Hoax
2024/12/06
でたらめ、 偽物
今年2017年、インターネットで世界的に
注目されたのが、 “ fake news “。
- “President references legitimate media and fake-news media”
(大統領が合法メディアとフェイクニュースメディアに言及)
–
◆ ” fake ” には、 他動詞・自動詞・名詞・形容詞がある。
【発音】 féik
【音節】 fake (1音節)
基本的意味は、
– 他動詞 「 捏造する 」 「 偽造する 」 「 ふりをする 」
– 自動詞 「 ふりをする 」 「 フェイントをかける 」
– 名詞 「 偽物 」 「 偽造品 」
– 形容詞 「 偽の 」 「 いんちきの 」
語源は不詳。
おそらく廃語 「 殴る、 だます 」( feak、 feague )とされる。
浮浪者の隠語 「 ぶちのめす、 やっつける 」 との説もある。
どれを調べても、 物騒な意味合いばかり。
まさしく ” fake ” にふさわしく、 ネガティブな印象。
- ” Her tears are fake. ” ※ 形容詞
- ” She shed a fake tear.” ※ 形容詞
( 彼女は嘘泣きしている。)
– - ” Never fake someone’s death.” ※ 他動詞
( 人の死を偽ってはならない。)
( 人の死をでっち上げてはならない。)
–
→ ” death hoax ” ( 偽の死 )、 有名人の死亡説など
– - How celebrity death hoaxes power fake news
https://digiday.com/media/queen-elizabeth-is-not-dead/
2017年1月6日付
–
- “You’re vulnerable to fake websites.” ↑
(あなたは偽ウェブサイトの被害を受けやすい。)
(あなたは偽ウェブサイトに狙われやすい。)
–
- “Fake order scams are increasing.” ↑
(偽の注文による詐欺が増えている。) ※ 2022年12月
- ” Fake scans scam users into believing ↑
their computers are infected.”
( 偽のスキャンは、ユーザーを欺き、
コンピュータが感染していると信じ込ませる。) ※ 2024年8月
◆ 他動詞 ” fake ” を起用する決まり文句は、
- Fake it till you make it.
- Fake it until you make it.
–
( 実現するまで、 見せかけろ。)
( 思考は現実化する。)
–
↑ The words ” fake ” and ” make ” rhyme.
( ” fake ” と ” make ” が 韻を踏む … 押韻 )
自信のない人を励ましたり、 大ぼら吹きをかばう際に使う。
嘘つきを批判する趣旨ではなく、 前向き でポジティブな感。
–
◆ 今月2017年12月実施のMPO調査で、 日常会話中、
最もうざい言葉 (※) の < 第2位 > にランク入りした。
–
(※)
” the most annoying word or phrase
used in casual conversation “
–
33% of Americans consider “ whatever ”
to be the most annoying word or phrase.The recent addition of “ fake news ”
takes second place with 23% followed
closely by “ no offense, but ” with 20%.http://maristpoll.marist.edu/1218-whatever-loses-ground-but-retains-annoying-word-title/
2017年12月18日付※ 太字・赤字は引用者
–
ほとんど新語扱いとはいえ、 歴史も信用もある
恒例調査で、いきなり < 第2位 > を占めるのは
なかなか大変なこと。
ー
◆ 今年2017年の日本でも 「 フェイクニュース 」 は話題となった。
同年の 「 流行語大賞 」 のトップテンに選ばれている。
- 嘘( うそ )ニュース
- 偽( にせ )ニュース
などと和訳されたが、カタカナ「 フェイクニュース 」
で定着しつつある。
■ ” misinformation ”
通常、 「 誤情報 」 または 「 誤報 」
と和訳されるのに対し、 はるかに意図的な匂いを放つ。
【発音】 mìsinfəméiʃən
【音節】 mis-in-for-ma-tion (5音節)
