プロ翻訳者の単語帳

Professional Interpreter / Translator at Government Agency

Work wonders

      2021/03/23

効果てきめんである

一見すると、宣伝のキャッチコピーのようだ。

実際は普通の熟語なのだが、宣伝文にも使う。

確かに、人目を引くインパクト がある。

目立つ一因は、2語の頭が一致していること。

どちらも  ” wo ”  から始まる。
おまけに、” w ” と ” o ” は  左右対称  の文字。

シンプルだが、どこか華があり、遠目にも認識可能。
個性を咲かせるアルファベットに見える。

文法的には、頭韻法(とういんほう、head rhyme、
alliteration)の一種。

【発音】  əlìtəréiʃən
【音節】  al-lit-er-a-tion  (5音節)

first and foremost” にて説明したが、頭で韻を踏んでいる。

一部再掲すると、

◇  英語の頭韻(head rhyme、alliteration)は、
有名な商標名・固有名詞にも多く採用されている。

  • Big Ben
    (ビッグベン)
  • Coca-Cola
    (コカコーラ)
  • Intel Inside
    (インテル社のキャッチコピー)
  • World Wide Web
    (ウェブサイト)
  • Donald Duck
    (ドナルド・ダック)
  • King Kong
    (キング・コング)
  • Mickey Mouse
    (ミッキー・マウス)
  • Minnie Mouse
    (ミニー・マウス)
  • Peter Parker
    (スパイダーマン)

幅広い層に好まれるため、商品名にも起用される。

頭韻で我が子を命名した知人は少なくない。
英語ネイティブにとって、頭韻は言いやすく耳触りがよいらしい。

加えて、見かけの  華やかな “W” となれば、いいことづくめ。

むしろ、好かれない方がおかしい “work wonders”。

この強みが何となく把握できれば、英語に馴染んできている。
自信をもってよい。

初学者の場合、理解は上辺にとどまる。

◆  今回調べた7点すべての英英辞典で、”work wonders” は
項目立てされていた。

総なめは珍しい。

そろって簡潔なので、全部ご紹介する。

■  do/work wonders” 
to be effective in solving a problem.
(LDOCE6、ロングマン)

■  “do wonders (for somebody / something)” 
to have a very good effect on somebody / something.
(OALD9、オックスフォード)

■  work wonders” 
to achieve very good results.
(同上)

■  “do / work wonders”
INFORMAL
to have a very good effect.
(CALD4、ケンブリッジ)

■  “works  / does wonders”
have a very good effect on something.
(COBUILD9、コウビルド)

■  “do / work wonders”
to achieve spectacularly fine results.
(Collins English Dictionary)

■  “do / work wonders”
to have a very good effect on someone or something.
(Macmillan Dictionary)

■  “do / work wonders”
to help or improve something greatly.
(Merriam-Webster)

【発音】  wʌ́ndər
【音節】  won-der  (2音節)


◇  【英英辞典の基本表記】   スラッシュ( / )=「または (or) 」

→  ” do wonders ”  または  ” work wonders

どれも簡素で美しい語釈と感じる。  いかがだろう。

do wonders” が同義扱いされていることが分かる。

◆  ここでの “work” と “do” は他動詞。

効果を「もたらす」「生む」の意。

目的語となる “wonders” は名詞の複数形。
名詞のほか、自動詞、他動詞、形容詞がある。

語源は、古英語「奇跡的な出来事」(wundor)。

–  名詞「不思議」「驚き」「不思議なもの」「奇跡」
–  自動詞「不思議に思う」「自問する」「疑う」
–  他動詞「不思議に思う」「~でしょうか」
–  形容詞「不思議な」「驚くべき」

良くも悪くも「不思議」または「驚き」が
伴う点で共通する。

名詞 “wonder” は、可算と不可算を兼ねる。
抽象的な「不思議」「驚き」は不可算名詞。

特定の「不思議なもの」「驚くべきもの」は、
数えられるから可算名詞。

これは可算と不可算を区別する頻出パターンである。

【参照】  “concern“、”worry“、”pain

表題では「不思議なこと」または「奇跡的なこと」として、
対象をほぼ特定しているため、可算名詞。

さらに、決まり表現として複数形になるのが通例である。

◇  同じく複数形 ” wonders ” が通例の決まり表現は、

  • Wonders will never cease.
  • Wonders never cease.

両方とも「驚きの念を禁じえない」が定訳に近い。
直訳は「驚きは後を絶たない」。

時に皮肉を帯びるのは、日英共通。

He passed the test.
Wonders never cease ! 

(彼が試験に合格した。
驚き、 桃の木、 山椒の木!)

→  少し嫌味っぽいので、意訳してみた。

※  “cease”  =  途絶える (自動詞)

以上より、”work wonders” と “do wonders” の直訳は、
「不思議なことをもたらす」「奇跡的なことをもたらす」。

転じて「 効果てきめん 」。

語感も似ており、和訳として好んで使われる。

  こうかてきめん【効果覿面】

■  期待していた通りの効き目や結果が、その場ですぐに
現れること。
(広辞苑 第七版)

■  効果がすぐにはっきり現れること(さま)。
(大辞林 第三版)

※  下線は引用者

先の英英辞典7点と国語辞典2点の語釈を比較すると、
下線「すぐに」の要素は英英にはない。

したがって、どんぴしゃりの和訳ではない。

しかし、用途・語感・趣旨を総合的に考慮すれば、
定訳にかなり近いと結論してもよいと考える。

  言語が異なる以上、完全一致は難しい。

筋トレはいいよ

 

  • “Regular exercise works wonders for your health.”
    (定期的な運動は健康に効果てきめん。)
  • “This book has worked wonders for me.”
    (この本が私に奇跡をもたらした。)
    (この本は私にとって、効果てきめんだった。)
  • “Cold water works wonders for my skin.”
    (私の肌にとって、冷水は効果てきめん。)
  • “Smiles can work wonders.”
    (笑顔は奇跡をもたらすことができる。)
    (笑顔は効果てきめん。)
  • “This medicine works wonders for headaches.”
    (この薬は頭痛に効果てきめん。)
    (この薬は頭痛に驚くほどよく効く。)
  • “It worked wonders for us.”
    (それが我々に奇跡をもたらしたのです。)

Time works wonder.

時のもたらす奇跡 )
( 時がすべてを癒す )
( 時間がすべてを解決する )
( 時間が薬 )

時は偉大なり

< 時の力 >

→   just a phase
→   toxic relationship
→   comfortable in one’s own skin
→   test of time
→   estranged

 

【同義表現】

  • works like a charm
    (効果てきめんである)

 

 

 

 

Sponsored Link




Jetpack

 - 英語, 英語フレーズ