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Perceive

      2019/10/09

知覚する、気づく、感じる

英語では日常的に出てくるが、日本人学習者には
ハードルが高い動詞の典型。

目で見て、意味は茫と理解できる。
だが、自ら使う機会はほとんどない。

「見る」「聞く」「感じる」を表す、
知覚動詞」(perception verb)のひとつ。

その他の知覚動詞 “see“、”notice“、“hear”、“feel
などに比べ、意味合いが分かりにくいのが一因である。

【参照】”Please be aware that – “(~にご留意ください。)

使いこなせないがゆえに <机上の知識>で終わってしまっている。

もったいない。

perceive

1. written: to understand or think of
something or someone in a particular way.
→ perception

2. formal: to notice, see, or recognize 
something.
 perceptive

↑(LDOCE6、ロングマン)

formal
1. to notice or become aware of something.
(This pattern is usually used in the passive.)

2. to understand or think of somebody/something in a particular way.
(This pattern is usually used in the passive.)

↑(OALD9、オックスフォード)

to think of something or someone
in a particular way.

↑(CALD4、ケンブリッジ)

【発音】
perceiversíːv) 動詞
perceptionrsépʃən) 名詞
perceptiverséptiv) 形容詞

【語形変化】
perceives – perceived – perceived – perceiving

◆ 語源は、ラテン語「把握する」(percipere)。

初出は14世紀。

他動詞
中心の動詞。
自動詞はまれで、その記載がない辞書も多い。

<進行形>では使えない。

また、OALD9に “passive” と明記されているように、
通常は <受動態>(受け身)で用いる。


CALD4に至っては、上掲通り、たった1行。

<ロングマン和訳> ※ 私訳

“perceive”

1. 書き言葉:特定の方法で何かまたは誰かを
理解したり、考えたりすること。
perception  = 知覚(可算名詞、不可算名詞)

2. 正式:気づく、見る、認識する。
perceptive  = 知覚の鋭い(形容詞)

CALD4 では、LDOCE6 の 1. の語義だけ
取り上げている。

多義でなく、かなりシンプル。

よって、難しくないはずなのだが、
私たち日本人には、取っつきにくい。

そもそも、定訳の「知覚する」が意味不明。

知覚

1 [仏] 知り覚ること。分別すること。
2 [心](perception)感覚器官への刺激を通じて
もたらされた情報をもとに、対象の性質・形態・関係
などを把握するはたらき。

感覚器官

数理的・化学的刺激を受容するのに特別に分化
した構造をもち、その刺激を感覚信号として
中枢神経系に伝える器官。触覚器・視覚器・
聴覚器・嗅覚器・味覚器など。感覚器。

(広辞苑 第七版)

日本最大規模の国語辞典の名を誇る『日国』はこちら。全文である。

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日本国語大辞典 第二版』第8巻、p. 1,299、
小学館(2001年刊)より転載

<ポイント>

■ 明治初期までの「知覚」は、
feel“、”feeling“、”sense“、”sensation” の訳語。

西周などの起用後、”perception” の定訳になった。

要は、五つの感覚器官(五官)で感じること。

Perceive イメージ

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五官でとらえた感覚が「五感」
すなわち、

五感」とは、感覚の総称である。

  • 五官(five sensory organs または five sense organs)
  • 五感(five senses)

五感以外の心の働きが「第六感」(six sense)。

五官を用いて、五感を味わう
それが知覚
するであり、 perceive

  普段は<無意識>に作用するので、
  当たり前すぎて、
言語化しにくい。


これが、”perceive” が理解しにくい一因。

“perceive” は、五感を網羅する語。

だが、日常使用では <五感を同時に表す>
のではなく、五感の一部のみ を示す。

その例は、上記LDOCEの参考和訳の述べる、
気づく、見る、認識する」。

ここで、”perceive” の類義語を見てみよう。

中級の英語力の持ち主であれば、見たことある動詞ばかり。

  • recognize (他動詞・自動詞) ※ 自動詞はまれ
  • become aware of  ※ aware は形容詞のみ
  • see (他動詞・自動詞)
  • realize (他動詞・自動詞)
  • understand (他動詞・自動詞)
  • find (他動詞・自動詞) ※ 自動詞はまれ
  • comprehend (他動詞)
  • sense (他動詞)
  • spot (他動詞・自動詞)
  • observe (他動詞・自動詞)
  • notice (他動詞・自動詞)