–
■ ” disinformation ”
「 虚報 」 「 ガセネタ 」 「 偽情報 」
なので、 ” fake ” と ” hoax ” にずっと近い。
【発音】 dìsinfəméiʃən
【音節】 dis-in-for-ma-tion (5音節)
- –” Russia Ramps Up ‘ War of Disinformation ‘ as ‘ Victory Day ‘ Looms ”
https://www.newsweek.com/russia-ramps-war-disinformation-victory-day-looms-1701528
( ロシア、「 勝戦記念日 」を目前に、「 偽情報戦 」を強化 )
2022年4月27日付
–
–
◆ 人口毛皮の「 フェークファー 」( 広辞苑 第七版 )
やスポーツのフェイントを指す「 フェイク 」。
これらの認知度は高い。
よって、「 フェイクニュース 」もさしたる
違和感なく、 今後受け入れられていくはず。
–
◆ 2019年5月発売のアプリ『 大辞林 第四版 』はこちら。
–
–
『 大辞林 第四版 』
松村 明(編集)三省堂、 2019年刊
( 物書堂 アプリ版 )
<三省堂HP>※ 赤枠は追加
–
2021年発行の辞書及びアプリ合計3点は、
–
–
–
『 明鏡国語辞典 第三版 』 ※ 書籍版
北原保雄(編集)大修館書店、 2021年刊
<大修館書店HP>
–
–
『 三省堂国語辞典 第八版 』
見坊 豪紀 ほか(編集)三省堂書店、 2021年刊
( 物書堂 アプリ版 )
<三省堂HP>
–
–
物書堂 『 大辞泉 』 ( アプリ版 )
–
▲ この 物書堂 版アプリは、2012年発売の小学館『 大辞泉 第2版 』の
書籍版 を底本とするものの、その後も継続更新している小学館データ
ベースの最新データが反映されているため、書籍版を超える収録数を誇る。 ◇ 小学館 『 デジタル大辞泉 』 特設サイト
https://daijisen.jp/digital/index.html ※ 赤枠は追加–
–
さらに、 オンラインIT用語辞典 『 IT用語辞典バイナリ 』では、
–
–
フェイクニュース別名 : 嘘ニュース
【英】 fake news
フェイクニュース とは、 事実ではない、 虚偽・デタラメ な
内容の情報・報道の総称である。読み手が真に受けて( 事実として受け取り )、
ソーシャルメディアなどを通じて広く拡散され、
時には世論を動かしたり社会的な混乱を招いたりすることもある。
––
https://www.sophia-it.com/content/フェイクニュース※ 赤字は引用者
◇ 2022年7月27日 アクセス
–
◆ ” fake news ” の英語解説について回る単語が ” hoax “。
【発音】 hóuks
【音節】 hoax (1音節)
–
–
–
でたらめ
–
–
◆ 語源は、 魔術師の呪文 ” hoxus-pocus ”
の短縮形 ” hocus ” ( だます ) とされる。
【発音】 hoʊ.kəsˈpoʊ.kəsks
【音節】 ho-cus-po-cus (4音節)
▲ 『 ホーカス ポーカス 』 ” Hocus Pocus ”
米 1993年 ( ケニー・オルテガ 監督 )
–
→ 大ヒットした映画で、 今やクラシック
▲ 『 ホーカス ポーカス 2 』 ” Hocus Pocus 2 ”
米 2022年 ( アン・フレッチャー 監督 )
–
→ 約30年経過、 メインキャスト3名 が 続投 !
公式予告編 ( YouTube )
–
–
” hoax “1. a false warning about something dangerous.
2. an attempt to make people believe
something that is not true.( ロングマン、LDOCE6 )
A hoax is a falsehood deliberately fabricated
to masquerade as the truth.https://en.wikipedia.org/wiki/Hoax
◇ 2022年3月14日 アクセス
–
◆ ” hoax ” には、可算名詞と他動詞がある。
いずれも 「 人をかつぐ 」 ことで 「 でっち上げ 」。
可算名詞中心で、 他動詞はめったに使われない。
【活用形】 hoaxes – hoaxed – hoaxed – hoaxing
名詞の複数形は ” hoaxes “。
- “Don’t be a victim of hoax news stories.”
(偽ニュースの犠牲になるな。)
– - “Please ignore rumors and hoaxes.”
