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Elaborate

      2022/05/20

・ Estimated Read Time ( 推定読了時間 ): 7 minutes

詳しく述べる 

  •  Would you elaborate on that ?
    ( それについて、詳しくご説明いただけますか。)
  •  Could you elaborate on that ?
    ( それについて、詳しくご説明していただくことはできますか。)


◆  “elaborate” といえば、形容詞「 入念な 」。

英語学習者は、この形容詞から学ぶのが普通。

ところが、ビジネスでは 動詞 で使う 機会が多い。

形容詞だけしか知らないと、冒頭の問いに戸惑うこと必至。


◆  これらは、質疑応答 の 型質問 で、

さらなる 説明を求める際の 決まり文句


同じく頻出の質問文である、

と併せて、押さえておくとよいだろう。

◆  形容詞の意味からかけ離れており、
推測不可能な動詞  ” elaborate “。

きちんと学ばない限り、 おそらく意味不明のまま。

ここで、しっかり覚えてしまおう。

  発音と音節

音節 」( syllable、シラブル )とは、発音の最小単位。

日英の「 発音 」と「 音節 」 については、” integrity ” で深掘りした。

  •  形容詞   ” elaborate
    イ  ボレット   / ilǽbərət /
    【音節】  e-lab-o-rate  (4音節)
  •  動詞   ” elaborate
    ボレイト   / ilǽbərèit
    /
    【音節】  e-lab-o-rate  (4音節)

  •  副詞   ” elaborately
    ボレットリ   / ilǽbərətli /
    【音節】  e-lab-o-rate-ly  (5音節)
    →  入念に、綿密に
  • 名詞   ” elaboration
    イラボ  レイ ション   / ilæ̀bəréiʃən /
    【音節】   e-lab-o-ra-tion  (5音節)

    →  練り上げ、推敲、詳述
    ※  可算・不可算名詞 兼用


elaborate ”  の語源は、ラテン語 「 努力する 」( ēlabōrātus )。

labor ” (労働)の由来も、ラテン語「 労働 」( labor )。

” e labor ate ” に、 丸ごと含まれている。

  • 接頭辞  ” e ” ( ラテン語起源の子音の前、強意 )
  • 名詞  ” labor ” ( ラテン語 「 労働 」そのまま )
  • 接尾辞  ” ate ” ( ラテン語系の形容詞語尾、  ~ に満ちた )


「 労働に満ちた 」  →  「 苦心して作る 」

  ” elaborate ” の共通イメージ

とても丁寧に、丹念に、手塩にかけて、
労を惜しまない様子



◆  品詞  ” elaborate ”  には、形容詞・他動詞・自動詞がある。

–  形容詞 「 入念な 」「 手の込んだ 」「 複雑な 」
–  他動詞 「 念入りに仕上げる 」「 詳しく述べる 」
–  自動詞 「 詳しく述べる 」

どれも「 苦心 」を凝らした跡が感じられる。

語源通りである。

  重要度・頻出度

LDOCE6( ロングマン )の表記によれば、
” elaborate ” の場合、 形容詞の方が重要。

表題の動詞用法より、形容詞が重視される
根拠の一つとなる。

形容詞  “ elaborate ”

重要度:<3001~6000語以内>

書き言葉の頻出度:3000語圏外
話し言葉の頻出度:3000語圏外

【発音】   ilǽbərət
【音節】   e-labo-rate  (4音節)

自動詞 ・他動詞  “ elaborate ”

重要度:9000語圏外
書き言葉の頻出度:3000語圏外
話し言葉の頻出度:3000語圏外

【発音】   ilǽbərèit
【音節】   e-labo-rate  (4音節)


◆  形容詞  ” elaborate ” が優位であるとしても、
ビジネスでは動詞が目立つ。

そもそも、一般的なビジネス実務は、スピード重視であり、
必要以上に凝るのは ご法度 とされたりする。

とすれば、形容詞 ” elaborate ” の出番は、そう多くはないかも。

◆  よって、本稿では動詞中心に取り上げる。

elaborate

to give more details or new information
about 
something.
( ロングマン、LDOCE6 )

