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Not an option

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その選択肢はない  

That is not an option here.
(そんなのだめだ。)

言下に否定する物言い。
有無を言わせない勢い。

ビジネス会議でも耳にする。

荒い語気から推知されるように、
反発・反感・軽蔑を帯びていることが多い。

<本音>はこんな感じ。

つまり、愚かで的外れとみなして使っている。
言われた側は気分よくないはず。

◆ “option” には、名詞と他動詞がある。
語源は、ラテン語「選ぶ」(optīo)。

可算名詞を中心とするため、不定冠詞 “an” を
つけるのが原則。

  • 可算名詞
    選択」「選択の自由」「オプション品
  • 不可算名詞
    「住民投票」※ 可算名詞にもなる
  • 他動詞
    「オプションを得る・与える」 【例】 映画化、出版化
    「オプション品を取りつける」 【例】 車、コンピュータ

以上の基本的意味からも、日常的には可算名詞が中心
となることが分かる。

表題でも “an” つきの可算名詞で、基本そのもの。
意味は「選択」または「選択肢」。

「選択肢」

1. 一定の質問に対する回答の候補として
用意された複数の回答の一組で、回答者が
そのうちの一つを選ぶようにつくられているもの。

2. 行動や条件などについて自ら選ぶことが
できる
複数個のケース。

(精選版 日本国語大辞典)

not an option” の場合、2の語釈が該当

◆ 類語名詞には “choice” が筆頭に挙がる。

【発音】    tʃɔɪs

“option” 同様、可算と不可算を兼ねる。
自分の自由意志(free will)に基づいて、
2つ以上から選ぶことを主眼とする常用語。

入念に選ぶことを表す “selection” より、
選択範囲が狭いことが多い(ジーニアス英和大辞典)。

“option”

a choice you can make in a particular
situation.

(ロングマン、LDOCE6)

※ 下線は引用者

【発音】    ɑ́pʃən


◆ “an option” を副詞 “not”(~でない)
で否定するのが、表題 “not an option”。

直訳は「選択ではない」または「選択肢ではない」。

これでは意味をなさないので、通常は「be動詞」に続く。
すなわち、be、am、was、been、will be、is、were、are 。

副詞 “not” は、be動詞の直後が原則。
※ 命令形は異なる

また、”not” の射程に従い、
文否定」と「語否定」に分かれる。

 【参照】

・ “It’s no joke.(冗談ではない)
・ “no need” (不要です)
・ “not a fan (あまり好きではない)
No strings attached.” (条件なしで)

表題 “not an option” では、文否定が普通で、
否定の度合いが強い。

この表現では、縮約形 “n’t ” ではなく、
“not” と明示する のが一般的。

なぜなら、”not” こそ主役であり、
アクセントと意義を置くべき単語だから。

たとえ文法的に問題なくても、文脈上、
省くわけにはいかない印象。

◆ 一例として、冒頭のむげない言葉を取り上げる。

その場の状況にもよるが、この内容であれば、
力を込めるべきは太字。これが最も自然。

ネガティブな意味合いが文全体を貫く文否定

真っ向から否定する様子。
先述の<本音>を思い出す。

と縮約形を用いても、間違いではない。
だが迫力は劣る。
発声してみると分かりやすい。

◆ 次の6文の下線部を、その縮約形 “isn’t
に置き換えて、違いを感じ取っていただければと思う。

大意は変わらなくても、ニュアンスに差が出る。

この微差がつかめれば、英語学習者として、
なかなか語感が鋭いと考えられる。

 

【関連表現】

  • leave one’s options open
  • keep one’s options open

to wait before making a decision.
(ロングマン、LDOCE6)

選択を保留すること。
「態度保留」を示す。
“one’s” には、所有格。

人称代名詞の所有格は、
my / your / his / her / their / our 。

 

 

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