(うわさや偽ニュースは無視してください。)
– - “People were hoaxed by the news site.”
(人々はそのニュースサイトにだまされた。)
–
英単語全体から見れば、 重要でも頻出でもない。
” LDOCE6 ” でも、その表示は一切ない。
–
けれども、 「 デタラメ 」「 詐欺 」「 いたずら 」
「 詐術 」 の話には、高頻度で顔を出す。
–
インターネット時代を象徴する単語と言っても
過言でないほど。
–
その割には、日本で学ぶ機会は少ないと考える
ので、本稿で取り上げてみたい。
–
◆ 先の LDOCE6 の語釈 「 1 」の好例は、
” bomb hoax call “( 偽の爆破予告電話 )
である。
” bomb threat “( 爆破脅迫 )と異なり、
あくまでもいたずらに過ぎない。
- “As it turned out, the bomb threat
was a hoax.”
(結局、その爆破脅迫はいたずらだった。)
– - “He made a hoax call claiming to be
a terrorist.”
(彼はテロ犯と名乗って、いたずら電話をかけた。)
–
しかし、 おふざけ系 ” prank call “ に比べて悪質。
特殊班の出動要請を伴うこともあり、
ニュース沙汰になりうるレベルも含む。
” fake news ” は、LDOCE6 の語釈「 2 」の例。
–
先の『 IT用語辞典バイナリ 』の
「 事実ではない、 虚偽・デタラメ な内容 」
を人々に信じ込ませようとすること。
- “Is COVID-19 a hoax ? ”
(新型コロナウイルス感染症は、実際に存在するのか。)
–
◆ ジョークや愉快犯的なもの以外にも、
コストをかけて作られるプロパガンダなども多い。
ー
作成の主目的は、世論を混乱させるためだったりする。
ー
なかには、真偽の見分けが容易でなく、本物と
見紛うばかりの仕上がりのサイトも増えている。
–
SNS全盛の時代にあっては、真のニュースと
して流布し、拡散されても不思議はない。
現に、フェイクニュースの方が、速く広く拡散する
との研究結果が2018年に発表された。
- ‘News’ spreads faster and more widely when it’s false
https://www.nature.com/articles/d41586-018-02934-x
2018年3月8日付
ー
◆ 2016年のアメリカ大統領選挙でも、” fake news ”
が幅を利かせた。
–
殊に、フェイスブックで悪用された偽アカウント
による偽ニュースの影響力が指摘された。
ー
◆ 最大手の Google も、 その対策に非常に苦慮し、
今年2017年には、アルゴリズム の大幅な変更を繰り返した。
–
検索上位のフェイクニュースゆえに、 錚々たる
メディアから非難を浴びた結果である。
- Google Combats Fake News
With Search Algorithm Changes
http://fortune.com/2017/04/25/google-search-algorithm-fake-news/
2017年4月26日付
– - Google acts against fake news on search engine
https://www.theguardian.com/technology/2017/apr/25/
google-launches-major-offensive-against-fake-news
2017年4月25日付
その一方で、一民間企業が、
- more authoritative content
( より信頼できる内容 )
– - trustworthy news source
( 信頼できる情報源 )
などを定義する結果として、報道の影響度を大きく左右
する現状を危険視する専門家は多い。
この問題については、次の記事が分かりやすい。
- As Google Fights Fake News,
Voices on the Margins Raise Alarm
https://www.nytimes.com/2017/09/26/technology/google-search-bias-claims.html
2017年9月26日付
ー
◆ だが実際には、偽ニュースは遠い昔から存在している。
例えば、1835年のアメリカで世上流布したのが、
ー
” The Moon Hoax ” ( 月上のコウモリ人間 )。
–
–
(…) the story of one of America’s first major
media hoaxes, nearly 200 years ago.The hoax was only exposed when several
rival papers and journals, led by the Herald,
presented overwhelming evidence of its
