大変革、大改造
組織の大規模な再編成時に頻出。
「組織替え」「大刷新」「大異動」とも訳す。
“shake-up” とハイフン入りの表記もあるが、
同じ内容を指す。
通常の異動と違い、既存体制を大きく揺るがす。
人事の場合、幹部をすげ替えるレベルの刷新。
【類似表現】 ※ 日常使用での区別はあいまい
- reshuffle (改造)
- reorganization (再編成)
- makeover (改造)
- restructuring (再構築)
新聞見出し(headlines)を飾った大企業や官公庁
の “shakeup” 事例は無数ある。
世間を騒がせた不祥事・スキャンダルの始末として
実施されたケースが多い。
組織内外に及ぶ影響と動揺は激しいため、関係者は
しばらく苦労するだろう。
◆ “shakeup”(=”shake-up”)は名詞のみ。
可算名詞なので、不定冠詞 “a” がつくのが基本。
名詞とはいえ、語源は自明だろう。すなわち、
激しく振り混ぜる(シェイク)、句動詞 “shake up”。
自他動詞 “shake”(揺れる、揺する)+
副詞 “up”(完全に)で、「完全に振り混ぜる」。
転じて、「動揺する」や「大きな改革をする」
も意味することに。
◆ この 副詞 “up” は「完全に」「すっかり」など
強意の副詞。
“open up“、”screw up“、”buckle up” と類似する。
句動詞「完全に振り混ぜる」→「大変革する」が
名詞化し、1語となった “shakeup”。
一部の辞書は、【話】【口語】 “informal” 扱い
する名詞だが、実際にはそうとも言えない。
印象的な字面と語感を伴い、見出しに映えるため、
現在は堅めのメディアにも好んで使われている。
◆ 例えば、経済誌 “Forbes” や “The Economist”、
そして高級紙とされる “The New York Time” や
“The Times” でも、しょっちゅう用いられている。
※ 「見出し」英語の解説は、ここが秀逸 ↓
英語ニュースの読み方(見出し編)RNN時事英語
「見出し」実例:
- “Cabinet Shakeup”(内閣改造)
- “White House Shakeup”(ホワイトハウス改造)
- “Royal Shakeup”(王室改革)
- “Palace Shakeup”(皇室改革)
- “Board Shakeup”(役員会の刷新)
◆ “shakeup” は「大規模」の要素を含むが、
さらに形容詞を重ねることもできる。
- “a major shakeup”
- “a big shakeup”
- “a radical shake-up”
- “a complete shakeup”
◆ 既記の通り、”shakeup” は可算名詞なので、
不定冠詞 “a” がつくのが基本。
- “a management shakeup”(経営陣の刷新)
- “a staff shakeup”(スタッフの刷新)
- “a personnel shakeup”(職員の刷新)
名詞に続く前置詞(~の)は、
“on”、”of”、”in” 中心。
◆ 表題では名詞を取り上げたが、
句動詞 “shake up” と一緒に覚えると効率的。
どちらも理解は難しくない。
語形変化: shake – shook – shaken
※「改革(する)」の用法では、過去形や
過去分詞はあまり出てこない。
“We need to shake up the political system.”
(政治体制を改革しなければならない。)
“This shakeup is long overdue.”
(この大改革を長年待ち望んできた。)
“We got a new leader after shakeup over accidents.”
(事故後の刷新で、新リーダーを迎えた。)
“I want to shake up this world.”
(世の中を改革したい。)
“He will shake up our team.”
(彼は我々のチームを改造するだろう。)
【関連表現】※ 人事関係
“short-staffed”
https://mickeyweb.info/archives/11925
(人手不足の)
“turn over”
https://mickeyweb.info/archives/4347
(引き継ぎ、引き継ぐ)
https://en.wikipedia.org/wiki/All_Shook_Up
プレスリーの1957年シングル “All Shook Up”。
邦題『恋にしびれて』。
直訳は「ひどく動揺した」。
※ “shook” は過去形、”all” は副詞。