< 参考和訳 >  詳細や新たな情報を与えること。

【発音】   ilǽbərèit
【音節】   e-labo-rate  (4音節)


シンプルな語釈である。

形容詞よりも、単純な意味合い。

「 自動詞 」と「 他動詞 」の両方で使える。

動詞 ” elaborate ” の場合、 冒頭の2文が代表的な用途。

これだけ覚えておけば、基本はOK。

2文とも 自動詞である。

◆  それでは、2文を見ていこう。

–  Would you elaborate on that ?
–  Could you elaborate on that ?

まずは、” would you ” と ” could you ” の使い分け。

カジュアル会話では、結構ごっちゃで使われている感触。

助動詞( auxiliary  verb ) の ” can ” と  ” may ” も同様。

ところが、格別にフォーマルなビジネス用途と
正式な文面上では、気を配る必要がある。

  ” Would you ”  =  していただけますか

条件的には、 実行可能であることを前提 に、
実行の可否を相手に問う。

相手の能力・立場・時間・場所・資力、その他
状況から普通に考えれば、実行可能 ということ。

聞き手は、あらゆる条件を現実的に把握した上で、
相手にお願い( 要求 )している。

あとは、 ご本人の 「 意思 」 次第。

要は、「 やる意思 」 があるかを主に尋ねている。

  ” Could you ”  =  していただくことはできますか

条件的に、 実行可能かは未知数。

本人の「 能力面 」などを含めて、実行可能かどうか
を確認している。

殊に、相手の「 能力 」に対する 不安 が残る時に用いる。

したがって、あらゆる状況を把握した上で
お願いする ” would ” に比べ、 疑ってかかる
ニュアンスを帯び、時に失礼になりかねない。

  さらに、” Can you – ” の場合、

もっと露骨に「 能力面 」に焦点を当てて
いる印象で、なおさら 誤解を招きやすい


  •   り方、知ってます ? 
  •   あんたに、できる ? 
  •   本当に、できんの ? 


こんな風に、失敬に受け取られる危険も。

”  Can you –  ?  ” と質したところ、
”  Yes,  I can. “( はい、できます。) と短く応じた後、
ぷいと 退席 されてしまった話も耳にする。


◆  なにしろ、助動詞  ” can “( 過去形 could ) の語源は、
古英語 「 やり方を知っている 」( cunnan ) で、
” know “(知っている)が原義。

ドイツ語の助動詞  ” können “( できる )と同語源。

そのため、

英語で話せますか ? 」であれば、
” Can ” よりは、” Do you –  ? 
が望ましいのは、同じ理屈


 ” Can you speak English ?

——( 英語の 話し方を知っていますか。)

  “ Do you speak English ?
——( 英語を話しますか。)

以上の事情を理解すれば、” Can you – ? ” で憤然と
立ち去った 相手の心情を推察することができるはず。

ごく日常的な使用場面であれば、さして問題にならない
ものの、相手が目上のケースや真剣なビジネスシーンでは、
注意を要する。

 

【参考】    ※  外部サイト



◆  それでも、” Could you ” は公私不問で多用されている。

むしろ、” Could you ” は 丁寧な言葉遣い。

これまで述べてきたことは、
” Would you ” とあえて比較した際の 細かい視点

『 ジーニアス英和大辞典 』では、” Could you ”  の方が、
「  ” Would you … ? ” よりも丁寧  」 と明記する。



ジーニアス英和大辞典 』
大修館書店、2001年刊 ( アプリ版 )
…  “ could ”  の語釈より
<大修館書店HP>


とはいえ、 大学院以上の教育を受けた英語ネイティブでも、
差異を即答しかねる水準の  難解な論点 であり、 実際には
必ずしもこう断定できない  ところが悩ましい。

