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Elaborate

      2019/09/03

詳しく述べる 

  • Would you elaborate on that ?
    (それについて、詳しくご説明いただけますか。)
  • Could you elaborate on that ?
    (それについて、詳しくご説明していただくことはできますか。)

“elaborate” といえば、形容詞「入念な」。
英語学習者は、この形容詞から学ぶのが普通。

ところが、ビジネスでは動詞で使う機会が多い。

形容詞だけしか知らないと、冒頭の問いに
戸惑うこと必至。

これは質疑応答の型質問で、

さらなる説明を求める際の決まり文句。

同じく頻出の質問文である、
Would you clarify – ” と併せて、
押さえておくとよいだろう。

◆ 形容詞の意味からかけ離れており、
推測不可能な動詞 “elaborate”。

きちんと学ばない限り、おそらく
意味不明のまま。

ここで、しっかり覚えてしまおう。

◆ 発音の違い (クリック)

  • 形容詞 “elaborate
    レッilǽbərət
  • 動詞 “elaborate
    レイilǽbərèit

  • 副詞 “elaborately
    レットリilǽbərətli
    → 入念に、綿密に
  • 名詞 “elaboration
    イラボレイションilæ̀bəréiʃən
    → 練り上げ、推敲、詳述
    ※ 可算・不可算名詞 兼用

◆ 語源

ラテン語「努力する」(ēlabōrātus)。

“labor”(労働)も、ラテン語由来。
“elaborate” に、丸ごと含まれている。

  • 接頭辞 “e” (ラテン語起源の子音の前、強意)
  • 名詞 “labor” (労働)
  • 接尾辞 “ate” (ラテン語系の形容詞語尾、~に満ちた)

「労働に満ちた」→「苦心して作る」。

  “elaborate” の共通イメージ
丁寧に、丹念に、手塩にかけて、
労を惜しまない様子

 



◆ 品詞 “elaborate” には、形容詞・他動詞・自動詞
がある。

– 形容詞「入念な」「手の込んだ」「複雑な」
– 他動詞「念入りに仕上げる」「詳しく述べる」
– 自動詞「詳しく述べる」

どれも「苦心」を凝らした跡が感じられる。
まさに語源通りである。

◆ 重要度・頻出度

LDOCE6(ロングマン)の表記によれば、
“elaborate” の場合、形容詞の方が重要。

表題の動詞用法より、形容詞が重視される
根拠の一つとなる。

形容詞 “elaborate”

重要度:<3001~6000語以内>

書き言葉の頻出度:3000語圏外
話し言葉の頻出度:3000語圏外
【発音】 ilǽbərət

自動詞・他動詞 “elaborate”

重要度:9000語圏外
書き言葉の頻出度:3000語圏外
話し言葉の頻出度:3000語圏外
【発音】 ilǽbərèit

◆ 形容詞 “elaborate” が優位であるとしても、
ビジネスではやはり動詞が目立つと私は考える。

そもそも、一般的なビジネス実務はスピード重視であり、
必要以上に凝るのはご法度とされたりする。

とすれば、形容詞 “elaborate” の出番はそう多くはない。

◆ よって、本稿では動詞中心に取り上げる。

“elaborate”

to give more details or new information
about 
something.
(ロングマン、LDOCE6)

【和訳】 詳細や新たな情報を与えること。

【発音】 ilǽbərèit

シンプルな語釈である。形容詞よりも、単純な意味合い。

「自動詞」と「他動詞」の両方で使える。

動詞 “elaborate” の場合、冒頭の2文が代表的な用途。

これだけ覚えておけば、基本はOK。
2文とも自動詞である。

◆ では、2文を見ていこう。

– Would you elaborate on that ?
– Could you elaborate on that ?

