早いに越したことはない。
「 さっさとやっちまおうぜ 」 という具合に、
仕事の早い人やせっかちな人が好んで使う印象。
” sooner ” と ” better ” が韻を踏んでいる ( 押韻 )。
- The words ” sooner ” and ” better ” rhyme.
言いやすく、 耳触りがよい感じ。–
【参照】
” Wonder Wonders ”、 ” First and Foremost ”
–
< 作業開始が早ければ終了も早い >
という 効率面 以外にも、
< 相手の気が変わる前にやってしまおう >
との 魂胆 があったりする。
–
◆ ” soon ” には、
副詞 ( 早く、 まもなく ) と 形容詞 ( 早い ) がある。
【発音】 súːn
【音節】 soon (1音節)
語源は、 古英語 「 直ちに、 即座に 」 ( sōna )。
ここでの ” sooner ” は、 副詞の比較級 「 より早く 」。
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◆ ” better ” は多義で、 名詞・副詞・形容詞・
他動詞・自動詞がそろう。
【発音】 bétər
【音節】 bet-ter (2音節)
” better ” は多義で、 名詞・副詞・形容詞・
他動詞・自動詞がそろう。
語源は、 古英語 「 すぐれている 」 ( betera )。
“ best ” と同語源であり、 ともにポジティブな語感を帯びる。
“ best ” と同語源であり、 ともにポジティブな語感を帯びる。
- 副詞 ” better ” 「 よりよく 」
→ ” well ” と ” very much ” の比較級
– - 形容詞 ” better ” 「 よりよい 」
→ ” good ” と ” well ” の比較級
両者の違いは、 ” better yet ” で事細かく取り上げた。
同じ比較級でも、 ” sooner ” より複雑である。
ー
もっとも、 カタカナ語 「 ベター 」と用法が
重なっているため、 理解はそう難しくないだろう。
–
片や ” good ” は、 形容詞が主。
副詞( かなり、うまく ) はまれ。
–
” good ” の副詞用法は、 ” well ” の代用
と解釈されている。
–
The sooner, the better.
構文 「 the + 比較級、 the + 比較級 」
の代表例
–
【ご注意】
この ” the ” は、 副詞 ( adverb )。
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■ 最初の ” the ” → 関係副詞
” by how much “
■ 次の ” the ” → 指示副詞
” by so much “
–
「 ~ すれば、 ますます 」 の意味
–
< 副詞用法の ” the ” >
- the ~ 比較級、 the + 比較級
- 最上級や比較級の形容詞 ( most、more など )、
序数 ( first、second など)、 一部の形容詞 ( same など )
< 定冠詞 ” the ” の原義 >
「 その 」「 この 」「 例の 」などの 指示代名詞
→ ” that ” と同様
→ 可算名詞・不可算名詞に関係なく用いられる
片や 副詞 ” the “ は、 格変化 で生じたもの。
定冠詞 ” the ” とは、 意味も役割も違う。
副詞はマイナー用法 と考えられる。
【参照】 “ it ” は人称代名詞、 ” that ” は指示代名詞
定訳は 「 早ければ早いほどよい 」。
日本では高校で学ぶ構文で、 一種のことわざと言える。
ことわざは、 文法面が複雑なものが多い。
言いやすくするため、 極限まで簡潔にした短句なので、
文法面が犠牲になるきらいがあるのだ。
ことわざの文法は、 通常の文法とは一線を画するものが多い。
つまり、 英文法の基本から外れる < 特殊なケース >
が少なくない。
これらの文法解釈には、 時間をかけすぎない方がよいと考える。
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【関連表現】
- “ Better late than never. ”
( 遅れたとしても、 何もしないよりはまし。)