プロ翻訳者の単語帳

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Elaborate

      2021/04/30

詳しく述べる 

  •  Would you elaborate on that ?
    ( それについて、詳しくご説明いただけますか。)
  •  Could you elaborate on that ?
    ( それについて、詳しくご説明していただくことはできますか。)


◆  “elaborate” といえば、形容詞「 入念な 」。

英語学習者は、この形容詞から学ぶのが普通。

ところが、ビジネスでは 動詞 で使う 機会が多い。

形容詞だけしか知らないと、冒頭の問いに戸惑うこと必至。


◆  これらは、質疑応答 の 型質問 で、

さらなる 説明を求める際の 決まり文句


同じく頻出の質問文である、

と併せて、押さえておくとよいだろう。

◆  形容詞の意味からかけ離れており、
推測不可能な動詞 ” elaborate “。

きちんと学ばない限り、おそらく意味不明のまま。

ここで、しっかり覚えてしまおう。

□  発音と音節

音節」(syllable、シラブル)とは、発音の最小単位。

→  「音声」「音節詳細と比較、” integrity ” 参照

  •  形容詞   ” elaborate
    イ  ボレット   / ilǽbərət /
    【音節】  e-lab-o-rate  (4音節)
  •  動詞   ” elaborate
    ボレイト   / ilǽbərèit
    /
    【音節】  e-lab-o-rate  (4音節)

  •  副詞   ” elaborately
    ボレットリ   / ilǽbərətli /
    【音節】  e-lab-o-rate-ly  (5音節)
    →  入念に、綿密に
  • 名詞   ” elaboration
    イラボ  レイ ション   / ilæ̀bəréiʃən /
    【音節】   e-lab-o-ra-tion  (5音節)

    →  練り上げ、推敲、詳述
    ※  可算・不可算名詞 兼用


語源は、ラテン語「 努力する 」(ēlabōrātus)。

labor ” (労働)も、ラテン語由来。

” e labor ate ” に、丸ごと含まれている。

  • 接頭辞  ” e ” ( ラテン語起源の子音の前、強意 )
  • 名詞  ” labor ” ( 労働 )
  • 接尾辞  ” ate ” ( ラテン語系の形容詞語尾、  ~ に満ちた )


「 労働に満ちた 」 → 「 苦心して作る 」

□  “elaborate” の共通イメージ

とても丁寧に、丹念に、手塩にかけて、
労を惜しまない様子




◆  品詞 ” elaborate ” には、形容詞・他動詞・自動詞がある。

–  形容詞 「入念な」「手の込んだ」「複雑な」
–  他動詞 「念入りに仕上げる」「詳しく述べる」
–  自動詞 「詳しく述べる」

どれも「 苦心 」を凝らした跡が感じられる。

語源通りである。

□  重要度・頻出度

LDOCE6(ロングマン)の表記によれば、
“elaborate” の場合、形容詞の方が重要。

表題の動詞用法より、形容詞が重視される
根拠の一つとなる。

■  形容詞  “elaborate”

重要度:<3001~6000語以内>

書き言葉の頻出度:3000語圏外
話し言葉の頻出度:3000語圏外

【発音】   ilǽbərət
【音節】   e-labo-rate  (4音節)

■  自動詞 ・他動詞 “elaborate”

重要度:9000語圏外
書き言葉の頻出度:3000語圏外
話し言葉の頻出度:3000語圏外

【発音】   ilǽbərèit
【音節】   e-labo-rate  (4音節)


◆  形容詞 ” elaborate ” が優位であるとしても、
ビジネスでは動詞が目立つ。

そもそも、一般的なビジネス実務はスピード重視であり、
必要以上に凝るのは ご法度 とされたりする。

とすれば、形容詞 “elaborate” の出番はそう多くはない。

◆  よって、本稿では動詞中心に取り上げる。

” elaborate “

to give more details or new information
about 
something.
(ロングマン、LDOCE6)

<参考和訳>  詳細や新たな情報を与えること。

【発音】   ilǽbərèit
【音節】   e-labo-rate  (4音節)

シンプルな語釈である。形容詞よりも、単純な意味合い。

「自動詞」と「他動詞」の両方で使える。

動詞 ” elaborate ” の場合、冒頭の2文が代表的な用途。

これだけ覚えておけば、基本はOK。

2文とも 自動詞である。

◆  それでは、2文を見ていこう。

–  Would you elaborate on that ?
–  Could you elaborate on that ?

