プロ翻訳者の単語帳

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It is imperative that –

      2021/12/01

~ は不可欠である、  ~ は必須である 

評論文 手引書 で好まれる 堅い表現

【発音】  impérətiv
【音節】  im-per-a-tive (4音節)

” It is imperative that ” で、

「 4語ワンセット 」の決まり文句

で使われるのが常例、と言っても過言ではない。

口頭でも使うが、文面の方がずっとふさわしい。

口頭であれば、” imperative ” ではなく、
こちらの類義の形容詞の方が身近であろう。

  •  critical
  •  crucial
  •  important
  •  pressing
  •  urgent
  •  vital

imperative

1.  ( formal very important  and  needs
immediate attention  or action;  a factor
that makes something necessary.

[ synonym ] vital

2.  ( formal expressing authority.

3.  ( grammar)  expressing an order

( オックスフォード、 OALD10 )

※  下線は引用者

【発音】  impérətiv
【音節】  im-per-a-tive (4音節)


◇  この  ” OALD10 ”( オックスフォード現代英英辞典  第10版
は、2020年刊。

iOS の 「 アプリ版 」は、本家の「 オックスフォード 」の
他にも、「 物書堂 」( ものかきどう ) が手掛けている。

本稿の最後に、 両アプリを全文掲載。


上記 OALD10 には ” formal ” 表示がある。

語釈「 1 」と「 2 」をご覧いただければと思う。

英和辞典の一部にも 「 正式 」と明記されている。
( 『 ジーニアス英和大辞典 』など )

正式な言い回しであるため、堅苦しくて、
しかつめらしくて、話し言葉としては
敬遠される向きがある。    ※  後述

LDOCE6( ロングマン)を調べると、” imperative ” は
重要度・頻出度ともランク外。

  • 重要度 :9000語圏外
  • 書き言葉の頻出度:3000語圏外
  • 話し言葉の頻出度:3000語圏外

したがって、大した英単語ではないと考えられる。

にもかかわらず、ここで取り上げるのは、
特定のジャンルでは目立つから。

代表格は、冒頭に述べた 評論文 手引書

書き手が ここぞと強調したい ポイント

に、でんと置かれる。

   生真面目な煙たさが 緊張感をもたらし、
   要点を際立たせるのに 役立つ表現   


この点、” Please be advised that –
( ~ をご承知おきください ) に似通う効果が期待できる。

◆  ” imperative ” には、形容詞と名詞がある。

語源は、ラテン語「 命ずる 」( imperātivus )。

形容詞も名詞も、語源に沿った気詰まりな厳しさが漂う。

–  形容詞 「 絶対必要な 」「 避けられない 」「 命令的な 」
–  名詞 「 命令 」「 義務 」「 不可避なこと 」

これらの基本的な意味に加え、英文法の「 命令法 」を
” imperative ”  または  ” imperative mood ” という。

上掲 OALD10 の語釈「 3 」の通り、まさしく、

”  ( grammar  expressing an order “。

  •  ” order ”  は、「 命令 」
    【発音】  ɔ́rdər
    【音節】  or-der  (2音節)
  •  ” grammar ”  は、「 文法 」
    【発音】  grǽmər
    【音節】  gram-mar  (2音節)

なお、 肉感的な 「 グラマー 」 は、” glamour( = glamor ) “。

—–【発音】  glǽmər
—–【音節】  glam-our  (2音節)



◆  命令法を意味する  ” imperative ” は不可算名詞だが、
名詞  ” imperative ” の原則は可算名詞。

  命令法
imperative mood

インド – ヨーロッパ語  の文法での法の一。
命令・要求・懇願( 否定の場合は禁止 )など、
相手に対する注文を述べるもの。命令文に用いる。
( 大辞林 第三版 )


  命令法
名詞

1. ( 英  imperative mood の訳語 )用言の用法の一つ。
話し手が相手に対して命令・要求する意を特定の語形
で表わす場合をいう。
2.  =  命令形
3.  =  強行規定
( 精選版 日本国語大辞典 )

  命令形
《名》

国文法で、活用語の第六活用形。
命令の意を表して文を
終止する形。
「 来い 」「 休め 」「 起きろ 」などの類。

( 明鏡国語辞典 第三版 )

■  命令形

活用形の一つ。命令の意を表すもの。
四段(五段)活用動詞以外は助詞「よ」「ろ」「い」
を付けて表す。
「 読め 」「 起きよ 」「 起きろ 」「 来い 」の類。
( 広辞苑 第七版 )

※  「 命令形 」  =  imperative form

【例】

  •  Sit still.  ( じっと座ってろ。)
  •  Stay put.  ( じっとしてろ。)
  •  Pack your bags.  ( 出て行け。)
  •  Raise your hands.  ( 両手を上げなさい。)
  •  Get out of here!  ( ここから出て行け
  •  Turn left at the intersection.  ( 交差点で左折して。)
  •  Let’s –  ( ~ しましょう )    ※  要求・勧誘

 

