辞苑 第六版)

※「不意を突く」と書く英和辞典が多いが、
広辞苑では「衝く」とある。
実際は、「突く」「衝く」「撞く」のいずれも
間違いでなく、ひらがな「つく」も増えている。

「不意をつかれる」の定訳に近いにも
かかわらず、頻出には至らない。

その理由は、日常で「思いがけないこと」
などめったに生じず、相対的に出番が少ない
ためと考えられる。

だが、いざ自分が不意打を食らった際、他者に
“taken aback” と説明すれば、状況の大筋
は一瞬で分かってもらえる。

どんなに気が動転していても、確実に
伝わるほど、確立された言い回しなのである。

使い方は、非常にシンプル。
自衛のために、ぜひとも身につけておきたい。

◆ “aback” には、副詞と形容詞がある。
語源は、古英語「後方に」(on bæc)。
発音は、「ァバック」(əbǽk)。

日常使用では、”aback” 単独で使われる
ことはほぼなく、“taken aback” の
<2語ワンセット>ばかりで、受動態が原則。

これぞまさしく、”aback” の大きな特色。

“aback” 単独では、副詞・形容詞ともに、
海事(海上の事柄)の専門用語として用いる。
– 副詞「逆帆に」
– 形容詞「逆帆の」

逆帆」(さかほ)=
帆にあたる風が正常とは反対に裏側にあたる
状態になった帆。浦帆(うらほ)。

(大辞林 第三版)

こんな意味なので、普段出てくるはずない。

特に、形容詞は無視してよいレベル。
3EFL辞典(LDOCE6、OALD9、CALD4)
のすべてに形容詞の表示はなく、副詞のみ
である。

ここで、研究社『新和英大辞典』のお出まし。
“Green Goddess” の異名を誇り、来年2018年に
刊行100年を迎える、日本最大の和英辞典である。

“taken aback” の由来を端的に明らかにする。

逆帆」(さかほ)=
(船が)逆帆を食う
be taken aback

(新和英大辞典 第5版)

<風が帆の裏面に吹きつけ、意表を突かれて
バタバタしている船>の様子が思い浮かぶ。
これを驚き慌てた人間に当てはめただけ。

初出は、1690年代。

Inline image 1出典:https://www.facebook.com/maritimesuper

新英和大辞典にあるように、”taken aback”
は、be動詞に続くのが基本。

※「be動詞」= be、am、was、been、
will be、is、were、are

3EFL辞典 でも同様で、単語の解説を
一切省略している、酷似した語釈である。

  • be taken aback” =
    to be very shocked or surprised.
    (ケンブリッジ、CALD4)
  • be taken aback
    (by something)
    ” =
    to be very surprised or shocked by something.
    (ロングマン、LDOCE6)
  • to taken aback
    (by somebody / something)
    ” =
    to be shocked or surprised by
    somebody / something.
    (オックスフォード、OALD9)

※ 下線は引用者

ここでの “take” は、他動詞「(突然)襲われる」。
「病気にかかる」と似た用法の “be taken” である。

– He was taken with an attack.
(彼は発作に襲われた。)
– She was taken with a fit of sneezing.
(彼女はくしゃみの発作に襲われた。)

「使い方は、非常にシンプル」と先述したが、
以上の説明で本当だと分かるだろう。

< “aback” の2つの基本>

  • 用法:be動詞に続く “taken aback”
  • 意味:”shocked or surprised”

Inline image 2

“I was taken aback, but deep down I felt silly.”
(私は驚いたが、内心バカげていると思った。)

“He was taken aback by her beauty.”
(彼は彼女の美しさにびっくりした。)

“He was completely taken aback with her response.”
(彼女の返事に、彼は完全に面食らった。)

“I was taken aback that she won the game.”
(彼女がその試合に勝ったことに驚いた。)

“She was taken aback by his racial slur.”
(彼の人種差別的な言葉に驚いた。)

“I was taken aback at his offensive comments
about women.”
(女性に対する彼の侮辱的なコメントに驚いた。)

 

【類似表現】
“catch – off guard”
https://mickeyweb.info/archives/1860
(~の不意をつく)

“baffled” ※ 形容詞
https://mickeyweb.info/archives/2412
(戸惑わせる)

“startled” ※ 形容詞
びっくりした、びくっとした

“astound” ※ 他動詞・自動詞
びっくりさせる

“blow one’s mind”
https://mickeyweb.info/archives/16361
(ぶったまげる、ひどく驚く )

“stunning” ※ 形容詞
https://mickeyweb.info/archives/16613
(衝撃的な、見事な、美しい)

“blindside”  ※ 他動詞
(不意を突く)

“caught with one’s pants down” ※ 少々下品
(不意打ちを食らう)
※ 通常、be動詞に続ける
“one’s” の部分には、人称代名詞の所有格、
his / her / my / our / their / your / its

 

 

 

Sponsored Link




Jetpack

 - 英語, 英語フレーズ