impossibility.https://www.theatlantic.com/business/archive/2017/10/facebook-google-fake-news-hoax/542406/
2017年10月12日付< 1835年の ” New York Sun ” 原文 >
http://hoaxes.org/text/display/the_great_moon_hoax_of_1835_text< 検証記事 >
http://hoaxes.org/archive/permalink/the_great_moon_hoax
ー
◆ 近年の日本では、 医療情報サイト 「 WELQ 」 の閉鎖
( 2016年 ) が有名である。
–
【参考】 ※ 外部サイト
- DeNA南場会長「WELQを検索して愕然とした」
– キュレーション事業に関して謝罪
https://japan.cnet.com/article/35093369/
2016年12月7日付
–
こうした問題は、今後も世界中で繰り返される
ことだろう。
今やグローバルな喫緊課題となっている。
ー
◆ ここで、 英語学習者の皆様に朗報。
–
–
【参考】 ※ 外部サイト
- YouTube 公式ブログ : 今後のさらなる誤情報対策について
https://youtube-jp.googleblog.com/2022/02/inside-responsibility-1.html
2022年2月28日付
– - フェイク対策 – 情報を見極めるために ( NHK )
ウソの情報対策 関連ニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/word/0002471.html
◆ 私自身、 仕事に限らず、 ニュースでも、
旅行でも買い物でも、 なんでもかんでも
日英で調べる習慣に支えられている毎日。
購入検討中の製品・サービスのレビュー記事と動画は、
特に役立つ。
「 進学 」 「 資格 」 「 キャリア 」 「 出世 」
とは次元の異なる、 英語学習の楽しみと強み。
かなり心強い。
健康と意欲を維持し、 英語を学び続けていければ、
終生もれなく 享受できる特典
と考えられる。
実益はもちろんだが、 なにより日常が心地よく刺激的になる。
インターネットのおかげで、 日本からでも実行可能になった。
–
< 事実確認( fact-check ) 用の有力サイト > ※ 英文
- Snopes.com
- Washington Post FactChecker
- FactCheck.org
- TruthOrFiction.com
- ThatsNonsense.com
- PolitiFact
・ Top 10 sites to debunk Internet hoaxes
—-2010年8月6日付
- 【 連載 】 ファクトチェック : 毎日新聞
https://mainichi.jp/ch191047912i/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF
2019年6月30日 〜
– - ファクトチェックの国際原則
https://fij.info/introduction/ifcn-code
◆ 以下、 ” vocal about – ” より再掲。
【 書籍紹介 】 2022年8月発売
–
この本を読むと、 学者・研究者と翻訳・通訳に現役で携わる
「 実務家 」 との多側面における認識の違いを強く感じ取る。
率直に申し上げると、 びっくりした。
–
( 中略 )
–
本書が述べる高水準にて、 AI翻訳を信用してよいものだろうか。
本稿に提示した程度の「 誤訳 」 は、 機械翻訳では全然珍しくない。
本業で終日翻訳していれば、 おそらく連日遭遇するほど頻発する。
私はほぼ毎日見つけている。
嘘偽りはない。
これから記すが、 「 誤訳 」 を見逃せば自分の考課に直結するため、
文字通り目を皿にして、 必死な気概を発揮して意地でも見つけ出す。
前述の 「 ポストエディット 」( post edit, PE ) = 「 後編集 」
の一端である。
–
【参考】 ※ 外部サイト
- プロの翻訳業、 精度高いAI翻訳でどう変わる 増えるポストエディット需要
https://globe.asahi.com/article/14988524
2023年9月1日付
–
このため、 機械翻訳を日々併用する実務家たちは、 AI翻訳の品質評価を
日夜ひっきりなし、昼夜ぶっ通しで実行しているといっても過言ではない。
いわば、 プロの デバンカー として、 ひもすがら AI の嘘を暴露している。
【発音】 dɪˈbʌŋkər
【音節】 de-bunk-er (3音節)
必然の帰結として、 AI翻訳の実情を直に見聞きするようになる。
私もそのうちの一人なので、 ふと心配したくなるのですよ …
◇ 和文または英文の成果物 ( 訳文 ) が、
–
あまりにも滑らかで、 一見すると上出来すぎて、
–
「 誤訳 」 に気づけず スルーしてしまっている
–
実態は、 こんな感じではないかと。
–
–
昔と違って現在の自動翻訳の訳文はすらすら読める。同書 p. 212.