【参照】

please ” と「 ください 」は、 失礼な「 命令形 」になりうる


【注意】

「 仮定法 」の「 法 」( mood )は、「 感覚・気分 」の意味合い。

「 方法 」または「 法律 」のニュアンスはない。

話者の気持ちに沿った述べ方や他者への働きかけを示す、
心的態度 」の文法用語である。

伴う「 感覚・気分 」次第で、動詞の形は変わる。
この「 動詞の形 」のシステムが「 法 」( mood )。

英語には、3つの「 法 」がある。

  1.  「 直説法 」( indicative mood )
  2.  「 仮定法 」( subjunctive mood )
  3.  「 命令法 」( imperative mood )


表題では、形容詞「 絶対必要な 」「 必須な 」。

文法は、基礎レベルである。

  • it  は後方照応的な代名詞。
    後にくる主語を
    受ける形式的主語。
    通常は訳出しない。

  • that は接続詞。  典型的な「 that節 」で、
    形式的主語である ” it ” に導かれる用途。

  • imperative は形容詞なので、be動詞
    ( ここでは ” is ” ) に続くのが基本パターン。
    →  その理由は “ aware ” にて詳説


◆  ” imperative ” の意味は、 どれも窮屈で重い。

日常使用で遠ざけられるのは、既述の ” formal ”
ゆえの「 堅苦しくて、しかつめらしくて 」に加えて、
内容そのものにある。

前出 OALD10 の語釈「 1 」の下線部にあるように、

very important ”  であり、
immediate attention ”  を要す


あたかも  息が詰まる ような迫感  を放つ。

  •  economic imperative  ( 経済的必要性 )

さらに、語釈「 2 」の 「 権威を表現する 」。

”  ( formal  expressing  authority “。

—–【発音】  əθɔ́rəti
—–【音節】  au-thor-i-ty  (4音節)

 

だが、 その非日常的な緊張感が、 特定分野の文書
で活かされている強みについては、 既に触れた。

< 注意喚起 > の役割を担う、堅い表現

◆  まず、今年2018年発表の時事評論から、用例を5点抽出。

  • It is imperative that doctors provide advice
    only in the areas of their professional expertise.”
    (医者の助言は自分の専門分野に限定すること
    が必須となる。)
  • It is imperative that we stop glorifying
    violence on screen.”
    (映画で暴力を美化するのをやめることが
    不可欠である。)
  • It is imperative that Congress hear our
    children’s cries of anguish.”
    (子どもたちの苦痛の叫びに、議会が
    耳を傾けることが絶対必要である。)
  • It is imperative that we provide patients
    with the resources to make decisions.”
    (患者が決断するための手段を我々が提供
    することは不可欠となる。)
  • It is imperative that elections can
    be held in a timely manner.”
    (適時に選挙を実施できることが必須となる。)


どれも強迫的で説教臭い( preachy )印象。

文面でそう感じるのだから、口頭では なおさら うざい

日頃、” imperative ” が避けられるのも不思議でない。

◆  次に、手引書・指示書より5点。

  • It is imperative that you finish this
    by the deadline
    .”
    (これを締切りまでに終えることが必須です。)

  • It is imperative that supervisors should be
    good communicators.”
    (監督者はコミュニケーションに長けていな
    ければならない。)
  • It is imperative that you team up with experts.”
    (専門家と組むことが絶対必要です。)
  • It is imperative that you exercise regularly
    to lose weight.”
    (定期的に運動することが減量には必須となります。)
  • It is imperative that you change your
    password immediately.”
    (パスワードを今すぐ変える必要があります。)

◆  掉尾を飾るのは、太平洋戦争末期の米海軍の極秘電文。

TOP SECRET( 最高機密 )と銘打つ。

相応の中身の「 命令 」。

 ( 原爆投下担当の )第509群団の作戦を
妨害しないこと 必須である 

It is imperative that  there be no interference with
Operations of 509th Bomb Group. 

※  下線は引用者


米海軍 : 原爆投下前に電文 「 長崎、小倉、広島に入らぬよう 」 
2018年8月10日付

【和文】
https://mainichi.jp/articles/20180810/k00/00m/040/188000c#cxrecs_s

【英文】
https://mainichi.jp/english/articles/20180810/p2a/00m/0sp/002000c

※  2021年11月15日 アクセス



◆  アプリ版は、 いくつかの企業が  同一辞書を販売  することがある。

既出の  ” OALD10 ” ( 2020年刊 ) の場合、本家 「 オックスフォード 」
及び 「 物書堂 」( ものかきどう )が販売中。

以下の通り。


▲  Oxford University Press  ” OALD10 ” ( アプリ版



▲  物書堂  ” OALD10 ” ( アプリ版


以上、全文。

同じ辞書なので、 文面はこうして一言一句一致している。

一方、操作感や性能( features )には違いが出たりする。

アプリ購入時は、販売サイトや各種レビューを調べて、
比較検討し、 ご自分が使いやすいものを選ぶとよい。

” OALD ” は、頭文字。

「 オー  エー  エル  ディー 」と読む。

” OALD10 ”  = 『 オックスフォード現代英英辞典  第10版
Oxford  Advanced  Learner’s  Dictionary,  10th edition. )

2020年刊。

< 公式サイト >  https://www.oxfordlearnersdictionaries.com/definition/english/

最古の学習者向け英英辞典( EFL辞典 )であるが、 実は 日本発祥

辞書は「 紙 」か「 電子版 」か  で、事細かにご案内している ( 図入り )。

 

 

 

 

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