まずは、” would you ” と ” could you ” の使い分け。

カジュアル会話では、相当ごっちゃで使われている感触。

助動詞 ” can ” と  ” may ” も同様。

ところが、格別にフォーマルなビジネス用途と
正式な文面上では、気を配る必要がある。

■  ” Would you ”  =  していただけますか

条件的には、 実行可能であることを前提 に、
実行の可否を相手に問う。

相手の能力・立場・時間・場所・資力、その他
状況から普通に考えれば、実行可能 ということ。

聞き手は、あらゆる条件を現実的に把握した上で、
相手にお願い( 要求 )している。

あとは、ご本人の意思次第。

  ” Could you ”  =  していただくことはできますか

条件的に、実行可能かは未知数。

本人の「 能力面 」などを含めて、実行可能かどうか
を確認している。

殊に、相手の「能力」に対する 不安 が残る時に用いる。

したがって、あらゆる状況を把握した上で
お願いする ” would ” に比べ、 疑ってかかる
ニュアンスを帯び、時に失礼になりかねない。

  さらに、” Can you – ” の場合、

もっと露骨に「 能力面 」に焦点を当てて
いる印象で、なおさら 誤解を招きやすい

  •   り方、知ってます ? 
  •   あなたに、できる ? 
  •   本当に、できんの ? 

こんな風に、無作法に受け取られる危険も。

” Can you –  ? ” と質したところ、
” Yes, I can. “(はい、できます。)と短く応じて、
ぷいと退席されてしまった例も耳にする。


◆  なにしろ、助動詞 ” can “(過去形 could)の語源は、
古英語「 やり方を知っている 」( cunnan )で、
“know”(知っている)が原義。

ドイツ語の助動詞  ” können “(できる)と同語源。

そのため、

■  英語で話せますか ? 」であれば、
” Can ”
よりは、” Do you –  ? 
が好ましいのは、同じ理屈


 ” Can you speak English ?

——( 英語の 話し方を知っていますか。)

  “ Do you speak English ?
——( 英語を話しますか。)

 

以上の事情を理解すれば、” Can you – ? ” で憤然と
立ち去った 相手の心情を推察することができるはず。

ごく日常的な使い方であれば、さして問題にならない
ものの、相手が目上のケースや真剣なビジネス場面では、
注意を要する。


◆  それでも、”Could you” は公私不問で多用されている。

むしろ、” Could you ” は丁寧な言葉遣い。

これまで述べてきたことは、
” Would you ” とあえて比較した際の細かい視点

大学院以上の教育を受けた英語ネイティブでも、
差異を即答するのは難しいほどの論点である。

私たち日本人学習者にとって、「助動詞」は鬼門のひとつ。

◆  以下、”Could you update me on – ? ” より再掲。

  Could you –  ? 

丁寧な依頼表現
「 ~ していただけますでしょうか 」。

文法的には、「 もし 仮に  頼んだら ~ していただけますか 」
との仮定法 subjunctive mood、後述 )に基づく。

まだ「この人に頼むぞ!」と決心していない。  ←  これが「現実」

仮定法 “could you” とは、

  遠慮がちに 
「 もし  仮に  頼んだら … やってくれますか

と  仮定しつつ お伺い を立てる流れ  

すべてが 仮の想定 に過ぎない。  ←  「現実」ではない

仮の設定なので「仮定法」。

正式な要請でないゆえ、受け手にとって気が楽。

「 やってください 」に比べ、”No.” と断りやすい。

プレッシャーを与えない面で、配慮のある尋ね方。

だから「仮定法」は、丁寧な依頼表現

仮定法の「問い」なので、疑問符「?」で閉じる。

◇  詳細は、” Could you update me on – ?  ” 


◆  上記の記事では、命令調に聞こえがち(「 半命令形 」)な
Please ” に比べて無難である点を詳説している。

「 していただくことは できますか 」の方が的確な和訳ではある。

しかし、普段遣いでは厳密に区別する必要性は低いため、
「 していただけますでしょうか 」でも、ほぼほぼ問題ない。


◆  “on” は、関連の前置詞「〜について」。

” elaborate upon ” とも言う。

” about ” でも正しいが、“on” が圧倒的に多用される印象。

ここではすべて前置詞。

原則として、

前置詞 ” on “、” upon “、” about ” を直後に伴う
” elaborate ” は、自動詞

自動詞(intransitive verb)は、自己完結の動作を表す。

すなわち、目的語がなくても、意味が完結する。

目的語 がない代わりに、前置詞 を使う場合が多い。

【参考】    ※  外部サイト

自動詞と他動詞の違いをイラストで説明
動詞の直後に前置詞や副詞が続くのは自動詞


さらなる 突っ込み

 

  • “Could you elaborate on what you just said ?
    (今、おっしゃったことについて、
    ご説明いただくことはできますか。)
    ※  少々ぶしつけで、緊張感が漂う
  • “Would you elaborate on their suggestion ?
    (彼らの提案について、ご説明いただけますか。)
  • “She declined to elaborate any further.”
    (彼女はそれ以上説明することを拒んだ。)
    ※  “any” は強意の形容詞

  • “Would you mind elaborating on what you mean ?
    (おっしゃる意味をご説明いただけますか。)
  • “I will be happy to elaborate.”
    (よろしければ、詳細にご説明いたします。)
  • “Police refused to elaborate on the crime.”
    (警察はその犯行の詳述を拒否した。)
  • “The teacher did not elaborate on the spike in violations.”
    (その教師は違反が急上昇したことについて、詳しく触れなかった。)
  • “Police did not elaborate.”
    (警察は詳述しなかった。)

 

 

 

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