素人目には
「素人目には」と表現したい時にぴったり。
ほぼ直訳どおりで、理解しやすい。
“untrained” は形容詞。
【発音】 ʌnˈtreɪnd
- 接頭辞 “un“(~がない)
- 形容詞 “trained“(訓練された)
で「訓練されていない」
“eye”(目)を飾るので、「訓練されていない目」ー
- 対象の前置詞 “to”(~にとって)
- 不定冠詞 “an” 、
を加えた直訳は「訓練されていない目にとって」
–
–
◆ 音声を対象とする場合、目の代わりに「耳」となる。
“to an untrained ear“
「素人耳」は日本語にないが、意味はこちら。
“to the untrained eye/ear“
when someone who does not have special knowledge
of a subject looks at something or listens to it.
(LDOCE6、ロングマン)
LDOCE6にはこの通り明記されているものの、
“to an untrained ear” については、
ほとんど見聞きしない印象がある。
–
◆ 注意すべきは、「目」や「耳」が単数 になる点。
2つずつある器官なのに、なぜ単数か。
以下、”Keep an eye on – ” より再掲。
目の<機能>を比喩的に示しているから。
生物学的な目ではなく、<機能>を表す。
つまり、読む・見る・理解する等の<働き>を指す。
機能を表すだけなので、1つで十分。
(複数の英和及び英英辞典の解説より)
◆ 目の単数表現は多い。
- “keep an eye on – ”
(~に目を光らせる、~を監視する) - “by eye” “with the eye”
(目分量で) - “cast (run) an eye through – ”
(~にざっと目を通す) - “catch his eye”
(彼の注意を引く) - “give an eye to her”
(彼女に注目する) - “give her the eye”
(彼女に色目を使う) - “have an eye to – ”
(~を考慮する) - “have an eye for beauty”
(審美眼がある) - “not bat an eye”
(まったく驚かない) - “not blink an eye”
(びくともしない) - “see eye to eye”
(対面する)(意見が一致する) - “turn a blind eye to – ”
(~を見て見ぬ振りする) - “under the eye of – ”
(~に監視されて)
以上は典型表現の例示。
「耳」についても、調べると多数の表現がある。
しかし、「目」に比べると、マイナーな感がある。
–
◆ 厄介なのは、<機能>を示すような表現でも、
複数形になるものがあること。
- “only have eyes for – ”
(~だけに関心がある)
– - “make eyes at – ”
(~に色目を使う)
英語ネイティブでも、完全に区別できるとは考えにくい。
<決まり文句だから>との乱暴な解説もまかり通っている。
生物学的な目ではなく、<機能>を表すから単数
基本知識としては、こう把握しておく。
- “To an untrained eye, they all look the same.”
(素人目には、すべて同じに見える。)
– - “Her performance was great even to an untrained eye.”
(彼女の演技は素人目にも素晴らしかった。)
– - “Fake money look real to an untrained eye.”
(偽金は素人目には本物に見える。)
– - “It was not self-explanatory to an untrained eye.”
(素人目にはそれは自明でなかった。)
– - “To an untrained eye, he looks healthy.”
(素人目には彼は健康に見える。)