照明を落とす。 照明を落として。
完全に消すのではなく、 照明を弱くして
薄暗くすること。
その決まり文句が、” Dim the lights. “。
プレゼン開始直前に、 プレゼンター自らが
“ Dim the lights, please. “
と述べると、 皆の意識を自然に引き寄せることができる。
かっこいい。
–
「 照明を 落として ! 」
言い回しが思いつかず、 まごまごしてしまうと、
その絶好のチャンスをふいにする。
プロジェクターとの兼ね合いで、
会議室で「 照明を落として 」と言う場面は日常茶飯事。
もちろん、 ステージの裏方も使う。
「 照明を 落として ! 」
たった3語の
Dim the lights.
–
公私問わず、 ありとあらゆる場所で使えるので、
ここで覚えてしまおう。
そして就寝時に、ロープレ してみるとよい。
- ” Can I dim the lights ? “
- ” Could you dim the lights for me ? “
- ” Let me dim the lights. “
- ” I need to dim the lights. “
◆ 看板文言としても定着済み。
↑ 車両検問前の掲示板
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↑ ドライブイン・シアター内の掲示板
M.P.H.( miles per hour )は「 時速マイル 」
制限速度 5 M.P.H. ≒ 8 km/時–
↑ 在日米軍基地前の掲示板
( 2021年2月 筆者撮影 )
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視認性を高めるため、 看板はニュース見出し ( headllines )と同じく、
「 冠詞 」 や 「 be 動詞 」 の省略された表示が目立つ。
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◇ 「 見出し 」 英語の解説は、 こちらが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方 ( 見出し編 ) RNN時事英語
◆ ” dim ” には、 形容詞・他動詞・自動詞・名詞がある。
【発音】 dím (1音節)
【活用形】 dims – dimmed – dimmed – dimming
–
語源は、 古英語「 暗い 」( dimm )。
- 形容詞 「 薄暗い 」「 ぼやけた 」
- 他動詞 「 薄暗くする 」「 ぼんやりさせる 」
※ 「 ロービームに切り替えよ 」 → ” Dim your headlights. “ - 自動詞 「 薄暗くなる 」「 暗くする 」
- 名詞 「 駐車表示灯 」「 ロービーム 」
どの品詞も、 語源に沿った意味ばかり。
すなわち、 照明・希望・見込み などが暗い内容。
- “The room was dim.”
(その部屋は薄暗かった。)
– - “The hope was dim.”
(その希望はもてなかった。)
– - “The chances are dim.”
(見込みは薄い。)
思考 の程度にも使えるものの、 中身は「 暗い 」
の一点張りで多義でないため、 適用範囲は狭め。
その代わり、 決まった状況で頻出 であり、専一的な特色がある。
特に動詞に顕著な傾向。
–
” dim “
- to (make something) become less bright.
- to (make a positive feeling or quality)
become less strong.–
( ケンブリッジ、 CALD4 )
【発音】 dím (1音節)
–
その典型場面こそ、 表題の 「 照明を落とす 」。
◆ 他動詞でも、自動詞でも使う用法。
【活用形】 dims – dimmed – dimmed – dimming
実は形容詞の ” dim ” の方が重要なのだが、
動詞から学ぶ方が覚えやすい。
- “Can you dim the lights ? ”
(照明を落としてくれますか?)
– - “The lights began to dim.”
(照明が暗くなっていった。)
– - “The lights had been dimmed.”
(照明は落とされていた。)
– - “The lights dimmed as the movie began.”
(映画の開始に伴い、照明が落とされた。)
– - “She dimmed the lights in the room.”
(彼女は部屋の電気を暗くした。)
– - “The lights suddenly dimmed.”
(明かりが突然暗くなった。)
以上6文は、 自他動詞 “dim” の基本文。
全文に ” lights ” を入れているのは、 実際に
” dim ” とペアになる機会が多いからである。
–
◆ ” lights ” は、 可算名詞 ” light ” の複数形。
【発音】 láit (1音節)
名詞 ” light ” には、 可算と不可算がある。
以下、” come to light ” より再掲。
–
◇ 名詞 ” light ” は、 可算 と 不可算 を兼ねる。
■ エネルギーとしての光は、不可算名詞
1. natural / artificial light
a) [U]
the energy from the Sun, a flame, a lamp etc
that allows you to see things.
b) [C]
a particular type of light, with its own
particular color, level of brightness etc.