理論上はそうであっても、 運用上はそうなっていない事例
の少なくないのが、 言語の世界。

高い素養を積んだ、立派な学者が手掛けた説であっても、
世間一般の人々の使い方と一致しないことは珍しくない。

素人が束になれば、 プロを負かす可能性の生じる分野。

なんやかんやと言っても、 大衆の影響力はすさまじい。

【参照】  ” threshold( 敷居が高い )”

明確な 線引き  が困難だからこそ、 論点になるわけである。

私たち日本人学習者にとって、「 助動詞 」は鬼門のひとつ。

※  (1)coudn’t you … ?
→  有名どころの電子辞書やアプリにも、 スペル誤りは案外見かける


 

◆  以下、” Could you update me on – ?  ”  より再掲。

  Could you –  ? 

丁寧な依頼表現
「 ~ していただけますでしょうか 」。

文法的には、「 もし 仮に  頼んだら ~ していただけますか 」
との仮定法 subjunctive mood、後述 )に基づく。

この用法の  ” could ” の典型的な説明は、

助動詞  ” can ” の  仮定法過去( subjunctive past )
で、
依頼・提案・許可・勧告  に用いる 婉曲的 な表現


日本が誇る、次の名だたる英和「 大辞典 」をまとめたもの。

・ 『 ランダムハウス英和大辞典 第2版
・ 『 研究社 新英和大辞典 第6版
・ 『 ジーニアス英和大辞典

婉曲( えんきょく )とは、 直接的で無作法な露骨さを避け、
感情をむき出しにせず、 穏やかに柔らかく遠回しに表現すること。

【発音】  kúd
【音節】  could (1音節)

まだ「 この人に頼むぞ 」とは決心していない。  ←  これが「 現実 」

仮定法  ” could you ” とは、

  遠慮がちに 
「 もし  仮に  頼んだら … やってくれますか

と  仮定しつつ お伺い を立てる流れ  


すべてが 仮の想定 に過ぎない。  ←  「 現実 」ではない

仮の設定 なので、 「 仮定法 」。

 

◆  「 仮定法 」では、  なぜ「 過去形 」( past )なのか。

なんで、 現在形  ” can ” でなく、  過去形  ” could ” なんだ。

私たち日本人学習者には、 理解しがたい。

実は、 英語の 「 過去形 」 は「 時間 」の隔たり  以外にも、

「 現実 」からの隔たり


を表すことができる。

これが、 英語の「 過去形 」の特色。

つまり、「 現実 」から遠い  →  「 過去形 」。

 

仮定法

仮の想定

「 現実 」ではない

「 現実から遠い 」

「 過去形 」

 


◆  文法用語では、前掲の通り、 仮定法過去( subjunctive past )

「 過去形 」 を借りて、「 現実離れ 」 した 「 仮定 」を描写。

仮の設定 である「 仮定法 」 を描くための 「 過去形 」 なので、
仮定法過去

現在形  ” can ” だと、 現実の話なのか、 すぐには分からない。

これでは、 混乱してしまう。

そこで、「 時間離れ 」 と同様の考え方を取り入れた。

「 現在 → 過去 」 「 現実 → 仮想 」 にも当てはめた感じ。

「 時間離れ 」 も 「 現実離れ 」 も、「 過去形 」を採用。

「 現実世界 」 から容易に区別できるように、「 現在形 」を排斥。

過去形  ” could ”  のおかげで、 仮の想定 >  とすぐ分かる。

助動詞  ” could ”  を見聞きした途端、
「 現実 」 でも 「 現在 」 でもないことが、 反射的に分かる。


◆  正式な 要請 でなく、「 仮 」ゆえ、 受け手にとって気が楽。

「 やってください 」に比べ、 ” No. ” と断りやすい。

どうせ 「 仮 」  …    まあ とりあえず、 断っても いいよね  …

プレッシャーを与えない面で、 配慮のある尋ね方。

だから「 仮定法 」は、 丁寧で婉曲的な依頼表現

仮定法の「 問い 」なので、 疑問符「 」で閉じる。

◇  詳細は、” Could you update me on – ?  ” 

 


 