まずは、”would you” と “could you”
の使い分け。

カジュアル会話では、相当ごっちゃで使われている。

can” と “may” も同様。

ところが、格別にフォーマルなビジネス場面と
正式な文面上では、気を配る必要がある。

“Would you” = していただけますか

条件的には実行可能であることを前提に、
実行の可否を相手に問う。

相手の能力・立場・時間・場所・資力、その他
状況から普通に考えれば、実行可能ということ。

聞き手は、あらゆる条件を現実的に把握した上で、
相手にお願い(要求)している。

あとは、本人の意思次第。

“Could you” = していただくことはできますか

条件的に実行可能かは未知数。
本人の「能力面」などを含めて、実行可能かどうか
を確認している。

特に、相手の能力に対する不安が残る時に用いる。

したがって、あらゆる状況を把握した上で
お願いする “would” に比べ、疑ってかかる
ニュアンスを帯び、時に失礼になりかねない。

“Could you – ” と質したところ、
“Yes, I could.”(はい、できます。)と短く応じて、
ぷいと退席されてしまった例も耳にする。

Can you – ” の場合、もっと露骨に「能力面」に
焦点を当てている印象で、さらに誤解を招きやすい。

以上の事情を理解すれば、憤然と立ち去った相手の
心情を察することができるはず。

後に続く内容にかなり左右されるものの、
ビジネス用途では、要注意。

もしも迷ったら、”Would you” がベター。

◆ それでも、”Could you” は公私不問で多用されている。

むしろ、“Could you” は丁寧な言葉遣い。

これまで述べてきたことは、
“Would you” とあえて比較した際の細かい視点


以下、”Could you update me on – ? ” より再掲。

  Could you –  ? 

丁寧な依頼表現
「~していただけますでしょうか」。

文法的には、「もし仮に頼んだら~していただけますか」
との「仮定法」subjunctive mood、後述)に基づく。

まだ「この人に頼むぞ!」と決心していない。 これが「現実」

仮定法 “could you とは、

  遠慮がちに 
もし仮に頼んだら…やってくれますか

仮定しつつお伺いを立てる流れ  

すべてが 仮の想定 に過ぎない。 「現実」ではない

仮の設定なので「仮定法」。

正式な要請でないゆえ、受け手にとって気が楽。

「やってください」に比べ、”No.” と断りやすい。
プレッシャーを与えない面で、配慮のある尋ね方。

だから「仮定法」は、丁寧な依頼表現
仮定法の「問い」なので、疑問符「?」で閉じる。

※ 詳細は、”Could you update me on – ? ” 

上記の記事では、命令調に聞こえがちな ”Please” に比べて無難
である点を詳説している。

「していただくことはできますか」の方が的確な和訳ではある。

しかし、普段遣いでは厳密に区別する必要性は低いため、
「していただけますでしょうか」でも、ほぼ問題ない。


◆ “on” は、関連の前置詞「〜について」。

“elaborate upon” とも言う。
“about” でも正しいが、“on” が圧倒的。

ここではすべて前置詞。

前置詞 “on“、”upon“、”about” を直後に伴う
“elaborate” は、自動詞

自動詞(intransitive verb)は、自己完結の動作を表す。
すなわち、目的語がなくても、意味が完結する。
目的語がない代わりに、前置詞を使う場合が多い。

【参考】 ※ 外部サイト
自動詞と他動詞の違いをイラストで説明
動詞の直後に前置詞や副詞が続くのは自動詞

image.png

  • “Could you elaborate on what you just said ? ”
    (今、おっしゃったことについて、
    ご説明いただくことはできますか。)
    ※ 少々ぶしつけで、緊張感が漂う
  • “Would you elaborate on their suggestion ? ”
    (彼らの提案について、ご説明いただけますか。)
  • “She declined to elaborate any further.”
    (彼女はそれ以上説明することを拒んだ。)
    ※ “any” は強意の形容詞。

  • “Would you mind elaborating on what you mean ? ”
    (おっしゃる意味をご説明いただけますか。)
  • “I will be happy to elaborate.”
    (よろしければ、詳細にご説明いたします。)
  • “The police refused to elaborate on the crime.”
    (警察はその犯行の詳述を拒否した。)

 

 

 

 

 

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