【参照】 ※ 外部サイト

どれも五感の一部である。

健康な人なら、難なく行っている動作だらけ。

そうであれば、五感や五官を意識する機会は、
めったに訪れないだろう。

「知覚」という言葉は、日本語では
かなり堅めである。 普段使いとは言いがたい。

“perceive” も堅いが、「知覚する」に比べれば、
もっと日常生活に馴染んでいる印象がある。

  他動詞 “perceive”   名詞 “perception” 

  • 重要度:<3001~6000語以内>
  • 書き言葉の頻出度:<2001~3000語以内>
  • 話し言葉の頻出度:3000語圏

さらに、2語とも
Academic Word List>(※)
入りしている。

※ 英語圏の大学教科書の頻出単語570語

(以上、ロングマン LDOCE6 より)

【発音】
・ perceive(rsíːv
・ perception(rsépʃən

一般的な小学生は使わないが、
大学生や社会人なら普通に使うレベル。

それが、”perceive” と “perception“。

以上で、ざっくりイメージすることはできるだろうか。

 

◆ 問題は和訳。

定訳の「知覚する」がしっくりこない場面が多い のだ。

「知覚」そのものが親しみの薄い言葉なので、
どうしても違和感が生じて、わけ分からなくなる。

日本人学習者にとって、”perceive” が縁遠く
なった原因はここにもある。

解決策は意訳。 以下、オレンジ字が該当部。

  • “I perceived something was not right.”
    (何かがおかしいと感じた。)
  • “Dogs are not able to perceive certain colors.”
    (犬は特定の色を見ることができない。)
  • “She perceived that there was no way
    but to take her own life.”
    (自殺するほかないと彼女は思い詰めた。)
  • “Teachers perceive their roles in different ways.”
    (先生方は自分の役目を違うふうに考える。)
  • “I perceived a change in her looks.”
    (彼女の顔つきが変わったことに気づいた。)
  • “Smartphones are often perceived as
    something bad.”
    (スマホはしばしば悪者扱いされる。)
  • “It is commonly perceived that Japan is a safe country.”
    (日本は安全な国だと一般的には受け取られている。)
  •  “She did not perceive herself as stupid.”
    (バカである自覚が彼女にはなかった。)
  • “The human ear is capable of perceiving
    thousands of different sounds.”
    (人間の耳は何千もの音声を聞き取ることができる。)
  • “It wasn’t perceived as a problem back then.”
    (当時はそれが問題視さいなかった。)
  • “These boys are perceived as bullies.”
    (あの少年たちはいじめっ子と思われている。)
  •  His words were perceived as a threat by students.
    (彼の言葉は、脅迫として学生たちに受け取られた。)
  • “He perceived that his son was not doing well.”
    (彼は息子の状態がよくないことに気づいた。)
  • “I had perceived a certain sadness in her voice.”
    (ある種の悲しみを彼女の声に感じ取った。)
  • “Japan is widely perceived as one of the safest
    countries in the world.”
    (日本は世界で最も安全な国の一つとして
    広く知られている。)
  • “Most movies are not perceived
    as documenting realities.”
    (大半の映画は現実を記録しているとは
    考えられていない。)
  • “Is it your perception or reality ? ”   ※ 名詞
    (それはあなたの感覚、それとも現実 ?)

 

こんな具合。 いかがだろう。

これら(オレンジ字)の中で、「知覚する」または
「知覚」がぴったりな文章はある
だろうか。

無理やり置き換えると、和文が不自然になるのが目に見える。

結局、こういう風に<意訳>するしかないのである。

 

◆ 繰り返すが、「知覚」の定義(上掲辞書)にも
かかわらず、日常使用の “perceive” は

五感の一部のみ 

を表す場合が大半。

<どの感覚を指すか> きちんと見極めた上で、
工夫して和訳する姿勢が大切。

「 “perceive” は、五感すべてをカバー」くらいに、
英語のまま理解し、和訳なしで済ますのも、
英語学習の一手ではある。

 

【参照】

 

 

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