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Obsessed with -

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~に取りつかれる、~で頭が一杯になる 

何かに頭が一杯になっている様子。
漠然とした中身でなく、特定できる具体的な対象が普通。

本人の意思と関係ない上、良くも悪くも使える。
また、内容の硬軟も不問なので、応用範囲が広い。

 

◆ 例えば、以下すべてを表現できる。

  • 彼女のことで頭が一杯
    “I’m obsessed with her.”
  • 締切で頭が一杯
    “I’m obsessed with the deadlines.”
  • そのプレゼンで頭が一杯
    “I’m obsessed with the presentation.”
  • 試験のことで頭が一杯
    “I’m obsessed with exams”
  • 食べ物のことで頭が一杯
    “I’m obsessed with food.”

※ 和訳は一例

つまり、公私問わず使える。

その対象に意識がとらわれているのは確実である。
だが、当人にとって、それが苦しいのか楽しいのか、
すぐには分からない点がポイントとなる。

“obsessed with” は、「~で頭が一杯」を表すにすぎない。

黄枠の例にしても、それに取りつかれた様相は示している
ものの、「私」の心理状態まではよく分からない。

「頭が一杯」で、喜びに心を弾ませているかもしれない。
または、恋にもだえて、胸を焦がしているかもしれない。
プレッシャーに押しつぶされそうで、懊悩している可能性もある。
期待に武者震いし、緊張感を堪能する余裕すら想定できる。
あるいは、無我夢中で忘我の境地にあっても不思議でない。

一見して、ネガポジが不詳なのが特色。
ある種、謎めいている。

そのためか、この名詞形の “obsession” は、
商品名にも採用されている。

有名どころでは、こちら。
カルバン・クラインの香水である。


オブセッション
オードパルファム(女性用)
オブセッション オードトワレ(男性用)

もし、ネガティブな意味合いのみなら、ありえない。
この香水については、心を奪われ、うっとり我を
忘れる香りをコンセプトにしていると想像できる。

この点、”LDOCE6″ の語釈は、若干不十分と考えられる。
「非常に不健全な関心」「心配」と下線にある。

obsession” =
noun [countable, uncountable]
an extremely unhealthy interest in something or worry
about something, which stops you from thinking about 
anything else.
(LDOCE6、ロングマン)※ 下線は引用者

【発音】əbséʃən

定訳は「強迫観念」なので、間違ってはいないだろう。

強迫観念」=
考えまいとしても絶えず心を専有して頭から離れない
不快・不安な考え。
(広辞苑 第七版)

しかし、ネガティブ一辺倒な解釈はどうか。
「非常に不健全」な名称を、人気商品につけるか。

次の “CALD4” は、はるかに中立的である。

obsession” =
noun [countable or uncountable]
something or someone that you think about all the time.
(CALD4、ケンブリッジ)

CALD4 の挙げる例文は、
“an unhealthy obsession with death”
(死への不健全な強迫観念)

このように、別途 “unhealthy” などを伴い、初めて
「不健全」が確定すると考える方が、適切であろう。
すなわち、”obsession” だけでは判断できない。

既記のように、ニュアンスのネガポジは不明瞭なのである。
これは品詞全体で共通する特徴である。

 

◆ 名詞 “obsession” は、可算(countable)と
不可算(uncountable)を兼ねる。

一方、”obsess” には、他動詞と自動詞がある。
語源は、ラテン語「占領する」(obsessus)。
頭を「占領する」で、「頭が一杯」という流れ。

– 他動詞「取りつかれる」
– 自動詞「くよくよ心配する」

obsess” =
1. [transitive, usually passive]
obsess somebody to completely fill your mind
so that you cannot think of anything else, in a 
way that is not normal.

2. [intransitive]
obsess (about something) to be always talking
or worrying 
about a particular thing, especially
when this annoys other 
people.

(OALD9、オックスフォード)

【発音】əbsés

名詞、動詞の他にも、
– 形容詞 “obsessive“「取りつかれている」「脅迫的な」
→  “obsessive-compulsive disorder”(OCD)= 強迫神経症
※ 可算名詞「神経質な人」もある

– 形容詞 “obsessed“「取りつかれた」「強迫観念をもった」
– 副詞 “obsessively“「取りつかれて」「執拗に」

多義でなく、一貫して語源に忠実。
理解はそう難しくない。

 

◆ さて、本題の “obsessed with – ” は形容詞の
“obsessed” でなく、他動詞の過去分詞形 “obsessed”

上掲 OALD9 の語釈(赤字)にあるように、通常は受け身
だから、過去分詞形となる。
LDOCE6には、次の囲い注記がある。

Grammar
Obsess is usually passive in this meaning.
(LDOCE6)

最頻出パターンは、be動詞(※)に続く受身形。
※ be、am、was、been、will be、is、were、are

意味は、上述の通り「取りつかれる」。
平たく言って「頭が一杯になる」。

これに、対象の前置詞 “with”「~に(対して)」を加えて、
「~に取りつかれる」「~で頭が一杯になる」。

LDOCE6は、理由の前置詞 “by“「~によって」 を並列する。
be obsessed by / with
something /somebody

CALD4は、関連の前置詞 “about“「~について」も挙げる。

確かに “by” も “about” も用いるが、多用されるのは “with”。
それゆえに、表題に据えた。

 

 

“My father is obsessed with cooking.”
(父は料理に血道を上げている。

“He is obsessed with money.”
(彼はお金に執着している。)

“She is obsessed with losing weight.”
(彼女は減量に取りつかれている。)

“He is obsessed with fear of failure.”
(彼には失敗の恐怖の強迫観念がある。)

“The girl is obsessed with how she looks.”
(少女は自分の容姿が気になってたまらない。)

 

◆ 名詞 “obsession” の定訳「強迫観念」は確立しているが、
動詞 “obsess” の和訳は、はっきりしない。

何度も述べるように動詞 “obsess” 自体でネガポジは
決まらない。文脈で決まるもの。
日本語の「取りつかれる」「頭が一杯」も同然である。

この点は、最初の黄枠で検討済みである。

したがって、本稿の和訳はあくまで一例であり、
異なる解釈の余地はある。

 

【関連表現】

“in the zone”
https://mickeyweb.info/archives/12844
(極めて集中して絶好調な状態)

“What is your thing ? ”
https://mickeyweb.info/archives/19507
(今、はまっていることは?)

“hooked”
https://mickeyweb.info/archives/24272
(夢中になる、はまる、中毒になる)

“be into – ”
https://mickeyweb.info/archives/22466
(〜に熱中する、~に夢中になる、~にはまる)

 

 

 

 

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