後回しにする、先送りにする
ビジネス口語で、会議などに出てくる。
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それほど頻出ではないものの、文脈からは
意味が推測しにくい。
予め知らなければ意味不明なので、
ここで取り上げる。
“on the backburner” を “informal”(くだけた表現)
と記す英英辞書が多い。
口頭中心とはいえ、下品さなどなく、
慣用句として普通に使われている。
- “on the back-burner“(ハイフン入りの複合名詞)
- “on the backburner“(1語)
こうして表記が分かれる場合もあるが、同じ内容を指す。
—“back burner” とは、
コンロの「後列の火口」
後ろ・奥(back:形容詞)の火口(burner:可算名詞)
だから “back burner”。
【発音】 bæk ˈbɜːrnər
※ 前列の火口 = “front burner(s)”
“On the back burner”
To lessen the priority of something.
(Manhattan Review Smart Business Talk, 2nd Ed.)
<参考和訳>
何かの優先順位を下げること。
“back burner” “back-burner” “backburner”
は可算名詞なので、通常の冠詞は “a”。
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表題の用法の場合、辞書の項目立ては “the”。
しかし、実際の使用では “a” も少なくない。
【正】on the back burner ← 辞書通り
【正】on a back burner
位置を示す前置詞 “on”(~の上に)を伴い、
「後列の火口の上に」が直訳。
前列の火口より奥に位置するため、手が届きにくい。
ここから「後回し」に。
わざと不都合なことに触れない「棚に上げる」に通じる。
見えにくく、接触しずらい場所ゆえ「後回し」。
時に「保留」も意味する。
◆ 主たる表現は、次の2つ
-
put – on the back-burner
-
leave – on the back burner
ダッシュ部には、後回しの対象(目的語)を入れる。
< 能動態「問題を後回しにする」>
- “put the problem on the back-burner”
- “leave the problem on the back burner”
< 受動態「問題は後回しにされた」>
- “the problem was put on the back-burner”
- “the problem was left on the back burner”
“in the same boat” で、「状態」を表す「形容詞」の役割を担う。
そのため、「be動詞」に続くのが基本パターンになる。
※「be動詞」= be、am、was、been、will be、is、
なぜ「be動詞」に続くのかは、”aware” や ”vocal about” で詳述した。
- “The problem is on the back burner”
(問題は後回しにされている)
– - “The problem has been on the back burner”
(問題は後回しにされていた)
【例文】
- “Her career was on the back burner during that period.”
(その期間は、彼女のキャリアは後回しにされた。)
– - “His financial troubles ended up on the back burner.”
(彼の金銭問題は後回しにされてしまった。)
– - “Don’t push your health on the back burner.”
- “Don’t put your health on the back burner.”
(自分の健康を後回しにするな。)
– - “They put the decision on the back burner.”
(彼らは決断を先送りにした。)
– - “She always leaves herself on the back burner.”
(彼女は常に自分のことは後回しにする。)
– - “I need to get them on the back burner until then.”
(それまでそのことを後回しにせねばならない。)
–
◆ 以上の説明は、”back burner” の名詞用法。
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他動詞と形容詞の用法もある。
これらも “informal” 扱いされているが、
ごく普通に使われている印象。
< 他動詞 「後回しにする」>
- “The planned event has been back-burnered.”
(予定されていた行事は後回しにされた。)
– - “When she tied the knot, she back-burnered her career.”
(彼女は結婚した時に、キャリアを後回しにした。)
– - “The project has to be backburnered.”
(そのプロジェクトは棚上げしなければならない。)
< 形容詞 >
- “Healthcare is a back-burner issue for the company.”
(その会社では健康管理は後回しになっている。)
※ ハイフンでつないだ「複合形容詞」
– - “She has a backburner relationship with him.”
(彼との交際は彼女にとって真剣なものではではない。)