■ 照明器具は、可算名詞
2. lamp / electric light etc [C]
a)
something that produces light,
especially electric light, to help you to see.
b)
something such as a lamp that you can
carry to give you light.
( LDOCE6、 ロングマン ) ※ 後掲
※ 下線・太字・色・漢字は引用者
–
「 光 」である以上、 目で見る( see )ためには
どちらも役立つ。
英和辞典の一部では、 人工的な光を一律「 可算名詞 」
としているが、 これは正確ではない。
上掲英文2つは、” LDOCE6 ” ( 後掲 )からの引用だが、
不可算名詞には ” natural / artificial light “ ( 緑字 )とある。
–
自然か人工かは、可算・不可算の決め手にならない。
人工でも、物理的なエネルギー である光は、不可算。
–
例えば、電気スタンドが発する光そのもの( エネルギー )
は、不可算名詞である。
–
■ 電気スタンド本体は、 可算名詞
常用語としての 【 照明 】 も、
エネルギーとしての光よりは、 通常は
「 器具 」を指しているので、 可算名詞である。–
–
【 炎 】
” flame ” そのものは「 可算 」と「 不可算 」いずれもありうる。
その「 光 」は不可算名詞。
もっとも、” flames” と複数で使われる場合が多く、
説が分かれる単語である。
【発音】 fleim (1音節)
–
【 太陽 】
” the Sun ” は、 唯一の存在なので「 不可算名詞 」。
さらに、単数名詞である。
日光( 太陽光 )は 不可算。
–
–
◇ 以下、 ” LDOCE6 ” 全文
–
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LDOCE6、ロングマン ( 書籍版 )
pp. 1055-1056. (Pearson Education 2014).
–
【 英英辞典 の 基本凡例 】
・ n = noun = 名詞
・ U = uncountable = 不可算名詞
・ C = countable = 可算名詞
・ sth = something = 代名詞( 何か )
・ Singular = singular noun = 単数名詞
→ 単数形で使われるのが一般的な名詞
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◆ ” light ” には、 名詞・形容詞・他動詞・自動詞がある。
【発音】 láit (1音節)
語源は、 古英語 「 光、 明るい 」( lēoht )。
名詞 ” light ” は、最頻出かつ最重要の英単語。
全3項目が最上位に位置する。
- 重要度:最上位 <トップ3000語以内>
- 書き言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
- 話し言葉の頻出度:最上位 <トップ1000語以内>
( LDOCE6、 ロングマン の表記より )
–
表題 ” dim the lights ” の ” light ” は、
「 電気を暗くして 」という意味で、
「 照明器具 」を指すので、可算名詞。
この用法の ” light ” は、” electric light “( 電気 ) の省略。
日本語でも、「 照明器具 」を「 照明 」、
「 電気スタンド 」を「 電気 」を略している。
可算名詞である照明器具の ” light “ は、
定冠詞 “ the ” をつけるのが通例。
- “Turn off the light.”
(電気を消す。)
– - “Turn left at the next light.”
(次の信号で左に曲がって。)
一方、 マッチやライターを用いる ” light ” も
可算名詞だが、 こちらは不定冠詞 ” a ” が通例。
- “Put a light to her love letter.”
(彼女のラブレターに火をつけた。)
– - “Give me a light.”
(タバコの火を貸して。)
天井などの大掛かりな照明の場合、 複数の蛍光灯
や電球が並ぶため、 通例は複数形 ” the lights ” となる。
日常的には、 天井の照明はこう呼ばれている。
まだるっこい ” electric ” や ” LED ” は略される方が普通。
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◆ 以上が、” dim the lights ” の構造の説明である。
プレゼンなどで周囲に「 お願いします 」と
依頼する立場であれば、
- Dim the light, please.
- Please dim the light.
道具方など 舞台裏 の担当者であれば、
- Dim the lights.
と簡潔に済ますのが一般的な使い方。
文法的には、 命令形( imperative form )。
本稿に挙げた例文を何度かおさらいすれば、
自他動詞 ” dim ” の基本はマスターできる。
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【類似表現】
” black out ”
https://mickeyweb.info/archives/24197
( 真っ暗になる、 黒塗りする、 失神する )