Long overdue
2021/03/19
延び延びになっている、 遅すぎる
大づかみには、be動詞の直後に使われる場合と、
ハイフン入りで使われる場合に二分される。
どちらも「 2語ワンセット 」の形容詞。
使い方は単純で、意味も重なるので、
ここで両方覚えてしまおう。
–
◆ “overdue” は、形容詞のみ。
【発音】 òuvərdjúː
【音節】 o-ver-due (3音節)
–
語源は、
よって、直訳は「 満期を越えた 」。
ここから、
- 遅延した
- 機が熟した
- 支払い期限を過ぎた
- 出産予定の遅れた
を意味するようになった。
–
“overdue”
not done or happening when expected or
when needed; late.
( ケンブリッジ、CALD4 )
【発音】 òuvərdjúː
【音節】 o-ver-due (3音節)
–
◆ ” long ” には、形容詞・副詞・名詞がある。
【発音】 lɑ́ːŋ
【音節】 long (1音節)
–
語源は、古英語 “lang”(長い)。
全品詞の基本的意味は、「ロング」のイメージのまま。
まさに、語源に忠実。
すなわち、距離・時間・背丈 などが長いことを指す。
ここでは、形容詞 ” overdue ” を修飾する 副詞 で、
- 長く
- 長い間
◇ 以上より、”long overdue” の直訳は、
- 長く遅延した
- 長く機が熟した
- 長く支払い期限を過ぎた
- 長く出産予定の遅れた
前掲した4つに、副詞 ” long “(長く)を付け足したもの。
–
◇ 「 遅れて長びく 」ことなので、共通イメージは、
延び延びになった
形容詞 ” overdue ” の度合いを、
副詞 ” long ” で 強調 している。
–
つまり、この “long” は < 強意 > の役割を担う。 ※ 後述
–
◆ ハイフンなしの場合、「be動詞」直後に置くのが基本パターン。
” overdue ” が、形容詞 だからである。
その理由は、”aware”、”vocal about”、”conclusive” で詳述した。
※ 「be動詞」とは、be / am / was / been / will be / is / were / are
–
◆ ハイフンありの場合も、意味はほぼ共通だが、
大半が名詞を飾り、その対象への期待が前面に出る。
–
“long-overdue”
Having been expected or needed for a long time.
https://www.lexico.com/en/definition/long-overdue
–
2語以上の語が他の語を修飾する場合、
その2語以上の語を合わせて「 複合修飾語 」
(compound modifier)と呼ぶ。
特に、修飾される語が名詞の場合が、
「 複合形容詞 」(
–
【例】
“laid-back“、 ”unheard-of“、 ”fill
“self-explanatory“、 ”
“well-established“、 ”well-done“、”so-called“、”go-to”、
”unhea
”shell-shocked”、”self-inflicted“、”hassle-free”
※ 複合名詞 (compound nouns) 兼用も含む
–
◆ “long due” が「延び延びになっている」様子を
表すのはもちろんだが、ポイントはそこにはない。
◇ 先述の通り、形容詞 ” overdue ” に、副詞 ” long ” を
追加することで、次のようなニュアンスが強化される。
-
とっくに過ぎている !
-
遅すぎ !
-
長すぎ !
-
首を長くして待っていた !
-
しびれを切らしていた !
◆ 同義語扱いされる、
- 形容詞 ” late ” ( 遅い )
- 形容詞 ” belated ” ( 遅ればせながらの )
- 副詞 ” behind” ( 遅れて )
これらは、< 遅れた状態 > を客観的に示すだけ。
◆ 一方、 ” long overdue ” は、遅れた様子の描写に加えて、
イライラしたじれったさ 満載。
そのため、恨みがましく、ネガティブ に聞こえがちである。
仕事 遅すぎ–
–
◆ その反面、
長年待望した成果を収めた時も
” long overdue ” を用いることがある。
- やったぜ !
- ようやく、チャンス到来 !
- 長い間、待ったかいがある !
- よくがんばった !
- ありがとう !
–
どれも大きな <喜び> であり、ネガティブ感情を払拭している。
文脈をよく読み込まないと、誤解しかねない。
–
◆ 繰り返すと、副詞 “long”(長く、長い間)は、
< 強意 > の役割を兼ね備える。
副詞 “long” を伴う、同様の形容詞の代表格がこちら。
- long-awaited (待ち望んでいた)
- long-lasting (長持ちする)
- long-outstanding (長い間懸案となっている)
片や、単純な「 長い 」の “long” と考えられるのは、
- long-lived (長寿の、永続する)
- long-lost (長い間行方不明の、長らく会っていない)
- long-running (ロングランの、長く続く)
- long-serving (永年勤続の)
–
◆ プライベート と ビジネスから、使用場面を見てみたい。
ポジネガどっちの意味合いをもつか、すぐ判別できるだろうか。
–
< プライベート >
- “You are long overdue for a medical check-up.”
(あなたの健康診断が延び延びになっている。)
– - “Seeing your smile is long overdue.”
(やっとあなたの笑顔が見られたよ。)
– - “I haven’t eaten out for years. I’m long overdue.”
(もう何年も外食してなくて、しびれを切らしてる。)
– - “My rent is long overdue.”
(家賃を長い間支払っていない)。
– - “My rental DVDs are long overdue.”
(DVDを長い間返却していない。)(長く延滞している。)
–
< ビジネス >
- “His company gets some long-overdue investigations.”
(彼の会社に遅ればせながら調査が入った。)
– - “We are long overdue for a change.”
(変化を長年待ち望んできた。)
– - “We finally implemented a long-overdue plan.”
(長年の懸案となっていた計画をようやく遂行した。)
– - “This shakeup is long overdue.”
(この大改革を長年待ち望んできた。)
– - “Employees described the raise as long overdue.”
(従業員は今回の昇給を待ちかねていたと評した。)
– - “This disk is long overdue for a scan.”
(このディスクは長いことスキャンされていない。)
–
【類似表現】
- ” a long time coming ” ※ 形容詞句
https://mickeyweb.info/archives/18440
(長い時間がかかった)
– - ” procrastinate ”
https://mickeyweb.info/archives/27880
(ぐずぐずする、先延ばしする)