◆  上記の記事では、命令調に聞こえがち(半命令形)な
Please ” に比べて無難である点を詳説している。

意図せずして、命令調になってしまい、不遜に響く 「 半命令形 」
については、 ” Please advise. ”  でも触れた。

「 していただくことは できますか 」の方が的確な和訳であろう。

しかし、普段遣いでは厳密に区別する必要性は低いため、
「 していただけますでしょうか 」でも、ほぼ問題ない。


◆  “ on ” は、関連の前置詞「 〜 について 」。

” elaborate upon ” とも言う。

about ” でも正しいが、” on ” が多用される印象。

ここではすべて前置詞。

【参照】

・  ” Please give me feedback on – ”
・  ” Could you update me on – ? ”

 

◆  原則として、

前置詞 ” on “、” upon “、” about ” を直後に伴う
” elaborate ” は、自動詞

自動詞( intransitive verb )は、自己完結の動作 を表す。

すなわち、目的語がなくても、意味が完結する。

目的語 がない代わりに、前置詞 を使う場合が多い。

【参考】    ※  外部サイト

自動詞と他動詞の違いをイラストで説明
動詞の直後に前置詞や副詞が続くのは自動詞



▼ さらなる 突っ込み ▼

 

  • “Could you elaborate on what you just said ?
    (今、おっしゃったことについて、
    ご説明いただくことはできますか。)
    ※  ややぶしつけで、緊張感が漂う
  • “Would you elaborate on their suggestion ?
    (彼らの提案について、ご説明いただけますか。)
  • “She declined to elaborate any further.”
    (彼女はそれ以上説明することを拒んだ。)
    ※  “any” は強意の形容詞

  • “Would you mind elaborating on what you mean ?
    (おっしゃる意味をご説明いただけますか。)
  • “I will be happy to elaborate.”
    (よろしければ、詳細にご説明いたします。)
  • “Police refused to elaborate on the crime.”
    (警察はその犯行の詳述を拒否した。)
  • “The teacher did not elaborate on the spike in violations.”
    (その教師は違反が急上昇したことについて、詳しく触れなかった。)
  • “Police did not elaborate.”
    (警察は詳述しなかった。)

 

 

【参考】    ※  外部サイト

Will you ~ ”  は命令

と言ってもいいほど きつい表現

数年前に, 私は日本人の中学生向けの英語教科書を校閲した。

初級の教科書であったから使用できる語彙や文型が厳しく制限されており,
不自然な表現が若干あった。

( 中略 )

私が不満を感じたのは, 人に物事を依頼するための表現だけであった。

それは
“ Will you open the window ? ”,
“ Will you give me your pen ? ”   などのような,
Will you  ~ ”  で始まる依頼文であった。

私はこの教科書で英語を勉強した中学生が将来,
科学者になって外国にいる研究者に電子メールを送って,
Will you send me a preprint of your paper ? ”
と頼んでいるのを想像して,ぞっとしたのである。

( 中略 )

Will you  ~ ”  は命令と言ってもいいほどきつい表現である。

親しい間柄では使うことがあるが, それもインフォーマルな場面に限る。
知らない人に対して, または目上の人に対して用いるべき表現ではない。

( 中略 )

一概にはいえないが, 次のように「 ひじょうに親しい友達 」から
「 まったく知らない人 」まで, いくつかのパターンがある。

  •  Send me a preprint of your paper.
  •  Will you send me a preprint of your paper?
    この両方は命令調であるから, 要注意
  • Please send me a preprint of your paper.
  •  Send me a preprint of your paper,  please.
    Please を使ってもまだ命令に近い
  •  Could you send me a preprint of your paper?
    Could で始まると Will より丁寧になる
  •  I was wondering if you could send me a preprint of your paper.
    ( かなり丁寧な表現 )

最後の表現は,いろいろなフォーマルな場面で使えるから覚えておこう。


トム・ガリー / Tom Gally  ( 東京大学大学院教授 )

https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/story/newsletter/english/11.html


※  引用者により、 改行・色・太字・ハイライトは調整済み

 

 

 

 

 

 

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