プロ翻訳者の単語帳

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Be into –

      2018/12/10

〜に熱中する、~に夢中になる、~にはまる

I’m into this.
(これに、はまってるの。)

友達がうれしそうに声をかけてくる。

知っている単語ばかりで、ちゃんと聞き取れた。
でも、意味不明。
言っている内容が分からないので、返答に詰まる。

既習の基礎単語のみだから、理解できるはず。
なのに、もうさっぱり。とても悔しく、情けない。

なんでこうなるの。

◆ 英英辞典で “informal” 表記されている用法に
てこずるのは、英語学習者にとっては当たり前。
そう覚悟しておこう。

基礎単語にも “informal” 用法は普通にある。
基本用法から推測しやすい “informal” の方が
一般的だが、そうでないケースも無数ある。

弊サイトでは、意味を推測しずらい頻出表現優先
してご紹介している。

“I’m into this.” の場合、”into” が該当。
その “informal” 用法を知らなければ、理解は
おぼつかない。

◆ “into” には、前置詞と副詞がある。
副詞は数学の専門用語なので、実質は前置詞オンリー。
語源は、古英語「中へ」(intō)。

もともと、副詞 “in” + 前置詞 “to” が成り立ちであり、
16世紀までは2語に分けて用いられてきた語。
(ランダムハウス英和大辞典 第2版、
新英和大辞典 第6版 より)

  • 副詞 “in”(中へ)
  • 方向の前置詞 “to”(~へ)

と考えても、イメージはつかめる。

into” =
「in:ある空間の中へ」
「to:ある方向へ向かう」
が合体した前置詞。

対象物がその空間に近づいていき(to)、
最終的にその空間の中に入る(in)。

“into” は、動きと動作の結果を同時に表現。
動的な状態を示唆する前置詞。

※ “into” のイラスト解説は、ここが秀逸 ↓
イラストでわかりやすい!前置詞の違いと使い方

実際には、”in” や “to” との区別があいまいなど、”into”
の使い方は単純ではないが、この点は本稿で触れない。

“I’m into this.” の “into” が “informal” 用途
であることは既記したが、3学習英英辞典
EFL辞典)による語釈は、以下の通り。

be into something” 
spoken
to like and be interested something.
(ロングマン、LDOCE6)

be into something 
informal
to be interested in something in an active way.
(オックスフォード、OALD9)

into
enthusiastic about or interested in.
(ケンブリッジ、CALD4)

【発音】ìntə | ìntu

※ 下線は引用者

CALD4 は無表示だが、LDOCE6 と OALD9 には、
それぞれ “spoken”、”informal”(青字) とある。
<話し言葉で非正式のくだけた言い回し>ということ。

3冊そろって “interested”(下線)と説明する。
ここでは「興味のある」を意味する形容詞。

すなわち、”something”(何か) に対し「興味ある」様子。
興味の程度は上記オレンジ色が表現する。
相当入れ込む状態が “into” である。

この意味合いで使われるようになったのは、1967年。
比較的新しい。

To be into (something)
“be intensely involved in or devoted to”
recorded by 1967 in American English youth slang.

https://www.etymonline.com/word/into#etymonline_v_12155
↑ 有力な語源サイト(英文)

定訳は「熱中する」「夢中になる」「没頭する」。
「のめり込む」「はまる」もよく使われる。

 ぼっとう【没頭】
何もかも忘れて、ある物事に熱中すること。
その事に精神をつぎこむこと。はまりこむこと。
没入。

 はまる【塡まる・嵌まる】

4. 夢中になる。ひどく熱中して同じことばかりしたり、
同じものを好んだりする。

のめり込む
2. ある物事に抜け出せないほど深く入り込む。

(広辞苑 第七版)

「のめり込む」のように、何かに深く入り込む姿を想像
すれば、前置詞 “into”「~の中へ」とのリンクに無理はない。

Inline image 1
“something” に意識を吸い込まれるかのように、
夢中になる様相。それが “into”。

上掲黄枠の通り、徐々にその対象(”something”)
に近づき(to)、最終的にその中に入る(in)。
意識がのめり込んでいくプロセスそのものである。

したがって、冒頭の “I’m into this.”
であれば、”something” は “this” なので、
「私はこれに熱中している。」が直訳。
若者風に換言すると「これに、はまってるの」。

◆ この用法の “into” の同義語は、先の “interested”
に加え、”excited” や “enthusiastic”(発音:enθjùːziǽstik
が代表例。3語とも形容詞であり、状態を表す

形容詞なので、”be動詞“(※) に続くのが最多パターン。
→ その理由はawareにて詳説

※「be動詞」= be、am、was、been、
will be、is、were、are


3つの形容詞を用いて “I’m into this.” を書き換えると、
基本はこうなる。

  • “I’m interested in this.”
  • “I’m excited about this.”
  • “I’m enthusiastic about this.”

“I’m into this.” に比べ、煩雑な感じは否めない。
だが、3文とも、英文法に忠実な基礎英文に他ならない。
こちらが普通なのである。

「’m」は、be動詞 “am” の縮約形。
“into” の代わりに<形容詞+前置詞
が入る下線部に着目。
形容詞の直後の前置詞は、どれも省略できない。

そもそも、英語の前置詞の機能は、名詞・代名詞と
他の語との時間・空間的関係を表すこと。
ここでの “in” も “about” も、各形容詞と “this” を
つなぐ対象「~に対して」の前置詞なので、
省くわけにはいかない。

つまり、”I’m into this.” の “into” こそ特殊。
前置詞1語で <形容詞+前置詞>の働き。
状態を示す形容詞の役割なので
、”be動詞”
に続く
のが一般的。【参照】”aware

本来「~の中へ」に過ぎないのに、形容詞なしで
「熱中」「夢中」「没頭」の状態まで表現してしまう。

それが可能なのは、前置詞 “into” の特色にある。
上掲黄枠に記したように、動きの方向と結果の状態
を同時に
表せる、動的な前置詞 “into” ゆえ。

この用法は、基礎文法から確実に外れる。
“informal”(非正式、くだけた表現) とは、そういうこと。
“spoken”(話し言葉)も同様。

この反対は、否定の副詞 “not” を伴う “not into”。
「凝っていない」「夢中になっていない」
というよりは、「たいして好きでない」くらいの意。
その強意表現 “never into” も多用される。

Inline image 1

  • “I’m into fried chickens now.”
    (今、フライドチキンにはまっている。)

  • “If you’re not into fried chickens, this restaurant
    may not be for you.”
    (フライドチキンがあまりお好きでないなら、
    このレストランは合わないかもしれません。)
  • “He was never into baseball.”
    (彼は野球が好きであったためしは一切なかった。)
  • “I couldn’t get into this movie.”
    (この映画にはまることはできなかった。)
  • “I’m really into her music.”
    (彼女の音楽に超はまっている。)
  • “John’s really into snowboarding.”
    (ジョンはスノボに熱中している。)
  • “She’s into reading these days.”
    (最近の彼女は読書に夢中になっている。)


【関連表現】

“in the zone”
https://mickeyweb.info/archives/12844
(極めて集中して絶好調な状態)

“What is your thing ? ”
https://mickeyweb.info/archives/19507
(今、はまっていることは?)

“hooked”
https://mickeyweb.info/archives/24272
(夢中になる、はまる、中毒になる)

“obsessed with – ”
https://mickeyweb.info/archives/26219
(~に取りつかれる、~で頭が一杯になる)

 

 

 

 

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