–
–
両言語に堪能でないと、 「 誤訳 」 の指摘は難しい。
–
一見、 まともに見えるから、 末恐ろしい。
–
専門家ら一部の人々を除けば、 誤りは簡単には見抜けない。
◆ 2022年11月公開のAIチャットボット ” ChatGPT “
の不都合にも該当する、 潜在的かつ深刻な危険性であろう。
間違った情報を、 さも正確な情報として、 断言する危うさ。
「 知ったかぶり 」 「 でっち上げ 」 がまかり通っている。
堂々と嘘をまき散らすが、 エラーとみなし、 規制は不要か。
情報操作 や 偽情報 の拡散など、 あらゆる悪用が想定可能。
思考が誘導 されたらと仮定するだけで、 ぞっと総毛立つ。
くわばら、 くわばら。
–
勝手に 「 幻覚 」 を生み出す怖さ人間が翻訳していれば絶対に起こり得ない誤訳を、
生成型AIは確率論の名において平気で冒すことが出来る
–
–
「 AIが間違えるハズがない 」 は危険。
平気で嘘をつく生成型人工知能の限界
https://www.mag2.com/p/news/583243/3
2023年8月31日付
–
【参考】 ※ 外部サイト
- 日本新聞協会の生成AIによる報道コンテンツ利用の見解 ( 要旨 )
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230517-OYT1T50284/
2023年5月17日付
– - グーグル幹部は非常事態を宣言した …
ネット検索を根本から変える 「 ChatGPT 」 の恐るべき可能性
https://president.jp/articles/-/65432
2023年1月18日付
– - 『 いつから? 』 GPT-4とは何なのか?
GPT-3よりどのぐらいすごい?
https://www.builpo.jp/news/news/gpt3.gpt4.html
2023年2月7日付
– - ChatGPT は高性能な対話ができるのに
なぜデタラメな回答をすることがあるのか?
https://gigazine.net/news/20230220-chatgpt-fake-paper/
2023年2月20日付
–
- ChatGPTの上位互換 「 BingAI 」 の衝撃 検索はどう変わる?
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00791/00001/
2023年03月02日付
– - GPTs are GPTs: An Early Look at the Labor Market Impact
https://arxiv.org/pdf/2303.10130.pdf
2023年3月27日付
※ PDF 全35頁、 2.4MB
※ 英文 → 参考和訳 ( 前編 )( 後編 )
–
詐欺師 を見透かす過程に似通う気もする。
–
––
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20230420001741.html2023年4月20日付
–
▲▲ 再掲終わり ▲▲
以上の ” vocal about – ” には、 有名どころの翻訳サイト
による誤訳例をたっぷり掲載した ( 図入り、 実名入り )。
原文を事前に編集し機械翻訳しやすくする準備作業である、
「 プリエディッティング 」( pre-editing ) = 「 前編集 」
の基本についても、 ” vocal about – ” で触れた。
「 プリエディッティング 」 と 「 ポストエディット 」 の仕事は、
翻訳業界に加わった新たな職域であり、 プロ翻訳者が次々と参入中。
–
–
より良い表現へ変える「 ポストエディット 」の仕事が増加翻訳サービスの会社から、 AI翻訳にかけた文章を修正し、
そこからより良い表現へ変える 「 ポストエディット( 事後編集 )」
という仕事の依頼が増えているというのだ。
–
過渡期のAIと人間とをつなぐ、 新たな領域ともいえる。
–
「 プロの翻訳業、 精度高いAI翻訳でどう変わる
増えるポストエディット需要 」
https://globe.asahi.com/article/14988524
2023年9月1日付
–
【関連表現】
- debunk ※ 他動詞
–
【発音】 dibʌ́ŋk
【音節】 de-bunk (2音節)
【活用形】 debunks – debunked – debunked – debunking
–
1. フェイクニュースなどの 偽り・誤りを暴く
2. 有名人などの 正体を暴く
–
– - debunker ※ 可算名詞
‐
【発音】 dɪˈbʌŋkər
【音節】 de-bunk-er (3音節)
–
1. フェイクニュースなどの 偽り・誤りを暴く人
2. 有名人などの 正体を暴く人
–
「 デバンカー 」 とカタカナで見かけることがある。
–
両語の出だしの ” de ” の母音の発音は、 /i/。
–
/i/ は、 「 イ 」 と 「 エ 」 の中間的な感じで、
–
短く発音する母音の 「 短母音( short vowel ) 」。
–
英語の発音を、 あえてカタカナで表すとすれば、
–
「 ディバンカー 」 の方が的確と私は考える。
–
【類似表現】
- ” false alarm ”
https://mickeyweb.info/archives/21482
( 誤報、 デマ )
【参照】 「自分の世界」が広がる英語
–
【参考】 ※ 外部サイト
- Oscars 2022 : People think Will Smith slapping
Chris Rock was fake after seeing slow motion footage
https://www.mirror.co.uk/3am/celebrity-news/people-think-smith-slapping-chris-26576318
2022年3月28日付
- YouTube、 “ 都市伝説 ” 動画を規制? 偽情報扱いか
https://www.excite.co.jp/news/article/Real_Live_200195156/
2022年3月9日付
- 新型コロナパンデミック下で誤情報を拡散しないために
https://www.enago.jp/academy/misinformation-about-pandemic/
2020年4月28日付–
- How a Crisis Researcher Makes Sense of Covid-19 Misinformation
https://onezero.medium.com/reflecting-on-the-covid-19-infodemic-as-a-crisis-informatics-researcher-ce0656fa4d0a
2020年3月9日付–
‐ - ゲームをプレイするだけで 「 フェイクニュースのワクチン 」
を接種できることが判明
https://gigazine.net/news/20190628-fake-news-game-work-vaccine/
2019年6月28日付
- 物議醸す「 ディープフェイク 」技術 その問題と未来
https://forbesjapan.com/articles/detail/27884
2019年6月18日付
–
- 「 フェイクニュースを信じやすいのはなぜか 」 を心理学
の観点から解説、どう対処すればいいのか?
https://gigazine.net/news/20190419-how-fake-news-into-minds/
2019年4月21日付
- ‘ News ’ spreads faster and more widely when it’s false
https://www.nature.com/articles/d41586-018-02934-x
2018年3月8日付
→ 「 フェイクニュースは速く広く伝わる 」 ( 和訳版 )
–
社会的にもいちばん目立つのが、 MTの出力をそのまま公開し、
とんでもない誤訳を世に送り出してしまう利用現場の問題です。( 中略 )
報道にも、姿勢が疑問視される内容が少なくない気がします。
( 中略 )
「 精度 95% 以上 」 などという謳い文句もありますが、
20個に1個も間違いがある翻訳など使いものになりません。( 中略 )
PEの需要のほうが主流になる可能性もあります。 それでも
最終的に翻訳者の仕事がなくなることは絶対にないはずです。なぜなら、 言葉には情報伝達という側面と、表現という側面
があるからです。( 中略 )
表現の個性は無限大です。
–
–
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–
『 機械翻訳 : 歴史・技術・産業 』 pp. 184-185.
ティエリー・ポイボー (著)
中澤敏明 (解説) 高橋聡 (訳)
森北出版、 2020年刊
A5判、 192頁※ MT = machine translation = 機械翻訳
※ 傍線は引用者
–
▼ thief が自ら通報してくれるお店 🤣
–
▲ 主語抜きの邦文を機械英訳した失敗例
( 2023年 ビックカメラ なんば店 )–
–
–
勝手に 「 幻覚 」 を生み出す怖さ人間が翻訳していれば絶対に起こり得ない誤訳を、
生成型AIは確率論の名において平気で冒すことが出来る
–
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「 AIが間違えるハズがない 」 は危険。
平気で嘘をつく生成型人工知能の限界
https://www.mag2.com/p/news/583243/3
2023年8月31日付
–
AIを過信する危うさは、 ” Vocal about – ” で追究した。
–
–